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早い梅雨明け [世の中]

 まだ6月中だというのに、一昨日から連日の猛暑日となり、うだるような暑さです。夜になってもさほど涼しくなった気がせず、空気が淀んでいるような、まとわりついてくるような感覚です。
 そして昨日(27日)には、早々と関東地方の梅雨明け宣言が出てしまいました。6月中に梅雨が明けたなどというのは、私の記憶を繰ってみてもあんまり憶えがありません。そして梅雨入りから梅雨明けまでの短さ(3週間)は、間違いなく観測史上最短であったようです。
 いまあらためて統計を調べてみたら、2018年の関東地方の梅雨明けが6月29日だったようで、そんな近い時期にあったのかとちょっと忸怩たる想いですが、表に載っていた1951年以来では、それが唯一の6月梅雨明けであり、今年はその記録を上回ったわけです。
 気候がいろいろな理由、たとえば地球温暖化とかで、変わってきているのだろうか、とも思いますが、そう短絡的に考えるのも良くないかもしれません。ここ10年の梅雨明けの日を列挙してみると、下のようになっています。梅雨入りから梅雨明けまでの日数も附記しました。なお気象庁のサイトでは、梅雨入りも梅雨明けも「ごろ」がついています。ある程度感覚的に宣言を出すものであって、はっきりした条件があるわけではないのでしょう。

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「ソナタ形式」を考える(3) [いろいろ]

 ベートーヴェンのピアノソナタ32曲を概観しつつ、彼の中でソナタ形式がいかに完成され変容されてきたかを見てきたわけですが、のちの作曲家たちは、ソナタ形式という、哲学的なまでに深められた形式を、どのように継承して行ったのでしょうか。
 ロマン派の時代に入ると、古典派時代とは違い、ソナタや交響曲といったものはあまり重視されなくなった……というのが従来の見かたです。確かにそういうタイトルを持つ作品の数は減りました。シューベルトはまだベートーヴェンと同時代を生きた人なので、ソナタや交響曲の数もけっこう多いのですが、ショパンシューマンブラームスも、ピアノソナタは3つずつしか書いていません。メンデルスゾーンリストは1曲だけです。また「交響曲作家」と見なされているブルックナーマーラーも、ベートーヴェンと同数程度の交響曲しか書いていないのです(1曲ごとの規模がはるかに大きくなっていることは別としても)。
 しかし、ソナタという形態が重要度を失ったことは、必ずしもソナタ形式という構造原理が見捨てられたことを意味しません。ソナタが古典派時代ほど書かれなくなったのは事実ですが、ソナタ形式は、より自由な変容を受けつつ、19世紀をしたたかに生き延び、20世紀・21世紀まで重要な意味を持ち続けています。

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「ソナタ形式」を考える(2) [いろいろ]

 ベートーヴェンによって、ソナタ形式は弁証法化され、ある意味哲学的な深みを持つようになりました。
 そしてベートーヴェンは、その思想性・哲学性を、より深めるために、ソナタ形式に対する不断の考察と改良を繰り返しています。
 前に、ベートーヴェンの32曲のピアノソナタ全曲について、どのような工夫がなされているかという点について概観したことがあります。彼のさまざまな作品の中で、ピアノソナタがもっとも先鋭的に彼の思想や工夫を示していると考えたからでした。今回、若干それとかぶる点もありますが、やはりピアノソナタによって、ベートーヴェンの足跡を探ってみたいと思います。上の文章では、ソナタ全体について概観したのでしたが、今回はその中で、ソナタ形式ということに絞って考えてみます。

●第1番ヘ短調 作品2-1●
 第一楽章がコンパクトにまとめられたソナタ形式です。徐々に音域を拡げて迫力を増す第一主題、モールドゥア(第6音が短音程となっている長音階。なぜか日本の楽典の教科書では「和声長音階」とあまり妥当でない訳しかたをされています)による第二主題を持ち、展開部もお手本のような整然とした形をとっています。曲想にはすでにベートーヴェンらしさが出ていますが、形式としてはまだ独創性は現れていないようです。
 なお第四楽章もソナタ形式の一種と思われますが、ロンド形式、ロンドソナタ形式としてある本もあります。私の見るところでは、第一主題・第二主題と無関係な展開主題を用いた、モーツァルト式のソナタ形式だと思います。短調の曲ですが、第二主題の調は並行調ではなく属調となっていて、その点は新しさを感じます。

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「ソナタ形式」を考える(1) [いろいろ]

 いままでいろいろな楽曲形式、楽曲形態、楽曲構造について考えてきましたが、いよいよソナタ形式に踏み込んでみようかと思います。
 18世紀前半くらいに形作られるや、あっという間に古典派音楽の中心的な存在となり、その後も現代に至るまで、器楽曲のもっとも重要な構成原理となっているのがソナタ形式です。さまざまな変形や変容を受けつつも、その重要度は少しも衰えていません。それほどに完成度の高い形式であり、また多くの新しいアイディアを受け止めうる許容度を持った形式であると言って良いでしょう。
 いまさら言うまでもなく、ソナタ形式の完成者はベートーヴェンです。バッハにとってフーガがその作曲活動の上で本質的な形式であったのと同様、ベートーヴェンにとってはソナタ形式こそが彼の本質そのものであったと言えます。32曲のピアノソナタ、10曲のヴァイオリンソナタ、16曲の弦楽四重奏曲、9曲の交響曲などなど、ベートーヴェンは生涯にわたってソナタ形式を用い続けました。単独の楽曲でも、「エグモント」序曲「レオノーレ」序曲その他、ソナタ形式を援用した作品は数限りなくあります。
 しかもベートーヴェンの場合、定型化したソナタ形式に「あてはめて」曲を作ったということではなく、ソナタ形式という枠組みそのものについての改良や変容を、絶え間なくおこなっているところに凄みがあると言えましょう。形式自体に、ある意味で「思想性」のようなものを付加したのがベートーヴェンであったと、私は以前からそう感じていました。

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「WEST CODE 西武謎道中」挑戦記 [趣味]

 珍しくマダムと私の予定が、ふたりとも晩のChorus STの練習まで空いていたので、久しぶりに連れ立って鉄道謎解きをしてきました。
 今年は恒例の都営地下鉄京王の謎解きイベント「鉄道探偵シリーズ」も開催を見送られたようで、しばらくこの種のイベントには参加していませんでした。まあ、私ひとりではあちこち街歩き謎解きイベントなどをやっていますし、正月には七福神めぐりにつなげて日暮里街歩きもやっていますが、鉄道謎解きというのは去年の11月にやった房総の「2つの列車と選んだミライ」以来になります。
 一時期は流行していたというか、雨後のタケノコのようにあちこちで鉄道謎解きイベントがおこなわれていましたが、最近は少し落ち着いてきた気もします。30万人が参加! とテレビCMまで打っていた、この種のイベントの元祖とも言える東京メトロ「地下謎への招待状」が、「三密」必至ということで2シーズン連続中止になったというのも大きかったかもしれません。小田急のイベントも最近は開かれていないようです。
 今回プレイしたのは、西武鉄道「WEST CODE」シリーズ第4弾「西武謎道中~消えた若殿と謎の置き手紙~」です。WEST CODEシリーズは去年から参加しています。西武鉄道が今年も中止しないで開催してくれたことには大いに感謝するものであります。

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生命の材料 [いろいろ]

 一昨年の暮れに、小惑星「りゅうぐう」から無人探査機「はやぶさII」が持ち帰ってきた試料の解析が進んでいるようです。わずか5グラム程度の土砂を運んできただけですが、それだけでもいろいろなことがわかるのでしょう。
 これまで、小惑星に着陸して表面の試料を持ち帰った探査機はいくつかありましたが、「はやぶさII」の新しい点は、地面を掘り返して地中の土を持ち帰ってきたことです。掘り返すと言っても、実際は高速で地面に向けて鉄球を撃ち出し、人工的な極小のクレーターを作ってその中の試料を採取したのでした。
 それだけの作業でも、宇宙探査の現場では劃期的な話です。何しろ、地球とりゅうぐうとは3億キロ以上離れており、通信には光速でも約20分ほどかかりますので、いちいち地球から命令を下すわけにはゆきません。はやぶさIIは自分で思考して、与えられた役目を果たさなければならないのです。そのためのプログラムは、当然ながらものすごく複雑で長いものになります。
 地球から飛び立ち、宇宙空間を旅してりゅうぐうに接近し、りゅうぐうとの相対速度を可能な限りゼロに近づけ、安定的に着陸できる地点を見つけ出し、そこに着陸し、地面を掘り返して試料を拾い集め、それを収納して再びりゅうぐうから飛び立ち、また長い旅を経て地球に接近して、試料のカプセルを地面に落とす……という一連の作業を、すべてあらかじめブログラムしておかなければならないわけです。考えただけでも気が遠くなりそうです。

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ロシアの領土感覚と北方領土 [世の中]

 ロシアの無茶な行動によって、ウクライナに勝っても負けても、戦後大変なことになるのではないかと言われています。
 負けた場合はもちろん国力を大きく損なうことになり、おそらく巨額の賠償金を科せられることになります。ロシアの経済力は侵攻前でも韓国と同程度だったと考えられていますが、ただ韓国とは違って国内に大量の天然資源があります。その天然資源の利権をウクライナおよび西側諸国に売り払うことになるのでしょう。ウクライナのほうも西側諸国から莫大な借款をとりつけているわけで、それを返却するために、分捕った利権を差し出すことになるのではないでしょうか。戦時の借款というのは大変なもので、わが国も、日露戦争の際の借金を完済したのは1980年代のことでした。
 勝った場合も、経済制裁はそのまま続くことになりますので、国力回復は絶望的になります。ロシアは食糧を自給できるし、資源もたくさんあるので、経済制裁はあまり効果が無いという人も居ますが、肥料や農薬までは完全自給というわけにはゆきませんし、資源にしても露天掘りできるようなところはもうとっくに掘りつくしており、あとは西側から入れた精密機械が無いと掘ることができないとも聞きます。つまり文字通り「宝の持ち腐れ」なのでした。

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