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「楽語」を考える(3)発想標語 [いろいろ]

 速度標語強弱記号変化記号変化標語に続き、いよいよ発想標語を考えてみましょう。
 「発想記号」ともよく書かれますが、イタリア語の単語などがそのまま使われることが多いので、記号というよりは標語と呼んだほうが良いと思います。
 これについては、任意の言葉の副詞形を用いればなんでも可能というところがあり、いままで使われてきた発想標語を網羅することは誰にもできないでしょう。日本の作曲家の中にも、

 ──これ、辞書と首っ引きで探してきたんじゃないのか?

 と思われるような、見憶えの無いイタリア語をやたらと使っている人が居ます。実は私も、luccicandoという発想標語をしばしば使うのですが、これは普通の辞書には立項されていないと思います。「きらきらと輝くように」という意味合いですが、辞書にあるのはluccicareという動詞だけで、楽語として使うための副詞形はまず載っていません。
 そんなわけで、滅多に使われないような言葉まで採り上げると大変なことになります。ここでは比較的よくつかわれる、従って楽典の教科書などにたいてい載っている言葉について語ってみたいと思います。

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「WEST CODE 西武今昔謎物語」挑戦記[ [日録]

 恒例の西武鉄道の謎解きイベント「WEST CODE」シリーズ第5弾の「西武今昔謎物語──わがまま姫君の無理難題」をプレイしました。
 このシリーズは第3弾からプレイしています。私は「地下謎への招待状」「鉄道探偵」も、なぜか3回めから参加しており、第1回第2回を見逃してしまうのが常になっています。「WEST CODE」なんかはすでに私が鉄道謎解きイベント好きになったあとにはじまっているはずなので、初期のものを見逃したのは残念です。
 謎解きキットを購入する必要があるイベントもありますが、「WEST CODE」シリーズは駅置きの冊子を貰うだけで参加できるのでお手軽です。無料イベントにしてはなかなか手が込んでいて、ボリュームもあり、その点ではまず「鉄道探偵」と双璧かもしれないという気がしています。
 また、謎の難易度設定が心憎く、序盤は非常に易しい、初心者向けとも言える設問であるのに対し、中盤からはかなり頭を使うようになり、終盤では相当に謎解きに馴れたプレイヤーでも苦労するほどの難しさになります。「鉄道探偵」は京王都営地下鉄のコラボイベントだけに、謎それぞれについては小味なものが多く、その代わり訪れるべき駅がすごく多いという作りかたになっています。それに対し、「WEST CODE」は訪れる駅の数は半分くらいで、謎が歯ごたえのあるものになっているという印象があります。去年の「西武謎道中」も、一昨年の「タイムトレインの切符」も、後半から終盤にかけてえらく時間がかかりました。

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「楽語」を考える(2)強弱記号と変化標語 [いろいろ]

 「速度標語」に引き続いて、ほかの楽語を見てみましょう。
 もっとも多種多様なのは、いわゆる「発想標語」と呼ばれるもので、どんな情感を込めて、あるいはどんな性格を持たせて音楽を演奏するのかということを指示する言葉です。それから「演奏標語」と呼ばれるものもあります。これは楽器をどのように使って演奏するかを指示するもので、楽器によって独特な術語が使われることが多く、専門が違うと意味がよくわからないというようなことも起こり得ます。
 それらも面白いのですが、いまはあとにまわしておきます。

●強弱記号●
 今回、まずは「強弱記号」を扱ってみましょう。
 音量を表す楽語ですが、ほとんどの場合は略号をもとにした記号で書かれるため、「強弱標語」という言いかたはしません。演奏する側としても、ひと目でわからないと困るので、長たらしい単語をそのまま書くことは滅多に無いのでした。
 基本は、p(ピアノ)とf(フォルテ)です。pは「小さく、弱く」、fは「大きく、強く」と理解すれば良いわけですが、原義を調べるとこれがまたなかなか興味深いのでした。

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懐かしい人、懐かしい仕事 [お仕事]

 数日前に、非常に懐かしい人からメールが届きました。ほとんど三十数年ぶりの音信でした。
 学生時代に、混声合唱団誠ぐみという団体に属していたことは何度か書きました。東京藝大の学内サークルです。声楽科の学生だけでなく、器楽、楽理、そして作曲などの専攻、時期によっては美術学部の学生なども参加していた、間口の広い合唱団でした。
 卒業してからもこの合唱団の活動は続けていたのですが、だんだんと現役の団員が減り、最後の現役の卒業と共に解団となりました。練習場所が藝大の講義室などであったため、現役の学生が居ないと場所が借りられなかったのです。外で場所を借りてまで続けるモチベーションは無かったようです。
 それがすでに30年以上前のことになります。私は誠ぐみが解散してから、合唱を続けたくてChorus STに入ったのですが、私が入ったのが結成1年半ほどあとのこと、そのChorus STも3年前に30周年を迎えているのですから、どれだけの歳月が流れたかわかろうというものです。
 誠ぐみの終末期のメンバーとは、若干つながりがある人もあったとはいえ、ほとんどはそのまま疎遠になってしまいました。地方へ転出した人も居ました。一時期連狂歌の常連詠み人だった荒尾漆黒斎宗匠はそのひとりです。

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「楽語」を考える(1)速度標語 [いろいろ]

 楽譜を開いて見ると、いちばん目立つのはもちろん音符なのですが、それ以外にもいろいろな記号や文字情報などが書き込まれています。
 音符だけ書いてあっても、音楽を演奏するにはいろいろと足りないことがあります。どのくらいの速度で演奏するのか、どのくらいの音量で演奏するのか、どんな音質を求めるのか、音と音のあいだをつなげるのか切るのか、どんな表情をつけるべきなのか、考えることは次から次へと湧き上がってきます。
 楽譜というものが現在の形に整ったのは大体17世紀ごろですが、最初のうちはそれこそ五線に音符が並んでいるだけのものでした。バロック期を通じて、次第に速度の指定や音量の簡単な指定がなされるようになりましたが、いまの眼から見るとごくあっさりとしたもので、書かれているとおりに演奏してみてもどうにも物足りないというか、ぶっきらぼうな音楽になってしまいます。
 演奏者は行間ならぬ「音符間」を読み取ってゆかなければならないわけですが、これはなかなか経験の浅い者には難しいことです。それで、えらい演奏家や研究者などが、自分なりに解釈した「編曲版」というのを作ったりしています。作曲家の自筆譜や、作曲家自身が眼を通したであろう初期の出版本、いわゆる「原典版」を元にして、現在用いられているさまざまな記号や文字情報を書き加えたものです。

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打ち上げ復活 [世の中]

 先日、コーロ・ステラの演奏会で、久方ぶりに打ち上げをしたということを書きましたが、昨日もちょっとした演奏会があり、Chorus STが出演して、こちらでも久々に打ち上げをおこないました。
 ご承知のとおり、コロナ禍以来、大勢で集まって飲み食いすることは避けられていました。自分たちが避けるというだけでなく、そんなことをしていると周囲から冷たい眼で見られたものでした。飲食店にはひとりひとり区切るためのアクリル板が置かれました。あのアクリル板も、置きっ放しでかえって不潔ではないかと思われないでもないところが少なからずあったものですが、とにかく演奏会後の打ち上げなどはとんでもないと考えられることが続いていました。
 私の実家では、記念日などにときどき集まって外食をすることがありましたが、両親と妹とマダムと私の5人で席を予約しようとすると、はねられることが何度もありました。4人までなら良いのですが、5人だと店のほうが拒否するのです。ちょっと神経質すぎないかと思いましたが、そういう社会情勢だったので仕方がありません。
 コロナ禍の最初のころ、合唱の練習でクラスターが起こることは無い、と言われていました。しかし、岐阜だったかでそれが発生し、一挙に練習を自粛するところが増えたのでした。練習を自粛するどころか、そのまま解団に至ってしまったところもあり、私の指導していたクール・アルエットなどもそのひとつです。

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小さな長旅 [日録]

 今日は特に用事も無かったので、少し前に書いた川口市のコミュニティバス「みんななかまバス」を乗り潰してきました。
 コミュニティバスというのは近年いろんなところに走っていますが、民間のバス会社では採算がとれなさそうなところに自治体の運営で走らせているバス路線です。小型の車輛を用いることも多く、路線がループ型になっていることがよくあるのも特徴と言えるでしょう。場所によっては観光的な要素も盛り込んでいたりします。
 川口市には6つの路線が設定されています。しばらく前に路線図と時刻表を一緒にした小冊子が、新聞の挟み込みで届いたので、乗り継ぎかたを研究し、いずれ乗り潰してやろうと考えていたのでした。
 しかし、都区内のコミュニティバスが15~30分おきくらいに走っているのに対し、川口市の「みんななかまバス」は2時間に1便くらいしかありません。おそらく車輛自体が、各路線に2台ずつしかないのだと思います。上りと下り、あるいは時計回りと反時計回りを走らせることはできても、それらが1往復もしくは1周してくるまでは、次の便に使えるバスが無いのでしょう。普通は予備の車輛が何台かあるはずですが、「みんななかまバス」はなんと日曜休業です。メンテナンスは日曜にやるので、予備は無いのかもしれません。

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吉野ケ里の墓所発掘 [いろいろ]

 吉野ケ里遺跡で見つかった墓所の発掘結果が待ち遠しくてなりません。
 吉野ケ里は北九州ではじめて見つかった本格的な環濠集落で、これこそ魏志倭人伝に記された邪馬台国の跡なのではないかと騒がれました。
 邪馬台国については、九州説と畿内説がずいぶん昔から対立していました。魏志倭人伝には、倭、すなわち当時の日本について、多くの小邦に分かれていたとして、30ほどの国名が列記されています。それぞれの国名はいままで、いろんな現存の地名に比定されてきましたが、まあ言葉遊びのようなもので、ちょっと似たような響きの地名があると「こここそが○○国!」などとドヤ顔でのたまう人がけっこう居ました。
 何しろ魏志倭人伝以外に文献資料が無く、考古資料だけでは地名までは比定できないというわけで、本職の歴史学者や考古学者に加えて、素人が議論に参加することが多い問題だったと言えます。
 文中に記された方角や距離が、何を元にしているのかがよくわからないのも、比定の難しい原因です。いくら古代でも、太陽の向きを間違えたりすることはなさそうにも思えますが、羅針盤などもまだ発明されていない頃で、あまり方角があてになりません。「南」を「東」に読み替えるべきだ、などという説を唱える学者も居ました。

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床の張り替え工事 [日録]

 今日は朝から、洗面所の床の張り替え工事が入って、だいぶ大きな音がしています。
 先月、給湯器を取り替えたばかりですが、洗面所の床も、しばらく前から床板が割れてしまったようで、べこべこな状態になってしまっていました。この際なので給湯器に引き続き直してしまおうと思ったのです。
 こういうとき、戸建てだと業者選びなどに苦慮するものであるようです。水回りの修理などは、実にしょっちゅう、ステッカーになった広告が郵便受けに入っていたりします。義父はそれを捨てずに郵便受けの中に貼り付けているそうですし、マダムも遺伝なのか、捨てずに片端から冷蔵庫に貼っていますけれども、この手の業者を頼むと、たいていえらくぼったくられるという話を聞きます。次から次へと追加料金が発生して、とんでもない額になってしまうというのでした。
 その点マンションだと、管理会社に連絡すると、適当な業者を紹介して貰えます。変な業者を紹介すれば管理会社の評判に関わりますので、最安値ではないにしても、ある程度信用のおけるところを選んでくれるようです。
 戸建ての場合は、市役所などに相談するのが良いそうです。市役所の指定業者であれば、だいたい妥当な値段で工事を請けてくれるらしいので、なるべく郵便受けに宣伝を入れるような業者には関わらないほうが良さそうなのでした。

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