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地下謎2017挑戦記 [日録]

 今シーズンも東京メトロ「地下謎への挑戦」のイベントがはじまったので、今日チャレンジしてきました。日曜日は当分暇が無く、平日はマダムが忙しいことが多いということで、祝日である今日(11月23日)であればマダムの学校や仕事も休みなので好都合でした。
 前にも説明したことがありますが、いちおう簡単に、どんなイベントであるのか書いておきます。
 一時期web上で大流行した「脱出ゲーム」というのがあり、flashスクリプトでわりに簡単に作れるので、文字どおり雨後のタケノコのように作成されました。プレイヤーは鍵のかかった密室に閉じこめられているという設定で、室内のあちこちを探す(クリックする)ことでアイテムや情報を入手し、最終的には鍵を手に入れて部屋を出ればゲームクリア、というのが基本形で、そのうち必ずしも密室から脱出するというストーリー以外のものも作られるようになりました。一種の簡易アドヴェンチャーゲームといった趣きでもあります。
 そのうち、web上でのゲーム制作だけでは飽き足らなくなった脱出ゲームクリエイターたちが、リアルの脱出ゲームを制作してプレイヤーに愉しんで貰おうという会社を起ち上げました。同工異曲の会社がいくつかあると思いますが、そのうちのSCRAPというところが東京メトロと組んではじめたイベントが「地下謎への挑戦」で、今シーズンでたぶん4回目になります。
 プレイヤーは最初にゲーム用の謎解きキットを購入し、そこに入っている小冊子に載っているパズルを解いて、その答えとして出てきた指示に従って、さまざまな地下鉄駅に向かいます。パズルに正解していれば、向かった駅かその周辺にまた新しいパズルが用意されており、それによってさらに別のところへ移動して次の謎に立ち向かうということになります。

 移動はもっぱら東京メトロを使うわけですが、下車駅では地上や地下をかなり歩かせる構成になっており、時には思いもよらないような通路を歩いたりします。地下鉄を利用すると共に、「街歩き」の要素も盛り込んだ内容になっているのでした。
 都営地下鉄でやっていた似たようなイベントでは、ファイナルアンサーに辿り着くと抽籤で景品が貰えたりしましたが、この「地下謎」はそういうことを一切おこなわず、ファイナルアンサーを特設サイトに送信するとエンディングが流れて終わりとなります。もっぱらクリアしたという自己満足のためだけのゲームであり、その意味では大変純度の高いゲームイベントであると言えます。
 私たちは昨シーズンからはじめました。10月頃から翌年1月いっぱいくらいまで開催されるイベントで、私が前回やったのは今年の1月に入ってからでしたが、いちおうそれは「地下謎への挑戦2016」なのでした。今回は正真正銘「2017」となります。

 最初はマダムが見つけてきたのでした。その少し前に、パズル要素の加わったスタンプラリーのイベントに参加したことがあって、この種のパズルゲームイベントがすっかり気に入ってしまったようなのでした。
 パズル愛好家である私は当初、そう大した「謎」ではあるまいとたかをくくっていたのですけれども、特設サイトに「練習問題」として添えられていたミニパズルの難易度を見て、これは案外歯ごたえがありそうだと思うようになりました。そして実際に地下鉄に乗り、歩きまわり、手を動かして工作みたいなことまでしているとなかなか楽しく、すっかり夢中になってしまったわけです。
 今シーズンのイベントがはじまっているということは、今度は私が先に地下鉄の駅のポスターを発見してマダムに伝えました。日程を決めてからは、決行日が楽しみで仕方がありませんでした。
 10時半頃に家を出て、池袋に向かいました。ゲーム用キットを売っているところは限られていて、新宿・渋谷・池袋・上野・銀座の5駅のみです。うちから最寄りのところが池袋だったのでした。
 私たちの参加は2回目ですが、設問の方法など、前回の反省を踏まえたらしくいろいろ変えてあるところがありました。例えば、前回はキットを購入すると、小冊子に最初のパズルが載っており、それを解こうとする人たちがあたりにあふれるという事態になっていたのだろうと思います。それで、今回は販売箇所から少し離れたところに「はじまりの場所」というのが設置され、そこを確認しないとパズルが解けないという仕掛けが施されていました。これはキットを販売する5駅すべてに設置されていたのでしょう。
 また、パズルの答えとして出てきたすべての駅に行かなくとも、ふたつ与えられた選択肢のどちらかの駅を訪ねれば良いということにもなっていました。それぞれの駅にはまたそれぞれ別のパズルが用意されているのですが、どちらのルートでも答えは同じ結果になるように設問されています。一箇所にプレイヤーが集中してしまわないようにという配慮でしょう。
 前回は平日にプレイしたので、同じプレイヤーらしき人々がそこそこ居たようではあったものの、そんなにあちこち混んでいるというわけではありませんでした。しかし今日は休日ですので、プレイヤーは相当に多かったと思われます。池袋の「はじまりの場所」にも、プレイヤーがわんさか固まっていました。その後、駅のコンコースでも、プラットフォームでも、電車内でも、小冊子や特製フォルダを構えた人たちでいっぱいでした。よく耳を澄ましていれば、次の答えも聞こえてきそうだというほどの感じです。
 実は今回、恥ずかしながらいちど答えを間違えて、まるで違う駅を訪れるというポカを冒してしまいました。行ってみて「あ、違った」と判ったのではありますけれども、そこへ向かう電車にも、その駅にも、プレイヤーらしき人影がほぼ見当たらないという点でも間違いを察すべきでした。

 今日の行動を記しておきたいと思うのですが、それをやると、これからプレイしようという人たちへのネタバレになってしまって不都合です。どこの駅で下車したと書いただけで大ヒントになってしまうので、詳しいことはまた後日「解決篇」を書くことにしたいと思いますが、早くとも来年2月以降になりますのであしからず。
 午前中は雨が降っていましたが、パズルで与えられた最初の駅で地上に出る頃には、ほぼやんでおり、その後は陽光さえさしてきました。
 天気予報でそういう雲行きであると知っていたので、私は最初の大雨のときも折りたたみ傘をさしていましたが、マダムは本式の傘を持ってゆき、長靴まで履いて出ており、思ったとおり途中からもてあましていました。マダムは、「朝のうちは降っていたのだから、傘を持って歩いていても、可笑しくは見えない」という点を強調していました。
 「いや、人からどう見えるかという問題ではなくて、自分で持ち歩くのがうざったいだろうに」
 と私が言うと、承伏できないようなできたような、曰く言いがたい表情をしました。結局マダムの傘は、ほとんど私が持ってやっていた気がします。
 屋外に出る指示があるところは数箇所ありましたが、地面が舗装されていない公園に入らなければならなかったりしました。午前中の雨でかなりぬかるんでおり、少々閉口しました。
 前回も思いましたが、本来このイベントとは関係なく設置されているオブジェなどを巧みにパズルに採り入れている点は感心します。今回の例を挙げるわけにはゆきませんが、前回で言えば、日比谷公園の池に面して並んでいるベンチの中に、東京都の都章であるイチョウのマークが入っているものと入っていないものがあり、それがなかばランダムに入り乱れているという不思議な光景がありました。それをパズルの鍵にしてあったのです。まるでパズルの鍵にするためにマークを入れたり入れなかったりしていたようですが、もちろんずっと以前からそれらのベンチはそうなっていたのであって、それを見逃さずにパズルに採り入れた制作者の慧眼に感心する次第です。

 ひとりで参加しているプレイヤーもたくさん居ましたが、夫婦、親子、あるいは女性のグループなども目立ちました。外国人も少なくなかったようです。そういえば特設サイトにも英語ページがありましたし、キットも英語版が用意されているのでしょう。文字系のパズルなどどんなことになっているのか、ちょっと見てみたい気もします。
 あるところで、このゲームのためにわざわざ用意された自動販売機からミネラルウォーターを買うというくだりもありました。特設サイトの説明で、費用として、謎解きキット2160円と、その他に途中で買うミネラルウォーターが100円が必要と明記されています。これには苦笑しました。もちろん特設自販機ですから、パズルに関係した仕掛けが施されており、この水を買わないと絶対に解けない問題もあるのでした。まさか、あれをあんな風に使うとは……
 なんだかだんだん仕掛けが大がかりになっているようでもあります。このまま続いてゆくと、どうなってしまうのでしょうか。

 途中食事や軽食などはさみながら、7時間くらいかけてゆっくりとクリアしました。まあ、最終問題は帰宅してからでも解けるということだったので、計算に入っていませんが。
 私ひとりで早上がりを旨とすれば、4時間くらいでクリアできたような気もします。しかしせっかくのイベントだし、早く上がれば良いというものでもなかろうと思い、基本的にマダムのペースに合わせました。マダムは歩いている途中で見た店などで、ちょくちょく立ち止まって商品を窺ったりしていたのでした。
 問題によっては私よりマダムのほうが早く正解に気づいたということもありましたし、好いベースであったのではないかと思います。
 今日一日で歩いた分量は1万1千歩ほどでした。もう少し歩いたように思えたのですが、考えてみると前回よりも、エスカレーターなどを使える箇所が多かったかもしれません。前回は、わざわざエスカレーターなどの無い、階段だけの出口を指定したりしていて、なかなか根性悪な出題者だと思ったものでしたが、お年寄りの参加者などから文句が出たのでしょうか。
 ヒントにならないような記述を心掛けたので、なんだか奥歯にものがはさまりまくったような日録になってしまいましたが、ともあれ楽しい一日でした。またこういうイベントがあれば積極的に参加してゆきたいと思っています。


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