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ミステリーラリー2019解決篇(その1) [趣味]

 8月15日8月27日の2回プラスアルファに分けてプレイした「ミステリーラリー」のイベント期間が今日で終わります。それで例によって、「解決篇」を書いておこうと思います。
 8館のミュージアムと、7つの駅に立ち寄らなければならない、大規模なイベントでした。なんとか一日で終わる「地下謎への招待状」「鉄道探偵」のシリーズに較べると、まさに夏休み向けの企画と言えるかもしれません。
 幸い、今回の問題では、行くべき場所についてははじめから明かされていたので、「挑戦記」のほうも当日回ったルートのままに書き連ねることができました。解決篇では、謎の答えについてだけ記せば良いことになり、ある程度コンパクトにまとまるのではないかと思います。
 去年のミステリーラリーは、主人公の青年が、謎めいた老コレクターの指示で、あちこちのミュージアムを探索して歩くという趣向でした。作家の原田マハが監修していたらしいのですが、ストーリーパートを原田氏が執筆したのか、もう少しぼんやりしたプランを示しただけなのか、それはよくわかりません。
 今年は鉄道探偵シリーズの制作をしているタカラッシュ!社がこちらも制作したようです。鉄道探偵シリーズは、Scrap社が制作している地下謎シリーズに較べるとストーリー性が高いのが特徴です。今回は若干ファンタジー調で、不思議なギャラリーに住みついている黒猫が、3人の人物のところに出没して謎解きをうながすというような物語になっていました。
 当然、ストーリーは3つあります。それぞれに、行くべきミュージアムと駅の名前が最初から示されていますが、どういう順序で訪ねても問題は無いように作られていました。
 第一のストーリーは、消息を絶ってしまった学生時代の親友と再会したがっている男の物語で、江戸東京博物館・現代美術館・近代美術館と、京橋駅・赤坂見附駅を訪ねる指示があります。
 第二のストーリーは、昔の夢を諦めて仕事に生きているキャリアウーマンの物語で、どうやら心にぽっかりと穴があいている様子。東京都美術館・写真美術館・国立新美術館と、二重橋駅・霞ヶ関駅を訪ねる指示があります。
 第三のストーリーは、突然自分の前を去ってしまった年上の恋人のふるまいに苦悩する若者の物語。西洋美術館・庭園美術館と、溜池山王駅・半蔵門駅・三越前駅を訪ねる指示があります。
 私たちはストーリーには委細構わず、メトロの路線のつながりかたで移動しやすいルートで謎を解いてゆきました。それぞれのストーリーが、順不同に少しずつ解明されてゆくのが、それはそれで面白かったと思います。場合によっては、実際にミュージアムや駅を訪ねる前に、そこの謎に関する予想がついてしまったということもありました。
 「解決篇」としては、ストーリーごとに節を分けて解決を示してゆくほうがわかりやすいでしょうが、私たちが実際に動いた順序に従って記すことにいたします。

 15日、まず最初に訪れたのは上野の2館、東京都美術館(トビカン)と西洋美術館です。第二のストーリーと第三のストーリーに関わるところです。
 トビカンでは、中に入って展示を観る必要がありました。各ミュージアムに2問ずつの謎が設定されているのですが、ここでの第1問は、地図の解読がメインでした。右のほうに、色とりどりの1~4の数字と、そこから出ている矢印が示されています。これはトビカンの中の展示室を表していました。そして、その左側に階段のような図形があり、いちばん下に×印が書かれています。
 向かって右側にある第一~第四展示室都は別に、左側に特別展示室があり、そこに入れということであったようです。特別展示では、伊庭靖子という画家の個展をやっていました。ふわりと置いた布の質感を写しとろうとした絵とか、窓の前にアクリルケースを置いてそのケースに映っているものごと外界を描いた絵とか、いずれにしろ非常に透明感のある感じの絵を描く人でした。
 展示はいくつかのフロアに分けられており、最下層に行って「42番」という絵を観ることを要求されます。そして、その絵に使われている色を「予想せよ」というのが問題でした。もっともそれだけでは微妙すぎると判断したのか、会場に置かれている図録の92ページを見れば答えが書いてあるとネタバレしています。
 まあ、そんなにわかりづらいということもありません。使われているのは緑とピンクでした。
 この答えが、第2問につながります。ずらずらと示された色とりどりの文字列のうち、第1問の答えである緑とピンクの文字を消して読めというのでした。館内の照明は薄暗い上にやや色がついていて、緑はともかくピンクの文字が判別しづらいきらいがありましたが、とりあえず出てきた文字は、「P3824」「MY SKY HOLE」「CHOKUHOUTAIB」「SEIMON」でした。SEIMONのところには門らしきイラストが描いてあります。そして、P3824とMY SKY HOLEのあいだに「?」と書かれていました。
 「正門」が示されているので、これはたぶんエントランスの前庭を表しており、他の文字列は前庭に展示されたオブジェのタイトルだろうと見当をつけました。正門を入ったところに置かれた大きな銀色の球には、確かに「MY SKY HOLE」というタイトルがついています。「P3824」というタイトルのオブジェもありました。正しくは「P3824 M君までの距離」で、実は去年のミステリーラリーで題材になっていた作品です。「CHOKUHOUTAIB」というのは「直方体B」でした。正しくは「三本の直方体B」
 そして、「?」の場所にあったのは、五十嵐晴夫作の「メビウスの立方体」でした。
 で、その下に、作品名10/11 5/11 作家名4/7 1/7と書かれたマスがあり、それとイコールで結ばれた空白の4マスが「こたえ」です。少し頭を働かせると、「メビウスノリッポウタイ」で11文字、「イガラシハルオ」で7文字なので、作品名11文字中の10文字目と5文字目、作家名7文字中の4文字目と1文字目を読めば良いことに気がつきます。つまり「タ・ノ」「シ・イ」となります。この問題、マダムのほうが先に解いていたのですが、そのドヤ顔たるや。
 この「たのしい」という言葉をwebサイトに送ると、キーワードが返されます。

  にすかし
  らよ

 という6文字でした。「コースクリア謎」という欄を見ると、4×3のマス目があり、その上に「東京都美術館手がかり」と書いてありました。1行目に「にすかし」、2行目の左半分に「らよ」と記入し、これでトビカンの謎は終わりとなります。

 次に西洋美術館です。第1問は、前庭にいくつも飾られているロダンの彫刻を題材にした問題で、正しいポーズの絵と間違ったポーズの絵が描かれています。その正しいポーズの絵どうしを線で結べ、という指示があります。引いた線は、どうやら西洋美術館の常設展示室の平面図らしき図形の上で交差します。その交点に平面図上で相当する場所へ向かえというわけです。
 特別展とごっちゃなチケット売り場のおかげでだいぶ時間を食いましたが、なんとか常設展示室へ。その交点の近くにある、リボンのついた額縁の絵を探せというところから第2問です。絵はすぐ見つかりました。マリー・ガブリエルという18世紀の女流画家の自画像でした。で、イラストや字がぎっしりと書かれた迷路が示されています。その迷路を、「彼女の職業を示すものだけを3つ通り、S(スタート)からG(ゴール)まで最短距離で進め」というのが謎の本体でした。「職業を示すもの」というのはイラストに描かれているものから選ぶわけです。女流画家の自画像ですから、職業は当然画家。絵筆・パレット・イーゼルが職業を示すものに相当します。その3つのイラストだけ通るように迷路を進むと、
 「せいさくねんおなじ数字がまじわるもじよめ」
 と文字が拾えます。
 自画像の制作年は1783年。迷路の上部に1~8の数字が、左側に8~1の数字が書かれており、それぞれ「1と1」「7と7」などが交わるところにある文字を拾ってみると、「ひまわり」と出ました。これが西洋美術館の「答え」ですので、やはりwebサイトに送ると、「きみょうならくさ」というキーワードが返ってきました。これも「コースクリア謎」欄に転記しておきます。

 上野駅近くで食事したのち、メトロ銀座線に乗って、三越前へ。駅では設置されたスタンプを捺します。三越前駅のスタンプは、第三のストーリーにかかわるもの、スタンプ欄に捺したら、不完全な絵が出てきました。欄の右3分の1に、星空の下を歩く男の姿が映し出されたのです。
 銀座線を乗り継ぎ、京橋へ。第一のストーリーにかかわるスタンプです。ここのスタンプは、病院らしい建物が描かれた絵になっていて、建物の壁に並んでいるはずの窓のところどころが欠けています。また、いくつかの窓にはアルファベットが記されていました。これはたぶん、もうひとつの赤坂見附のスタンプを捺せば、窓やアルファベットが補完されるのでしょう。子供向けのスタンプラリーのスタンプと並んでいて、誰かが間違えたらしく変な色がついてしまい、マダムが憤慨した話は書きました。
 さらに銀座線で溜池山王へ。ここのも第三のストーリーがらみです。今度は左側3分の1の絵が刻印されました。半開きのドアの前にひざまづいている女性の姿でした。まだ真ん中は欠けていますが、なんだか「金色夜叉」の有名なシーンみたいです。女性が洋服を着ているので、たぶん違いますが。

 溜池山王でこんどは南北線に乗り、白金台で下りて、第三のミュージアムである庭園美術館へ。このとき土砂降りの雨になってしまったことも、前に書きました。
 庭園美術館の第1問は、玄関近くに開いている通気口の形と、冊子に記された図形を較べて、違っている箇所を探せという趣旨でしたから、土砂降りの中では少々難儀しました。屋根のあるところからでは判別しづらい角度だったのです。しかしなんとか確認でき、図形上で違っている箇所に書かれている文字を拾えば第1問は終了です。「西洋庭園」「茶色の四角」「に生える木」ということでした。庭園のほうを見なければならないので、雨が止むのを待つしかありませんでした。朝香宮邸自体の特別展で、ふだん開けていない部屋も開放したりしていたため、かなりじっくりと見学できたものの、なかなか雨が止まず、足止めを食らった感じになりました。
 止んだわけではありませんが、ある程度雨が弱まったし、美術館の閉館時刻も近づいてきたので、見切りをつけて外に出ました。ここには日本庭園・西洋庭園などいくつかの庭園が揃っていますが、チケット売り場にいちばん近いあたりが西洋庭園で、そこへ行くと確かに土が四角形に露出した一角があります。そこに生えている桜の樹は何やら曰くのあるものらしく、説明プレートがつけられていました。
 第2問は、このプレートを見て、図形で示された箇所の文字を拾うというものでした。例えば「公園に」という3文字の、「に」の字の上に茶色の菱形が記されていたりします。プレートから「公園に」という文字列を探し出し、そのうち「に」の上の行にある文字を拾えば良いわけです。
 詳細は省きますが、導かれた答えは「アールデコ」でした。朝香宮邸を特徴づける言葉です。この長音符号(ー)は図形化されず最初から記されていたもので、マダムなどはこれをマイナス符号だと思ってしまって、しばらく難儀していました。
 「アールデコ」をwebサイトに送ると、「うつくしいひかり」というキーワードが返ってきます。先ほど西洋美術館で得られた「きみょうならくさ」と並べ、いくつかの文字のマスに附記されている数字の順に並べ替えると、第三のストーリーをクリアするための問題が現れます。
 「ひかりつきさしうらみよ」
 これは、スタンプで捺された絵についての謎です。三越前で捺した右側には星がいくつか描かれており、溜池山王で捺した左側には電灯がいくつか描かれています。どうやら、これがカギです。
 スタンプの捺されたページの裏面を見ると、スタンプが裏写りしています。それで星や電灯のところを見てみると、物語を記している文字のうちいくつかがちょうど一致しているのでした。まだ真ん中の部分が捺されていませんが、「先」「輩」「た」「絵」「画」という文字が出てきました。そしてよく見ると、スタンプが多少ずれても大丈夫なように、該当の文字の上下に、微妙に不自然なスペースがあります。
 実はこの前やった鉄道探偵で、同じような、不自然な文字間隔が用いられた問題があったため、これで予想がついてしまいました。まだスタンプの捺されていない中央部にも、よく見ると間隔が変な文字がいくつかあったのです。まとめて読んでみると、「先輩がみた絵画」……というわけで、最後の半蔵門駅のスタンプを捺す前に、私は第三のストーリーをクリアできてしまったのでした。この「先輩がみた絵画」という言葉を送ると、コースクリアキーワードが返ってくるわけです。そして、3つのストーリーのコースクリアキーワードをまとめて送信すれば、最終問題へとつながる……という仕掛けでした。

 もっともコースクリアキーワードを入手したのは、この日帰宅してからです。私たちは庭園美術館を出て、目黒駅まで歩き、そこからひと駅だけ山手線に乗って恵比寿へ行きました。せっかくメトロの24時間パスがあるのにもったいない気がしましたが、目黒から恵比寿までメトロで移動するには相当な迂回を余儀なくされます。去年は逆コースで、恵比寿から庭園美術館まで歩きましたが、今回はもう暗くなっており、しかもいつまた大雨になるかわかりません。ちょっと悔しかったけれども、JRを利用しました。
 恵比寿には写真美術館があります。長い長いスカイウォークを歩いて、辿り着きました。第二のストーリーにかかわるミュージアムです。
 写真美術館の入り口前には3枚の巨大なパネルが展示されています。ロバート・キャパロベール・ドアノー植田正治の作品で、これらは去年のミステリーラリーでも題材になっていました。今回も第1問はこれらのパネルに関する問題で、3枚の写真の「色」を表現する文字を、示されたスペースの中に散らばっている文字の中から選んで、それを線で結べ、というものでした。
 色と言っても3枚とも白黒写真です。しかしスペースの中に白黒という文字は無く、ただ「ク」「ロ」は見つかりました。その2文字を結ぶと「ス」という文字の上を線が通ります。それだけでは答えにならないので、もう少し眺めてみると、「モ」「ノ」がありました。「色を表す文字」は、白黒ではなく、「モノクロ」だったのでした。それも結んでみると、「キ」という文字の上も通りました。「キス」が答えです。
 で、その言葉が示す写真の前に立ち、問題文に記されたとおりに動く必要があります。キスシーンが写されているのはドアノーの作品でしたので、そこを起点に動いてみると、写真博物館で現在実施中の企画展「嶋田忠 野生の瞬間・華麗なる鳥の世界」のポスターに行き当たりました。で、この企画展の会場になっている2階へ移動します。写真博物館は、企画ごとに入場料が必要で、それぞれのフロアに受付があります。そこまではチケット無しでも入れるわけです。
 2階のホワイエに貼られている、カメラマークのついたポスターを探せというのが第2問です。で、ポスターの中の生き物の目と同じ色の文字を探し読め、ということです。該当のポスターにはフクロウみたいな鳥が映っていて、その眼はらんらんと赤く輝いていました。その下に「ミステリーラリー」といろんな色を使って描かれており、赤い部分だけを見ると、「ヒノトリ」という文字が浮かび上がりました。これが写真美術館の答えで、送信すると今度は

    めは
  そらびな

 と返ってきました。さっきトビカンで得られたキーワードと合わせると、

  にすかし
  らよめは
  そらびな

 ということになります。
 もう一問、国立新美術館の謎を解けば、この文字列の読みかたがわかるのだろうと思いましたが、この段階でも意図はわかりそうです。「花びら」「空に透かし」「読め」という文章が見て取れるではありませんか。順番はまだわかりませんが、おそらくまだまったく捺されていない第二のストーリーにかかわるスタンプで出てくる絵には花びらが描かれているのでしょう。そして、その裏面にはさきほど「モノクロ」を拾ったスペースがあります。散らばった文字の中には、鏡文字になっているのがいくつかあり、透かしたときに正しい向きとなって読めるのに違いありません。

 ここまでで、写真美術館の用は済んだわけですが、せっかく来たのだし、ナイトミュージアムを実施している日でもあったので、ぐるっとパスを使って展示を観ていたら時間が経ち、もうスタンプが片づけられている頃になってしまい、この日は帰宅したのでした。
 しかしメトロの24時間パスは、翌日の使用開始時刻まで有効です。翌16日、昼過ぎまで暇があったので、赤坂見附と半蔵門のスタンプを捺しに出かけました。
 赤坂見附で捺したのは第一のストーリーにかかわるもので、すでに京橋駅で捺してあった病院の絵が補完されます。思ったとおり、残りの窓が現れ、やはりいくつかの英文字が書かれていました。病院は5階建てで、縦に5つの窓が並んでいるあたりがポイントになりそうです。
 半蔵門で捺したほうは、第三のストーリーの絵の真ん中部分です。これも思ったとおり、いくつかの星と電灯が描かれており、その位置をページの裏面で確認すると、やはり「先輩がみた絵画」となりました。これで第三のストーリーの謎はコンプリートです。クリアキーワードは「すれ違いの先の愛」でした。
 答えだけ示せば良いと思ったのに、意外と長くなりましたので、ここで一旦筆を置きます。続きはまた近日中に書くことにいたします。

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Pague

あぁ、今日までだったのですね。
今日、東京都現代美術館で、ミステリーラリーのサッシを持ったカップルを見掛けました。
by Pague (2019-09-16 23:00) 

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