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床の張り替え工事 [日録]

 今日は朝から、洗面所の床の張り替え工事が入って、だいぶ大きな音がしています。
 先月、給湯器を取り替えたばかりですが、洗面所の床も、しばらく前から床板が割れてしまったようで、べこべこな状態になってしまっていました。この際なので給湯器に引き続き直してしまおうと思ったのです。
 こういうとき、戸建てだと業者選びなどに苦慮するものであるようです。水回りの修理などは、実にしょっちゅう、ステッカーになった広告が郵便受けに入っていたりします。義父はそれを捨てずに郵便受けの中に貼り付けているそうですし、マダムも遺伝なのか、捨てずに片端から冷蔵庫に貼っていますけれども、この手の業者を頼むと、たいていえらくぼったくられるという話を聞きます。次から次へと追加料金が発生して、とんでもない額になってしまうというのでした。
 その点マンションだと、管理会社に連絡すると、適当な業者を紹介して貰えます。変な業者を紹介すれば管理会社の評判に関わりますので、最安値ではないにしても、ある程度信用のおけるところを選んでくれるようです。
 戸建ての場合は、市役所などに相談するのが良いそうです。市役所の指定業者であれば、だいたい妥当な値段で工事を請けてくれるらしいので、なるべく郵便受けに宣伝を入れるような業者には関わらないほうが良さそうなのでした。
 洗面所の床の張り替えは、20年ほど前にもいちどやっています。そのときは台所、トイレ、浴室など、まさに水回りのリフォームをまとめてやったのでしたが、その前にも床が割れていた記憶があります。
 それで床の張り替えをしたときにはじめて気がつきました。私の住まいはマンションの1階なのですが、床の下はすぐに地面になっているのでした。まあ実際、昔住んでいた社宅のような縁の下というものはありませんでしたし、玄関の上がり框(かまち)の高低差からしても、地面からさほど離れてはいないのは予想していましたが、それにしても床をはがすとすぐに地面が見えたのには驚きました。
 夏にひどく蒸し暑いのも、冬に冷気が床から昇ってくるようであるのも、このせいだったかと苦笑しました。いちおう椽(たるき)は張られていますが、ほとんど地面に直接床を張っているようなものです。湿気などの影響も受けやすいでしょう。縁の下という空間は、ネズミや蛇などの小動物が入りこんだりして迷惑なことも多いのですが、地面からの熱伝導や湿気を、空気の層で遮断するという役割を担っているのだと理解しました。なかなか重要な存在だったのです。
 ともあれ床下はそんな状態で、洗面所というのはどうしても湿気が出やすい上に、入浴後の湯滴なども落ちて、とりわけ床板が傷みやすい箇所になるのだと思われます。住人の体重が(笑)……という事情もあるかもしれませんが、ほかの部屋では問題が起きていないので、やはり洗面所ならではのことなのでしょう。

 起きてすぐから、洗面所にあったものを撤去する作業に取り掛かりました。ワゴンや棚のたぐいが3つほどあったのでほかの部屋に移します。それから洗濯機の移動ですが、これは業者がやってくれます。
 洗面台(化粧台)も取り外すというので、鏡の裏の棚に入っていたり、上に乗っていたりしたものを回収します。しかし下の収納スペースに入れてあるものを取り出すのを忘れていて、業者が来てからあわてて取り出しました。むしろ鏡のほうは取り外さなかったので、棚の中身はそのままで良かったようです。
 9時くらいから、大雨の降る中を業者がやってきて、工事に取り掛かりました。まず水道を停めたので、終わるまで水が出ないと困るな、と思いましたが、しばらく経って蛇口をあけてみると普通に水が出ました。洗濯機と洗面台を取り外すにあたって一時的に停めただけだったようです。
 トイレに行きづらいのがちょっと難儀です。うちのトイレは洗面所の奥にあるのでした。まあ、ひと声かけて通る分には問題ないはずなのですが、プチコミュ障である私には少々気重です。前に水回りのリフォームをした際には、トイレと浴室の工事の日には、移動用便所が運ばれてきて家の前に据えられていましたが、今回は洗面所だけなので、そんな用意はありません。

 しばらく様子を見ていましたが、ずっとその場に立っていても仕方が無いので、
 「じゃ、よろしくお願いします」

 と言い置いて部屋にひっこみました。
 それから幾分か時間が経って、工事の人に呼ばれました。
 行ってみると、洗面所の床がすっかりはがされ、椽も外されて、コンクリートの土台がむき出しになっています。その片隅を示され、
 「どうも、ここが水漏れしているようなんですよね」
 と言われました。
 そのあたりには洗濯機用の給水管も通っていて、その管もだいぶ劣化している様子でした。そこからの漏水をまず疑ったようで、
 「最近、急に水道料金が上がったということはありませんか?」
 と訊かれましたが、そんな感じはありません。また、外の水道メーターを見てきたお仲間も、
 「メーターは動いてないようだ」
 と報告していましたので、ひとまず給水管からの漏水ではなさそうだということになりました。
 「とすると、ここの外壁からの浸水ということになりそうなんですが、この外はバルコニーですか?」
 「いや、外壁だと思いますが」
 そう答えたものの、ややあいまいだったので、外に出て確認してみました。微妙な位置ですが、ぎりぎり外壁というところであったように見えました。つまり、外がバルコニーであれば専有部分なので、自分でお金を出して直さなければならないのですけれども、外壁なら共有部分となり、マンションの保険や積立金で修理することになるわけです。
 とりあえず管理員に見て貰おうということになり、午前中だけ来ている管理員さんを呼んできました。その管理員さんからマンションの管理会社に連絡が行き、そこから修理会社にさらに連絡が行き、点検員を派遣するということになって、だんだん話が大ごとになってきました。
 点検員は昼過ぎにやってきて、まだ床板を張っていない該当箇所の写真を撮り、また外壁もチェックして帰ってゆきました。必要があれば外壁修理ということになりそうですが、そうなると私の家の洗面所は、また近日中に床をはがさなければならないかもしれません。費用はマンション保険で賄われそうだとはいえ、せっかく張り直した床をまたはがすのはもったいない話です。しかし、修理会社の結論が出るまで床をはがしたままというのも、私の生活に差し支えます。工事は続けてもらうしかありません。なんだか、簡単な病気で医者に行ったら、容易ならぬ重病が見つかってしまったような趣きです。
 弥縫策ではありますが、床下に吸水シートを設置して貰って、漏れた水を吸わせることにしました。水が漏れたままでは、また椽や床板がすぐに腐ってしまうでしょう。

 そんなトラブルもあって、若干時間を食いましたが、予定していたとおりに作業は終わりました。
 ただもう一箇所、洗面台の下の排水管が水漏れしているようだ、と言われました。そこの収納場所に入れたものが濡れていたようなことは無いので、驚きましたが、ごくわずか、滴が伝ってくるようです。これも修理したほうが良いということで、見積もりを出してくれることになりましたが、さてどうしたものか。
 とりあえず今日の工事は、吸水シートの分が追加でかかって、見積もりどおりにはゆきませんでしたが、これは諒承したのでやむを得ません。実際に開けてみると、いろいろ不都合が判明するものだと思いました。悪質な業者だと、そういうところを勝手にいじって、請求額をふくらませるのでしょう。
 20年目で再工事ということになったわけですが、いまから20年後というと私はもう傘寿近いじじいで、それまでいまのところに住んでいるかどうかもわかりません。マンションの管理組合の理事長をしていた頃、お齢を召した理事たちが、マンションの修繕とか、監視カメラなどの新しい試みをしようと提案されるたびに、何かと消極的なことを言って賛成しないことが多かったのですが、皆さんの感じかたとしては、いまからお金をかけてそんなことをしても、自分はもう老い先短いから、そのメリットを享受できる期間がほとんど無いだろうという雰囲気でした。私も若干、その気持ちがわかるような年代に差しかかっているようです。

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