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「地下謎への招待状2023」解決篇(2) [趣味]

 2月16日(日)にプレイしてきた「地下謎への招待状2023」の解決篇続きです。
 王子からスタートして、神保町・月島・根津・日比谷を経て、最後の駅である神谷町に向かいました。
 「終章 旅の終着点」の袋とじを開けると、どうやら東京タワーに向かうことになるようでした。かなり距離があります。最後まで歩かせてくれます。まあ、最終目的地が東京タワーというのも、なかなかシャレてはいますが。
 「ガイドブック」の指示に従って歩くと、芝高校正則高校のあいだの路地を抜けて、芝公園の一角に出ました。大きな広場になっています。その広場に立って、青い大きな3つのアルファベットを探せ、というのが最初の指示でした。真ん中の「M」だけは明かされています。
 すでに18時近く、あたりはすっかり暗くなっていましたが、それだけに求めるアルファベットはかえってすぐに見つかりました。青く光っているのでいやでも目立つのです。日本能率協会JMAのロゴでした。
 このJが①、Aを②として、

  ①+②+②=③
  ①=①②④③
  ②=②④E  のとき

  ①ー②ー②=?

 という等式を解けというのが問題です。答えは1桁の数字になるそうです。
 まともな「覆面算」だと思って取り組むとバカを見ます。2番めと3番めの等式に、演算記号が書かれていないのがミソでした。
 アルファベットを代入すると、

  J+A+A=③
  J=JA④③
  A=A④E

 ということになります。私は最初、④は演算記号なのだろうと思ってしまったのですが、そうではありません。丸数字は全部アルファベットに置き換えられるのでした。

  J+A+A=K
  J=JACK
  A=ACE

 3番めの等式の仕掛けに気づけば、あとはすぐにわかります。トランプの記号なのであって、Aはエースつまり1、Jはジャックつまり11、Kはキングつまり13となります。従って問題の「①ー②ー②」は、「11ー1-1」となり、答えは「9」なのでした。
 残りは東京タワー内での手がかり収集となります。4箇所ほどで、数字を集めることになります。まずショッピングセンター「TOKIO333」「3」、それから2階の東京タワー像に書かれている建立年の数字「1958」、ギャラリーに飾られているボトルの、ある区画の本数である「4」、そして3階の東京タワー像をライトアップしている照明の数「8」が求める数字でした。
 これとさっきの「9」を代入して、いろいろな変換式を成立させます。
 まず、デジタル文字の「6」を5に、「7」を4に変換する「」という演算子があり、「4」? というのでしたが、これはデジタルバーの本数です。答えは4です。
 それから、2023二〇二三 地下9 3339 のとき、1958? とあります。緑の矢印はアラビア数字を漢数字に変換する記号、紫の矢印は漢字の画数を表す記号と思われます。「地下」は確かに9画です。「333」は「三三三」と書き直せばやはり9画です。「1958」を「一九五八」と書き直し、画数を数えると、これも9画でした。つまり答えは9です。
 さらに、2T、6S、11E のとき、「3」「8」「9」? というのですが、これは数字を英語表記したときの頭文字だとすぐわかりました。3・8・9は「389」というひとつの数字ではなく、1桁ごとに変換するようになっていましたので、「Three」「Eight」「Nine」で答えはTEN、つまり10でした。
 出てきた答え「4」「9」「10」を掛け合わせたものが求められ、その積「360」を、下に書かれた数字=ひらがなの変換ボードによりひらがなに換えます。神谷町のANSWERは「きぼう」でした。

 この「きぼう」を公式サイトに送信すると、web上での本当の最終章がはじまります。
 本来なら、ここは東京タワーの休憩室などでくつろぎながらプレイすべきところでしょうが、私たちはすぐに行かなければなりません。すでに18時を大きく回っています。このあとChorus STの練習に出なければならず、それは19時半からはじまるのです。神谷町の駅まで歩き、日比谷線霞ヶ関銀座まで行って丸の内線に乗り換えて新大塚に行く……というのがいちばん簡単そうですが、意外と時間がかかりそうでもあります。
 神谷町の駅まで遠いので、いっそのこと東京タワーから出るバスでしかるべき駅まで行ってしまおうかとも思いました。タワーのビルを出たとき、ちょうど目黒駅行きのバスが発車してしまいました。それに乗れていれば、目黒から南北線後楽園へ、そして丸の内線に乗り換えるというルートで、案外楽に新大塚まで行けたと思うのですが、逃してしまいました。次の目黒駅行きはしばらく来ないようだし、ほかの路線が行くところはあまり有効でない場所でしたので、やはり素直に神谷町まで歩いて戻りました。
 新大塚に着くと、ほんの少しだけ余裕があることがわかりました。私はだいぶ空腹だったので、駅前のコーヒーショップに入って軽食を食べつつ、webの謎に挑戦しました。
 すると、不思議な変換式が出題されました。
 「24時間パス」の裏面とおぼしき絵が示されているのです。本物は、有効月日と時間が刻印されているのですが、そこは空欄になっていて、「月」の数字と「日」の数字との差をまず求められます。
 私の場合は2月17日(24時間有効なパスなので、プレイ日の翌日が有効期限となります)だったので差は「15」。それに「+2」するよう指示されます。「17」となります。
 ここから、先ほど使った変換演算子の色付き矢印が示されます。「」の順です。
 「17」は緑矢印で「一七」となります。紫矢印で画数を求めると「3」。これを青矢印でデジタル数字にすると、バーは5本で表されますので、答えは「5」。また、赤矢印で英語表記の頭文字を求めれば「Five」で「F」です。
 この答えを、

   ?
   0 ?

 という文字・数字列の?に代入し、そこから導かれる5文字の言葉の、後半3文字を入力せよ、というのでした。
 上のほうの?は、青矢印の先の文字を入れる仕様です。従って「F」。そして文字・数字列は、実際にはカマボコ型のような枠で囲われていました。それで、これは地下鉄の駅ナンバーではないかとピンときました。
 「F05」であれば、副都心線の第5駅、氷川台です。後半3文字は「わだい」。そう入力すると、確かにそれが正解で、話が進みました。
 しかし、ここで疑問が湧きます。プレイ日などは人によってさまざまであり、したがって「月」と「日」の差分も非常にたくさん考えられます。ゼロから30まで、どの数字でもありうるでしょう。それなのに、「わだい」という答えが共通して得られるものでしょうか。
 帰宅してから検証してみて、私は非常に驚きました。まさに目から鱗が落ちる想いです。
 なんと、上の変換式にかけると、青矢印の答え、つまりデジタルバーの本数は「4」か「5」の2択にしかならないのでした。赤矢印の答えである英語だとFourとFiveで、両方ともFです。そして「F04」はと言えば平和台駅です。氷川台でも平和台でも、後半3文字は同じ「わだい」です。
 もう少し詳しくご説明しましょう。最初に「+2」するのがミソで、これにより漢数字からは「〇」と「一」が除外されます。このふたつは1画ですので、デジタルバーにしても「2」であり、条件に適いません。
 それで数字は「2」から「32」ということになります。いちばん月日の数字の差が大きくなるのが1月31日で、このとき差分が「30」なので、2を足すと「32」であるわけです。12月12日のように差が「0」のときには「2」になります。実はこの、2~32の範囲の数字を漢数字で書いた場合、すべて2画~7画に限られます。8画以上になるものはありません。8画であれば、デジタルバーは7本となりますが、それは無いのです。
 デジタル数字で2から7までを示すと、バーの数は4本か5本にしかならないのでした。「6」は6本になるのじゃないかと思って首を傾げましたが、ガイドブックを確認すると、「6」は5であると明示されていました。普通のデジタル数字と違って、この問題だけの約束事として、上のバーが表示されておらず、「b」に近い形に示されていたのでした。
 「4」と「7」が4本、「2」「3」「5」「6」が5本ということになります。従って、導かれる数字は4か5の2択、どちらも英語の頭文字はF、駅ナンバーだと氷川台か平和台の2択というわけでした。
 「ひかわだい」と「へいわだい」と、「わだい」を含む駅名が仲良く並んでいること、それがF04とF05で、4と5がほとんどの数字のデジタルバーの数に共通していること、考えられる差分の数字に2を足せば、デジタル数字の「1」を除外することができること、そして4と5の英語表記の頭文字が同じFであることなど、かすかな偶然のようなものを見事に結びつけた問題だったのです。この出題には心底感心しました。「地下謎」4年間のブランクのあいだにたまった制作者の執念のようなものさえ感じました。
 なお、2を足した時点で「34」になってしまうと、もう成立しません。「三四」は8画になります。月日の差の数字0~30、2を足して2~32という範囲は、まさに絶妙なところなのでした。
 さて、謎はもう1問あるようでしたが、どうやら工作が必要らしいので、その場ではできません。帰宅してからということになります。

 Chorus STの練習のあと、帰宅して続きを試みます。
 まず、変な図形が示されます。文章で説明するのは非常に困難なのですが、まあ三角形というか上のすぼまった台形というか、そんな形が並んでいます。下辺は一直線になっています。
 そして、唯一これの無いものを探し、その右側を塗りつぶせ……というのが最初の指示です。
 唯一これの無いものと言われても、これがそもそもなんなのかわかりません。しかし、じっくりと眺めていると、「地下謎」のレギュラーキャラクターである「車掌さん」のヒゲであることがわかります。つまりヒゲの無い車掌さんがどこかに居るのを探さなければなりません。
 車掌さんはガイドブックだけでも至るところに登場しているので、全部チェックするのも一苦労です。しかも、ガイドブックの車掌さんはすべてちゃんとヒゲがあるのでした。ほかのアイテムも片端から見直し、ついに、最初に使った「車掌さんのコラムシート」に出ている車掌さんにヒゲが無いのを発見しました。
 その右側を鉛筆で軽く塗ると、透かし文字が浮き上がってきます。

 ──絵馬の藤をレベーにしろ

 という、これまたわかりにくい指示でした。
 が、絵馬の絵はそんなにありませんので、逆に探すのに苦労はしませんでした。ガイドブックの、第三章(根津篇)の最初のページに絵馬があり、奉納者の名前が「工藤 夕一」と書かれていました。この中の「藤」を「レベー」に変えると、「エレベーター」となります。
 これはひとまず置いといて、いままで空けていなかった「緑の封筒」をここでついに開封します。中には厚めの紙で作った何かのパーツのようなものが2枚入っています。
 これを、指示どおりに折ったり貼ったりして組み立ててゆきます。その手順には特に謎は無く、書いてあるとおりに組み立てれば問題はありません。そして最後に、「シールシート」で残っていたエレベーターのシールを上面にくっつけ、ひっぱり上げます。
 注意深くやらないとすぐに崩壊しそうで怖いのですが、つまりはペーパークラフトで東京タワーを作ったということになるようです。ガイドブックの最後のページが台紙になっていて、その上にタワーがそびえ立つのでした。
 そのタワーには、あちこちに文字が書いてあり、それを上から読めというのでした。私は不器用なので、うまくタワーが立たず、どの字が上やら下やら微妙な感じでしたが、言わんとすることはわかりました。

 ──さいごのこたえはおしまい

 と書いてあったのです。「おしまい」と送信すると、エンディングがはじまりました。
 時計を見ると、日付が変わる直前でした。かろうじて、一日のうちにクリアできたことになります。
 最後の問題は「謎」というよりも工作がメインだった感じですが、それにしても制作に気合が入りまくりという観がありました。次回以降のハードルが上がってしまったのではないでしょうか。いや、今回のラストアンサー「おしまい」は、「地下謎」シリーズ全体の終焉を告げるものであったりして……いやいやまさかね。

 10日後の2月26日(月)、私はひとりで落穂拾いに出かけました。プレイ当日に立ち寄らなかった、四谷三丁目・九段下・東銀座の各駅に行って、どんな問題だったのか確認したのです。
 南北線で四ツ谷まで行き、丸の内線にひと駅乗って四谷三丁目へ。ちなみに四ツ谷も昔の地下鉄では「四谷」表記だったのですが、JR駅の表記に合わせてツの字を入れることにしたようです。四谷三丁目のほうはツの字が無いままです。
 ガイドブックの記述のとおりに歩くと、まず外苑東通り四谷警察署のほうに行き、警察署の前を通り過ぎたあたりで一本中に入るようです。ほどなく、田宮神社陽雲寺が建っています。斜向かいと言って良いような位置関係です。どちらも、四谷怪談お岩さんを祀っています。田宮というのはお岩さんの亭主の伊右衛門の家で、四谷怪談ではとんでもない浮気男にされていまっていますが、実際には仲睦まじい夫婦であったとか。
 謎の手がかりは陽雲寺のほうで、山門を入ると「幸福祈願」と大書された立札が眼につきます。月曜の午前中ですが、やはり地下謎プレイヤーが何人か固まっていました。ガイドブックのほうには「A福BC」となっています。そしてその横に、

  A★ B✙ C◎

 とあり、上に小さい丸が並んでいます。「A」の上には3つ、「★」の上にはひとつ、「B」「C」の上にはふたつ、「✙」「◎」の上にはやはりひとつずつ。
 小さい丸は読みがなをしめしているようで、アルファベットは漢字、記号は送りがなでしょう。つまり「A★」は「幸せ」であり、従って「★」は「せ」。「B✙」は「祈り」で「✙」は「り」。「C◎」は「願い」で「◎」が「い」となります。「祈る」「願う」の形かとも思いましたが、そのあとの問題を見ればそうでないことがわかります。
 そのあとにいろいろ記号が出てきますが、ここでそれを再現するのが難しいので、丸数字で表すことにします。

  DE=★◎✙①
  D✙E①=②✙③①

  ④③②→
  ✙①③◎→
  ①✙④⑤→

 矢印の先には、なんらかの形でそのものを表す図形が示されています。
 「★」が「せ」、「✙」が「り」、「◎」が「い」でしたので、DEは「せいり①」となる漢字。D✙E①はそれに送り仮名を振った形と考えられます。そしてその読みが「②り③①」です。
 DEはたぶん「成立」でしょう。これだけでは決め手に欠ける感じですが、「成り立つ」と訓読みできることを考えると間違いなさそうです。①は「つ」、②は「な」、③は「た」です。
 すると④③②は「×たな」で、図形は横に5つ並んだ四角形の、右から4番め・左から2番め・いちばん左を結んだ矢印が描かれています。これは五十音図の一部と考えられ、「かたな」が答えでしょう。④は「か」だったわけです。
 ✙①③◎は、実際には①が少し小さく印刷されています。小さい文字ということでしょう。いままで判明した文字だけで解読でき、「りったい」。矢印の先には立方体の絵が描かれています。
 ①✙④⑤では新しい記号が入ってきましたが、「つりか⑤」までわかっており、矢印の先は三角形の上の頂点に棒がつながっているような図形が4つ並んでいます。明らかに「つりかわ」の図案化です。これで⑤が「わ」とわかりました。
 これを踏まえて、

  ◎①⑤✙④゛★◎④◎

 という記号列を解読すればANSWERが出ます。ここまで判読できていれば難しくはなく、「いつわりがせいかい」と読めます。ANSWERは「いつわり」でした。エピローグページの文字盤で「い」「つ」「わ」「り」の下を読めば「ふうせん」、確かに神保町と同じキーワードAが得られました。

 丸の内線で赤坂見附まで行き、接続駅となっている半蔵門線永田町から、神楽坂へ。
 ここは駅から近い神楽坂テラスの前庭がネタになっているので、歩く距離が短くなっています。前庭には、いろいろと石碑が建っているのですが、その石碑にある文字を、ガイドブックの写真と照らし合わせて探すというのが第一段階です。石碑に彫られている文字は篆書体が多く、判読しづらいので手間がかかると言えます。
 しかし、注意深く見れば見つかるので、頭はあまり使わずに済みます。ひとつだけひっかけ問題と言うか、2つの石碑に共通している文字があったのですが、その片方の石碑からは実は別の文字が使われています。
 探し終わったら、石碑をあらわすマークと、その石碑に書かれた文字の写真番号とを、ある図上でつなぎ合わせます。できた図は簡略過ぎてなんのことだかわかりづらいのですが、どうやら九段坂テラスの玄関を模式化しているようです。玄関から中へ入れという指示なのでした。
 5本の柱のある場所まで行け、という指示がありますが、これは九段坂テラスのエントランスホールのことで、確かに5本の柱の上に、10個ずつの電球が据えられています。この電球の数の合計を問われますが、もちろん50個です。
 その下に数字=文字対応表が置かれています。そこで「5」と「0」に相当する文字を拾うと「再」「生」。「再生」が神楽坂のANSWERです。これもエピローグページの文字盤で変換すると「真」「空」。月島と同じキーワードB「しんくう」が得られたことになります。

 九段下から、今度は東西線に乗り、茅場町で日比谷線に乗り換えて東銀座へ。
 歌舞伎座の地下を通る出口から出て、すぐ近くにある築地川銀座公園に行きます。ここでの手がかり収集は、

 A 立っている女性の像が、顔に当てているのはどっち? 右手→4 左手→1
 B 「健康こみち」の中で、向かって右手前にあるパネルはどっち? [二]→3 [十]→6
 C イヌの像の中で子イヌは全部で何匹? 4匹→4 5匹→5

 という3題で、さして広くもない公園なので、あっという間に集め終われます。女性像が顔に当てているのは左手で「1」、パネルは二の字のほうで「3」、子犬は5匹居るので「5」。ちなみに「健康こみち」というのは、足つぼを押すような突起のついたパネルが敷き詰められた遊具で、ちょっと試してみたらとても痛かった。
 手がかりはこれだけなのに、この東銀座は「高難度」とされ、目安の所要時間も「60分」と書かれています。「難しい」というよりも「面倒くさい」のではないか、と私は予想しました。
 確かに、ここからの手順は3段階にもなっていました。まず、7×7のマス目を持つ盤面が示されます。いくつかのマスに、数字と、の3色をしたひらがなが書かれています。問題Aの答えと問題Bの答えのある数字はそのままで、それ以外の数字は黒マスに塗ります。また、黒マスはすべて、問題Cの答えの数のマスのまとまりとなります。一方、塗られていないマス(以下、白マスと書きます)の数字は、その数字が入っているマスのまとまりのサイズを示します。
 ルールはなんだかややこしい気がしますが、実際にやってみるとそんなに難しくはありません。この場合だと、1と3のマスは白マスとなり、2と4のマスは黒塗りすることになります。
 最初、なかなかうまくゆきませんでしたが、「ひとつの黒マスのまとまりに複数の数字が入っても構わないこと」「数字の入っていないまとまりがあっても構わないこと」の2点に気づくと、あとは楽勝でした。この手のパズルは、たいていひとつのまとまりにひとつの数字を入れるルールになっていることが多いので、早とちりしてしまったのです。
 塗られていないマスの、のカナをそれぞれ上から読み取ります。「さが」「かず」「おや」となりました。
 次の問題は、都道府県名スケルトンです。スケルトンパズルはたいてい、埋めるべき言葉のリストが添えられているのですが、ここでは都道府県名ということでリストが無く、それだけに都道府県名を思い出すのに手間取りました。人並みよりは日本地理に詳しいはずの私でも考え込んでしまったのですから、確かに難問かもしれません。風の強い日で寒くもあったので、私は築地川銀座公園を出て日比谷線に戻り、そのまま北千住まで出てしまって、駅ビルのヴェトナム料理の食堂に腰を落ち着けて、そこで謎解きの続きをしました。13時半過ぎになっていて、そろそろ空腹でもあったのです。

 スケルトンのマスのところどころに、1~10の数字が振られています。「さが」が1と2、「かず」が3と4、「おや」が5と6に入ります。7から10は、逆に入った文字を次の問題に使います。ここでは、「も」「り」「か」「ち」が入りました。
 3番めの問題は、6×6のマス目全部に文字やイラストが入っています。イラストは「森」「鯉」「縄」「勝ち」の4つ。「勝ち」の絵というのは、ジャンケンのグーとチョキが示されて、グーのほうに矢印がつけられているというものでした。ここでは、前問で7~10に入った文字、つまり「もり」から「かち」までを、すべてのマスを通過して線で結ぶということになります。ただし、オレンジのマスとのマスがあり、オレンジのマスでは必ず線が曲がり、のマスでは必ずそのまま直進するという追加ルールがあります。
 こういうリンク系のパズルも私はわりと得意で、そんなに手間はかかりません。ほどなくルートが判明しました。そのルートに従って、4マス目ごとの文字を読んでゆけというのが最終的なミッションでした。

 ──赤い枠に1を足せ

 出てきたのはANSWERではなく、そういう指示文でした。
 「赤い枠」というのは、上記の問題A、B、Cの答えを記入する欄のことでしょう。つまり、それぞれの答えに1をプラスして、最初からやり直せ、ということだったのです。こりゃあ時間がかかるわな、と私は深く納得しました。
 考えてみると、この東銀座の問題に限り、ガイドブックに「予備用盤面」なるものが用意されていました。黒塗り問題、都道府県名スケルトン、文字拾いリンクの3つの盤面が、そっくりそのままあとのページにもうひと組載っていたのです。なんでそんなものがあるのかと思っていました。難しくて何度も解き直さければならないから、ではなく、同じパズルを2回ずつ解かなければならないからなのでした。
 黒塗りパズルを、「2」「4」「6」で解き直すと、こんどは「ふな」「がか」「しき」となりました。それでスケルトンを解き直すと、7~10は「な」「わ」「こ」「い」となりました。実は2度めのスケルトンに取り組む頃には、仕掛けがわかっていたので、先にその数字のマスに「な」「わ」「こ」「い」と記入して解いたので、わりに楽にできました。まあ、「こ」「い」「な」「わ」の可能性もあったので、ひとつ入るまでは確定できませんでしたが。
 そして、「なわ」から「こい」までリンクを作り、ふたたび4文字めごとに読むと、

 ──こたえはしばい

 となりました。ANSWERは「しばい」、エピローグページでの変換をするとやはり「しんそう」となり、一件落着です。
 いや、しかし、まったく同じ配置の都道府県名スケルトンで、まるで違う答えを出してしまうというのが、凝りに凝った出題と言わざるを得ません。黒塗りパズルとリンクパズルは、まあ同じ配置で別解を作るのもそう大変ではないだろうと思うのですが、都道府県スケルトンだけは心底脱帽しました。終盤での「わだい」の謎と併せて、パズルそのものとしての面白さは、やはりほかの謎解きイベント制作会社に較べ、scrap社が一頭地を抜いているような気がします。
 来シーズンも楽しみにしています。本当に今回で「おしまい」ではないことを祈ります。

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