ピアノ教室とバス路線

　今日は一日雨が降っていたので、ピアノの教室へ行くにあたって自転車を使うわけにはゆきません。
　私の家からピアノ教室への交通手段については、何度か書いたことがありますが、同じ市内でありながらけっこう移動しづらいのです。
　もういちど整理してみると、まず鉄道を使う方法として、JR利用と埼玉高速鉄道利用が考えられます。JR利用の場合は川口から京浜東北線、南浦和で武蔵野線に乗り換えて東川口で下ります。教室で教え始めてしばらくは、埼玉高速鉄道も無かったので、このルートを主に使っていました。欠点は、南浦和で乗り換えなければならないことと、東川口から教室までがけっこう遠いことです。天気が良ければ気分良く歩けますが、雨の場合は憂鬱になります。バスに乗ることもありました。
　埼玉高速鉄道だと、川口元郷から乗って戸塚安行で下りることになります。交通機関に乗っている時間はこのルートがいちばん短く、せいぜい10分というところ。ただし、両方の駅まで/から歩く距離がかなり長くなります。そして、何しろ運賃が340円と高いのがネックです。せめてJRルートやバスのひとつと同じ290円くらいであれば、もっと利用するのですが。
　鉄道を使わない公共交通機関となると、バスということになります。バスに乗るためには川口駅まで行かなければなりませんので、そこはJR利用と同じ条件になります。教室側は戸塚安行駅なので、東川口駅よりは少し近くなります。

　以前は、バスを乗り継ぐということもよくやっていました。川口駅からのバスは戸塚安行駅まで行くのがせいぜい（その他東川口駅まで行くルートもありますが、残念ながら教室の近くは通りません）ですが、乗り継ぎをすれば両側とももう少し近いところに着けます。特に教室側は、最寄りのバス停から乗ることも可能でした。帰路にちょくちょく使ったのですが、教室最寄りのバス停から西川口駅行きのバスに乗り、鳩ヶ谷市役所前（現・鳩ヶ谷支所前）で赤羽駅行きに乗り換え、家の比較的近くで下りるという方法です。ただ、その後のバスルートの改変で、バス停も遠くなり、所要時間も増えてしまったので、その時期からはあまり使わなくなりました。乗り継き割引があるわけでもありませんし。
　現在実用的に使えるバスは2ルートです。ひとつは「川口駅東口～戸塚安行駅」というそのものズバリのルートで、国際興業が運行しています。中央道路という道をひたすら走り、わりと有名な緑化公園であるグリーンセンターを経由してゆくというものです。
　もうひとつは「川口駅東口～新栄団地」というルートで、東武バスが運行しています。こちらはあさひ橋通りという道を進んで、新郷から安行台地にとりつきます。戸塚安行駅を経て、もう少し先の団地までを結んでいます。実は、バスを使うならばこのルートが最善で、上記の中央道路ルートよりも所要時間が短く、また運賃も少しだけ安くなっています。
　自転車で行く場合、往路はこの東武バスルート、復路は上記の国際興業バスルートに近い道を通ることが多くなっています。もちろん微妙なところで抜け道を使ったり信号機を避けたりしていますので、そのままではありませんが。

　雨で自転車が使えない以上、東武バスを使うのがいちばん便利ということになります。
　ところが、この路線には重大な問題があるのでした。
　それは、便数が極端に少ないということです。
　以前はもう少し便があったと思うのですが、だんだんと減らされて、今や一日5往復という、ど田舎並みの超閑散路線となってしまっているのでした。川口市という、それなりの規模を持ち、東京に隣接したような市の中に、これほどの閑散路線があるというのは信じがたい気がします。
　いや、川口市のコミュニティバス「みんななかまバス」もそれに匹敵するお寒い運転本数しかありませんが、いずれにせよ、ほとんど乗るなと言わんばかりのダイヤです。
　こう不便では、当然ながら利用者も少なく、バスの車体も大型ではなく中型のものを使っています。それでも、乗客が多いのは川口駅から新郷までの、草加便や峯八幡宮便と共通しているところばかりで、この路線のみの区間になると、いつ乗っても数名しか居ないようです。ほとんど、なぜ廃止されないのか不思議なほどの路線なのでした。終点の新栄団地の人たちから文句は出ないのかと言いたくなりますが、その団地からは東武伊勢崎線の新田駅
とのあいだに朝日自動車（東武のグループ会社）のバスがけっこう頻繁（一時間3～4本、朝はもっと増発）に走っているので、特に不便は無いようです。
　国際興業のほうも決して頻繁路線ではありません。だいたい1時間に1本ずつしか走っていませんので、都市部の路線としては相当に閑却されているほうです。しかし、日に5便という東武バスのやる気の無さに較べれば、だいぶマシと言わざるを得ません。
　東武バスは、朝に2往復、昼に1往復、夕方に2往復走っています。朝と夕方の2往復と言うのも、6時台と8時台、あるいは16時台と18時台という調子です。
　やれやれという感じですが、幸いなことに、昼の便である川口駅発13:30というのが、私にとってはちょうど良い便なのでした。所要時間は30～35分というところで、戸塚安行駅からの歩きが10～12分くらいですので、教室に着いてひと息つき、飲み物でも飲んでいるとレッスン開始時刻の15時になるというタイミングです。ただ、自転車で行く場合は13時半から、遅くなった場合は13時45分くらいに出ても間に合うのですけれども、川口駅前から発車するこのバスに乗るためには13時20分頃には家を出なくてはならないので、出がけが少し忙しくなります。
　駅前の乗り場には行列ができていますが、草加駅行きの乗り場を兼ねていますので、実際に新栄団地行きのバスが入ってくると、行列の中から、バスに乗る人と、行列に残る人が分かれます。
　最初はそこそこ乗客も居るのですが、上に書いたとおり、草加行きと共通する新郷農協バス停までで、大半下りてしまいます。その先から乗ってくる人も滅多に居らず、戸塚安行駅で私が下りるとからっぽになってしまうことがよくあります。今日などは3人ほど残っていましたから多いほうでしょう。

　私にとっては便利な路線ですから、復路も使いたいところなのですが、それがなかなか難しいのでした。
　戸塚安行駅から川口駅行きの最終便が18:38です。レッスンはまともに全部あると終了が18時40分ということになっているので、これではまず無理です。
　最後の生徒が休みの場合、18時に終了します。しかしそれだと時間が空きすぎで、どうせ戸塚安行駅まで来ているのだからと、手っ取り早い埼玉高速鉄道に乗ってしまうことが多くなります。また、18:20には国際興業バスも発車するので、そちらに乗るケースもあります。
　今日は、最後の生徒が休みで、しかも18時までの生徒が少し長引き、終わったのが18時10分くらいでしたので、後片づけなどを考えるとその国際興業バスにはちょっと心許なく、珍しく東武バスに乗ることにしたのでした。
　復路に東武バスに乗ると、所要時間が短いほかに、もうひとつ良いことがあります。この路線、川口駅附近で上下線が違うルートを通るようになっていて、川口駅のひとつ前の中央道路バス停で下りると、駅よりも私の家に近いのです。往路は違う道で、バス停も近くないのが残念です。
　ともあれ、公共交通機関を使う限りにおいては、今日はいちばん楽な往復だったと言えます。
　それにしても東武バスをもう少し増やして貰えないものでしょうか。新栄団地の人々だって、京浜東北線側に出たいことだってありそうなものですが。

　将来的に少し期待しているバス路線があります。現在、川口駅から安行出羽というところまで通っている路線です。道の駅川口・あんぎょうを兼ねている緑化センターを経由して、外環自動車道をくぐってもう少し先で終点になっています。
　この終点の先で、もう10年以上も前から、ずっと道路の延伸工事をしています。私が通るのはほぼ土曜日ばかりのせいか、実際に工事をしているのを見たことがないのですが、遅々として進まないなあと思っていたらいつのまにか少しずつ伸びているようです。このペースでは開通するまでまだ何年かかかりそうではありますが、一応もう用地はすべて確保してあり、一部通行禁止にはなっているものの、徒歩、もしくは自転車であればほとんど通り抜けることが可能になっています。
　そして、その道路が開通すると、教室の前を通っているけやき通りという道路に直通することになります。東川口近辺ではいちばん広く、ゆくゆくはメインストリートになろうかという道路で、北のほうでは浦和美園のイオンモールあたりにつながっていますから、開通すればずいぶん利用されるようになるのは間違いありません。ちなみに南のほうは尾竹橋通りにつながっています。
　この道路が開通すれば、やがて現在の安行出羽行きのバス路線も延伸されるのではないかと私は期待しているわけです。そうすると、教室最寄りではないものの、東川口駅や戸塚安行駅に較べればはるかに近い場所のバス停が使えるようになります。しかも、この路線は今のところ一時間にだいたい2本走っていますので、戸塚安行駅行きの倍の乗車チャンスがあるわけです。復路に乗るのも難しくはなくなるでしょう。さらに嬉しいことに、この路線の復路は、上記の中央道路バス停を通ってくれるのでした。
　そうなれば、雨の日の教室への/からの移動が非常に楽になります。早く道路の工事が終わらないものかと心待ちにしています。