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チラシ・チケット・プログラム [お仕事]

 いろいろと細かい仕事が立て込んでいて、間があいてしまいました。そう頭は使わないし面倒でもないけれど、時間はかかってしまうとか、他の作業と並行することができないとか、そんなのが相次ぐと、どうしても日誌を書くのに使う時間を捻出しづらくなってしまいます。
 まあ自分の生活上で、そんなにめざましい出来事は起きていません。世の中を見渡せば、米朝首脳会談が迫ったり、和歌山のドンファンの変死事件があったりと、いろいろあるようですが、自分の中で見かたがまだ集約できていないので、まだあまり触れる気になれません。こういう時期には、日誌を書くにしてもいささかネタに困るというのが正直なところです。
 とりあえず、直近でやっていた作業からネタを拾いましょうか。

 Chorus STの演奏会を9月に開催することになっているのですが、そのチラシやチケットやプログラムの印刷を担当しています。
 今日からチラシ配布がはじまったので、いちおう情報解禁と考えて良いでしょう。
 チラシのデザインは、団員のひとりの息子さんがイラストレーターで、その人がやってくれたので、私の役目は、文字稿の用意と印刷所の手配でした。
 今回は、私が去年作曲した無伴奏混声三部合唱曲『花と木のことば』の全曲初演がいわばメインステージです。その作曲の契機となったバード三声のミサを前に置き、うしろには既成の混声三部合唱曲をいくつかピックアップして置くことにしました。つまり、全曲、混声三部合唱という、一般合唱団としてはイレギュラーと考えられている編成で全体をまとめてみたわけです。
 ある意味チャレンジングな内容です。この前、ある若い合唱指揮者にこの話をしたら、眼を丸くしていたものです。
 「え、混声三部? で、なんですって、無伴奏混声三部の新曲? マジすかそれ」
 で、サブタイトルも、

 ──「混声三部合唱」という可能性。

 とつけてみました。実はこれ、私が去年2回ほど日誌のエントリーのタイトルとしてつけた言葉です。なんとなく響きが気に入っていたのでした。しかしその後、団内会議でサブタイトルを考えようとしたとき、「可能性」という単語を出したら、一体に
 「ちょっと硬くないですか」
 という反応だったので、カギカッコと句点をつけてモダンなキャッチコピーっぽくし(笑)、かつ私のこの編成に対する「想い」をメーリングリストで団員諸氏に書き送ったところ、OKが出ました。
 同様にイラストレーター氏にも、文字稿と共に、そうした意図をメールで書き送りました。
 前回の演奏会(なんと8年前でした)や、そのあとのハンドベルアンサンブルとのジョイントコンサートなどでもチラシをデザインしてくれた人なので、言ってみれば勝手知ったというところもあり、すてきなイラストを描いて貰えました。文字稿のレイアウトなどに関して何度か修正のやりとりがありましたが、イラストそのものには、初稿を団員たちに見て貰っても、ほとんど異議が出ませんでした。
 それを、印刷所に入稿しなければなりません。

 一昨年の秋に、板橋区演奏家協会の演奏会をひとつ担当したことがあり、そのときに協会でいつも頼んでいる印刷所を紹介して貰いました。それまで何度か、マダムのリサイタルのチラシを私が作ったこともありますが、その頃使っていた印刷所よりも、いろいろ融通が利き、納期も早くできそうでした。
 ありがたかったのは、PDFファイルでの入稿が可能だったことです。マダムのリサイタルのチラシを頼んだところも、特にIllustratorのデータでなければならないということもなく、JPEGなどの画像ファイルでも入稿できたのですが、ただしその場合、断裁などの都合で若干サイズや位置にずれが生じるかもしれないという断り書きがつけられていました。今度のところは、完全版下状態、つまりただそのまま印刷すればOKという状態のPDFファイルで入稿すれば、それがA4ならA4というサイズにぴったりおさまるていで刷ってくれるのでした。
 ちなみに、最近はJPEG入稿はできないところが増えているようです。仕様上、データファイルの中にウイルスなどを仕込みやすいのだそうです。
 ともかくIllstratorなど持っていないし、画像処理などにもあんまり詳しくない私などが利用するには非常に便利で、担当した演奏会のチラシとプログラムをそこに頼みました。印刷代も、マダムのチラシを作ったときに較べてもずいぶんと安くなっています。
 今回も、イラストレーター氏にPDFファイルを貰って、それを入稿しようと思っていたのですが、さすがに先方もプロの意地があったようで、Illustratorデータを送ってきました。プロのイラストレーターとして、PDFで入稿するなど矜恃が許さないのかもしれません。
 しかし、困ったことに私のところではそれが読めないのです。
 いろいろ調べて、Acrobat readerに関連づければ読めることがわかり、事なきを得ましたが、あやうく最終チェックができずに入稿しなければならないところでした。
 入稿はweb上で可能です。いままでPDFファイルでの入稿しかしたことがなかったので、多少手間取りましたが、入稿ページではIllustratorの各ヴァージョンでのファイル形式にきめ細かく対応しており、しかもプレビューもできたので、非常に簡単かつ安全な作業で済みました。
 何よりも、一昨年の入稿は、私のパソコンが古くて、やたらと時間がかかりましたが、新しいパソコンでは一瞬で終わったのが感動的でした。
 納期によって値段が違っています。今日、とある演奏会のプログラムにチラシを挟み込むという予定になっていたので、昨日には受け取れるような納期を設定しました。確か「5営業日納期」だったと思います。
 ところが、この季節、印刷所はわりと暇なのかもしれません。入稿したその日の午後にはデータチェック完了のメールが届き、翌日の夕方には印刷完了のメールが届き、3日目の朝には出荷完了のメールが届きました。その印刷所の規定では「2営業日」でやってくれたわけです。そして4日目の晩には現物が届きました。8000枚のチラシなので、段ボール箱3つに分けられています。全部さばけるまで、私の部屋から片付けられません。

 さて、チラシを刷ったので、できるだけ早くチケットも用意しなければなりません。いろんな場でチラシを撒くにあたって、チケットを持っていると迫力が違うのです。
 「1枚欲しいのですけど、いまお持ちですか?」
 と訊かれて、
 「はい、もちろんです」
 とチケットの束を取り出すのと、
 「すみません、今日は持ってないので、こんどお持ちします」
 と陳謝するのとでは、売れ行きがまるで違うのは、自分の体験としてわかっています。「こんどお持ちします」というその「こんど」が訪れる確率はけっこう低いのでした。
 できれば、チラシの配布とチケットの発売は同時にするのが好ましいと言えます。
 演奏会のチケットは、チケットぴあなどに頼んで刷って貰うという方法もありますが、手数料も取られることだし、客席数が相当多く、なおかつ入場料もけっこう高いというときでないとお奨めできません。
 500席以下であれば、自分で作ってしまったほうが早いでしょう。
 世の中には、チケット作成用のプリンター用紙というものが存在するのでした。名刺作成用プリンター用紙があることは知っている人が多いと思いますが、それと似たようなものです。私の使っている形だと、A4判の用紙でチケットが5枚とれるように切れ込みが入っており、半券をもぎるための切れ込みも入っています。用紙の使用法には「ミシン目」と書いてありますが、われわれがミシン目という言葉から想像するような点線ではなく、直線状に切れ込まれており、ちょっと折り目をつければ容易に切り離せます。
 マダムの1回目のリサイタルを開催した2007年は、こんな便利な用紙があるとは知らず、写真用のA4用紙に慎重に画像を並べ、定規とカッターで切り離したものでした。半券のミシン目のほうは、本当にミシンで穴を開けました。うちにミシンが無いので、わざわざ妹の家に行って(妹はダンスをやっていて、その衣裳を縫ったりする必要があるので、ミシンを持っていました)機械を借りたのでした。チケット用プリンター用紙の存在を知ったのはそのあとらしく、翌年の2008年のリサイタルの際にはすでにチケット用紙を使った形跡があります。
 チケットの券面記載事項は、文字だけでもまったく構わないのですが、ちょっとしたカットイラストなどを載せたほうが親しみやすいので、私が作るときにはたいてい、フリー素材のサイトから可愛らしい絵を拝借しています。
 今回は、チラシに載せたイラストが可愛らしかったので、それを流用させて貰いました。イラストだけのデータを送って貰うようせっついたりしましたが、私のほうでチラシのデータをトリミングすればそれで済んだようでもあります。
 今日は金曜日で本来Chorus STの練習がある日なのですが、上に書いた今日開催の演奏会に関わる団員が何人か居たので、練習は休みになりました。しかし私はチラシの挟み込みがはじまる前に、チラシを会場に届けなければなりません。演奏会に関わっている人の何人かが、自分も少しチラシが欲しいと言ってきました。団員に配るのは来週と思っていたのですが、これまた上述のとおり、チラシを撒くときにはチケットがあったほうが良いので、とにかくチケットのデータを完成させて、今日必要な分だけのチケットを刷って一緒に届けました。
 何週か前に、Chorus STの演奏会の予算案が出ていたのですが、印刷代がずいぶんたくさん計上されていました。前回(8年前)のデータをもとに予算案を作成したのだと思いますが、その当時は実際それだけかかったのだとすると、この8年で印刷代はやたら安くなったようです。

 あとはプログラムの作成が残っています。これは私にとってはわりに楽で、かつ愉しい作業です。とりわけ曲目解説を執筆したりするのは、むしろ好きだと言って良いでしょう。
 演奏家が書く解説と、評論家や学者が書く解説と、作曲家が書く解説とでは、それぞれ趣きが違うものです。学生時代に楽理科の学生(つまり学者の卵)と私とが、「第九」の解説をそれぞれ書くということがありました。正確に言うと私が「曲目紹介」、楽理科の学生が「曲目解説」であったかと思います。私のほうが先に書き上げてプログラム編集者に渡したのですが、楽理科の学生から、自分が使おうと思っていた形容を全部MICが使ってしまったと文句を言われたのを思い出します。
 以前はうちにある6冊組の音楽事典が活躍しました。いまでも、クラシック曲の解説を書くときには活躍しています。主な作曲家については作品目録が付されているので、その曲を作ったのがいつなのか、同じ時期にはどんな曲を書いていたのか、などが一目瞭然です。この「同時期の作品」というのはけっこう重要で、そのあたりから作曲意図を探るなどということも可能です。
 ただなにぶん私が大学に入った祝いとして買って貰った事典なので、記載されている事項はせいぜい1970年代までのことです。新しい作曲家や新しい作品についてはWikipediaなども活用しますが、もちろん立項されていない人も居ます。早い話が、私自身まだWikiperiaに立項されていません。それはまあ私がまだそんなに人に知られていないせいですが、外国の作曲家などでまだ日本語版に掲載されていないというケースはちょくちょくあります。その場合は、日本語以外のWikipediaを利用せざるを得ません。英語を読むのに馴れていないので難渋します。
 プログラムはページ数が多くなりがちで、以前は印刷所に頼むとえらく高くなりました。2枚重ね8ページとかならまだしも、3枚重ね12ぺージなどということになると、ホチキス止めしなくては始末が悪くなります。ホチキス止めにも平綴じ中綴じがあり、折り目に合わせて綴じる中綴じのほうが見た目は良いのですが、素人にはなかなか難しいのでした。昔のホチキスなら、ハンドルを拡げればできないことも無かったものの、針が曲がったりしてすぐ失敗しました。今のホチキスは、ハンドルを拡げると針の補給モードになってしまうので中綴じはできません。やはり専門のホチキスのある印刷所に頼まざるを得ません。
 しかしやはり高いので、なんとかして8ページ以内におさめて、印刷はコピー機などでおこない、ホチキス止めしないで重ねて折るだけで済ませる……というのが、以前のやりかたでした。
 それがまた安くできるようになっています。中綴じ加工を合わせてもたいした金額にはなりません。8年前の前回演奏会に較べ、印刷関係の経費は3分の1程度で済みそうです。

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