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コロナ療養記 [いろいろ]

 大変ご無沙汰いたしました。ほぼ1ヶ月ぶりの更新となります。
 お客様のうちにはお察しのかたもいらしたかもしれませんが、2月なかばに新型コロナウイルスの陽性判定を受けてしまい、自宅療養を命じられておりました。
 どこで貰ってしまったものか、まるで見当がつきません。まあ謎解き街歩きなどであちこちふらふら出歩いていたのは事実なので、そういう機会だったのかもしれませんが。ともかくオミクロン株というのは感染力が強く、どこからどういう経路で貰ってしまうのかわかったものではないようです。
 東京都の累計感染者数はすでにのべ107万を超えており、都の人口は現在約1400万人ですから、この数字は都民13人にひとりという割合です。その隣で、私の住んでいる埼玉県は人口733万人あまり、累計感染者数は35万弱です。20人にひとりという割合に迫ろうとしています。つまり、もう都会では誰が罹患してもまったくおかしくない状況と言えそうです。
 日本全体では累計約550万だそうです。国民22人にひとりという割合になります。そのうち478万人あまりが退院あるいは療養解除となっておりますので、現在入院もしくは療養中なのは72万人ほどということになります。少し前まで、自分がその中に入っていたというのが、なんだか不思議な気がします。

 ともあれある晩に、少々熱っぽい気がしたので体温を測ってみたところ、37度2分になっていました。これはまずいな、と思って早く寝たところ、翌朝には36度台に戻っていて安心いたしました。
 ところが、その日の晩にまた熱が上がりました。そして3日目の朝には38度まで出ていました。
 いつも行っている医院に電話したところ、熱が出たと言っただけで
 「そういうかたは、診ておりません」
 とにべもなく断られてしまいました。この医院、去年ワクチン接種の相談に行ったときにも対応が悪く、もうかかるのはやめようかと思っています。先生は良い人なのですが、どうも受付の態度がよろしくありません。コロナ流行以来、熱が出た人はまず発熱外来というのに行かなければならないということは知っていましたが、その医院でやっていなくとも、紹介くらいしてくれても良いように思います。
 市のサイトで発熱外来をやっている医院を探し、なんとか診て貰えることになりました。その医院でも、発熱患者は他の患者とは別の入口から入るよう指示されたりしました。まあ、慎重の上にも慎重を期さなければならないのはわかります。
 透明なシートで隔離された椅子に坐り、看護師から問診を受け、PCR検査をすることになりました。コロナ流行以来俄然有名になった検査ですが、私はまだやったことがありません。
 渡された容器に、唾液を溜めるよう言われました。一旦医院から追い出され、外で採取してくるようにとのことです。まだ外はだいぶ寒かったのですが、中でやると院内感染が懸念されるということでしょう。
 朝からの熱のせいで口の中がカラカラに乾いており、容器に引かれた線のところまで唾液を溜めるのにえらく苦労しました。粘膜混じりで白くなっており、なんだか渡すときに羞恥を覚えるほどでした。
 2日後に結果をお伝えします、と言われました。先生はいちども出てこず、終始看護師のみの対応でした。
 この時点では、熱以外のはっきりした症状は出ていませんでした。ただ若干咳が出るのと、腰や背中が痛むくらいでした。
 出された薬はロキソプロフェンメジコンでした。メジコンは咳止めで、ロキソプロフェンは解熱の作用もありますが基本的には鎮痛剤です。つまるところ、単なる対症薬に過ぎませんでした。

 検査の結果が出るまで2日かかると言われたのですが、想いの外早く、翌日の午後に医院から電話が来て、陽性を告げられました。自宅から当分出ないことを命じられましたが、薬の追加などは無く、処方した薬をそのまま服み続けるよう言われました。
 「そのうち自然と治るでしょうからね」
 と、先生はえらく陽気な調子でした。
 翌朝保健所からあらためて電話が来ました。発症以後の様子を再度訊かれ、自宅療養についてもう少し詳しい規制事項などを告げられました。それで、体調報告のアプリをスマホにダウンロードするように言われたのでした。毎朝保健所からメールが来て、そこから報告フォームに飛び、前の晩とその朝の体温と血中酸素飽和度、それに症状の有無を入力するというものです。血中酸素飽和度を測るにはパルスオキシメーターなる機材が必要なのですが、幸いなことにうちにはそれがありました。マダムがしばらく前に興味を持って、ネット販売で買っていたのです。持っていなければ保健所から貸し出されるそうなのですが、小さな機材であるせいか、返却しない人が多くて困っている、という話を聞いたことがあります。
 それから引きこもり生活がはじまりました。
 からだの節々の痛みは、多少軽減はしたもののなかなかおさまりませんし、全身の倦怠感もとれません。37度台前半くらいの微熱がいつまでも抜けないので閉口しました。報告2日目(発症7日目)の朝にまた38度まで上がり、保健所からまた電話がかかってきたりもしました。体温が37.5度以下になってから3日間、というのが自宅療養解除の条件であるらしく、高熱が続くようなら療養期間が延びるらしいのでした。
 何年か前にインフルエンザにかかったとき、39度を超える熱が出ていたのが、医院で吸入薬を投与されたら、その晩になって大量の汗をかき、翌朝すっかり平熱に戻っていました。その鮮やかさが記憶に残っているため、なかなか微熱がとれないことに苛立ちを感じます。まあ、ロキソプロフェンとメジコン以外の薬を服んでいないので、そうそう目を瞠るほどの恢復はしそうもないのですが。
 節々の痛みで夜ほとんど眠れず、昼間もぼーっとしているような日が続きました。重篤化はしそうもないな、とは思いましたが、かと言って薄皮をはぐような恢復も見込めないようです。
 ただ発熱は、その後はさほど高熱になることはありませんでした。37度のあたりをうろうろしている感じで、朝などは36.8度くらい、夕方になると37.2度くらいに上がっているという調子です。なんとも中途半端です。

 幸い、7日目の朝以来、報告時に37.5度以上をマークすることは無く、11日目の朝に自宅療養解除の知らせが届きました。めでたしめでたしです。
 まあ、それで体調がすっかり復したというわけではありません。若干の微熱が出ることはまだありましたし、倦怠感もなかなかとれませんでした。咳などはむしろ解除以降にしつこくなった感じでもあります。後遺症的に残っているようです。
 何より、10日間ほとんど寝てばかりいたため、体力がえらく落ちていました。解除された日に久しぶりに外へ出て、散髪などをしてきたのですが、帰ってくると疲労困憊です。微熱も出ていたかもしれません。しかしそれでも、快晴の空が眼にまぶしく、無事に生きて戻ってきたな、という、いささか大げさな感興を覚えずには居られませんでした。

 生きて仰ぐ天の高さよ赤蜻蛉

 季節が全然違いますが、夏目漱石の俳句がつい頭に浮かびます。
 大事をとって、解除翌日の夜のChorus STの練習、翌々日のピアノ教室は休みにしました。散髪へ行ってきただけで疲労困憊した翌日に、しかも夜間に電車に乗って出かけるのは無謀な気がしましたし、教室へは自転車を使っていくのはさすがに無理そうで、と言ってパスや電車を使うにしても往復4キロくらい徒歩が必要です。
 どちらも1週間後から再開しました。
 実は自宅療養が解除されても、その後4週間は自己観察が必要とされます。まあ毎朝体温を測るとか、その程度の話です。いちおう体温測定は続けています。このところは36度台が続いており、たぶんぶり返すということは無さそうです。医者から処方されたロキソプロフェンとメジコンはとっくに服みきり、現在は市販の漢方の風邪薬を服用しています。効いているのかどうかよくわかりませんが、とりあえず服まないよりは良いという程度でしょうか。
 オミクロン株は症状が軽い、季節性インフルエンザと似たようなものだ、とよく言われていました。しかし、インフルエンザのような特効薬がまだできていないだけに、軽症であってもけっこうしんどいものがあります。また重症化の「率」は低くとも、兇悪な感染力のために「数」は相当にふくれあがっており、やはり軽視すべき相手ではないと思います。ようやくピークを越えた観はあるものの、皆様もどうか充分にご注意ください。

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