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「WEST CODE 西武今昔謎物語」挑戦記[ [日録]

 恒例の西武鉄道の謎解きイベント「WEST CODE」シリーズ第5弾の「西武今昔謎物語──わがまま姫君の無理難題」をプレイしました。
 このシリーズは第3弾からプレイしています。私は「地下謎への招待状」「鉄道探偵」も、なぜか3回めから参加しており、第1回第2回を見逃してしまうのが常になっています。「WEST CODE」なんかはすでに私が鉄道謎解きイベント好きになったあとにはじまっているはずなので、初期のものを見逃したのは残念です。
 謎解きキットを購入する必要があるイベントもありますが、「WEST CODE」シリーズは駅置きの冊子を貰うだけで参加できるのでお手軽です。無料イベントにしてはなかなか手が込んでいて、ボリュームもあり、その点ではまず「鉄道探偵」と双璧かもしれないという気がしています。
 また、謎の難易度設定が心憎く、序盤は非常に易しい、初心者向けとも言える設問であるのに対し、中盤からはかなり頭を使うようになり、終盤では相当に謎解きに馴れたプレイヤーでも苦労するほどの難しさになります。「鉄道探偵」は京王都営地下鉄のコラボイベントだけに、謎それぞれについては小味なものが多く、その代わり訪れるべき駅がすごく多いという作りかたになっています。それに対し、「WEST CODE」は訪れる駅の数は半分くらいで、謎が歯ごたえのあるものになっているという印象があります。去年の「西武謎道中」も、一昨年の「タイムトレインの切符」も、後半から終盤にかけてえらく時間がかかりました。

 そして今回は、それどころではなかったのでした。実は一昨日(6月23日・金曜日)にプレイしに出かけたのですが、なんと最後の謎を前に時間切れとなってしまい、今日(6月25日・日曜日)続きをプレイするはめになってしまったのです。金曜日は晩にChorus STの練習が入っているので、いわゆるケツカッチンであり、無制限に時間が使えないということもあるのですが、それでなくとも暗くなってしまうと、探索に差し支えます。
 4月にプレイした「地下謎への招待状2014REVIVAL」も時間切れというか、屋外での探索が必要な問題に取り組む前に陽が暮れてしまったので途中で断念し、後日続きをやったのですけれども、あのときは所用時間を甘く見て、昼近くなってから開始したせいもありました。それに対し、今回のはちゃんと10時半くらいから出かけて開始したにもかかわらず中断を余儀なくされたのですから、正味で難しかったと言えましょう。
 中断したあと、家で最後の謎を考え続け、いちおうの解答を出したのでしたが、今日続きをやってみると、なんとその解答は間違っていたことが判明しました。いくつか無駄な動きをしつつ、最後にはなんとか正解にたどりつくことができましたが、いやはやこんなに苦労した謎解きイベントははじめてです。一時は初のリタイアになってしまうことを覚悟したほどでした。
 が、まあ、はじめから記してみましょう。例によって、謎の答えはもちろんのこと、どの駅に行ったか、どういう経路を使ったかなどは一切書けず、詳細は9月3日にイベント期間が終わってからのことになりますが、ネタバレにならない範囲で書いてみようと思います。

 「WEST CODE」シリーズは大雑把に言って、毎回「時間」をテーマにしているようですが、今回は王朝絵巻テイストです。セイブセンという鉄道網がなぜか走るトシマの国に、誰もが憧れる超絶美人の姫君「白糸姫」が居り、貴族たちの求婚が引きもきらないのでした。困った姫は、彼らに難題を出し、宝物をいち早く持ってきてくれた人と結婚するというのでした。どこのかぐや姫かというストーリーですが、プレイヤーは求婚者のひとり「武蔵麻呂」になり代わって宝探しをおこなう……という設定でした。
 超絶美人という設定ですが、冊子のイラストを見ると去年の「消えた若君」久米川正丸そっくりのおとぼけお多福キャラでした。まあトシマの国の美意識がそうなっているのでしょう。
 池袋に着いたのは11時過ぎ。券売機で「『WEST CODE』西武線謎解き1日おでかけきっぷ」を購入します。発売額は1000円で、多摩川線と、高麗以西の秩父方面を除いては西武鉄道全線に乗車できるというスグレモノです。毎回書いていますが、これは別に謎解きをしていないからといってとがめられるわけではないので、普通に西武のフリーパスとして使用できます。イベント期間は4ヶ月以上に及ぶので、まさに「季節限定フリーパス」の趣きがあります。
 冊子は事前に手に入れており、最初に訪れるべき駅についてはすでにわかっていました。最初の問題だけに、いわばウォーミングアップ問題というか、子供でも西武沿線に住んでいるなら一瞬でわかるような「謎」でした。その駅で下りてからの行動もごくわかりやすく書かれています。もっとも、クリア後の感想文などを読むと、いきなり反対側の出口に行ってしまったなんて話もありました。
 その先は、訪れた駅周辺で得られた手がかりによって「次の駅」を推定してゆくということの繰り返しです。ただし、実際に手がかりを得る前に、すでにある程度予測がつくというようなところもあり、2駅めや6駅めなどは手がかりが必ずしも必要でないような気もします。
 最後の謎を解くために、クリア後感想のブログやらコメントやらをいろいろ読み漁ったのですが、その中には異様に勘の良い人も居たようで、最後になる8駅め……私がえらい苦労をしたラストの駅すら、事前にほぼ予測できていたと書いていました。本当かなあ。ほかの駅も、確証は無かったけれどだいたい勘が当たっていたのだそうですが……
 2駅めの手がかりで3駅めを割り出すあたりから、早速折り紙がはじまったのでおやおやと思いました。いままでは後半にならないと、折り紙、つまり冊子を折ったり曲げたりする問題は出てこなかったと思うのですが、今回は序盤からわりに飛ばしています。

 4駅めで姫の求める宝物が見つかります。しかし謎のほうはむしろここからが本番と言って良く、このあと急に歯ごたえが感じられるようになります。姫はもうひとつ欲しい宝物があると言い、「追加のおねだり謎」と題された後半戦に突入します。
 ストーリーの区切りでもあり、また4駅めの立地自体が、ひと息入れるのに適しています。私たちもここで昼食を摂りました。池袋を出発してから2時間ばかり経っています。
 この先のルートがなかなか面白いものでした。おお、こう回るのか、と感心しましたし、いままでまったく下りたことが無い駅で下車する経験もできて、楽しい時を過ごせました。いままでのシリーズで、「この路線にも乗ってみたい!」という感想が寄せられたりしたのかもしれません。ただしこのあたり、上記の、手がかりが無くとも「次の駅」が導けるような、やや緩い謎づくりとなっています。
 そして7番目の駅まで、まあまあのペースで進みました。7番目の駅に辿り着いたのは16時ちょっと前、池袋を出発してから5時間足らずです。このうち昼食に1時間ほど費やしたので、正味4時間弱でここまで来たことになります。
 この7番目も、初乗降の駅でした。ここで、姫の要求する第二の宝物も「発見」し、これまで多くの男性に謎を出してきたが、ここまで来られたのはあなたがはじめてです、と褒められます。
 しかし、ここでつまずいてしまったのでした。

 ふたつの宝物は、ある場所に置くことで真の力を発揮するのだが、その場所を特定して貰いたい、というのが姫の「最後のおねだり謎」でした。この場所こそが、8つめの、そして最後の駅なのです。
 途中まではごくスムーズに進みました。求められた折り紙も、駅前広場のベンチがわりと平坦な板でできていたため、苦労せずにできました。
 ただここで、私は最初のつまずきとして、やや先走ってしまったようです。どうも、探索が終わったあとにweb上で進行する「エクストラ謎」に関する作業を、ここでやりはじめてしまったらしいのでした。かなり複雑な折り紙をおこなって、出てきた文に従い、ある点を割り出すことができたのですが、そこから先がつながりません。
 唸っている私を尻目に、マダムは平然とヒントサイトを見ていました。マダムは謎解きのとき、ヒントを見ることをまったくためらわない人です。私はなんだかヒントを見ると負けたような気がして、極力ヒントサイトは見ずに進めたいほうです。最近はマダムもそれがわかっているからか、スマホでヒントサイトを見るときは私から遠ざかるようにしています。
 が、私がそれまでやっていた作業が、「最後のおねだり謎」とは関係ないらしい、ということはマダムからのヒントサイトの情報で判明しました。ここでやるべき折り紙は、もっと単純な作業だったのです。
 出直しで別の折りかたをおこなった結果、あるところまでは設問が理解できる状況になったのですが、これまたその先が進まなくなりました。冊子に記載されていることだけ引用すれば、

 ──その後、通った文字でもう一度。

 という文意が、まるでつかめなくなったのでした。「通った文字」とは何か、「もう一度」何をせよと言うのか、まったく思いつかないのです。なお、アンダーラインは冊子に引かれており、水色に着色されていました。実はこの水色の意味はわかっているのですが、どの駅を指すことになるのかが、本当にわかりません。
 マダムはヒントサイトの該当部分を隅から隅まで読んでいましたが、解決につながりそうな記述は見当たりませんでした。ヒントというよりミスディレクションではあるまいかと思えるようなあいまいな記述しか出ていません。
 ヒントサイトのヒントではなく、まったく別の観点から、マダムがある駅を提案しました。私も見当がつかないので、マダムの提案に乗って、その駅に向かってみました。
 冊子には、その駅に着いてからの行動も記されています。「南口を出たら」「『線』を左手に見ながら、それに沿って進め」というのでした。なお『線』というのは実際にはマルの中に線の文字で、ある言葉の代替になっています。このくらいはネタバレしても構わないんじゃないかと思えるほどにあからさまな代替なのですが、いちおうここでは触れずにおきます。
 マダムの提案した駅には、そもそも南口というものが存在していなかったので、早々に間違いであることが判明しました。それでも、もしかしたら……という想いで、しばらく『線』を左手に見ながら歩いてみましたが、その後現れるはずの物体は気配すら感じられず、やはりダメだったのでした。
 このあたりで時間切れです。そろそろChorus STの練習場所に向かわないと、遅刻しそうなタイミングになってしまいました。具体的に言うとすでに18時を過ぎています。最後の謎だけで、2時間を費やしてしまい、なおかつ答えが出ていないのでした。

 謎解きは中断となり、帰宅してから考え続けました。かなり深夜まで考えました。その結果、ひとつのアイディアが浮かびました。いちおう問題文の条件は満たし、筋も通るようです。マダムに話してみると、「なるほど」と納得してくれたようでした。
 どんなアイディアであったかは、ネタバレにつながりかねないのでここでは書けません。また「解決篇」で詳述したいと思います。ともかくひとつの駅を割り出しました。
 2日後の今日、昼食を実家の家族と食べに下北沢へ行ったのですが、その帰りに、私の出した答えが正しいかどうか、検証に向かうことにしました。
 その駅には確かに南口がありました。これで第一関門はクリアです。
 ところが、なんとしたことか、『線』を左手に見て歩けるような道が無いのです。その駅は工事中で、そもそも工事の幕に蔽われてほとんど視認できませんし、道路も『線』からはだいぶ離れてしまっていました。そのうち突き当たってしまいました。もちろん最後に見つかるべき「宝箱」も見当たりません。この駅は、ハズレだったのです。
 もうひとつ可能性のある駅があったので、次にそちらへ向かいました。ただこちらは可能性と言ってもかなり低いことは自分でもわかっており、半ばヤケクソです。そこも違ったら、もう思いつくことはありません。リタイアするしかないか、と悔しい気持ちで自問自答しました。
 ヤケクソで向かった駅は、やはりハズレでした。意気消沈して、近くのファミリーレストランにお茶を飲みに入りました。
 すぐにリタイアする潔さは無く、そのファミレスでもまだ、ああでもないこうでもないと冊子をいじくっていました。ヒントサイトももういちど確認しました。クリア後感想ブログなども読み直しました。
 と、マダムがまたひとつの駅を提案しました。これも、謎解きの結果浮かんできたのではなく、別の方面からの推測です。マダムは学校のテストなどでも、筋道を立てて答えを導くのではなく、むしろメタ的な思いつきで答えを想像し、しかもそれがけっこう当たっていたのだそうです。
 駅に到着してからの行動をスマホのマップで確認してみると、なんとかなりそうです。そこが正解なのではないかと思えました。
 問題は、その駅をどうやって導き出すかということになります。いわば演繹的推論を求められることになりました。
 しかし、答えに見当をつけてから道筋を考えるのは、わりに容易です。私は冊子をもういちどじっくりと眺めました。そして唐突に、その駅を導くための筋を発見しました。それまで私が試みていたアプローチとは全然違う方面からの攻め口で、思わず脱力してしまいました。
 「わかりづれぇよ!」
 というのが、筋道を発見したときの私の第一声でした。
 そういえばクリア後感想の中に、「老眼の私にはきつかった」みたいなコメントが散見されていました。私もご多分に漏れずだいぶ老眼が進んできていて、夕方近くの屋外やら、眠気をこらえながらの深夜の室内やらで発見できなかったのは無理もないと思えるような仕掛けだったのです。ファミレスの照明がけっこう明るかったからこそ気づけたと言って良さそうです。
 わかってみれば、その駅しか無いと確信できたので、今日3番めの駅に移動しました。『線』を左手に見ながら、沿って進むというのも、その駅であれば一目瞭然だったのです。
 そして、予想した場所に、クリアキーワードをおさめた「宝箱」が見つかりました。
 このクリアキーワードをwebで報告すると、web上で展開される「エクストラ謎」がはじまるのですが、そちらに手をつける元気は残っておらず、とにかく本編をクリアしたことに安堵しました。
 もちろん、ある西武鉄道の駅近くでクリアしたわけですが、なんだか池袋や西武新宿もしくは高田馬場に戻って帰途に就くのがつまらない気がして、マダムと合意の上、とても変な帰りかたをしました。バスを4本も乗り継いで赤羽まで帰ってきたのです。逆に考えて赤羽から4本のバスを乗り継いで行ける西武の駅はどのくらいあるものでしょうか。これはネタバレにはならないと信じますが、この帰途についても、解決篇で明らかにしたいと思います。
 エクストラ謎は帰ってから解きましたが、ほとんどギリギリのところまで解明しかけていたようです。「最後のおねだり謎」よりはよほど楽に答えが出ました。
 それにしても、いままでやってきた鉄道謎解きの中では、危機一髪、絶体絶命と言えそうな状況に追い込まれたわけで、クリアの喜びもひとしおです。とはいえ、これから私もだんだんと年老いてゆくわけで、頭のほうもうっすらして、謎解きに苦労することも増えてゆくのかもしれませんね。

【後記】「WEST CODE 西武今昔謎物語」の解決篇はこちらになります。

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