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「不思議なキャンバスの秘密」解決篇 [趣味]

 3月15日(日)プレイした謎解きイベント「不思議なキャンバスの秘密」の解決篇です。
 こちらも「鉄道探偵と56年前の犯人」と同じく、3月22日でイベント期間が終了したので、当日の様子を振り返りながら記してみたいと思います。
 このイベントは、都電荒川線日暮里・舎人ライナーを用いたもので、「鉄道探偵」シリーズと同じくタカラッシュ!社の制作です。路線数が2本だけなので、謎解き自体もずっとライトになっており、ボリュームとしては鉄道探偵の半分以下です。しかし都電荒川線と日暮里・舎人ライナーという、平素あんまり利用することの多くない路線の沿線を愉しむことができて、半日でクリアできるあたり、お手頃なイベントなのでした。  
 日暮里・舎人ライナーの起点である日暮里から出発しました。昼過ぎに家を出たので、日暮里は13時半くらいであったかと記憶しています。私が券売機で「都営まるごときっぷ」を2枚買っているあいだに、マダムは駅に設置されている記念スタンプを手帳に捺そうとして悪戦苦闘していました。手帳はページの綴じしろに近いほうが湾曲しているので、スタンプを捺そうとするとどうしてもそのあたりがかすれがちです。結局うまく捺せず、私が渡した仕損じのコピーの裏紙に捺し直していました。
 都営まるごときっぷは、「鉄道探偵」のときにも毎回お世話になっている、都営交通の一日乗車券です。都営地下鉄、都営バスはもちろん、都電やこの日暮里・舎人ライナーにも自由に乗り下りでき、かなり使い勝手の良いパスです。東京メトロ24時間パスとは違って、その日のうちしか有効ではありませんが、バスなら4回、地下鉄でも最大4回(初乗り運賃区間で計算して)乗れば元が取れます。都内で2、3箇所用事のあるときなどは重宝します。

 さて、訪れるべき駅ですが、まず冊子の「手がかり1」のところを見ると、長短さまざまな色鉛筆と、それぞれの色を出したパレットの絵があります。色鉛筆の下にはひらがなが1文字ずつ書いてあります。パレットには矢印がついていて、その矢印の向きの色の順に、対応する色鉛筆の下の文字を読めば良いようです。そうすると「いちばんみじかいいろ」という言葉が出てきます。いちばん短い色鉛筆は桃色でした。
 日暮里・舎人ライナーに乗り、車輌内の路線図を見て、その答え「桃色」の駅で下りるよう指示があります。乗ってみると、なるほど車内掲示の路線図には、日暮里は赤、足立小台は青、江北は緑という具合に、各駅の枠に固有の色がついていました。実は券売機のところにあった路線図でも同じようになっていたので、私自身は乗る前にわかっていたのですが、ともあれ桃色の枠になっているのは舎人公園駅です。
 次に「手がかり2」を見ると、漢字部首パズルになっていて、すぐに解けます。「見沼代親水」という文字が現れ、この文字を持つ駅というのが答えで、それはもう終点の見沼代親水公園駅以外にはありません。
 舎人公園も終点よりふたつ前なだけです。いずれにしろ、この路線の全線に乗ることになります。
 先に終点まで行ってしまうことにして、列車に乗り込みました。ガイドウェイ式の新交通システムなので、「電車」と呼んで差し支えないはずなのですが、どうもパンタグラフもレールも無い交通機関の車輌を「電車」と呼ぶのは戸惑いを覚えます。
 日暮里・舎人ライナーには何度か乗っていますが、考えてみると昼間に乗ったことはあまり無く、沿線の建物の様子などを興味深く見ながら進みました。西新井大師西駅から、肝心の西新井大師が全然見えないというのもはじめて知りましたし、舎人公園が思いのほか広大な園地であったことも新発見です。
 車内は立客がちらほら居るくらいの乗車率でしたが、その舎人公園で過半が下りてゆき、最後の2区間はガラガラでした。新型コロナ騒ぎで外出者が減っているとはいうものの、晴れて陽射しの暖かい日曜の午後とあって、公園を訪れる人も多かったのでしょう。

 終点の見沼代親水公園には、日暮里・舎人ライナーとは関係なく、何度か訪れています。ピアノ教室に自転車で往復する場合のルートのひとつがこの近くを通り、以前はそのルート上に「おはしカフェガスト」があったので、自分でも立ち寄ることがあり、マダムとふたりで来たこともありました。いまはただのガストになってしまって立ち寄ることもなくなりましたが。
 また島忠ホームセンター草加舎人店もその近くにあり、これも来たことがあります。つまり見沼代親水公園という駅は、東京都と埼玉県の県境ぎりぎりにあり、ほんの少し歩くともう埼玉県という位置にあるのでした。
 当初は日暮里・舎人ライナーを埼玉県内にも伸ばすという話があったのが、いろんないきさつによって都営ということになったのでそれが難しくなったとも聞きます。まあ、都営新宿線だって千葉県内まで延伸していますので、そんなに面倒に考えなくても良いと思うのですが。ともあれ、ガイドウェイは駅のわずかに先のところで、断ち切られたように終わっています。延伸しようと思えばできるような構造ではあるようです。
 さて、駅の外に出てからは、冊子に描いてあるイラストを周囲から見つけながら歩くことになります。まずガイドウェイの桁のところ、親水公園の入り口にある時計、そのすぐ近くにあるトイレに描かれている男の子と女の子のシルエット、そして親水公園の本体と言うべき水場……と見つけてゆき、最後は「水が終わる地にある看板の下を探そう」となっていました。水場はけっこう長く続いていて、これは川なのではないか、だとすれば「終わる」なんてことがあるだろうか……などと不安になりましたが、やがて本当に「終わり」に辿り着きました。川の一部だとしても、その先は暗渠になっているのでしょう。
 問題の看板を見ると、右脚のところにシールみたいなものが貼ってありました。冊子に出てくる女の子のキャラが描かれているので、これが探すべきものです。
 冊子の「ぬりえのしかた」という項目のところの空欄を半分だけ埋めるような文字が示されていました。2行にわたる空欄の上下互い違いの文字が示されているだけなので、もう一箇所の舎人公園のほうの手がかりを見ないと意味はわかりません。
 それとは別に、「ヒミツの絵のナゾ」というのも書かれていました。これはいわばオマケの問題で、2コースともクリアできたらそのあとで挑戦すべき謎なのでした。冊子のページにまたがって置かれている空欄に入るべき文字が示されています。こちらは全部で11文字あり、ここでは3文字だけ明かされました。
 見沼代親水公園駅での用件はこれで終わりです。しかし暖かい陽射しの中を、水場に沿って散策するのはなかなか気分の良いものでした。

 ふたたび列車に乗り、2駅戻って舎人公園へ。このとき、私たちは後方の運転席に乗ってみました。プレイした日の日誌にも書きましたが、日暮里・舎人ライナーは基本的には無人運転で、運転士は居ません。ただ車庫内などではオートの運転にはならないと思われ、いちおう運転台は設けられています。機器類には厳重にカバーがかけられて、もちろん乗客がいじることはできません。それで、運転席に相当するフロントガラス側の席が、一般走行時には解放されています。いわば特等席であって、真っ先に埋まります。
 私がさっさとそこに坐ると、マダムが
 「え、そこに坐れるの」
 とすぐに隣に坐りました。走り出すと、
 「線路を見てるとなんか気分悪くなる」
 と言いながら、それでもけっこう興味深げに見ていました。
 舎人公園で下りたあとの指示は、イラスト混じりの文章になっていましたが、「バーベキュー広場へ行き、頭がオレンジ色の看板を右に進み、4つめの街灯の正面を探そう」と読めます。バーベキュー広場とはなんだろう、と思いましたが、公園内で文字通りバーベキューをするためのスペースで、すぐにわかりました。本来ならバーベキューのための肉や野菜や飲み物などを売っている、かなり大きな店が建っていましたが、休業中です。もちろん新型コロナ騒ぎの影響でしょう。そこは閉まっていましたが、食材を持参したらしき人がけっこうあちこちにレジャーシートを拡げてバーベキューをやっていました。
 バーベキューではありませんが、一角にやたらたくさんパグ犬が集まっていました。どうも、パグ犬の飼い主たちがネットなどで連絡を取り合って集まる、いわゆるパグオフであった模様です。マダムも私もパグ犬が好きで、道端で見かけたりするとついつい見入ってしまうたちですので、10匹近いパグ犬がうろうろしているその一角には思わず足を止めて、しばらく眺めていました。謎解きタイムが押した気もします。
 手がかりシールは、指示どおりに歩くとすぐ見つかりました。さっき埋めた空欄と合わせると、

 ──そらにうかぶものの枠内をぬりつぶせ

 となりました。これは塗り絵の塗りかたについての指示です。
 塗り絵はページの下方にあり、ビルの建ち並ぶ中を走る日暮里・舎人ライナーという趣きの絵になっていました。ビルの窓その他の区画に、薄墨でいろんなマークが印刷されています。鉛筆やキノコなども目立ちましたが、中には星や月などもあり、「そらにうかぶもの」とはそれらを指すようです。
 これで塗り絵ができる、と思ったのですが、マダムに
 「西日暮里に行かなきゃダメなんじゃないの?」
 と指摘されました。冊子をよく見ると、「ぬりえのしかた」の項目のところに、「日暮里・舎人ライナー西日暮里駅とJR西日暮里駅の間、空に浮かぶ道の下にいる2人の子供の像を探そう」と書いてあります。
 すっかり見逃していました。舎人公園のベンチあたりで塗り絵を済ませて、次の都電荒川線コースにチャレンジするため熊野前で下りるつもりで居たのです。熊野前はふたつの路線が交差するところです。
 西日暮里と熊野前は2駅しか離れてはいないものの、一旦西日暮里まで行って戻らなければならないので、やはり余計な時間はかかります。気がついていれば、日暮里から乗って、見沼代親水公園や舎人公園まで行く前に西日暮里で途中下車していたでしょう。

 仕方なく、西日暮里まで戻ります。舎人公園駅では最前方で待っていると、そこまで運転席に坐っていた家族連れが下りてきて、幸いにもそのあとに坐ることができました。マダムも愉しんでいたようです。途中から乗ってきた家族連れの中の子供が、あそこに坐りたいとぐずっていたようでしたが、私らは大人げなくも聞こえないふりをして西日暮里まで坐っていました。あと1駅だけでも坐れたら良かったね。
 日暮里・舎人ライナーの西日暮里駅は、JRやメトロ千代田線の西日暮里駅とは少しだけ離れていて、高架の通路でつながっています。正確にはJRの駅まではつながっておらず、千代田線の尾久橋通り口に直行するエレベーターと、その地上出口附近に下りる階段があります。私はコーロ・ステラの指導のあと、千代田線で西日暮里まで出て帰宅するということがよくあり、尾久橋通り口近くのマクドナルドで一憩してからJRに乗り換えます。だからそのあたりはよく知っていました。
 しかし、その階段の昇り口のところに「ふたりの子供の像」があるというのはまったく気がつきませんでした。今回探してみてはじめて知った次第です。荒川区在住の彫刻家・平野千里さんの作品だそうで、タイトルは「童子像・飛翔」。イメージモデルは不動明王に従うふたりの眷属、せいたか(制多迦)童子こんがら(矜羯羅)童子だそうです。不動明王の眷属の童子たちはみんな男児のはずですが、この作品ではこんがら童子を女の子として造形していました。また、本来のこんがら童子は合掌した手に独鈷杵(とっこしょ)を持っているのですが、この像の女の子は左手に独鈷杵を、右手にはもともと指徳童子が持っている輪宝を携えているのでした。たぶん躍動感をあらわすために合掌スタイルをやめて両手を上げる形にし、そうすると片手が空いたので輪宝を持たせたというところでしょう。
 その輪宝が問題のカギで、冊子には「女の子が右手に持つ物を選ぼう!」となっていて、輪宝のほか、お手玉と串団子が表示されていました。お手玉だった場合は緑色の、輪宝だった場合は青色の、串団子だった場合は赤色の、星印やハートマークなどのさまざまな図形が矢印で結ばれて掲示されており、実際は輪宝だったわけですので、塗り絵の中の青色の図形を順に線で結ぶということになります。
 マダムが空腹を訴えたこともあり、すぐ近くの馴染みのマクドナルドに立ち寄って、日暮里・舎人ライナーコースを完結させることにしました。
 塗り絵の中の青色の図形を結んでみると、「イ」というカタカナに似た形の区画となりました。そこに薄墨で星──「そらにうかぶもの」の一種が囲まれていましたので、この区画は塗ることになります。なるほど、塗り絵を塗ることで、塗り絵全体から文字が浮かび上がるという仕掛けであるようです。
 塗るのは普通の鉛筆でも良かったわけですが、私はもしかしたらと思って色鉛筆を持参していました。せっかくなので青色を使って、星・月・太陽・雲のマークがある区画を塗ってみると、「ブルースカイ」という文字となりました。これが日暮里・舎人ライナーコースのクリアワードであるわけです。
 これで要領をつかんだので、東京さくらトラム(都電荒川線)コースはサクサク行きたいと思います。

 手がかりのある電停については、すでにパズルを解いてあります。まず手がかり1は、色を持つ絵を「くろ→き→あお→あか→みどり→ぎん→くろ」の順番に線で結び、囲まれた文字を読もう、という問題で、ペンギン・卵の黄身・赤ん坊・手袋・風見鶏・青汁のイラストが並ぶ中にいくつものひらがなが散らばっているのを解読しなければなりません。青汁が緑色だったり、手袋が黄色だったりするので若干紛らわしいのですが、要するに物の名前に含まれている色の名前を考えれば良いので、てぶくろみ→あおじる→あかんぼう→かざみどり→ぺんぎん→てぶくろの順に線で結べば答えが出てきます。囲まれた文字は「はにわ」で、これを冊子内から探してその場所に行けという指示なのでした。
 埴輪のイラストは、「おススメ♪お散歩スポット」というコーナーの、北区飛鳥山博物館の項目のところにあります。都電荒川線の最寄り駅は飛鳥山です。
 手がかり2は、都電の車輌型式のうち4つのイラストが並んでいて、そこから線路が延び、線路の脇に立っている木々のいくつかに文字が書かれています。そこで、「9001と9002の車輌を選び、進む先にある文字を左から読もう」となっていました。ただしこの問題だけでは、9001系と9002系がどれなのかわかりません。冊子のあちこちを眺めてみると、欄外イラストに電車のカットがあり、そこには数字がわかりやすく書かれていました。8501系と7701系はすぐに発見され、9001と9002というのはそれ以外なのだろうと思って私は解いてしまいましたが、それらもよく見ればちゃんと描かれていました。9002だけはちょっとわかりづらい場所にありましたが。
 9001系と9002系の絵につながる線路の上の文字を左から順に読むと、「面影橋の東京染ものがたり」という言葉が出てきました。解いたときはなんのことやらわからなかったのですが、そういう名前の小さなミュージアムがあるらしい。
 これで、飛鳥山と面影橋に行けばよいことがわかりました。そうそう、先ほどの西日暮里に相当する、「ぬりえのしかた」に示された電停も忘れてはいけません。鬼子母神前で下車して、その近くの商店街の中の美容室に手がかりがあると書いてありました。
 熊野前で乗り換え、まずいちばん遠い面影橋まで行って、鬼子母神前と飛鳥山に寄ることにしました。
 飛鳥山に寄ったところで、荒川線コースはクリアできるので、そのまま王子から帰ってこようかと思ったのですが、ふと「ヒミツの絵のナゾ」のことを思い出しました。この時点で、空欄は「□7□1□8□□1の□」という具合に埋まっていました。これはもしや、荒川線コースの「手がかり2」の解読に使わなかった「7701」と「8501」がカギになるのではないかと考えました。仮に数字と文字を入れてみると、たぶんそのとおりであるようです。「7701と8501の右」あるいは「先」というような文字が残りの空欄に入るに違いありません。
 その仮定により文字を読んでみると、思ったとおり、「熊野前のアクト21」という言葉が出てきました。つまり、最終的に熊野前に戻ってこなければならなさそうです。
 それで、熊野前で乗り換える前に「アクト21」を見つけて立ち寄ってみようかとも思ったのですが、マダムはそういう先回りを好みませんので、
 「たぶん熊野前にもういちど戻ってくることになるよ」
 と予告するにとどめました。実際、あとでアクト21に行ってみると、両コースをきちんとクリアしていないと最終キーワードがわかりづらいらしいことがわかり、先回りしなくて良かったと思ったのでした。

 熊野前で荒川線に乗ったのは16時くらいであったかと思います。日暮里・舎人ライナーコースで2時間半ほど費やしたことになり、標準タイムの1時間半~2時間よりだいぶオーバーしていますが、パグオフをしばらく眺めていたり、西日暮里に立ち寄るため重複乗車したり、マクドナルドで思いのほかくつろいでしまったりしたためでしょう。
 熊野前から、起点・早稲田のひとつ手前になる面影橋までは、かなり所要時間がかかりました。荒川線の電車はいつ乗っても混んでいて、なかなか坐れないのがお決まりでしたが、この長区間で坐れたのは幸いでした。というか、このあと何度か乗り下りしましたが、ほとんどの区間で坐ることができました。やはり、新型コロナ騒ぎで、お年寄りがあまり出歩かなくなっているのだと思います。都電は都営バスと同じく、都内在住のお年寄りに与えられる(本当は「廉価で販売される」)年間パスで乗れるので、いつもご老体の乗車率が非常に高いのです。こちらが運良く坐れていても、いくつめかには決まってよろよろと足許の覚束なさそうな爺さまや婆さまが近くにやってきて、席を譲らないとどうにも気まずいというような雰囲気になるのが常でした。それがこの日はほとんど無かったので、老人が出歩かなくなっているというのは事実らしいと実感したのでした。
 面影橋の電停で下り、神田川にかかる橋としては面影橋のひとつ下流側にある三島橋を渡ってまもなくのところに、東京染ものがたりという小ミュージアムがありました。ミュージアム類はこのところしばらく閉鎖というところが多いのですが、東京染ものがたりに関しては、それ以前に休日閉館という珍しい営業で、日曜である15日はもともと休みだったのでした。しかし、「不思議なキャンバスの秘密」の手がかりに関しては、門の前の看板にシールが貼られていたので、休みでも問題はありません。やはり2行にわたる空欄を互い違いに埋める文字が明かされていました。もちろん「ヒミツの絵のナゾ」のほうも、さらに3文字分の空欄が埋められます。それはそれとして、東京染ものがたりにはいずれ訪れてみたいように思いました。

 次に鬼子母神前です。電停としては2区間乗るだけです。「ぬりえのしかた」のカギのある美容室は、スマホで検索して行くように指示がありました。スマホを持たない私だけだったら動きがとれないところです。まあ、「弦巻通り商友会」とまで指定されているので、注意深く歩けば見つけられたとは思いますが。
 マダムがスマホのナビ機能を使って歩こうとしたところ、なんだか変なほうに分け入ってしまいました。基本的に彼女は「地図の読めない女」で、スマホでマップを出してもあまり役に立ちません。結局私がマダムのスマホを持って、ナビどおりに歩いてみましたが、便利なようなわかりづらいような。美容室はなんとか見つかりましたが、少々手間取った気がします。
 ここでは「線の結びかた」が明かされます。「ぬりえにある[緑]の数字を[2]→[4]→[6]→[8]の順に線で結ぼう!」とありました。荒川線コースの塗り絵は、わりと下町っぽい家屋やアパート、それに木々が繁る中を電車が走っているという絵柄でした。その絵の中に、なるほど赤・青・緑・黄色の小さな数字が点在しています。緑の4つの数字を結ぶと、先ほどと同じくあらたな区画が確定されるようでした。
 商店街の中のパン屋でパンを買いました。もうほとんど商品が残っておらず、店を閉める直前という趣きでしたが、マダムが妙に気に入ったようでした。

 鬼子母神前電停に戻って、飛鳥山に向かう途中で陽が暮れました。マダムは途中の電停に、売店や小さなカフェが附属しているようなところに興味を惹かれていた様子でした。とっぷり暮れた中を、飛鳥山博物館に向かいます。
 ここには何度も来たことがあるので、様子はわかっています。博物館は、コロナウイルスの影響でやはり閉館していましたが、そうでなくともこの時間ではすでに閉まっているでしょう。入り口の前にロープが張られて入れないようになっていました。冊子の指示では、入り口前にある掲示板を探してみよう、というのでしたが、手がかりシールがなかなか見つかりません。掲示物の中には見当たらず、その掲示板ではないのかと思ってロープを跨いで侵入してみましたが、やはり見当たらないのでした。不思議に思ってよく見てみると、掲示板の側面に貼られていたのでした。確かに、そこでないと不法侵入しない限り読み取れそうにありません。
 これで残りの空欄がすべて埋まりました。荒川線コースの手がかりの欄は、「いきものの枠内をぬりつぶせ」となり、ヒミツの絵のナゾのほうは思ったとおり「7701と8501の先」となり、「……にある文字を左から読み、現れた館の入口前で探そう」という文章につながりました。ちなみにこの文章は、冊子のページを折って、ハートマークを作るようにすると正確に出てきます。そしてその答えは、やはり「熊野前のアクト21」です。
 荒川線コースの塗り絵には、いろんな動物や昆虫、カップや眼鏡といった薄墨のマークが印刷されていました。その中で生き物のマークになっている区画を塗れば良いわけですが、すでに暗くなっている飛鳥山公園内ではその作業ができませんので、また電車に乗って熊野前に戻り、マダムが先刻の乗り換えのときから寄りたがっていた路面店のサイゼリヤに腰を落ち着けて、夕食をとることにしました。

 しかしその前に、アクト21を訪ねなければなりません。電停に道順を示す貼り紙があったので、すぐに行けたのですが、マダムはスマホのナビの使いかたに馴れたいからと、いろいろぶつくさ言いながらいじくりまわしているのを、5分間くらい待たなければなりませんでした。
 アクト21というのは、荒川区男女平等推進センターの別名(愛称名?)です。男女平等推進なんたらという施設、私は過去の経験からしてあんまり関わりたくないのですが、別に中身に用があるわけではなく、玄関に入る前の門のあたりで済みます。いままでのシールみたいな手がかりと違って、ここのは何やら重量感のあるクリアファイルみたいなものが設置されていました。
 「赤い観覧車を作って、冊子をこの下に差し込んでみよう」と書いてあります。冊子にあるふたつの塗り絵のすぐ上に、観覧車のカットがありました。片方は左半分が赤、右半分が青になっており、もう片方は左半分が黄色、右半分が赤になっています。ページを折ってその観覧車を真ん中でつながるようにすると、全部赤くなって、しかも塗り絵自体もきれいにつながりました。門に設置された最終手がかりの1枚目をめくると、確かに透明なポケットに冊子が差し込めるようになっていました。ポケットは透明ですが、いくつか黒いしみのようなものがついており、さらに4つの手書きっぽい丸印があります。冊子を差し込んでみると、塗り絵で塗りつぶした箇所とその黒いしみが合わさって、さらに丸印の中だけ見るようにすると、「フマイルと読めました。
 フマイルとはなんだろうか、と首を傾げましたが、すぐに見当がつきました。まだ塗っていない荒川線コースの塗り絵で塗られるべきところが、「フ」の字のところに結合することになるに違いありません。結合すれば、明らかに「スマイル」が答えと思われます。
 ここでいろいろやっているとき、もうひとり「不思議なキャンバス」プレイヤーらしき若者がやってきて、順番を待っていました。そういえば他のプレイヤーをあんまり見かけなかったな、と思いました。舎人公園で2組ばかり行き逢ったくらいです。時間帯の問題だったのか、新型コロナウイルスの影響でプレイヤーが少なかったのか、あるいは鉄道探偵シリーズなどに較べるとまだ知名度が低かったのか、いずれにせよこの日の参加者は決して多くはなかったようです。
 サイゼリヤに腰を落ち着けて、荒川線コースの塗り絵をしました。「グリーンタウン」という言葉が浮かび上がりました。そして確かに、最終手がかりの「フ」のところには「ク」の字の一部が接続して「ス」になるらしいことも確認できました。
 荒川線コース「グリーンタウン」、日暮里・舎人ライナーコース「ブルースカイ」、ヒミツの絵のナゾ「スマイル」がそれぞれのクリアキーワードで、これを専用サイトに送信すると抽籤で景品が当たるということになっていました。クリアキーワードはいくつでもOKで、ただ多くなると狙える景品の種類が増えるという、まあ鉄道探偵と同様の設定です。

 熊野前からの帰路は、「挑戦記」に書いたとおり、いささかまわりくどいルートを用いました。日暮里・舎人ライナーにもういちど乗って西新井大師西へ、その近くのバス停「江北陸橋下」から都営バスに乗って北区神谷町へ、そこから都営バスを乗り継いで赤羽駅東口へ。できるだけ都営まるごときっぷを活用しようとしてそういうことになりました。サイゼリヤで少しのんびりしすぎて、江北陸橋下から北区神谷町へは最終バスになってしまいましたが、それにしても都営まるごときっぷを十全に使い倒した実感が得られて、佳い気分で帰宅しました。
 謎解きはごく簡単でしたが、都電や日暮里・舎人ライナーにたくさん乗れて満足しましたし、塗り絵がカギになるあたりは他のシリーズと違う持ち味で、楽しくプレイできたと思います。

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