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みんななかまバスの昨今 [いろいろ]

 最近はどこへ行っても、コミュニティバスというのが走っていることが多くなりました。
 普通の路線バスと違い、わりと細かい道路に入りこんで走っているのがよく見受けられます。そのためか、たいてい小型の車輛を用いています。循環路線であることも珍しくありません。100円くらいの低額で乗れるものが多くなっています。
 市や区、町村といった自治体が、普通の民間バスでは採算が取れなくて路線を設定しないようなところを走らせているのが本来のコミュニティバスでしょう。自治体によっては、地元の民間バス会社に委託して走らせているところもあります。
 池袋近辺を走っているいけバスのように、どちらかというと観光目的と思われるものもありますが、もともとは区民、市民、町民などの便宜のために走らせるものです。
 どのくらいの頻度で走らせるかは、利用度、必要度、自治体の財政状態などによって異なりますが、都内の区では15分おきとか20分おきくらいになっていることが多いようです。このくらいの頻度で走っていれば、けっこう住民の足として便利に利用されるのではないかと思います。

 さて、わが川口市にもコミュニティバスが走っています。「みんななかまバス」という名前で、20年くらい前から走りはじめたのだと思います。一時期は私の家のすぐ近くに停留所ができたこともありましたが、ほどなく無くなりました。
 最初は3路線が設定されていました。全線ではありませんが、その3路線を乗り継いで市内を周遊したこともあります。
 その後、川口市は鳩ヶ谷市と合併しました。鳩ヶ谷市は、やはり川口市の隣にある蕨市に次いで、全国でも2番目に狭い市でしたが、それでも市内にコミュニティバスを走らせていました。「はとバス」という、やや誤解を招きそうな名前であったような気がしますが、違ったかもしれません。それで、合併後に、コミュニティバスの路線の再編がおこなわれました。現在は6本の路線が設定されています。うち3路線が循環路線となっています。自転車で市内を走っていると、ちょくちょくこのコミュニティバスの停留所を見かけます。
 コミュニティバスの使命どおり、普通の路線バス(川口市の場合は、ほとんどが国際興業バス東武バス)の便が無いところに通っていることも多く、それなりに便利だろうとも思えます。
 ところが、便利さはほとんど感じられないのでした。それは、運転頻度が絶望的に少ないことによります。
 6つの路線は、ほとんどが一日に6~7便しか走っていません。いちばん多い戸塚・安行循環線でも8便だけです。しかもこの循環線は途中の経路が異なる部分があり、そういうところでは3~4便になってしまします。
 どの路線も、およそ2時間ごとの運転にしかなっていません。秩父あたりの閑散地域ならばそんなこともありましょうが、人口60万人を超える川口市内を走るには、どう考えても少なすぎます。まるで乗るなと言わんばかりです。
 しかも、日曜・祝日は運行しません。平日と土曜日のみの運行となっています。
 いったい、どういう利用者を想定しているのか、さっぱりわかりません。昔は「○○たたら荘」とかいう停留所が少なからずあって、これは実は市の老人福祉センターですので、交通弱者のお年寄りを福祉センターに送るのが主な役割なのかと思っていました。しかし、現在の路線には「たたら荘」はほとんどありません。「安行たたら荘」というのがひとつあるだけです。

 私は一時期、「みんななかまバス」を、部分的によく使っていたことがありました。
 結婚する少し前、まだ自転車を使っていなかった頃、ピアノ教室からの帰りに、「みんななかまバス」と国際興業バスを乗り継ぐということをしていたのです。教室からは、埼玉高速鉄道に乗るにせよ路線バスに乗るにせよ、戸塚安行駅に出るのが実際的だったのですが、何しろ1キロ近くあって、あんまり歩きたくないこともあります。当時はけっこう晩近くまでレッスンをしていたので、歩くのが億劫なことが多かったのでした。
 教室の近くに「みんななかまバス」の停留所があり、レッスンが終わる時間からそう待たずにバスが通るのでした。循環線でしたが、それは終バスで、途中の峯八幡宮が終点になっていました。しかし、峯八幡宮からは国際興業バスの川口駅行きがかなり頻繁に出ていて、乗り継ぐとわりと楽に帰れるという次第でした。しかもこのバスは、駅よりも自宅に近い中央道路という停留所に停まってくれるのです。
 この帰りかたは案外と気に入っていたのですが、その後自転車を使うようになり、しばらくするうちに峯八幡宮を通る「みんななかまバス」は無くなってしまいました。様子を見て経路を変えるのは結構ですが、私の使いやすいルートが無くなるのは腹の立つことです。

 最近、「みんななかまバス」の路線図と時刻表が1冊にまとまった冊子が、新聞の折り込みとして入っていました。いままでもあったのかもしれませんが、気がつきませんでした。「川口市の発行物ではありません」とわざわざ註記しています。フロンティアエージェンシーという会社が作って配布したものであるようでした。
 路線図も時刻表も、川口市のwebサイトを見れば出ているのですけれども、複数の路線の時刻を見較べたりすることを考えると、どうも使いづらいのでした。やはり冊子になっているもののほうが使い勝手が良いようです。
 あらためて路線図を見てみると、確かに「みんななかまバス」の路線は市内全域に張りめぐらされている感じで、これで便数さえ多ければ、市内の行き来はとても楽ではないかと思わせられました。
 川口駅よりも、鳩ヶ谷駅および川口市立医療センターに路線が集積しているようです。市内の地図を考えると、川口駅というのはかなり西南に偏った位置にあり、市域の真ん中というのは医療センターあたりになるらしいのでした。自転車で市内を走っていると、医療センターなどはかなり北のほうに感じられるのですが、そうでもないようでした。ともかく、医療センターと鳩ヶ谷駅東口には、4つの路線が集まっています。川口駅には川口・鳩ヶ谷線青木線の2本のみ、川口元郷駅に至っては南平線の1本のみです。
 この川口・鳩ヶ谷線と青木線、それに南平線の3本は循環しない路線です。あとは芝・神根循環線戸塚・安行循環線新郷循環線となっています。循環線はいずれも、一周するのに1時間半ほどもかかり、川口市の意外な広さを感じさせてくれます。
 川口・鳩ヶ谷線はこの両駅のほか、西川口駅にも立ち寄ります。芝・神根循環線は蕨駅東浦和駅に立ち寄り、戸塚・安行線は東川口駅戸塚安行駅新井宿駅に立ち寄ります。また新郷循環線は見沼代親水公園駅が起点および終点ともなっています。市内にある8つの駅のうち、「みんななかまバス」の停留所が無いのは南鳩ヶ谷駅だけですし、蕨・東浦和・見沼代親水公園と川口市から非常に近い市外の駅にも寄るわけで、これら電車とうまく連携がとれれば、どの駅から市内のどの地域に行くにしても、けっこう利便性が良いのではないかという気がします。
 むろん、2時間に1便という、都会とは思えないほどの閑散路線ばかりでは、そんな利便性は絵にかいた餅みたいなものでしょうが。

 冊子には利用案内もついていて、それを読むと、乗り継ぎ割り引きがあることを知りました。前には無かったと思います。
 「みんななかまバス」の路線同士を乗り継ぐ場合、2本めのバスは半額になるというのでした。運賃は基本的に100円ですが、2本めは50円となります。
 とはいえ、乗り継ぎはそう簡単ではありません。どの路線も、いくつかほかの路線と停留所を共用している部分がありますけれども、そういうところで接続が図られているとは思えない状況です。仮に数分後に別の路線のバスが到着するようになっていたとしても、逆向きの乗り換えはまったくできないわけで、よほど運が良くないと、乗り継ぎ割り引きを活かすことは困難と言わざるを得ません。
 各路線が、せめて30分ごとくらいの運行をしていれば、様子はだいぶ異なってきそうですが、そんな日はいつか訪れるものでしょうか。

 とはいえ、冊子の時刻表があれば、どう乗り継げばなるべく多くの路線を乗り潰せるかということを考えたくなるのが時刻表マニアというものです。あれこれとページをひっくり返しながら考えてみました。
 試行錯誤の末、7時30分に川口駅西口を出発し、15時12分に帰ってくるというプランを案出しました。8時間近くかかる、けっこうな「旅行」となります。これでも南平線はどうしても組み込めませんでした。
 川口市立医療センターには4回立ち寄ることになります。最初は6分の乗り換えですが、あとは15分~30分の待ち合わせとなります。あんまりスマートとは言えませんが、ものがバスで途中で遅れる懸念があるし、それに各路線が2時間くらいおきとあっては、まあまあ上出来と言えるのではないでしょうか。
 南平線以外の路線にはほぼフルに乗ることができるので、わが街の、意識の届かなかったあたりにも車窓から接することができそうです。近いうちに、実行してみようかと思っています。

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