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「WEST CODE 西武今昔謎物語」解決篇(1) [趣味]

 6月23日(金)25日(日)にプレイした西武鉄道の謎解きイベント「WEST CODE 西武今昔謎物語──わがまま姫君の無理難題──の開催期間が、昨日・9月3日で終わりましたので、解決篇を書いておきたいと思います。
 この謎解きイベント、最初はサクサク進んだのですが、最終問題でおそろしく苦労し、一日のうちに終えられなかったばかりか、一時は初のリタイアを覚悟したほどだった……という話は「挑戦記」のほうで書きました。難易度のインフレが甚だしいイベントで、それは多くのクリア後感想でもコメントされていました。それでもわりとすんなり解決している人もたくさん居たわけで、ちょっとしたひらめきが訪れるかどうかということなのでしょう。もっとも、これもコメントに散見されましたが「老眼だといささかきつい」というのも事実であったと思います。それがどういう意味であったかも含め、当日の攻略行動を思い出してみたいと考えます。

 「WEST CODE」シリーズは、「時間」をテーマにした設定のストーリーが多いと感じています。最初にやった第3回「タイムトレインの切符」は、喧嘩した親友と仲直りするために時間を戻したい、という青春系でした。次の第4回「西武謎道中」は時代劇仕立てで、「イルマ国」の殿様である久米川家政が、3人の家臣と共に、行方不明になった跡継ぎ・正丸を探すという話でした。第1回と第2回はプレイしていませんが、タイトルを見るとやはり「時間」がらみであったかと思われます。
 第5回である今回「西武今昔謎物語」は、王朝絵巻仕立てになっていました。

 ──今は昔、いつの頃からか国中に張り巡らされた鉄道・セイブセンが走る
 トシマの国には、誰もが憧れる超絶美人の姫君がいたそうな。
 その名前は白糸姫
 この姫君を妻にしたい貴族たちは、こぞって彼女の屋敷を訪れ求婚した。

 謎解きに使う冊子の冒頭には、そのような口上が書かれています。姫君は困り、求婚者たちに、ある宝物を探してくるよう要求するのでした。まあかぐや姫のお話ですね。ただし超絶美人という設定の姫君は、冊子のイラストでは前回の正丸くんとそっくりの、おとぼけお多福キャラなのですが、美人の感覚は地域によっても時代によってもいろいろ変わるものですから、そこはスルーです。

 プレイヤーは、求婚者のひとり・武蔵麻呂になり代わって、姫の出題する謎を解き、宝物を探すことになります。
 前半は「姫の謎」というのが3題、そして「宝物の謎」というのがひとつあって、4つの駅を訪ねて宝物を入手することになります。こちらはまあ、初心者向きの謎解きです。
 後半には「追加のおねだり謎」が2題、「追加の宝物の謎」が1題あり、3つの駅をめぐって第二の宝物を入手します。こちらはある程度謎解きに馴れた人向きと言えるでしょう。
 そのあと「最後のおねだり謎」というのがあって、これが難物なのでした。いままで20以上の謎解きイベントをクリアしてきた私が初リタイアを覚悟したのですから、難易度が跳ね上がっていることがわかります。ただ、気づいてみれば「なあんだ」という感じでもあり、思考力よりも注意力が必要とされる問題でもありました。
 最後にクリアキーワードの入った「宝箱」の発見に至り、そのキーワードをwebに報告すると、あとはweb上で展開される「エクストラ謎」がはじまり、それを解くとパーフェクトクリアという趣向でした。
 では、最初から順番に解説してゆきます。

●姫の謎1●
 冊子は事前に入手してあったので、「姫の謎1」は出かける前に解くことができました。というより解いておかないと、最初に訪れるべき駅がわかりません。
 イラストクイズで、文字で再現するのは難しいのですが、

  [池の絵]→4駅・[ご飯の絵]方面→[桜の花の絵]
  [ご飯の絵]→4駅・[池の絵]方面→[稲の絵]
  
 のとき
  [池の絵]→3駅・[ご飯の絵]方面→[?]

 というものでした。「駅」の字が無く4とか3とかだけだったら多少迷ったかもしれませんが、こう書かれていれば池の絵は池袋、ご飯の絵は飯能を示しているのだろうと容易に想像がつきます。池袋から飯能方面に4駅行けば桜台、反応から池袋方面に4駅行けば稲荷山公園です。絵は、駅名の最初の漢字を表しているだけであるようです。
 そうすると、池袋から3駅めということですので、目的駅は江古田となります。以上の問題文と共に、江古田に着いてから手がかりステッカーに到達するまでの地図が書かれていました。
 6月23日の11時過ぎに、イベント用フリーパス「『WEST CODE』西武線謎解き1日おでかけきっぷ」を池袋駅で入手した私たちは、豊島園行きの各駅停車に乗り、江古田で下車しました。地図に従い、北口を出て少し歩くと商店街となり、その入口附近にあるパン屋の近くに、「姫の謎2」を解く手がかり、そして「宝物の謎」の空欄に記すべき第1のキーワード「UBUT」が記されたステッカーが貼ってありました。
 朝食をとらずに出てきたので、同行のマダムはこのパン屋で早速菓子パンを買いました。

●姫の謎2●
 この謎は、3本の線路が描かれており、それぞれに5枚の枕木が渡されています。枕木はあちこち傷んでいて、欠けたところがあったり色が変わっていたりします。その隣に、枕木2枚ずつの線路の断片が8つ並んでいます。
 たぶん、枕木2枚でひとつの文字を表すのだろうな、と見当がつきます。江古田の手がかりステッカーを見ると、やはり5枚の枕木のあいだにそれぞれひらがなが記されていました。色や欠けを手がかりにして、線路の断片がどの文字に相当するのかを判別しろというわけです。
 最初の2文字が「ね」「り」であった段階で私は次の駅がわかってしまいましたが、考えてみると、枕木2枚でひとつの文字、と見当をつければ、手がかりステッカーをまったく見なくても答えがわかりそうです。なぜなら、8文字の駅名というのはきわめて限られているからです。西武では、小竹向原・練馬高野台・西武新宿・新井薬師前・航空公園の5つしかありません。はじまったばかりで江古田からいきなり新宿線系に移動するとは思えず、小竹向原は西武としては行き止まり駅ですので、ここは練馬高野台しかありえないわけです。念のため最後までやってみましたが、やはりそうでした。
 江古田駅に戻りましたが、次に来る電車はまた豊島園行きで、所沢方面へ行く電車は少し待たされました。私たちはプラットフォームで、買ったばかりの菓子パンをほおばりました。
 練馬高野台駅で下りたのははじめてである気がします。問題面には、下車してからのルートが書かれていました。なぜかマルの中に最初の1文字だけが記されていて、電車の絵の下のほうに伸びる線路には『線』とわざわざ註記してあります。『ホ』(ホーム)に下りたら階段を『下』に向かい、『改』(改札口)を出て、『右』へ進み、『券』(券売機)の先の『窓』のところに×印がつけられていました。わざわざ略号にしているのは、のちの謎でも使うからです。そこを除けば懇切丁寧な道案内と言うべきで、手がかりステッカーはすぐに見つかりました。「姫の謎3」を解く手がかり、そして「宝物の謎」の第2のキーワード「横瀬」が記されています。

●姫の謎3●
 手がかりステッカーにあったのは、数字とアルファベットの対照表でした。この対照表、あとあとまで利用することになるので、ここにも記しておきます。


  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
  A K I U B H T S C X

 そして、「本川越」という駅名の左半分を隠したような図形が示され、それがXのとき……という法則に続いて、駅名が半分隠されたものが6つばかり並び、そこから空欄のマスに向かって矢印が何本もつながっています。
 本川越がX、つまり「9」になる意味を考えると、まず思いつくのは駅ナンバーです。2002年のFIFAワールドカップを機に導入された駅ナンバーやラインコードは、いまやすっかり全国的に普及し、謎解きイベントなどにも活用されています。
 本川越の駅ナンバーはSS29。左半分が隠れているので、「29」の左を隠せば「9」が残ります。
 同様に「下井草」の左半分、「恋ヶ窪」の左半分、「高田馬場」の右半分などをピックアップしてゆくと、

  KAISATSUTSUUKA

 という文字列が出来上がりました。「改札通過」ですね。
 これだけでは答えが出ません。「現れた指示を再現し、駅名を導き出せ」というのが設問の本体です。
 冊子のこのページに、閉ざされた自動改札のイラストが描かれています。前のページを見ると、武蔵麻呂が自動改札を通っているイラストがあるので、これが重なるようにページを折ってみます。これで改札を通過したことになり、イラストの上のフキダシに、

 ──一日乗車券に穴空けろ

 と表示されました。
 さらに見回すと、ページの下のほうに、「セイブセン1日乗り降り自由」と書かれたチケットのようなイラストが描かれています。片隅にパンチ穴を開ける小さな丸印がついています。
 ここに物理的に穴を開けても良いのですが、カッターやハサミは持ってきていません。冊子はかなり厚い紙を使っているので、鉛筆の先などで簡単に穴を開けることも難しそうです。
 そこで一計。穴を開けると、どうやらその下になるページに印刷されている路線図の中のある駅が見えることになるようですから、丸印の裏側にあたる部分を鉛筆で塗り、さらに丸印をなぞってぐりぐりと筆圧を加えてみました。すると路線図の駅にひとつ、丸印が転写されました。見ると大泉学園です。
 わずか2駅ですが、また各停電車に乗って大泉学園へ。下りてからのルートは、またマルに1文字めという書きかたで、

  『ホ』→『上』→『改』→『右』→『右』

 と指示されていました。
 指示に従って歩いてゆくと、鉄腕アトムメーテル鉄郎矢吹丈あしたのジョー)、そして「うる星やつら」ラムちゃんの像がデッキに並んでいます。大泉学園はアニメ草創の町なのだそうです。昭和33年、日本初のカラーアニメ映画(当時は「総天然色」とか言っていた)「白蛇伝」が制作されたのが、その頃ここにあった東映のスタジオであったとのことです。それでいろんなアニメキャラの像が並んでいたわけですが、メーテルと鉄郎のサイズ感の差には笑いました。二次元だとあまり気にならないのですが、絵のとおりの比率で三次元に造形すると、鉄郎の頭身がほとんど赤ん坊であるかのように見えてしまうのでした。
 それらの像のあいだを抜けて、ビルの入口手前の案内板のところを見ると、「宝物の謎」第3のキーワードである「IKIU」と記された手がかりステッカーが貼ってありました。

●宝物の謎●
 これで「宝物の謎」の空欄がすべて埋まりました。まとめると、

 ──[UB|UT]の間が[横瀬]になるとき、[IK|IU]の間に向かえ

 なお欄のUBとUTの間、IKとIUの間には実際にタテ罫が引かれています。そして、アンダーラインも実際に引かれており、ただ前半は赤、後半は水色に彩色されています。この稿ではアンダーラインに色がつけられないので、わかりづらくて恐縮です。
 赤は池袋線系統のラインカラー、そして水色は新宿線系統のラインカラーなのでした。池袋線系統には池袋線のほか、西武有楽町線・豊島園線・狭山線・秩父線を含みます。また新宿線系統には新宿線のほか、拝島線を含みます。なお多摩湖線は黄色、国分寺線西武園線は緑、山口線は濃い赤、多摩川線はオレンジとなっています。
 さて、アルファベットは「姫の謎3」の対照表で数字に変換できます。UBは34、UTは36です。そのあいだということですので、「35」が求める数字で、横瀬の駅ナンバーは確かに35なのでした。ただし35という駅ナンバーはもうひとつ、西武立川があるのですが、赤いアンダーラインが引かれているので池袋線系統とわかります。
 同じようにIKとIUを変換してみると、21と23になります。そのあいだは「22」。池袋線の稲荷山公園と、新宿線の所沢がこれに相当します。水色のアンダーラインが引かれているので新宿線のほう、つまり所沢が答えです。
 所沢に着いたら、「南改札を出て」とあり、普通に階上に上がったら中央改札であったのでやや面食らいました。マダムなど、
 「駅が違ったんじゃない?」
 などととがめるように言いましたが、プラットフォームにはもうひとつ階上に上がる階段があり、そちらを上がると、中央改札より少し地味な南改札がありました。
 指示されたように駅ビルの外通路に出ると、手がかりステッカーがありました。白糸姫に要求されていた宝物「仏の御石(ほとけのみいし)がこれで入手できたことになります。この宝物の名前を、ひらがなで冊子の解答欄に転記するようにと指示がありました。ひらがなで書く理由はのちに判明します。
 ステッカーにはそのほか、「追加のおねだり謎1」の手がかりが書かれていました。武蔵麻呂が姫に「仏の御石」を渡すと、もうひとつ探して貰いたい宝物がある、と言われたのでした。その探索が「追加のおねだり謎」です。
 「追加のおねだり謎1」は、文字拾いあみだくじの体裁をとっていました。4本のタテ線(線路の地図記号になっている)に、斜めの線がいくつか張り渡されています。タテ線を下って斜め線に当たった場合、鋭角方向、つまり上がってゆくほうには進めません。下がってゆくほうにのみ曲がります。また、分岐点には緑・黄・赤の矢印がついているところがあり、矢印の向きにしか進めません。「目的地」マーク以外のところに到達したら、最上段の同じマークに飛びます。
 このあみだくじを事前にやってみたとき、意味を成さない文字しか拾えなかったので、手がかりステッカーで文字が補完されるのではないかと思っていたら、そのとおりでした。追加の文字を書き写して、その場を離れます。
 所沢という大きな駅ですし、時刻は13時過ぎ。ちょうど良い按配なので、昼食をとることにいたしました。駅ビルグランエミオの食堂街へ行き、うどんの定食をいただきました。

●追加のおねだり謎1●
 うどんをすすりながら、文字拾いあみだくじを再開します。
 ルールに従って、補完された文字を拾ってゆくと、

 ──みどりのやじるしのむききりかえてりすたーと

 となりました。緑の矢印の向き、切り替えてリスタート(もういちど)です。
 それで、分岐点の緑の矢印のところを、矢印の向いていないほうに進んで拾ってみます。すると、「でじたるどけい」と簡潔に拾えて「目的地」に到達しました。ここまでがSTEP 1です。
 STEP 2は、

 ──示されたものをアナログと同じになるように作ったら、下を参考に駅名を導き出せ。

 とあります。参考というのは「????」と色分けされたクエスチョンマーク、そしてデジタル時計っぽいイラストでした。
 冊子を繰ってみると、最後のほうに時計の絵が描かれていました。アナログ時計で、指している時刻は12時46分です。だから、デジタル時計っぽいイラストの空欄に「12:46」と書けば良いわけですが、これだけでは次の駅は出ません。

 ──????の間を読め。

 というもうひとつの指示が書かれています。
 これは駅ナンバーではなさそうです。「46」という数字は西武の駅ナンバーにはありません。
 よく見ると、冊子のページナンバーが、デジタル時計のような書体で書かれています。表紙と裏表紙にはナンバーが無く、1から6まで打たれています。
 そして、ページナンバーの上には、何やら意味のありそうなひらがなが並んでいます。たとえば1の上には「りんご」、2の上には「しらす」など。さらによく見ると、その言葉の中の1文字が、正確にページナンバーの上に重なっていました。
 1は「り」、2は「す」、4は「し」、6は「か」です。つまり問題文を書き換えると、

 ──りすとしかの間を読め。

 ということになります。
 もういちど冊子を繰ると、ありました、リスとシカのイラスト。それぞれのイラストには、ご丁寧に線を引くためのドットまでつけられています。
 リスとシカのイラストは、かなり長い文章をはさんでいるのですが、ドット同士を結んでみると、いわゆる「タテ読み」ができて、「きゅうじょう前」という文字を拾うことができました。もちろん「西武球場前」のことでしょう。ほほう、今回はそんなほうへ入りこむことになるのか、と眼を見開きました。
 なお、よく考えてみると、ここは必ずしも、あみだくじを解く必要はなかったようにも思えます。「デジタル時計」というカギがなくとも、「アナログと同じになるように」という文章とデジタル時計っぽいイラストがあれば、12:46という数字を導くのはそう難しくなさそうなのでした。この辺、少し謎がゆるかった気がします。
 西所沢狭山線に乗り換え、西武球場前へ。狭山線は平日日中は1時間に3便しかなく、乗り換えにはだいぶ時間をとられました。次の次くらいの電車で所沢を発っても充分間に合ったでしょう。しかし、なんだかんだで所沢に1時間以上滞在しています。少し気がせくようでもありました。
 西武球場前駅は、これまで乗り換えをしたことは何度かありますが、改札の外に出るのは今回がはじめてです。野球ファンでもないので西武球場を訪れたこともありませんでした。道順の文章はけっこう複雑で、ドームに背を向けるように道を辿ります。
 「白門をくぐった先を更に進み……」とありました。途中の狭山不動寺にも白い門があり、一瞬そちらかと思ったのですが、道順はそのあと「階段をのぼれ。道を横断した後……」云々と続き、どうも不動寺の階段を昇っても横断すべき「道」などは無さそうなので、違うと判断しました。もう少し歩くと、金乗院の山門に続く白いアーチがあったのでした。
 「追加のおねだり謎2」の手がかりステッカーは、金乗院の本殿前の、「霊馬堂」の奥にありました。ここは新田義貞の愛馬を祀ったお堂であるそうです。新田義貞は鎌倉幕府を討滅する前に、この金乗院で祈願したというのですが、場所から考えて、たぶん小手指原の合戦に臨む前か、あるいは勝利したあとのことではないかと思われます。小手指原はこのすぐ近くです。
 「追加のおねだり謎2」の手がかりのほか、ステッカーには、「追加の宝物の謎」のキーワードも記されていました。「駅舎出て左手」「銀の図形」のふたつです。
 西武球場前駅から金乗院への散策は、だいぶ時間がかかりました。往復で25分くらいを要し、次に乗るべき山口線の電車は、到着してから40分後の便となったのです。

 この項、続きます。

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