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「鉄道探偵と56年前の犯人」解決篇(その2) [趣味]

 昨日に引き続き、1月22日プレイした「鉄道探偵と56年前の犯人」の解決篇です。
 京王・過去篇をクリアした私たちは、下北沢でクリアキーワードを入手したあと明大前に戻り、笹塚都営新宿線直通電車に乗り換えました。1月15日に中断した岩本町まで一気に行きます。なおこの日の都営一日パス(都営まるごときっぷ)は、京王篇をはじめる前に購入してありました。
 岩本町であやしげな「新聞」である「TOEI TIMES」を貰うところまでやってあったわけですが、岩本町ではもうひとつ、都営・現代篇の依頼人布田ゲンダイのライバルである横山バクロからの情報提供を受けるという用件が残っていました。この横山バクロ、確か前の「消えた一億の謎」でも登場していた気がしますが、アスリートというわけではなかったと思います。ときどき、同じ名前でも年によって設定が違うということがあるのでした。
 横山バクロからは、問題の空欄を埋めるワードを入手します。

 「紅の四角に[羊]の大切なポイントを、翠の四角に[双子]の気をつけることを、蒼の四角に[1位]を、橙の四角に[12位]を謎7の空欄の上から下にひらがなで入れよ」

 このカッコの中が横山バクロから入手したワードです。で、文章の意味は、貰った「TOEI TIMES」の星占い欄を見ると判明します。牡羊座の「大切なポイント」は「ためらい」、双子座の「気をつけること」は「依存」、1位の星座は「山羊」座、12位の星座は「魚」座と書かれています。これを、「謎7」の空欄に入れるわけですが、この謎はよく見る文字付き迷路です。地下謎ではほとんどこればかりと言って良いような定番パズルです。
 赤、緑、青、オレンジの空欄があり、そこにひらがなで文字を埋めると、文字付き迷路が完成します。スタートからゴールまでのルート上で、1文字置きに拾うよう指示がありましたので、そのとおりにすると、
 「だいやふたつつくりもういちどすたーと」
 という文章が浮かび上がりました。
 迷路の上下に、それぞれ左右が頂点になっているふたつずつの三角形が記されています。この三角形を合わせて、菱形になるようにページを下ります。すると迷路のルートが変わり、新しい文章が出てきました。
 「だいやをはーとにかえなぞときなおそう」
 前のページを見ると、ハート形の上半分を横向きにしたような模様が印刷されています。さきほどの三角形の片割れと組み合わせるとハート形になりますので、またページを折ると、なんと15日にやった連続問題のスタートとゴールが入れ替わります。煩をいとわず転記しておきますと、もともとは、

 「一番大きい[偶数番号]の出口から外に出て右に曲がれ。十字路にきたら交差点を渡って右に曲がりまっすぐ進め。左側に見えてくる地下鉄の駅の階段降りろ」
 「着いた駅の、三田方面の列車に乗れ。発車してから、列車が進む方向を向いて最初に左側が開いた駅で降りろ」
 「その駅で乗り換えられるもう一つの路線の都営地下鉄のホームへ向かえ」
 「新宿方面に向かう列車に乗り、最初に現れる読みで七文字の町がつく駅で降りろ」
 「改札出て右後ろにあるラックでTOEI TIMES受け取れ」

 という指示で、それぞれ蔵前での大江戸線から浅草線への乗り換え、東日本橋での下車と馬喰横山への乗り換え、岩本町での下車を示していました。
 これが逆になるわけです。ただし「改札出て右後ろにあるラックでTOEI TIMES受け取れ」という指示は折り目で隠されましたので、最初は「新宿方面に向かう列車に乗り、最初に現れる読みで七文字の町がつく駅で降りろ」が最初になります。馬喰横山から乗ればこれは岩本町だったわけですが、その岩本町から再び乗れば、答えは神保町となります。その次に「その駅で乗り換えられるもう一つの路線の都営地下鉄のホームへ向かえ」という指示からしても、三田線に乗り換えられる神保町に違いありません。
 「着いた駅の、三田方面の列車に乗れ。発車してから、列車が進む方向を向いて最初に左側が開いた駅で降りろ」……前の「三田方面の列車」は浅草線でしたが、こんどは三田線です。うまく作られているなあと感心しましたが、本当にすごいのはこの次でした。進行方向左側の扉が開く、つまり相対式プラットフォームの駅というのは三田線には少なく、しばらく島式プラットフォームが続いたあと、芝公園に至ってようやく相対式になりました。そしてその次の指示……
 「一番大きい偶数番号の出口から外に出て右に曲がれ。十字路にきたら交差点を渡って右に曲がりまっすぐ進め。左側に見えてくる地下鉄の駅の階段降りろ」……芝公園は他の路線に乗り換えられる駅ではないはずだと思ったのですが、この指示どおりに地上を歩いてみると、なんと大江戸線の赤羽橋駅の入り口に辿り着いたのです。つまり、蔵前駅で大江戸線から浅草線南行に乗り換えるために地上を歩かせる指示が、そっくりそのまま芝公園駅から赤羽橋駅への誘導になっていたというわけです。これにはあっけにとられました。タカラッシュ!社の問題制作者は、ここが成立することに気づいたとき、思わずガッツポーズでもとってしまったのではないかと想像しました。私が制作者だったら、声に出して「よっしゃあ!」と叫んでしまいそうです。

 赤羽橋駅では、ハンバーガーショップ「トエイドナルド」の店員である菊川勝雄という老人から謎の紙を渡されます。これは漢字パズルでした。4文字の訓みを持つ漢字が×形に並べられ、それぞれの漢字の周囲には四隅に小円を持つ正方形の枠が置かれています。小円に入るのはその漢字の訓みなのですが、他の漢字と1文字ずつ共有しています。「兵」=「つわもの」と「暁」=「あかつき」が「つ」の字を共有しているなど。
 冊子の問題はいくつか空欄になっており、その空欄を埋める漢字を菊川氏から教えて貰うという形です。それで中心にある漢字を割り出すというのがパズルの要件でした。
 詳細は省略しますが、出てきた答えは「曙」=「あけぼの」です。この字を冠した駅へ行けというのが次の指示でした。これはもう、新宿線の曙橋以外にはありません。
 曙橋には、クール・アルエットの指導のため、毎週のように通っています。今回の冊子を入手したのも曙橋駅でした。それなのに、曙橋駅に鉄道探偵イベントに関連する何かがあることには気づいていませんでした。いつも私が上っている階段と反対側になるからかもしれません。

 赤羽橋から大江戸線に乗り、新宿に戻り、再び新宿線に乗って曙橋へ。ショートカットせず順番にプレイしていれば、2回乗車ということにはならなかったようです。
 次の問題は、冊子には吊り革がいくつも並んでいる絵が描かれていました。いくつかの吊り革には色がついています。そして、曙橋駅にあったのは、それと同じ絵で、いちばん左端の吊り革に大きくマルがつけられているというものでした。このマルのついた駅へ向かえというのが指示です。従って、吊り革が駅を表すわけです。
 吊り革を連ねている線は2本あり、その交点には吊り革、つまり駅がありません。これはどうやら、都営地下鉄路線のうち、交差しているにもかかわらず接続駅のない、先ほどの芝公園・赤羽橋附近なのだろうと見当がつけられます。環状になっている大江戸線は、浅草線・新宿線とは2箇所(蔵前と大門、新宿と森下)で接続していますが、三田線とだけは春日でしか接続しておらず、反対側の交点には駅が無いのです。
 とすると、交点近くにある赤い吊り革は、赤羽橋駅を示しているのでしょう。そこからふたつ置いて青い吊り革があります。大江戸線は麻布十番と六本木を経て青山一丁目に停まりますので、青い吊り革はそのことを示しているはずです。そして吊り革の数=駅の数を数えてみると、左端のマルがついているのは、都庁前です。なお三田線とおぼしき線の端っこには黒い吊り革が描かれていました。目黒のことでしょう。その隣ともうひとつ隣は白い吊り革でしたが、白金台白金高輪だと思われます。

 また新宿に戻り(この区間、3回目の乗車)、乗り換えて都庁前へ。これが最終目的地でした。指示されたとおりに歩くと、「モニター」という設定の偏光シートが掲示されていました。見る位置を変えると違う絵が浮かび上がるという、子供の野球帽などによく貼られているヤツです。
 その「モニター」を見て、表示されている文字のうち赤色のものを拾うと、「みんなの声 頭 読め」となります。「みんなの声」とは例のTOEI TIMESで、先ほどの星占い欄の下にコーナーがありました。そこへの5通の「投稿」の頭の文字を連ねると、「都営百貨店」なる言葉になりました。こんな百貨店は実在しませんが、あったら楽しそうです。この都営百貨店が、依頼人布田ゲンダイの娘ミライの居場所だったというわけでした。特設サイトに「トエイヒャッカテン」と送ると、現代篇のエンディングとなります。
 ミライは、56年前の中井キョウコと酷似した状況で誘拐され、百貨店の迷子係に預けられていたのでした。犯人のことはやはりまったくわからないとのことです。ただその犯人から渡されたものが「鍵のかかった箱」で、これが現代篇のクリアキーワードです。
 過去篇のクリアキーワード「クマのヌイグルミ」と、現代篇の「鍵のかかった箱」を特設サイトに送信すると、解決篇が開始されます。しかしこの先は自宅に帰ってからでもできるので、私たちは新宿駅まで歩いて王子駅行きの都バスに乗りました。都営一日パスをなるべくたくさん使うように、長い路線に乗ったのでした。私は春日まで大江戸線で移動し、また三田線に乗り換え、西巣鴨で下りて、都電新庚申塚から王子に向かうというルートも考えていたのですが、マダムに訊くと、長い路線にゆっくり乗るほうが良いとのことだったのでした。

 帰宅したのち、解決篇に取り組みます。
 ミライが犯人から受け取った鍵のかかった箱には、「初代鉄道探偵が鍵の番号を知っている」という意味のことが書いてあったことになっています。それで、まず初代鉄道探偵を捜さなければなりません。依頼者とのひとしきりの会話のあと、

 ──K(鉄道探偵)に虫眼鏡で初代鉄道探偵の手帳を読ませよ。その時、黒い驚きの間を読み、指示に従えば初代が誰かわかる。

 という、メタな問題文が提示されます。メタな、と言ったのは、これまでの謎はいずれも、それぞれの篇の犯人が用意した紙に書かれていた設定だったのに、この問題文は誰が用意したのかわからないからです。三人称小説の語り手である「神の視点を持つ筆者」というところでしょうか。
 さて、冊子をひっくり返してみれば、この問題文の意味はすぐわかります。表紙裏の登場人物紹介のところに、3代目鉄道探偵が虫眼鏡を構えているシルエットが描かれており、過去篇の第1章の冒頭のやや不自然な場所に、手帳のカットがあります。ページを折って、このふたつの絵が接するようにします。
 登場人物紹介の3代目の絵のところには、何かに気づいたかのような「!」が附記されています。一方、過去篇第1章の文章の11行目の会話文の末尾にも「!」があり、絵の中の「!」とほぼ同じ高さになっています。そこで、両方のビックリマークにはさまれた文字を横に読んでみると、「赤い丸三つ作レ」という文が現れました。これが次の指示です。

 冊子をさらにひっくり返すと、赤い半円や1/4円がいろんなページに散らばっているのがわかります。ページをうまく折ることで、同時に3つの円を作ることができそうです。具体的に言うと、7ページの半円に、6ページ上下隅の1/4円を接するように折ってここで円を作り、6ページに返して上下にある半円を8ページの半円に接するようにすれば完成します。
 すると、6ページの真ん中のところに黒い矢印が現れ、8ページにある「トエイドナルド」店員・菊川勝雄氏の絵を指し示すのでした。この老人が初代鉄道探偵だったのでした。それにしても、功成り名遂げたはずの鉄道探偵が、引退後にハンバーガーショップの店員をしているとは。56年前にすでに年配の感じでしたので、もう100歳を過ぎているのかもしれません。
 菊川勝雄の名前を入力すると、次の展開となります。物語の中の3代目鉄道探偵は、初代の残した手帳にトエイドナルドのことが書いてあったので菊川氏のことがわかった……という設定でした。
 3代目と依頼人は、取り急ぎ菊川氏のもとへ駆けつけ、事情を話すのでした。菊川氏は、そんな番号は憶えていないと言うのですが、愛用のパイプでもくわえれば思い出すかもしれないとのこと。そこで第2問です。

 ──初代鉄道探偵に、彼が使っていたパイプを咥えさせ、箱の3桁の開除番号(ママ。「解除番号」の誤りでしょう)を思い出させよ。ヒラメキが箱の番号を上から照らす。

 パイプの絵は、冊子の裏表紙のプレゼントページにありました。クリアするとタカラッシュ!社から貰えるデジタルアイテムです。それを、さっきの菊川氏の絵に接するようにページを折ると、菊川氏の絵の上に3つ並んでいた電球の絵が、プレゼントページの「2名様」「2名様」そして「1編でもクリアして賞品応募すると……」云々という文章の「1」のところに並びました。どう考えても、3桁の数字は「221」です。「ヒラメキ」というのは、何か思いついたときに電球が浮かぶマンガ表現ですね。
 221は、キョウコが過去篇の犯人から渡されていたクマのぬいぐるみの首輪に書いてあった数字という設定でした。初代鉄道探偵菊川勝雄は、パイプをくわえることでその数字を思い出したのでした。
 221の数字を合わせると、箱が開き、中には最後の謎が。

 ──<1>5つのメダルは、5位から順番にそれぞれ同じ色を重ね合わせよ。全て重なった状態にすること。
 ──<2>吊り革でツキシマを決め、車輪投げで上手投げを繰り出し、最後にパンタグランポリンでローマの悲劇を再現させた時、犯人の名前がわかるだろう。

 いろんなワードが登場しました。「メダル」というのは「トレイン大運動会」のメダルで、ゴールド・シルバー・ブロンズ・レッド・グリーンの5段階になっています。赤メダルと緑メダルがあって、5位まで表彰されるのが良いですね。このメダルの話題は武蔵野台で貰った「京王スポーツだより」に載っており、この「新聞」の欄外には、表にも裏にもメダルの絵などが描かれていました。白黒印刷のはずなのに、メダルだけは彩色されています。
 ふたつの緑メダルが重なるように紙を折り、次にふたつの赤メダルが重なるように……と繰り返してゆくと、最終的には8つ折りの形になりました。ひたすら折り目が横になるように折ることになり、細長い紙束のようになりました。
 ツキシマというのは「吊り革」競技の技の名前であることが、物語の途中で明かされています。依頼者・布田ゲンダイの得意技だそうです。「TOEI TIMES」の欄外に、いろんな競技者と、その扱う道具とが印刷されています。ツキシマというのは吊り革から一旦手を離して打ち合わせるという技らしいので、まずそういう絵づらになるように紙を折ります。
 車輪投げに下手投げと上手投げがあることは、「京王スポーツだより」の記事にありました。それで、車輪を上手で投げている絵づらになるように、再び折ります。
 「ローマの悲劇」というのは、過去篇の依頼者中井アスカのライバルであった戸越ヨウコに起こった事故で、パンタグランポリンの上で逆さになってきりもみ回転するイナギという技を試みた直後に、道具がふたつに割れてしまい、戸越ヨウコは大怪我を負って56年前の東京大会に出場できなくなったという事件でした。そのことも物語中に語られています。この悲劇の内容については、もう少し細かいディテールがあり、それに従ってまた紙を折ることになります。
 悲劇の最後である、パンタグランポリンの破損については、「TOEI TIMES」の欄外だけでは再現できません。しかし、「京王スポーツだより」の欄外に、割れたパンタグランポリンの絵があります。これを組み合わせると、折った「TOEI TIMES」の途中に、さっきの細く折った「京王スポーツだより」がすっぽりとはまる形になります。
 そして、両方の記事が一体となり、それを読んでみると、現代篇の犯人の告白状になっているのでした。

 56年前の誘拐犯は布田ヨウコ。旧姓戸越。そして現代篇の依頼者布田ゲンダイの母親。彼女はローマの悲劇の事故を、中井アスカが仕組んだものだと邪推し、彼女をトレイン大運動会の選考会に出させないために娘キョウコの誘拐事件を企んだのでした。
 中井アスカは誘拐事件をきっかけに選手を引退したものの、世間の風当たりが厳しく、キョウコともども苦しい生活を送ったようです。
 そして現代篇の犯人は春日キョウコ、旧姓中井。彼女は母と自分を苦しめた女への復讐をもくろみ、その息子である布田ゲンダイの娘を誘拐し、56年前と同じ趣向で鉄道探偵を翻弄したのでした。それでも、自分が犯罪を犯している意識はあったようで、告白状を鉄道探偵に託し、自首することにしたのです。
 どうも鉄道探偵シリーズにしては後味の悪い結末になりました。
 とはいえ、布田ゲンダイ氏は吊り革競技の選考会で見事大運動会出場権を獲得しましたし、一応ハッピーエンドにはなっています。
 前の事件が56年前とすると、初代鉄道探偵その他の登場人物の年齢設定にやや無理が出てくる気もしますが、まあ良しとしましょう。初代が3代目に向かって「君は探偵としてはまだまだ未熟だが……」みたいな上から目線の評言を与えるのも微笑ましいところです。いや、あんたは失敗したじゃないか、とツッコミたくなるのはさておいて。
 ともあれ、楽しいイベントでした。2日に分けて正解だったと思います。次回あたり、やや規模を縮小する方向に向かうかもしれませんね。  

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