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赤字線の存廃 [世の中]

 昨日(7月28日)、JR東日本が、利用者減が特に著しい地方路線などの収支をはじめて公表しました。
 国鉄時代、とりわけ赤字が深刻になってからは、毎年公表されていたデータです。北海道の美幸線やら九州の添田線など、「収支ワースト線区」の常連で、美深町の町長が東京にやってきて、

 ──日本一の赤字線・美幸線に乗って、秘境松山湿原へ行こう!

 などとキャンペーンを張ったりしていました。キャンペーンの甲斐があったのかどうか知りませんが、ある年にワーストでなくなったことがあり、そうすると町長は、

 ──今年はどうやってアピールしたものか。

 と悩んでいたとのことです。ともかく、そんな話があったくらいですから、末期の国鉄の線区別収支が毎年公表されていたのは間違いありません。利用者とか沿線住民の側は、その収支係数(100円稼ぐのにいくら必要経費がかかっているかの数値)を見て、このままでは赤字線として廃止されてしまう、などと一喜一憂していたものでした。
 まあ国鉄時代の赤字というのは度を越していて、たとえば昭和54年度のデータを見ると、収支係数が100未満、すなわち黒字になっている路線というのは、たったこれしかありませんでした。

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7度目のレジェンド [日録]

 7回めになる平塚七夕コンサートに出かけてきました。
 つまり、『星空のレジェンド』第7回公演でもあります。
 2015年に初演して以来、順調に再演を続けています。2020年だけはコロナのため開催できませんでしたが、去年は対策をとった上で開催しています。今年も第7波が押し寄せていますが、同様に開催することができたのでした。

 そもそも作曲家にとって、作品の再演というのはなかなか大変です。ある意味では初演よりもハードルが高いと言えます。自分が再演までプロデュースしているのならともかく、そうでない場合、関係者一同が、再演するに価する作品であるということを認めてくれないとできないことであるからです。私の作品でも、初演したっきりで、その後放置されているものはたくさんあります。
 そんな中、確実に毎年公演を繰り返してくれる『星空のレジェンド』は、本当に幸せな作品であると思います。繰り返すことで新たに見えてくることもあるようですし、噛めば噛むほど味が出てくる、などと嬉しい感想をいただいたこともあります。この曲の制作に関わることができたことを天に感謝しています。何よりも作曲家として起用してくれた大川五郎先生には足を向けて寝られない想いです。なお大川先生が一昨年の2月に逝去されたことで、本当に足を向けられないことになりました。

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島根県公演行(2) [旅日記]

 島根県での演奏会にオーケストラの一員として参加すべく、7月14日(木)隠岐島に渡り、15日(金)のソワレ(夜公演)を済ませて、16日(土)朝の高速船で本土の境港に到着し、さらにバスで松江市街にあるホテルに運ばれました。まだ11時です。
 2回めの公演は17日(日)のマチネ(昼公演)です。16日はホテル到着後、まるまるフリーでした。
 しかしホテルのチェックイン時刻まではまだ時間があり、部屋に入って昼寝するなどというわけにはゆきません。大きな荷物だけ預かって貰って、三々五々出かけてゆきました。
 私も、ホテルのフロントのラックにあった松江市内のガイド冊子を片手に、軽装で外に出ました。さっきまで晴れていたのに、あいにくと雨が降り出しています。ここ数日は、全国的に天気が安定しなかったようで、関東地方などでは雨続きだったと聞きます。
 傘をさして、松江の街を歩きました。さしあたって目的地は、松江歴史館です。松江城に隣接しており、もとは家老の屋敷跡だったとのこと。周辺もお屋敷町といった雰囲気です。

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島根県公演行(1) [旅日記]

 少し長め(3泊4日)の地方公演、一名ドサ廻りに参加してきました。
 もともと私の後輩が主にやっていた仕事だったのですが、何年か前からときどき代役を頼まれるようになり、岐阜とか新潟とかに行っていたのですが、いままでは全部日帰り公演でした。タイトなことこの上ないスケジュールだったわけです。
 その後輩が、去年だったか急逝してしまったのです。それで事務所のほうが、私に直接打診してきたのでした。
 公演のひとつが隠岐島だというので、旅心がうずきました。幸い予定も空けられそうだったので、すぐにOKの返事をしました。
 演奏会自体については、ここで事細かに触れて良いものかわかりませんし、今回については私が演奏に参加する曲目がそう多くなかったということもあり、詳細は省きます。この日誌では、旅という側面から書きたいと思います。
 ドサ廻りというのは、あんまり時間的余裕が無く、観光したりする暇がとれないことも多いのですが、今回はけっこう愉しめました。事務所の入っている仕事ですから、旅費はかかりませんし、食事代もかなり節約できました。さらにギャラも貰えたわけなので言うこと無しです。

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暗殺事件の衝撃 [世の中]

 昨日(7月8日)、午前中からとある演奏会のリハーサルに参加していたのですが、途中で事務所の人が、
 「やっ、アベさん心肺停止だってさ」
 と叫びました。
 一同「?」となって彼のほうを見ましたが、彼は、
 「あ、失礼失礼。スマホを覗いたらいきなりそんな話が眼に入ったもんで。気にせず続けてください」
 そうは言われても、なんだか気になります。
 休憩時間にスマホのニュースをチェックした人も居て、アベさんというのがほかならぬ安倍晋三元首相のことであること、奈良で参院選の応援演説中に撃たれて倒れたことがわかり、私もさすがに驚きました。私自身がニュースをチェックしたのはリハーサルが終わって、小腹がすいたのでマクドナルドで一憩しているときでしたが、安倍氏のファンであったマダムからもLINE経由で一報が入っていました。
 最初の頃は、散弾銃で撃たれたとか、まだ助かるだろうとか、いろいろ情報が錯綜していましたが、私がチェックしたころには、すでに兇器は手製の銃であったこと、首に孔があいたような状態でほとんど蘇生の見込みがないことが判明していました。そして間もなく、死去が発表されたのでした。

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緊急停止ボタン [世の中]

 渋谷駅で線路に財布を落とした男が、列車の緊急停止ボタンを押して電車を停めたというので騒ぎになっています。
 駅や踏切、あるいは列車内にある緊急停止ボタン、いちど押してみたいという誘惑にかられたかたは少なからず居られるのではないかと思います。人間だれしも、ぷくんと突き出しているものを見ると指で押したくなるものであるようです。その本能を抑制するためか、いまではたいていむき出しにはなっておらず、透明なアクリル板のようなもので蓋がされ、それを突き破らないと押せないようになっています。
 列車を停めるというのは大変なことで、多くの人に迷惑がかかります。だから飛び込み自殺をはじめ、列車ダイヤを乱す行為については多額の賠償金が科せられることになっています。まあ飛び込み自殺をするような人は経済的に困窮していることが多いわけで、当然ながらその家族には賠償金の支払い能力など無いのが普通でしょうから、実際には執行されないケースが多いのかもしれませんが。
 緊急停止ボタンのいたずらについても、もちろん罰金がかかることは言うまでもありません。
 この緊急停止装置、けっこう昔からついていたらしく、100年近く前の1927年昭和2年)に発表されたアガサ・クリスティ『ビッグ・フォー』の中に、こんな会話が出てきます。エルキュール・ポワロヘイスティングズ大尉が、敵の眼をあざむくために、パリを発車した走行中の急行列車から脱出しようと試みるシーンです。

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