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「異国からの訪ね人と思い出の路線図」リプレイ [趣味]

 「地下謎への招待状」「鉄道探偵」のリプレイを続けざまにアップしていますが、この前の日曜(3月17日)にも、ひとつ謎解きをしてきました。
 「異国からの訪ね人と思い出の路線図」というイベントで、都電荒川線日暮里・舎人ライナーの沿線に限定されたライトな謎解きです。この範囲では、2020年「不思議なキャンバスの秘密」というのをやりましたが、その同じシリーズです。ただし、鉄道探偵とは違って登場人物などの共通性はありません。また、それから4年のあいだに、もういちどシリーズを開催したようでしたが、どうやら私はそれを見逃してしまったようです。
 今回のも、「鉄道探偵」プレイ中に、都営地下鉄の車内でポスターを見て知ったのでした。このところやや、謎解きイベントへのアンテナが鈍っていたようです。タカラッシュ!社の謎解きイベントに参加することで獲得できるハンターズポイントも、確認したら180日間新規ポイントが無かったので失効してしまったとか。800点以上貯めていたのに、残念です。
 「異国からの訪ね人と思い出の路線図」は、今日(3月21日)にイベント期間が終了するとのことで、
 「これはさすがに参加は無理かな」
 とマダムと話していました。
 ただ、ライトなイベントだけに、「地下謎」や「鉄道探偵」のように一日がかりにはなりません。半日あれば充分です。17日、昼からは特に何も予定が無かったので、
 「都電の謎解き、これからやってくるかな」
 とマダムに言うと、マダムも午後に申し込んでいたフィットネスジムのクラスをキャンセルして同行することになったのでした。日曜の午前中のクラスは、マダムは仕事が入らない限り欠かしたくない様子なのですが、午後のクラスはそこまで熱心ではないらしい。
 そんなわけで、また謎解きリプレイです。

 まずは日暮里駅へ向かいます。冊子は日暮里・舎人ライナーの駅ならどこでも入手できたようですが、うちから行きやすいのは日暮里か西日暮里です。どうせなら始発駅から乗ったほうが愉しいと思ったので、日暮里まで行ったのでした。毎度おなじみの「都営まるごときっぷ」を購入します。
 冊子は駅の入口のところに大量に積まれていました。A4判の紙を3つつなげて3つ折りにしたもので、冊子というよりはパンフレットという感じです。
 電車に乗る前に、ざっと眺めてみます。10年ぶりに日本に来た外国人の「リアム」くんに頼まれて、探し物に同行するという設定でした。10年前に来日した際、都電か日暮里・舎人ライナーのどちらかの駅附近で「大切な宝物」を落としてしまったのでそれを探したいというわけです。
 彼が10年前に記したメモを手がかりに、いくつかの駅や停留所を訪ね歩くことになります。その駅名・電停名を割り出し、そこから歩いておなじみ手がかりステッカーを見つけるのが謎解きの内容です。
 前にやった「不思議なキャンバス」では、それぞれの路線で3回ずつくらい乗り降りしたと思いますが、今回は全部で4つと、さらにコンパクトになっています。ぱっと見たところ、駅名・電停名を割り出す謎は、そんなに難しくはなさそうです。
 まず第1の目的地ですが、リアムがどこかの駅の構内図のような体裁で描いている何かを解読します。構内図と思ってまともに考えると答えは出ませんが、冊子を横にしてみると、なんのことはない「西日暮里」という漢字になっているのでした。あまりヒネリの無い問題でしたが、漢字をまったく知らない外国人が漢字を見ると、図案みたいに見えるのかもしれないと思い、いささかの興味深さを覚えました。

 日暮里・舎人ライナーに1駅だけ乗って、西日暮里で下ります。リアムの言うには、この駅の名前がつく公園である看板を見た、とのこと。つまり西日暮里公園というところに行かなければなりません。
 「あ~、もしかして、あの公園か?」
 と、いくぶんうんざりして私は呟きました。前に谷中銀座を訪ねたとき、日暮里から行ったのでしたが、帰りは西日暮里まで歩いた、ということが2度ほどあったのです。そのときに、西日暮里の駅近くでちょっとした公園に行きあたって、その公園を通って駅に辿り着いたのでした。公園は高台の上にあり、階段を下りるとようやく駅前の歩道橋の上に到達するというかなりの高低差がありました。今回はそこを登らなければならないかと思ってうんざりしたのでした。
 地図で確認すると、確かにそこが西日暮里公園です。歩道橋を登りはじめると、近年とみに足腰ががたぴししているマダムが渋い顔をしました。さらに、歩道橋から公園に登る階段にさしかかると、悲鳴を上げていました。
 4階まで上がったくらいの落差ではなかったかと思います。リアムの見たという看板はすぐに見つかりました。
 ステッカーには買い物帰りのおばあさんが登場していて、

   ご よ
   に っ

 と謎のメッセージをくれました。これは、冊子にある「宝の手がかり」という欄に転記すれば良いようです。
 その場で第2の目的地を考えます。2問めは文字拾い迷路で、リアムが10年前に書いて貰った地図という無理矢理な設定です。メッセージをくれたおばあさんが何か落として行ったとかで、その落とし物を拾うように迷路を進んだときに通る文字が次の目的地だというのでした。
 迷路には、みかんとりんごとバナナがいくつかありました。おばあさんが持っていたのはみかんでしたので、みかんを拾うように進むと、「王子駅前」と文字が拾えました。早くも荒川線に乗り換えることになるようです。まあ、乗換駅である熊野前は、西日暮里からわずか2駅ですが。
 私らはここで割り出したので、ステッカーの絵を確認できて、みかんを持っていたことがすぐにわかったから良いようなものの、見逃す人もいたのではないかと心配になりました。実はりんごを拾うと「町屋駅前」、バナナを拾うと「鬼子母神前」と読めるようになっていたのです。間違えてそのどちらかに行ってしまう人が居なかったろうか……と思ったのですが、あとでパンフレットをよく見ると、みかんを落としているおばあさんの絵がちゃんと描かれていました。

 西日暮里から王子では、JRを使ったほうがよっぽど簡単に着けるのですが、いまやっているのは都電荒川線と日暮里・舎人ライナーのイベントですし、都営まるごときっぷも買ってあるので、日暮里・舎人ライナーの駅まで戻って、電車に乗りました。ちなみにその段階で、私は「3つめの目的地」「4つめの目的地」もすでに割り出してしまいました。西日暮里公園のおばあさんのみかんのような、それがわからないと次のが割り出せない、という仕掛けにはなっていなかったのです。まあ、その謎解きはそのときになってから書くことにいたします。
 熊野前で乗り換え、都電に乗って7区間。王子駅前に到着します。
 王子では、リアムは「しんすい」とつく公園に行って、川辺の道で地図を見たと言います。この「しんすい」がいわばひっかけで、日暮里・舎人ライナーの利用者なら、真っ先に終点の見沼代親水公園駅を考えることでしょう。しかし、目的地が王子駅前とわかってみれば、これは音無親水公園のことだと判明します。石神井川隅田川に流れ込む直前で深い渓谷を作っているところです。それに、冊子をよく見ると、目的地を記入する欄で、最初のものだけ「駅」と書かれていたのに、残りの3つはいずれも「停留所」とありました。3つめも4つめも荒川線のほうであるようです。
 都電の乗り場から音無親水公園へは、明治通りをその場で横断できれば簡単に行けるのですが、近くに横断歩道が無いため、かなり大回りしなければなりませんでした。歩道橋はありますけれども、マダムがいやがりそうです。
 石神井川の桜はまだ咲いていないので、人混みはさほどのこともありませんでした。問題の地図の前に、何組かのプレイヤーがたまっています。
 地図のところに貼ってあったステッカーでは、さっきのおばあさんは連れ合いらしきおじいさんと一緒に居て、そのおじいさんが「杖を失くして困っている」ということになっていました。冊子上でおじいさんに杖を持たせよう、と身も蓋もない出題が為されています。
 冊子には確かにおじいさんのイラストがあり、ページを折ることで杖のイラストとつなげることができます。すると、おじいさんのセリフが

  か つ
  え め

 となりました。冊子の人物イラストは、たいてい何か2~4文字のセリフをしゃべっています。おじいさんはもとは

  か ろ
  え う

 と言っていたのですが、杖を持たせることで変化したのでした。これを「宝の手がかり」の記入欄に転記します。

 3つめの目的地も、リアムが昔描いた絵の解読です。3台の信号機みたいなものに、5つずつ目がついています。目はどれも上から、黄色・赤・白・茶色・緑の順に彩色されており、それぞれにひらがながひとつずつ書かれています。そして「『ち』『し』『き』のじゅんでくりかえす」と注意書きがありました。
 「ち」「し」「き」が何を示すかがカギで、「茶色」「白」「黄色」の最初の文字だと見当がつけばあとは簡単です。左の信号機から順に「茶色」「白」「黄色」の目に書かれている文字を読むと、「あらかわしゃこまえ」となりました。荒川車庫前ですね。
 王子駅前からだと、熊野前方面に戻ることになります。先の話になりますが、4つめの目的地も王子駅前と熊野前のあいだにある電停で、今回は移動範囲もごくコンパクトだったようです。同じタカラッシュ!制作の「鉄道探偵と氷点下2℃の幻影」が、えらく広範囲の移動をさせられたのに較べ、ずいぶんとこぢんまりしています。
 王子駅前の、そば屋「いろり庵きらく」とカフェ「ベックス」が合体したような店で一憩し、ふたたび都電に乗ります。この合体店、マダムが以前からいちど入りたいと熱望していたのでした。
 3区間で荒川車庫前に到着します。上下線両方から、直角になるように進入する車庫で、そのために都電の車内の路線図は、進行方向と合っていないことがあります。というか、三ノ輪橋を左にした路線図が両側に貼られているので、確実に一方は逆になっています。直角になっている車庫から双方向に出てゆくため、どちらが前になるかわからず、路線図の向きを進行方向に揃えられないのでした。
 荒川車庫に隣接した「都電おもいで広場」というところがネタになっています。土日の夕方までしか開いていない施設で、このときすでに閉まっていましたから、これは遅かったかと思いました。しかし、入口の通りに面した看板のところにステッカーが貼られていました。
 こんどは、小さな男の子に、居なくなった犬を探してあげるというのがミッションです。冊子の中に、空の首輪をひきずった男の子のイラストがありました。犬の絵もあったので、またページを折ってそれらをくっつけます。すると男の子は

  て さ

 と発言したことになりました。

 4つめの目的地を割り出す問題は、3つめよりむしろ簡単でした。

  :::::
  ほめぬへい
  まもねほう
  ①②③④⑤

 とリアムがメモしていたわけですが、50音順に次のカナを読めばそれで良いので、答えは「みやのまえ」……宮ノ前です。荒川車庫前からさらに3区間、熊野前のひとつ手前になります。
 宮ノ前電停で下りると、冊子を持った男性がすごい勢いで電車に乗ってきました。たぶん、宮ノ前での謎を解くことで明らかになる、第5の目的地があったのだと思われます。
 リアムは、この停留所の名前がつく公園に図書館があり、その隣の広場の砂場あたりで休憩した、と言います。宮ノ前公園ということなのでしょうが、近くには地図が見当たりません。スマホのマップで検索してみたら、その附近ではなく、いやに広範囲の「宮ノ前公園」「宮の前公園」がひっかかってわけがわかりません。
 実は「宮前公園」という表記だったのでした。スマホではこれは判別できないでしょう。
 マダムは自分のスマホを見ながら、ずいずいと歩いて行ってしまいましたが、そもそも地図を読めない女であって、ほかの道を通った私よりもだいぶ遅れて公園に到着していました。相当に遠回りした様子です。
 砂場の柵(最近は砂場が柵で囲われている公園が多いですね)のところにステッカーがありました。こんどは、女子高生に手袋をはめてやるミッションです。またまたページを折ってミッションをコンプリートすると、女子高生のセリフは

  と い
  け

 となりました。
 これで手がかりが出そろいました。右の行を先になるようタテ読みすると、

 ──よっつめさいごにかえてとけ

 という指示文が現れます。
 どういうことだろうかと一瞬考えましたが、さっき女子高生に手袋をはかせようとページを折ったときに見たものが意識下に残っていたようで、わりとすぐに意味をつかむことができました。ページを折り返すと、「4つめの目的地」と書かれていた標題が、「最後の目的地」と読めるように変化するのです。そして、第4の謎の①②③⓸⑤という丸数字の上が、白い丸が1個ずつ、そしてさらに上に、小さなイラストが重なりました。
 イラストは、月・斧・柿・鹿・蛸の絵で、よく見ると鹿には角のところに矢印がついているので、「鹿」ではなく「角」と解すべきなのでしょう。さてこれをどう見るか。
 絵はすべて2文字の言葉になり、1文字めを順に拾ってみると「つおかつた」で意味が無さそうです。2文字めを拾うと「きのきのこ」となり、これも意味があるのかわかりません。考え込んでいると、さっさとヒントページを見ていたマダムが、
 「なんで『きのきのこ』になるのかが理解できない」
 と言い出しました。すると「きのきのこ」で良いようです。
 答えのほうがわかれば、なぜそうなるかは見当がつきます。各イラストの下に、白丸と丸数字が並ぶことになるので、白丸が1文字め、丸数字が2文字めを表し、その丸数字のほうを読めば良いわけです。
 しかしその「きのきのこ」の意味がわかりません。マダムは、ヒントで見たのか、自分で見つけたのか、早々とわかっていたようで、気づかない私をえらくじれったがっていました。急かされるとますます焦ってわからなくなるのですが。
 冊子をじっくり見ると、路線図の書いてある最終ページに、いくつかの「お散歩スポット」の紹介がされていました。音無親水公園や見沼代親水公園のことも書かれていましたが、その中の「足立富士見公園」というところの紹介の冒頭が、まさに「黄のキノコ」となっていたのです。黄色のキノコのモニュメントがあるらしいのですが、確かに普通は「黄色のキノコ」と書くのであって、「黄のキノコ」という言いかたには違和感があります。
 黄のキノコがある足立富士見公園に行けば良いようです。日暮里・舎人ライナーの西新井大師西駅から徒歩2分だそうです。これが最後の目的地でした。

 また熊野前で乗り換えて、5駅乗ると西新井大師西です。王子の合体店でのんびりしたためか、すでに陽は落ちてとっぷりと暗くなっています。
 なるほど黄色いキノコのモニュメントが建っています。「背の高い時計」のそばまで行くようにと、宮前公園で会った女子高生が言っていたのでした。
 暗くなっていたので時計もわかりづらかったのですが、奥のほうの小高くなったあたりに時計の柱が建っていました。その根元のところに、タカラッシュ!おなじみの宝箱が設置されています。
 「10年前の記念写真」というのが、リアムの探していた宝物だったのでした。そしてこれがクリアキーワードです。
 都営まるごときっぷがあるので、できれば都営交通を利用して帰りたかったのですが、ここまで来ると熊野前や西日暮里などに戻るより、舎人公園谷在家から川口へ直行するバスに乗ったほうが簡単なようでもあります。こちらのバスは国際興業なので、まるごときっぷは使えません。しかし、都営交通でどこに出るにせよ、そこからJRを使わないと帰れないわけですので、さほどの差は無いのでした。
 舎人公園駅で下りてバスを待ちましたが、この「谷在家循環バス」は、1時間に1本という閑散路線で、20分あまり待たないと来ないようでした。あたりは公園のど真ん中であるため、陽が落ちてしまうと森閑としています。時間を潰せるようなカフェもコンビニもまったく見当たりません。バス停にひたすらたたずんでバスを待ちました。
 ようやく来たバスに乗ってから、さっきのクリアキーワードをイベントサイトに送信したら、エンディングを見ることができました。10年前、日本語もわからないリアムを助けたのが、最前の女子高生の母親であったというオチでした。
 このイベントはクリア賞品が出ます。当選数は少なくて、いままでいちども当たったことがありませんが、いちおう申し込んでおきます。「あらかわ遊園フリーパス無料券」なんてのもありました。そういえば荒川遊園というのはまだ行ったことがなく、当たったらいいな、とは思います。
 短篇の趣きのあるライトな謎解きでしたが、半日愉しめました。それにしても、今回は移動範囲が狭かったと思います。「不思議なキャンバス」のときは、日暮里・舎人ライナーはいきなり終点の見沼代親水公園まで行かされましたし、都電も面影橋や鬼子母神まで乗りました。まあ、あの頃はコロナの出はじめで、特にお年寄りの外出が激減していたせいか、都電がたいへん空いていたのです。いまはお客が戻ってきて都電はいつでも混んでいるので、あまり長い区間乗らされるのも迷惑とも言え、王子~熊野前間くらいが適当だったのかもしれない、と思い返しました。

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