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「WEST CODE 西武謎道中」解決篇(2) [趣味]

 6月10日にやった鉄道謎解き「WEST CODE 西武謎道中」リプレイの続きです。
 池袋から、練馬ひばりヶ丘東村山田無と、西武鉄道の駅で下りながら謎を解き、【最後の謎】田無神社を訪れました。【最後の謎】と言いつつ、実はここからが後半戦で、【これこそ最後の謎】というのが続くのでした。

【これこそ最後の謎】
 田無神社にあったステッカーから、冊子のブランクに言葉を書き写した結果、このような問題文となりました。

  まず、[>]3[<]と■4■を同時につくれ。
  次に橙色の切符と、2つのパンタグラフを完成させ、パンタグラフ中の文字を読め。

 この種の謎解きで「つくれ」という指示が出た場合は、キットのセットなどがあればそれらを使って何かすることを意味しますし、冊子だけの場合は冊子自体を折り曲げたりすることを意味します。折り紙コーナーのはじまりです。
  冊子のページナンバーを見ると、3ページめは「●3[<]」となっています。この左の黒丸を黒い右向き三角形にするには、黒丸を隠すようにページを折りこんで、「[>]1●」となっている1ページめと重ねれば良いわけです。同様に、4ページめを逆に折りこむと、6ページめと重なって数字の両脇が黒四角となります。
 この3ページと4ページにまたがって、表紙裏に描かれていた「切符」の下半分が描かれています。上半分はどこにあるかと思ったら、ページの上方を下に折りこむと見つかりました。2ページと5ページにまたがって描かれていたわけです。
 さらに、いま折りこんだところを、折り鶴の首を作るときのように三角形の袋状に折ると、各ページに薄色で印刷されていた背景画のようなものがうまく組み合わさり、ふたつのパンタグラフができました。パンタグラフの形は表紙裏ですでに説明されています。
 そのパンタグラフの中に書いてある文章を読むと、

  次はこだいらへ進み 南口正面の大通り直進 手紙が入った赤いものの近く

 となりました。この文章はもともとのストーリーパートの一部を切り取ったもので、ところどころ不自然に字間が空いていたりしたので、どうも怪しいと思っていたところではあります。ともあれ、次の目的地は小平となります。元来たほうに戻るというのは少々意外でした。
 謎解きのために訪れただけでは申し訳ないので、神社に参詣しました。この神社、(ち)の輪くぐりでも知られていて、参拝前にみんなが輪をくぐるため、けっこう時間を食いました。

 小平の南口は相当に大きなロータリーになっていて、「正面の大通り」というのがわかりづらかったのですが、ルネこだいらに向かう道であろうと判断しました。音楽劇団熊谷組の関係で何度か訪れたことがあります。ルネこだいら自体で公演をおこなった記憶はないのですが、稽古で使いました。そんなに大通りというほどではありませんが、歩道は広くなっています。
 「手紙が入った赤いもの」とはもちろん郵便ポストでしょうが、ルネこだいらの前に、見上げるように巨大なポストがあったので驚きました。小平市は、昔ながらの鋳物の丸ポストがたくさん(32本)残っている町で、それゆえ「丸ポストの町」とも称しているそうです。そしてそのアピールも兼ねて、日本一巨大な丸ポストというのを作ったとか……と、いま調べてはじめて知りました。3メートルくらいの高さがあるポストですが、もちろんちゃんと郵便物を投函することができます。
 その近くに、手がかりステッカーがありました。その内容を、「まさしく最後の謎」と冊子に書かれた箇所に書き写します。

【まさしく最後の謎】
  3人の家臣と殿の名前の看板をつくり、あらわれた指示通りに辿れ。ただし乗り換えるとき、U[ ]はしない。

 [ ]の中は、練馬駅と同じく「ターン」で良いのでした。名前の看板というのは、「これこそ最後の謎」「まさしく最後の謎」のコーナーの上下に描かれている看板の絵でしょう。上には「援助」「二束」「性格」、下には「水平」「家族」「寛政」と書かれた看板が並んでいます。
 殿の名前は「家政」都立家政駅からの命名でしょう)。家臣の名は、最初に書いたとおり「一助」「二格」「三平」です。ページを山・谷に折ると上に「二格」、下に「家政」が出てきます。さらにページの端を折って裏のページを見せると、上に「一助」、下に「三平」が出てきました。
 そのように折り紙をすると、

  今いる駅から、殿の苗字がつく方へ、3駅進め(指示A)

  乗り換えて、3駅以内に着く2色以上の線が交わる駅へ進め(指示B)

 というふたつの指示が出てきて、しかもややこしい矢印がついています。どうも、まず指示Aをこなしてから引き続き指示Bに進み、また指示Aに戻り、さらにまた指示Bをクリアする、という順番にしなくてはならないようです。
 小平駅からまず指示Aをおこなおうとすると、殿の苗字は「久米川」ですので、久米川駅のある下り方面に進むことになります。3駅進むと所沢になります。そこで乗り換えるとなると池袋線に乗ることになります。所沢から池袋線で、3駅以内に着く2色以上の線が交わる駅……「2色」というのは路線図での色分けですので、つまり乗換駅を意味します。池袋方面には3駅以内に乗換駅が無いので、飯能方面を見てみると、所沢の隣の西所沢狭山線への乗換駅になっています。するとまず西所沢か、と思いたくなりますが、実は狭山線は池袋線の枝線として扱われており、ラインカラーは同じ(オレンジ色)になっています。2色にはなっていないのでした。池袋線で先に進むと、小手指狭山ヶ丘となり、いずれも乗換駅ではありません。それで狭山線に進むと、2駅で西武球場前に着き、ここは山口線との乗換駅です。山口線はラインカラーが違っています(ピンク)ので、これこそ「2色以上の線が交わる駅」です。
 しかし、そこから指示Aに戻って、「殿の苗字がつく方」つまり久米川に向かうという意味がわかりません。久米川への最短ルートは、いま乗ってきた狭山線を戻るルートになります。しかし、「Uターンはしない」という条件があるのでこれはダメ。もうひとつ、山口線・多摩湖線・拝島線・新宿線を乗り換え乗り換え向かうというルートがありますが、そちらへ「3駅」進むと武蔵大和となり、指示Bの「乗り換えて」というのが不可能になります。
 詰んだか、と思いかけましたが、例によってヒントサイトを眺めていたマダムが、
 「なんか指示を6回実行しなきゃならないみたいだよ」
 と言ったので解決しました。
 よく見ると、矢印は指示Bより先へ出て、もういちど指示Bに折り返しています。指示Aのほうも同じような書きかたになっています。つまり「指示A」「指示B」「B」「A」「A」「B」という順番に路線図を辿らなければいけなかったのでした。
 そうすると、西武球場前までは同じですが、そのあと指示Bをもういちど実行するわけで、「3駅以内」の乗換駅に進めば良いわけですから、これは2駅先の多摩湖ということになります。そこから指示Aに従って久米川に向かうとなると、多摩湖線に乗って、3駅目は萩山です。そして指示Aをもう一度実行すると、ふたたび小平を経て、今度は東村山に着きます。そこで指示B、乗り換えて3駅以内の乗換駅を探すと、国分寺線に乗り換えて次の駅である小川ということになりました。このあたりの路線が錯綜しているのは、もともと3つもの会社によって多摩湖・狭山湖へのアクセスが図られたなごりによるものです。

 小平から小川に行くのは、拝島線に乗ってわずか2駅です。一日フリーパスを持っているので、問題の細かい指示どおりに狭山線や山口線に乗ってゆくのも面白そうな気がしましたが、すでに15時半を過ぎていて、そろそろ終わりの時間を少し気にしなければならない頃に差しかかっていました。マダムの意見もあり、素直に小川に直行することにしました。しかし、この謎解きでいわば「支線区」である拝島線に進むことになるとは驚きでした。
 小川では、

  西口へ向かう途中の、黄色い案内板をよく探せ

 と指示されています。改札を出ると黄色い案内板はすぐに見つかりました。そこには「WEST CODE 西武謎道中」のポスターもでかでかと貼られていました。これまでの駅では、こんな目立つ表示はされていなかったと思います。しかし、肝心の手がかりステッカーが見当たりません。
 「ほんとに小川だったの? 間違えてない?」
 とマダムが疑わしそうに言いました。小川の駅のコンコースはごく小規模で、西口にはすぐに着いてしまい、その途中には何もありません。やはり黄色い案内板がカギであるはずです。私も少々心配になりましたが、大きなポスターが貼られていること自体がヒントでもあるでしょう。小川駅ということに間違いはないと思います。
 「よく探せ」とわざわざ書かれていることにあらためて気がつきました。それで、案内板の裏のほうを除いてみると、案内板と壁とのあいだの衝立に、小さなステッカーがちゃんと貼られていました。このステッカーの内容を、冊子の「本当に最後の謎」と書かれた箇所に写し取ります。

【本当に最後の謎】
  セイブセンの[前照灯]をくり抜き、[赤色]に灯せ。
  その後、[先頭車両]同士を[連結]させ、[正丸の言葉]を実行せよ。
  導かれたものを2つつくって、あらわれる家政の指示に従い、たどり着いた駅が、目指すべき場所だ。

 カッコに入った言葉が、冊子でブランクになっていたところです。このブランクをステッカーから補い、最後の駅を割り出しにかかります。
 また少々面倒な折り紙が必要になりそうなので、駅の近くのカフェに入りました。マダムはこういう寄り道が好きであるようです。いちばん近いカフェは人が多そうだったので、その次のところに入ったら、こんどは休業しているのではないかと思えるほど空いていました。私たちが入ったときにはほかに客が居なかったのですが、出るときにはひとりふたり入っていました。
 さて、「セイブセンの前照灯」ですが、これは表紙の電車の絵の前照灯の部分でしょう。どこが前照灯なのかは、表紙裏に説明があります。
 そこをくり抜くというのは、実際に孔を開けることになるのでしょうが、ちょっと面倒くさいというか、冊子を破損するのであまりやりたくありません。
 前照灯のところに孔を開けたら、おそらくその孔に重なるであろう赤色の丸が、次のページに印刷されていました。「赤色に灯せ」というのはどう考えてもこのことです。
 さて、さらによく見ると、表紙裏には跡継ぎの「正丸」のイラストがあり、それがセリフをしゃべっています。

「そうだ! 夢を追い求めて、旅にでかけよう!」

 そのあとに、あの懐かしい「薄オレンジの長方形」がついているのでした。東村山駅を割り出すときに使った、数字ひらがな対照表ですね。
 この正丸のセリフのうち、表紙に孔を開けることによって、「夢」と「旅」の文字が欠けることになるようでした。表紙を電灯に透かして見るとどうもそのようです。
 それから指示文の2行め、「先頭車両を連結させ」という件に移ります。裏表紙に、表紙の電車の絵がごく淡い色で描かれていますので、連結というのは明らかに、表紙と裏表紙を合わせることを意味しているのでしょう。
 そうすると、正丸の言葉の「夢」のところに「正丸」という文字が、「旅」のところに「むら」という文字が、孔から覗くらしいことがわかります。ここ、もともと裏表紙には、「書置きを残して姿を消した正丸が向かった先は、むらか町か駅か…果たして何処へやら。」とアオリ文のようなものが書かれていたのですが、「正丸」の部分と「むら」の部分が不自然に狭い字間になっていて、いかにも怪しげだったのでした。それに「村」と漢字で書かず、「むら」とひらがなで書いているのも妙です。
 ともあれ正丸の言葉は、このように変わりました。

 「そうだ! 正丸を追い求めて、むらにでかけよう!」

 そして薄オレンジの数字ひらがな対照表がありますから、どうやら「むら」というひらがなが「12」という数字に変換できるようです。
 しかし「導かれたもの」がわかりません。ここは「本当に最後の謎」だけあって、非常に難しい謎解きでした。
 カフェの椅子に坐るや否やヒントサイトを眺めはじめていたマダムが、またも口をひらきました。
 「『に』をかける? え? あれ? それってどういうこと?」
 それを聞いて、瞬時にひらめきました。
 数字ひらがな対照表のうち、「むらやま」と「すかせ」はすでに使っています。また「ね」の字は練馬を割り出すときに使いました。
 いままでいちども使われていない文字……「7=で」です。なぜこの字だけ濁点がついているのかを考えるべきでした。
 マダムの言った「に」をかけるのではなく、「むら」に「で」かけよう……「12」に「7」掛けよう、というのが隠された指示だったのです。ダジャレです。
 12×7=84。そして84をひらがなに変換すると、「かね」となりました。導かれたものとは「かね」でした。
 裏表紙を折って表紙に重ねるようにすると、上のほうに銅銭の絵が、下のほうにお寺の鐘の絵が現れました。裏表紙の裏ページに銅銭と鐘の絵が半分ずつ描かれているのはすぐに見つかるのですが、それに組み合わさる表紙の絵は、銅銭の片割れは雲の一部みたいだし、鐘の片割れは家臣「一助」の袴の一部になっているので、ちょっと見つけづらいのでした。ともあれ、そうやってふたつの「かね」を作ります。
 すると、表紙の電車に乗っている殿様が、「家臣たち降りろ!」と叫んでいるかのようにフキダシがつながりました。そしてすでに、一助がプラットフォームに下りているかのような絵が現れています。
 ページの端を次々に折り曲げてゆくと、二格と三平も、完成されたプラットフォームの絵の中に立っているかに見えるようになりました。これで3人の家臣全員が下りたことになります。
 そしてそのプラットフォームには、黄色と緑の看板がかかっています。この看板の色は、形からしても、路線図のラインカラーを示しています。
 黄色は多摩湖線、緑は国分寺線のラインカラーです。そして両者が揃う駅といえば、国分寺でした。これが最後の目的地です。

 「場所を特定したら、今いる駅から先頭車両に乗って向かおう」とわざわざ注意書きがありました。国分寺線の国分寺駅には、中央改札と言うべき大きな出入り口と、武蔵小金井寄りのほうにもうひとつ小さな改札があります。先頭車両に乗るという注意書きがあったのは、この小さな改札のほうで出るようにという指示なのでした。
 ここまで、ほかのプレイヤーにはあまり遭遇しなかったのですが、小川駅には何組か、冊子を抱えたグループが居ました。立ったままで最終問題を解けるかどうか、内心声援を送りながら、彼らをあとに残して私たちは国分寺に向かいました。国分寺線は、大西武の中でももっとも早く敷かれた路線で、いわば創業の線区です。しかしいまだに単線のままになっています。
 10分足らずで国分寺に着き、小さなほうの改札を出ました。その後、「左の券売機を詳しく調べろ」と指示があります。
 詳しく調べろ、というのがまたひっかかる言い回しです。小川駅のステッカーを「よく探せ」と指示されたのを思い出します。
 改札左を見ると、そこには発券機はありませんでした。いや、発券機に見せかけた何かが、壁に貼られていました。マダムはすっかり騙されたようで、ニセモノとわかって大笑いしていました。
 画面に「01」と大きく書かれた券売機のようなものは、上部がめくれるようになっており、めくってみると「正丸」の絵が描かれていました。そして、「発券とともに発見」と、またもやダジャレのセリフを言っている体裁です。このセリフが、「発見キーワード」で、イベントサイトに送るとエンディングを読めるという仕掛けでした。

 私たちは、今度は多摩湖線で萩山まで行き、拝島線・新宿線と乗り継いで所沢へ向かいました。所沢から特急「ラビュー」に乗って池袋へ戻ろうと思ったのです。「ラビュー」にはマダムが去年から乗りたがっていたのですが、去年の「タイムトレインの切符」では最終到達駅が本川越だったので、新宿線には投入されていない「ラビュー」に乗ることはできませんでした。それで今回の最後は「ラビュー」で締めることにしたのでした。所沢からでは近すぎてあんまり乗りでが無いので、入間市か飯能まで行って折り返しに乗ってくるか、とも思ったのですが、そこまでやっていると晩のChorus STの練習に間に合わなくなりそうでした。
 所沢では、特急券を買うのに少々手間取りましたが、無事に「むさし38号」に乗ることができました。池袋まではほんの20分あまりで、まったくもってあっという間です。
 特急の座席に落ち着いてから、すぐにエンディングを読みはじめました。正丸の失踪は、家臣たちと示し合わせたことで、多忙な殿様に愉しんで貰おうという意図だったことがわかりました。ただし本来は「最後の謎」の田無神社で解決する予定だったところ、国分寺駅の券売機の「中の人」が倒れてしまい、正丸が急遽代役を務めることになったので、その後の動きも謎として出題することにしたのでした。「これこそ最後の謎」「まさしく最後の謎」「本当に最後の謎」と「最後の謎」が相次いだのはそのせいだったのです。またストーリー上、田無のところで、家臣たちが急にあわてだした描写があったのですが、その理由も明らかになりました。
 そして考えてみると、田無から国分寺へ向かうのに、小平と小川で乗り換えるのはまったく自然(萩山で乗り換えても可能ではありますが)です。
 券売機もそうですが、「セイブセン」関係の、時代を超越したような技術の数々は、実は全部「人力」であったことが明かされ、正丸はそれらを「電力」に置き換えて近代化を図るという抱負を述べ、家政からの後継者としての信頼を勝ち取るのでした。
 これでまあ、終わりのようなものですが、もうひとつ、「本当に本当に最後の謎」というのが、web上で提示されます。これはどこででも解くことができます。しかし解かないと、懸賞の上位賞品にはエントリーできません。
 私たちは、せっかくはじめて乗った「ラビュー」を堪能することも忘れて、「本当に本当に最後の謎」に取り組みました。結局池袋に着くまでには解けませんでしたが、私はいちおう解きかたの方向性だけは見つけたように思いました。
 合唱の練習場所は大塚駅に近いところです。池袋で荷物をピックアップし、大塚に着いて、少し時間があるので、構内のカフェで軽い夕食をとりました。その席で、なんとかパーフェクトクリアを達成しました。

【本当に本当に最後の謎】
 正丸のイラストのあとに、5マスのブランクがある……というのが2列に渡って置かれており、1列めは「じ」、2列めは「く」という文字を表しているという例題が掲げられています。5マスを貫くように矢印が記されています。1列めの矢印は、素直に1マスめから5マスめへと向かっていますが、2列めのほうは、4マスめに起点が置かれて、5マスめはただの棒であり、3マスめに矢が来ています。
 これと同様に、さまざまな色の着物を着た武士のイラストが描かれて、そのあとに5~6マスのブランクがあり、いろんなマスに矢が置かれた矢印が記される、というのが5列ほど並んでいます。さてこれでなんという言葉になるか、というのが、web上で提示された「本当に本当に最後の謎」でした。
 最初の例題の場合、ブランクに入る言葉は「こくぶんじ」だろう、とすぐに予想されました。それで「じ」になるのだから、5マスめを読めば良いのだと思われます。しかし、次の例題が「く」になる法則が、なかなか思いつきませんでした。「いけぶくろ」の「く」だろうか、とも考えましたが、4文字めをピックアップする根拠がありません。
 頭を抱えながら、冊子をひっくり返していると、カラフルな着物を着た武士の絵があちこちに描かれていることに気がつきました。いや、もとから気がついてはいたのですが、「謎」と関連づけて意識したことが無かったのです。
 武士の絵の裏側を見ると、例外なく、券売機の絵が薄色で印刷されています。そしてそれぞれの券売機には、異なった数字が記されていました。あたかも国分寺駅で、正丸を見つけたところの券売機に、大きく「01」と書かれていたように……
 その「01」のところをめくると正丸が居たわけです。そして正丸自身は、黄色の羽織と緑の着物をまとっています。
 それで見当がつきました。正丸のあとの5マスは、両方とも「こくぶんじ」で良いのです。国分寺は、黄色のラインカラーの多摩湖線と、緑のラインカラーの国分寺線の、それぞれ駅ナンバー1の駅です。着物の色がラインカラーを、裏の券売機の数字が駅ナンバーを示しているのでしょう。国分寺で券売機をめくったように、武士の絵と券売機の絵は、お互い「めくったところ」に描かれているというわけです。
 例題の2行めはどうかというと、矢印の起点がある4マスめに「こくぶんじ」の「こ」を入れ、それぞれの字をずらして記入すると、「ぶんじこく」となります。これで、5マスめがめでたく「く」となります。
 同じように考えると、まず1行めの黄色い着物の武士は多摩湖線を表し、めくったところの裏側の券売機に書かれた「06」は駅ナンバー06……つまり武蔵大和駅を示しています。なるほどブランクは6文字です。そして矢印の起点は4文字めにあるので、「むさしやまと」→「やまとむさし」となり、導かれる文字は「し」です。
 2行目にはまた正丸が登場、つまり駅は国分寺です。こんどは矢印の起点が2文字めなので、「じこくぶん」と変換され、導かれるのは「ん」。
 3行目はオレンジの着物の武士で、券売機の数字は「08」。池袋線の08、すなわち富士見台。矢印の起点は4文字めで、「みだいふじ」となり、「じ」が導かれます。
 4行目は青い着物の武士で、券売機の数字は「02」。青いラインカラーの新宿線の02ですから、高田馬場。矢印の起点はまた4文字めです。「のばばたかだ」となり、答えは「だ」。
 これまでの武士たちはみんなページの端のほうに描かれていましたが、最後の緑の着物の武士だけはだいぶ奥まったところに描かれており、ちょっと見つけづらくなっています。裏の券売機の絵も確認しづらいのですが、「03」とわかります。国分寺線の03、鷹の台です。これは矢印が素直に1文字めから引かれており、「たかのだい」の「い」が答えです。
 つなげると、「しんじだい」……正丸が家督を継いで新時代がはじまる、という希望に満ちあふれた言葉が出てきました。
 これを送信すると、「本当のエンディング」となります。正丸の近代化政策により、イルマ国は大いに潤い、正丸は名君としてたたえられたけれども、その莫大な国庫金の多くを拐帯してまたもや行方をくらましてしまいます。隠居していた家政が激高するところで幕切れとなりました。

 一本道の謎解きとはいえ、なかなか愉しめました。池袋線と新宿線の2大幹線だけでなく、拝島線や国分寺線といった支線区に入るようになっていたのも面白かったところです。欲を言えば、もう少し奥のほうまで使って、最後は飯能あたりから帰ってくるような形にしていただきたいものです。狭山線や山口線にも、路線図の上のヴァーチャルな乗車だけでなく、実際に乗らざるを得ないような仕掛けになっていれば面白かったでしょう。まあ、便数が少ないので組み込みづらいのかもしれませんが。
 謎解きを開始したのは11時ごろ、大塚駅構内のカフェで「本当に本当に最後の謎」を解き終えたのは19時ごろで、8時間かかったようでもありますが、食事時間や、最後に特急に乗るための迂回乗車などを差し引けば、まあ所要時間は7時間弱というところだったでしょうか。「本当に本当に最後の謎」は帰宅してからでも解けるということを考え、その前の国分寺駅での正丸発見でいちおうのクリアとすれば、6時間ほど、食事時間を引いて5時間半くらいで、まあ好いペースだったのではないでしょうか。
 池袋では冊子を携えたプレイヤーをかなり見かけたのに、途中ではあんまり遭遇しなかったのが不思議です。私たちが遅かったのか早かったのか。練馬でひと組、田無神社で数組、小平でひと組、小川で何組か。ひばりヶ丘や東村山ではまったく見かけませんでした。案外と、中途でリタイアした人が多かったのでしょうか。この手の謎解きイベント、ほとんどの人がクリアしているとばかり思っていたのですが、前に鉄道探偵のリプレイを書いたとき、途中で諦めた人がコメントしてくれたことがあります。謎解きリタイアは、私が想像する以上に多いのかもしれませんね。

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コメント 2

クシポヌ

解決編、非常にありがたいです(泣)
私は訳わからないまま国分寺にたどり着いてずっとモヤモヤしてましたのでとても良かったです。タカラッシュさんも期限切れた謎解きは全部解答まで公表してくれたらいいんですけどね(泣)

明日は台風一過で天気もいいみたいだし、JR山手線の謎解きに行ってきます! 
ともかく一言お礼申し上げたくてコメント残させてもらいました。
by クシポヌ (2022-09-25 01:01) 

コンビニ作曲家MIC

#クシボヌ様
コメントありがとうございます!
謎が解けないままにゴールにだけ辿り着いてしまったのですね。
確かに、タカラッシュ!さんにはそんなことがあるようです。
私も、いろいろすっ飛ばした状態で、ゴールに着いてしまったことがあります。
ゴールした状態でヒントを見れば、減点にはならないようですので、様子がわかるかもしれませんね。

山手線の謎解きとは、「7つの奇妙な足跡」というヤツでしょうか?
私もそのうちプレイする予定です。
制作会社の「よだかのレコード」さんの謎解きはやったことがないので、楽しみです。

by コンビニ作曲家MIC (2022-09-28 19:33) 

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