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「WEST CODE 西武今昔謎物語」解決篇(2) [趣味]

 6月23日(金)25日(日)にプレイした西武鉄道の謎解きイベント「WEST CODE 西武今昔謎物語──わがまま姫君の無理難題──」の解決篇続きです。23日の11時過ぎから謎解きをはじめ、江古田・練馬高野台・大泉学園・所沢で下りて謎解きを進め、14時半くらいになって西武球場前に到着しました。ここまで、「姫の謎」というのを3つ、「宝物の謎」をひとつ、そして「追加のおねだり謎」をひとつ解いています。
 セイブセン
という鉄道がなぜか張り巡らされているトシマの国に居る、超絶美人の白糸姫の心を射止めようとする武蔵麻呂になり代わって、プレイヤーは宝探しをするのでした。すでに所沢で、宝物「仏の御石(ほとけのみいし)を発見して姫に捧げた武蔵麻呂でしたが、姫はもうひとつの宝物を探してくれるよう頼みます。「追加のおねだり謎1」を解いて西武球場前にやってきた武蔵麻呂(プレイヤー)は、さらに「追加のおねだり謎2」に挑むのでした。


●追加のおねだり謎2●
 「追加のおねだり謎2」は、迷路でした。盤上には、赤い帽子がひとつと青い帽子がひとつ、そして黄色い帽子が5つ置かれています。迷路の上下に線路のようなものが描かれていましたが、これはとりあえず必要ありません。
 赤い帽子に左矢印をつけたものが「も」、青い帽子に右矢印をつけたものが「し」のとき、5つの黄色い帽子すべてを迷路上で辿った順番に読むとどういう言葉になるか、というのが冊子に描かれた問題でした。手がかりステッカーは、その迷路に壁をいくつか追加するというものでしたが、実は追加しなくともほぼ解けます。

 迷路は実は五十音表であることはすぐにわかりました。赤い帽子は右から6行め・上から5段目、つまり「ほ」の位置であり、それに左矢印がついていること、青い帽子は右から4行目・上から2段目で「ち」の位置、それに右矢印がついているということで一目瞭然です。
 そして黄色の帽子の位置を見ると、迷路の道順的に「よ」「そ」「い」「や」「み」となります。「や」「み」は逆にしても成立するのですが、これは手がかりにあった壁を追加することで確定します。
 「よ」にはふたつの上向き矢印、「そ」には3つの右上向き矢印、「い」にはふたつの下向き矢印、「や」には3つの左向き矢印、「み」には3つの右向き矢印が添えられていますので、それに従って文字を読み直すと、「ゆうえんち」となるのでした。この場合、4番めと5番めの順番が確定できなくとも、「ゆうえちん」では意味を成さないので、答えが出せます。実際、私は西武球場前駅に来る前に答えを割り出していました。
 疑いようもなく、次に向かう駅は西武園ゆうえんちです。西武鉄道で唯一の新交通システムである山口線の、これまた唯一の途中駅で、かつては「遊園地西」という駅名でした。西武園ゆうえんちは、以前西武遊園地という駅名だった多摩湖駅(そのまた昔はやっぱり多摩湖でした)の近くに東門があり、それが正門とされ、遊園地西のほうは裏門だったのですが、リニューアルした際に東門を閉鎖してしまい、西門のほうを正門ということにしました。それで、それまでの西武遊園地駅からは遊園地に行けないことになり、駅名を多摩湖に戻したのでした。同時に、遊園地西駅が西武園ゆうえんちと改称したわけです。
 それにしても、遊園地に遊びに行く以外には下りる機会など無いと思っていた西武園ゆうえんち駅に、こんな形で下りることになるとは、たいへん愉快でした。
 新交通システムの山口線(その昔は「おとぎ電車」と呼んでいました)に乗り、しばらく園地に沿って走ると西武園ゆうえんち駅です。改札を出るとすぐ右手に遊園地の入口がありましたが、われわれは記入したキーワードに従い、左手に進み、しゃれたレストランの門前にある銀色のオブジェを見ます。このオブジェの形に近いものを、冊子に描かれた4つの図形から選び、それを盤面に書き写せ、というのが「追加の宝物の謎」でした。

●追加の宝物の謎●
 盤面には、ところどころにドットが置かれたランダムな文字が並んでいます。そしてその全体を、信号機が添えられた線路がぐるりと取り囲んでいるのでした。
 図形はドットを結んで書き写せるようになっています。いちばん左の、三角と四角を組み合わせたような図形がオブジェの形でしたから、ドットを結ぶようにそれを書き込みました。もっとも、これは実際のオブジェを見なくとも、総当たりで解けてしまう問題でもあり、難問とは言えません。つまり、結んだ線が通過している文字を上から読め、というのが次の段階なのですが、正しい図形を選ばないと意味のある文章にならないのでした。

 ──しんごうつけろ

 というのが出てきた文章でした。まわりを囲んでいる線路の脇に立つ信号は2基あり、片方は赤信号が灯っていますが、もう片方は点灯していません。これを点灯させるためには折り紙が必要です。冊子を眺めてみると、つながりそうな線路と車輛のイラストが2箇所にありましたが、その一方はやはり信号が点灯していません。緑信号が点灯したイラストを、盤面の線路につなげるようにページを折ります。
 線路のところどころにも文字が書かれています。車輛から出発して、「はぎやまにいけぶくろ」という文字が拾えましたが、「け」の字の先が赤信号になっているので、ここで読むのを中止することになります。「はぎやまにいけ」……次の目的駅は萩山でした。
 この解読作業は、駅前広場にあった、路面電車のオブジェの中の座席に坐っておこないました。外は暑かったせいもあります。遊園地に入ると、まず「夕日の丘商店街」という昭和レトロっぽい道を歩むことになるようなのですが、この路面電車はその商店街に行くための電停に停車しているという設定だったようです。車内の広告類も昭和レトロっぽいフェイクイラストでしたし、あたりにはひたすら昭和のナツメロがかかっていました。そのほとんどが、私の『TOKYO物語』に収録されている歌ばかりだったのには、思わず呵々大笑しました。西武園ゆうえんちは、昭和レトロが基本テーマであるようで、面白そうなのでいちど訪れてみたいと思いました。

 さて、ふたたび新交通システム山口線に乗り、わずか1分で多摩湖駅に着きます。プラットフォームを伝ってゆけばすぐに多摩湖線の乗り場となります。多摩湖線電車は山口線に接続するようにダイヤ編成されており、乗り換え客が乗り込んだのを確認するとたちまち発車しました。
 拝島線との接続駅である萩山までは3駅です。昔は西武新宿側から、よく「拝島・多摩湖(のち西武遊園地)行き」という電車があって、この萩山駅で分割併合をおこなっていました。現在ではそれはほぼ無くなり、多摩湖線電車は、本来の多摩湖線である国分寺までの路線に直通するようになりました。このあたり、路線が錯綜して、接続の状態などがわかりづらいのですが、戦前、多摩湖(村山貯水池)というさほどでもない観光地に向けて、3つもの鉄道会社が観光路線を伸ばして争った名残りです。
 萩山という駅にはそれなりに馴染みがありますし、ここで乗り換えたことも何度もあるのですが、西武球場前と同様、改札を通って外へ出たのは今回の謎解きがはじめてのことでした。マダムも玉川上水の大学に通っていたのでこのあたりのことはよく知っていますが、やはり下りるのは今回がはじめてだそうです。
 エレベーターの近くの窓に、最後の手がかりステッカーがありました。簡潔に、第二の宝物の名前が記されています。「秋の子安貝(あきのこやすがい)。第一の宝物「仏の御石」同様、これもひらがなで解答欄に記入します。
 これで白糸姫に要求された宝物をふたつ揃えることができました。冊子にストーリーが記されているのですが、ここで姫は「最後のおねだり」をおこないます。ふたつの宝物を、ある場所に置くと真の力を発揮するのだが、その場所を特定して貰いたい、というのでした。これが難問「最後のおねだり謎」だったのです。

●最後のおねだり謎●
 「最後のおねだり謎」は、まず

  [宝の絵1/7-3/7]→2・[池の絵]→■□
  [宝の絵1/8-2/8]→8・[池の絵]→■□

 というイラストクイズからはじまります。これは「姫の謎1」と同じ解きかたで良いでしょう。2と8には「駅」がついていませんが、ここは駅数と考えて問題はありません。
 1/7-3/7とか1/8-2/8とかいう数字ですが、謎解きイベントでは、こういう分数や月日に思えるものが出てきた場合、ほとんどは「何文字中の何文字め」ということになると考えて良いのでした。「ほとけのみいし」「あきのこやすがい」と、宝物の名前をひらがなで記入させたのはこのためで、前者は7文字、後者は8文字となっていますので、これはもう明らかです。
 「ほとけのみいし」の1文字めから3文字めだと「ほとけ」、「あきのこやすがい」の1文字めと2文字めだと「あき」。「姫の謎1」に倣って、「ほとけ」と「あき」を一文字めの漢字として持つ駅名を考えれば、「仏子(ぶし)「秋津(あきつ)です。池の絵は池袋方面ということでしたので、仏子から池袋側へ2駅め、秋津から8駅めを路線図で確認すると、前者はまたしても稲荷山公園、後者は富士見台でした。うしろの四角形は、実際には駅ナンバーのおさまっている枠の左半分が黒く塗られている形でしたので、駅ナンバーのひと桁めを見れば良いわけです。稲荷山公園は22、富士見台は08です。この、明かされた数字で2桁の数字を作るようになっているので、この問題の答えは「28」です。そして、

 ──2つの[28]を同時に読み取れ。

 と記されていました。
 駅ナンバーで28になるのは高麗南大塚ですが、「同時に読み取れ」という指示が意味を持ちません。ほかのアプローチが必要です。
 「姫の謎3」に出てきた数字=アルファベット対照表を見ると、2はI、8はCです。28はICです。そして、冊子をよく眺めると、ICカードをリーダーに当てている……ところを半分に切り離したような地味なイラストが描かれていました。うまく折り紙をすると、切り離した半分ずつの絵をひとつに復元し、なおかつふたつの同じ絵を同時に作ることができそうです。
 折り紙は意外と簡単で、平綴じにしてある冊子の2枚の紙のうち、内側のものをそれぞれ半分ずつに折れば、ICカードのイラストが2箇所に出現しました。
 ここまではごく順調であったのです。ここから迷走がはじまりました。

 折り紙作業は、萩山駅の駅前広場のベンチに坐っておこないました。ベンチは珍しく、湾曲の無い、平らな板で組み立てられていたので、作業がしやすかったのです。まだ日暮れまでには時間がありそうでしたが、空はいつのまにか曇っていて、あまり明るくはありません。西武園ゆうえんち駅ではけっこうピーカンだったのですが、この日はおおむね曇り空でした。
 ICカードのイラストを作るようにページを折ると、中の紙があたかも両開きの扉のような形となり、合わさったあたりには列車の扉の把手のような絵が描かれていました。そして、

 ──開いたドアの先にある矢印にご注意ください。

 という文章が現れています。
 ここでまず意味がとれなくなりました。実は、ページを実際のドアのように左右にスライドしてゆくと、内側の紙にある黒い四角形と、外側の紙にある黒い三角形が接触して矢印状となり、その矢印の先を読めば「きいろの」「でんしゃ」という文字があることにすぐ気づくのですが、私はスライドするという動作に気づかず、むしろ「扉」の端っこに描かれた、分断されたイラストに注目してしまいました。これを復元するのが目的なのではないかと思い込んでしまったのです。
 最初に注目した、分断されたカニと、栗だかウニだかのイラストが、くっつくようにページを折ってみると、イラストと同時に「石と笛」という文字が浮かび上がりました。ちょっと眼を移すと、確かに分断された石とホイッスルのイラストがあり、今度はそれがくっつくようにページを折ると、

 ──同じ星をつないで谷折り

 という文字が出てきました。さらに冊子を眺めると、なるほどさまざまな色の星の絵が、ちょうど2個ずついろんなページに描かれているようです。たまたまそれまでに折ったことにより、黄色い星が同じ面にあるようになっていましたので、それを結ぶ線で谷折りしてみると、今度は赤い星がふたつ並ぶようになっていました。同様に、茶色い星、青い星をつなぐ線で谷折りすると、内側の紙が二重のひし形を作るように折られた状態となり、その上下に、このような指示文が現れているのに気がつきました。ヨコ書きで1行2文字という、わかりづらい書きかたでしたが。

 ──ヒメガサスホシノ
 ──アイダミアゲヨ

 姫が指す星の間、見上げよ。姫のイラストは冊子の2箇所にしか描かれていません。うちひとつは表紙イラストで、姫は扇子で確かに星を指しています。
 その星の「間」とはなんなのか、となりますが、実は私はここで、最後、web上で進行する「エクストラ謎」の答えが出るギリギリのところまで達していたことをあとで知りました。カニとウニからは、「最後のおねだり謎」とはまるで見当違いのことをやっていたのです。それは、離れたところでスマホでヒントサイトを見ていたマダムからの情報でした。マダムは私と違って、ためらいなくヒントを見るたちですが、私がヒントに頼りたくないのを知ったせいか、ヒントサイトを覗くときには私から離れるようになりました。
 かろうじて正道に戻り、「きいろのでんしゃ」を指示に従って問題文の空欄に記入します。
 ここからの問題文は、全部紹介したほうがわかりやすいでしょう。

 ──[きいろのでんしゃ]がある『線』をまっすぐ繋げて動かせ。
 その後、通った文字でもう一度

 これによって、最後に向かうべき駅が判明するらしいのですが、その駅からは、

 ──南口を出たら、『線』を左手に見ながら、それに沿って進め。
 その先にある[きいろのでんしゃ]の席の下を探せ。

 冊子の記述は、ここで終了しています。
 「姫の謎2」により、『線』(実際にはマルの中に線の文字)は線路のことだとわかっています。
 まず、「きいろのでんしゃ」がある線路、というのは、冊子の裏表紙にそのイラストが描かれていました。それを「まっすぐ繋げて」というのは、「追加のおねだり謎2」の迷路の上下にある線路の絵につなげるのだろう、ということは見当がつきました。
 つなげるように折り紙するのはちょっと面倒でしたが、なんとかつなぐことができました。「動かせ」というのは、その接触面を動かして、電車が線路の上を走っているように動作せよ、ということでしょう。
 しかし、ここからがなんにも出てきません。何度も動かしてみましたが、どこかの駅を暗示するようなどんな手がかりも得られないのでした。
 しかも、「通った文字でもう一度」とはどういうことなのか。電車は文字など通っていないようですし、「もう一度」何をすればよいのかもわかりません。ここには水色のアンダーラインが引かれており、「宝物の謎」で見たように、新宿線に関わるであろうことが予想されますけれども、それ以上のことは何も思いつけないのでした。
 節を屈する想いで、マダムの見ていたヒントサイトの記述を教えてもらいましたが、この局面を打開するに足るヒントは何も無いようでした。むしろミスディレクションではあるまいかと思ったほどです。書いてあるのはほとんどわかっていることばかりで、ただ「新しい文字が出てくるはず」とありましたけれども、そこがまるで見当もつかないのでした。
 ああでもない、こうでもないと思案し続け、ついに時間切れが迫ってきました。この日(6月23日)は金曜日で、19時半からChorus STの練習が入っています。いつの間にか、そろそろ移動をはじめないと遅刻しかねない時刻になってしまっていたのでした。時計を見てびっくりしたのですが、私たちは萩山に、2時間近く滞在していたようです。池袋で西武に乗ってから萩山に到着するまでが5時間弱、うち所沢での休憩タイムが1時間ちょっとでしたので、謎解きとしては萩山まで4時間足らずで到達したことになります。しかし、その半分くらいの時間を、萩山の駅前広場で、「最後のおねだり謎」を考えるためだけに費やしてしまったのでした。その結果時間切れとは、私の謎解き能力への自信を、根底から叩き潰すような状況になってしまったのです。

 と、そこへ、マダムがある駅を提案してきました。
 「八坂、じゃない?」
 というのでした。
 聞くと、筋道立った謎解きの結果出てきた答えではなさそうです。彼女は、駅からの道順に着目したのでした。南口を出たら、線路を左手に見ながらそれに沿って進む。するとその先に「きいろのでんしゃ」……というくだりです。それで、
 「電車を飾っている公園など」
 をスマホで探したようでした。
 すると萩山に近いところとして、八坂から徒歩10分ほどのところにそれがある、という情報をつかんだらしい。
 さらにマダムは八坂説の根拠として、「追加のおねだり謎1」のあみだくじの盤面に、「や」「さ」「か」という文字が、斜めとはいえ一直線に並んでいることを指摘しました。いや、マダムはその3文字が盤面にあることを指摘しただけでしたが、見てみると一直線上に並んでいたので私がびっくりしたという次第です。
 もっともそこにある文字を導くための筋道は何ひとつ無いようだし、そもそも八坂という駅は萩山からだと、多摩湖方面に戻る方角になるので、私は半信半疑でした。しかし、ほかに思い浮かぶことも無いし、萩山から近い八坂であればなんとか立ち寄る時間をとれそうだし、マダムの発案を無碍にしたくないという気持ちもあって、八坂を訪ねることに同意しました。
 多摩湖行きの電車に乗って、2駅乗ると八坂です。
 八坂駅は単線の片面駅であり、そのあたりは高架線で、階下に出口がひとつだけありました。しかしその出口はただの「出口」であって、「南口」ではありませんでした。線路の南側でもないし、南を向いているわけでもありません。つまり、八坂駅に「南口」は存在しなかったのです。
 この時点で、ハズレであることはほぼ確実でしたが、それでも線路に沿って、少し歩いてみました。「きいろのでんしゃ」という言葉で表現できそうなオブジェのたぐいも、気配さえありません。
 マダムはもういちど検索して、その「でんしゃ」が、久米川電車図書館という施設であることを確かめました。団地の中にあって、電車の車輛をそのまま図書館にしてしまっているのだそうです。久米川はそう遠くないとはいえ、八坂から線路に沿って歩いて行ける場所とは思えないし、それに週に2日しか開いていないらしく、そんな施設を謎解きに使うとも考えられないのでした。
 結局ハズレということで、6月23日の探索は時間切れ終了となりました。失意に沈んだ気持ちでした。
 これで終わりたくはありません。なんとかクリアしたいものです。

 この項、さらに続きます。


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