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続・自作のオーケストレーション [お仕事]

 また編曲作業の多い季節となりました。
 秋から冬にかけては、翌年早々に開催される板橋ファミリー音楽会のための編曲に追われることが多いわけですが、それは最近、作業量としては減っていました。ファミリー音楽会のメイン企画が、このところ有名オペラのダイジェストという方向にシフトしてきたからです。
 つまり、出演を希望する人には圧倒的に歌手、それもソプラノ歌手が多く、そのメンバーを割り振りするのにずっと苦労してきたのですけれども、それならいっそほぼ全員をオペラのプリマドンナにしてしまって、とっかえひっかえアリアを歌わせれば良いのではないか、という素晴らしい案が出たのでした。
 去年1月のファミリー音楽会で、その最初の試みとして、『椿姫』をやってみました。ヒロインのヴィオレッタ役を次々と取り替えつつ、そのときのヴィオレッタ以外の歌手は脇役とか合唱にまわるという按配です。もちろん、そういうプランがいわば「シャレ」になるような演出を施してのことで、そうでなかったら何をやっているのかわからないことになるでしょう。
 これがなんと、お客には大受けだったのでした。
 しかも意外なことに、出演者にも大受けだったのです。せいぜい3、4分の時間を貰って歌曲などを歌うよりも、1曲ずつでも良いからプリマドンナを演じるというほうが、歌手にとっては魅力的だったのかもしれません。
 それで、今年の1月には、こんどは『カルメン』を扱ってみました。カルメンはそもそもソプラノ役ではなくてメッツォソプラノ役だというのに、これもみんな気合いが入りまくり、これまたお客に大受けしたのでした。

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宮城谷昌光『劉邦』を読んで [趣味]

 宮城谷昌光氏の『劉邦』を読みました。毎日新聞に連載されたものが文春文庫から出たのでした。『湖底の城』の続きも気になっているのですが、『劉邦』はこの7、8月に2巻ずつ刊行されて、すでに全4巻が完結しています。こちらの校訂などを済ませてから『湖底の城』の続刊というタイミングだったのかな、と思いました。
 宮城谷作品で楚漢戦争を扱ったものとしては、すでに長編『香乱記』があります。それから短編集『長城のかげ』、史伝集『楚漢名臣列伝』なども出ています。劉邦は当然ながらそのいずれにも登場していますが、彼自身を主人公として書いたものはまだありませんでした。
 楚漢戦争については、司馬遼太郎『項羽と劉邦』という名作があり、宮城谷氏自身が絶賛しています。私自身も中国史に開眼させられた作品であり、新潮文庫のカバーが破れ去り、表紙もとれかかるまで何度も愛読しました。基本は『史記』の記事をなぞりつつ、さまざまな登場人物の生きかたを深彫りし、一章一章ごとに感動と長い余韻があって心揺さぶられる小説でした。谷沢栄一氏は「『人望』とは何かということを語り尽くした大作」と評していました。
 『項羽と劉邦』と同じ時代を扱うにあたって、宮城谷氏としても、緊褌一番という気持ちがあったに違いありません。司馬作品の二番煎じにならないように、登場人物の描写にも細心の注意を払ったことでしょう。読んでいると、筆者がいかに『項羽と劉邦』でのキャラクター評価をなぞらないように苦心しているかが見て取れます。

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「7つの謎解きミステリーラリー」解決篇(その2) [趣味]

 8月16日「7つの謎解きミステリーラリー」に挑戦した私たちですが、7つのミュージアムと、そこで謎を解いて導き出される7つの駅を訪ねなければならないところ、4つのミュージアムと3つの駅を訪ねたところで時間切れになりました。
 購入した「メトロ&ぐるっとパス」には、都内を中心とした92の施設の入場券や割引券がセットになった「ぐるっとパス」に、東京メトロの24時間券が2枚ついています。このパスの使用を推奨しているだけに、2日間くらいかけてゆっくりプレイする設定になっているのでしょう。
 さて、後半を続ける日を決めなければなりません。マダムは毎日あれやこれやと忙しくて、丸一日遊べるという日程がなかなかとれないようでした。その時点では、キャンペーンの終了する9月17日の前日、16日まで暇がとれないと言っていました。が、その後16日にも予定が入ってしまったようです。そうでなくとも、16日は私のほうに仕事が入っています。
 これではらちがあかず、結局8月26日に決行することになりました。この日は、午前中にマダムが東京都ボランティアガイドの研修を受けており、昼からは何か他の展覧会を観にゆく予定を入れていたらしいのですが、私の誕生日でもあり、午後は一緒に過ごしたいということで急遽連絡してきたのでした。
 前半も結果的に昼ごろからのプレイになりましたので、まあ大丈夫でしょう。13時に、前半で判明していたのに足を運べなかった清澄白河駅で待ち合わせることにしました。

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「7つの謎解きミステリーラリー」解決篇(その1) [趣味]

 前回予告したとおり、先日挑戦した「7つの謎解きミステリーラリー」の解決篇を。
 キャンペーンが17日に終わったので、ネタバレ解禁というわけです。
 とは言っても、結局謎が解けずに終わったというような人は少なそうですので、ネタバレ禁止のため書けなかったところを吐き出して、自分がすっきりしたいというだけです。
 謎は2段構えになっていて、どういう順序で書いてゆこうか迷いましたが、いちおう私たちが行動した順に記すことにします。「解決篇」にしてはわかりづらくなっているかもしれません。まあ、気楽にお読み下さい。

 無料配布されていた小冊子には、遊びかたの説明と、いくつかのショートストーリーが掲載されていました。
 ショートストーリーの最初は、プロローグにあたる部分です。主人公の大学生が、謎めいた美術品コレクターから、7つのミュージアムをめぐって指定された作品を見てくるように言いつかるというストーリーになっています。
 そしてそれぞれのミュージアムでの主人公の行動が、そのあとのショートストーリーとして描かれているというわけです。これは順不同で、どういう順番に読んでも差し支えありません。どこへ行っても、コレクターと一緒に居た、これまた謎めいた少女と遭遇し、いくばくかの会話を交わし、彼女が消えたあとに謎が記された紙片が残されている、という筋書きになっています。
 その紙片に記されていた謎が、各ページでStep 1として与えられているパズルというていになっています。このStep 1の謎を解くと、東京メトロのどこかの駅名が出てくるので、その駅に行ってみるとStep 2の謎が用意されているという仕掛けです。そして、Step 2を解くとなんらかのキーワードが答えとして出てくるので、それをキャンペーンサイトの回答欄に入力すると、こんどはなんらかのひらがな1文字が与えられます。当然与えられる文字は全部で7つ。最終的に揃った7文字をアナグラムするとある指示が現れ、その指示をもういちどサイトで入力するとエピローグを読むことができるのでした。

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古代オリエント博物館と漱石山房記念館 [日録]

 先月、「7つの謎解きミステリーラリー」というイベントに挑戦しましたが、そのとき「ぐるっとパス」というのを購入しました。東京都内とその近辺の博物館・美術館などの、入場券もしくは割引券などが1冊にまとめられたものです。このぐるっとパスで入れたり割引を受けたりできるミュージアムは実に92館もありますが、購入価格は2200円で、なかなかお得と言えます。
 謎解きミステリーでは、7つのミュージアムを訪ねる必要がありましたので、ぐるっとパスの利用を推奨されていたわけです。もっとも、そのうち3つはチケットコントロールを通らないで済むので、実際に利用するのは4館です。この4館で、ぐるっとパスによってどれだけお金を使わずに済んだのかと言うと、合計1400円となります。つまり、謎解きミステリーに挑戦しただけでは、ぐるっとパスの元は取れないわけです。
 もっといろんなミュージアムに足を運ばなければ、もったいないことになります。ミュージアム以外でも、上野・多摩・井の頭の都立3動物園にも入場できます。
 暇なときにせいぜい美術館めぐりをしようか、という気になるところですが、あいにくとぐるっとパスには有効期限があります。最初に使用した日から2ヶ月間です。ということは、使える全施設に足を運ぼうとすれば、毎日ひとつずつ行っていても間に合わないわけです。
 マダムはけっこう美術館めぐりが好きで、絵画のみならず陶芸やデザインなどにも興味があるので、いろいろ行く予定を立てています。一方、私は案外と腰が重くて、あんまり美術館に出かけることがありません。暇なときにせいぜい、と言っても、そんなに暇なときが無いのが実情で、その中で「今日こそは」と思い切らないことにはなかなか行く機会が得られないのでした。

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マダムの青春18きっぷの旅 [いろいろ]

 今年は旧盆の頃に恒例の墓参りの旅に行ったわけですが、毎年の例からして、

 ──青春18きっぷが1回分剰っているはずだが、あれはどうしたんだ?

 と思われたかたも居られるでしょう(居ないか?)。
 青春18きっぷは5回分の枠があり、ひとりで5日間使うこともでき、同一行程であれば複数人で使うこともできるようになっています。昔は1回分1枚で、5枚1組の切符になっていた記憶がありますが、それだとばらして金券屋に売る不届き者が居たりしたので、1枚の券面に5つの検印枠を設けることにしたのでしょう。
 墓参行自体、剰った青春18きっぷの処理方法としてはじめたことでした。そのうち目的が逆転して、墓参行で4枠(ふたり×2日)使って、残り1枠で私がよくふらふらとどこかへ出かけるというパターンが普通になりました。
 その今年の「残り1枠」の処理方法について書いたエントリーがまだありませんでした。青春18きっぷの有効期限は9月10日ですので、そろそろ使わないと無駄になってしまいます。
 実は、今年は珍しく、マダムに使って貰ったのです。
 いままでも、マダムが深谷に居る友達を訪ねるときに1枠使って貰ったこともあります。ただ川口から深谷に往復するだけでは元が取れないので、マダムはその日友達の家を辞してから、わざわざ大宮で乗り換えて古河まで行き、ギョーザを食べて帰ってきました。
 それはまあ、用事があるので使って貰ったというところですが、今年は趣きが異なります。一日中列車に乗り回して過ごすという、私の趣味みたいなことをマダムがひとりで決行したのでした。

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Chorus ST第12回演奏会 [日録]

 いろいろと雑事に追われ、更新が滞ってしまいました。
 昨日はChorus STの、8年ぶりの演奏会がありました。昨日のうちに書きたいと思ったのですけれども、何しろ平日の演奏会で、従って夜の開催であり、打ち上げなどを済ませて帰宅したのはとっくに午前様だったもので、翌日になってしまった次第です。
 8年ぶりというのは、そうわかったときは驚きました。そんなに長いこと自前の演奏会をやっていなかったのかと、なかばあきれました。前回は2010年1月ですから、正確には8年8ヶ月ぶりです。
 Chorus STは1990年5月清水雅彦さんの結婚式の二次会で、三浦さんという初代団長が呼びかけて設立したものでした。三浦さんはそれまで新潟合唱団ユートライで清水さんの指導のもと歌っていたのですが、東京に転勤になって、こちらでも清水雅彦指導による合唱団を作ろうと考えたのでした。私もそのとき設立趣意のチラシを貰っていたのですが、当時は混声合唱団誠ぐみというのに入っていたので、すぐには参加しませんでした。
 初期メンバーは、男声は三浦さんと面識のあった新潟大学の合唱団出身者の在京メンバーが主力であり、女声は当時清水さんが先生をやっていた共立女子高校の合唱団出身者が主力でした。新大閥と共立閥、などという言いかたもしていたようです。
 1年近く練習をして、最初の公的活動は、日本合唱指揮者協会JCDA)主催のコンサートの参加団体となったことでした。このコンサートは私も聴きに行っており、なかなかレベルの高い演奏だと思ったものでした。

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