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統一地方選終わる [世の中]

 統一地方選挙が終わりました。私のところでは10日に埼玉県議選、24日に川口市議選と、首長選のような派手さはなかったものの、身近なところの選挙が相次ぎました。
 市議選などは、40人の議席に49人の候補者が立っている状態でしたから、落ちるほうがはずかしいようなもので、この結果から有権者の支持傾向を云々するのはちょっと難しいかもしれません。ただトップ当選がみんなの党の候補で、2位が自民党候補、民主党候補はかろうじて3位であったあたりは注目しても良さそうです。
 全国的に投票率が低迷したようです。川口市でも4割を切るありさまでした。自粛ムードで選挙活動が充分にできなかったからだというような分析をしている向きもあるようですが、どんなものでしょう。選挙カーの行き交いかたと投票率には、必ずしも関連があるようには思えないのですが……
 やはり、入れたい候補者が見当たらないというのが大きいのではないでしょうか。市議選くらいになると、政党がどうだというよりも、むしろ知り合いだからとか、近所の人だからとか、そんな要因が強くなりそうですが、それだけに新しい住民の多い地域では投票率が下がりがちです。川口なども、ここ数年で急に人口が増えたみたいなところがあり、誰に入れて良いやらわからない、という住民が多そうです。
 ちなみに私もマダムも、うちから非常に近い場所に事務所を構えていた候補に投票しました。ごく大雑把な党派の好みのようなものでひとまずふるい分けたあとは、そんな理由で決めるしか無い感じです。

 全国的に政権与党の民主党はふるわなかったようです。読売新聞「退潮傾向顕著」産経新聞「大敗」毎日新聞「負け越し」朝日新聞「伸び悩み」と、新聞のスタンスによって表現がだいぶ違うのが笑えましたが、要するに負けでした。無所属を標榜したいわば「隠れ民主」も居るでしょうから、表に出た数字よりは多少ましなのかもしれませんが、敗戦を覆すほどのことはなさそうです。
 去年の参院選以来、民主党はほとんど勝っていません。今回地方選と同時におこなわれた愛知の衆院補選には、候補を立てることさえできませんでした。政権交代前、民主党は「民意に従え」「民意は政権交代だ」とやたらに「民意」を言い立てて騒いでいましたが、ここまで負け続けるということは、現在の民意はもう民主党を見放していると考えて良さそうです。
 まあ、民主党政権になってほどなく、

 ――「民意」とは、「主党の思」のことじゃないか。

 というジョークがささやかれたりしていたほどで、彼らが本気で民衆の意思を忖度していたとは思えません。政権を取ってからは「民意」という言葉がほとんど聞かれなくなりました。そのこと自体は、政権を取るための方便だったのだろうと思えばそれまでのことですが、とにかく口に出していた以上は、首尾を一貫させて貰いたいものです。
 もっとも、首尾を一貫させろなどというのは彼らにとって酷かもしれません。政権を取るにあたってさかんにふりかざしていたマニフェストはいったいどうなったのでしょうか。マニフェストという言葉も民主党のおかげでずいぶん有名になりましたが、普通の選挙公約よりも意味が強いという説が主流です。つまり「何をやるか」だけではなく、「いつまでに」「どうやって」「どれくらい」やるかという具体的な点を明らかにしなければならないとされています。民主党のマニフェストにあった政策は事実上ほとんど実現しておらず、多少形になったかに見えるものも「いつまでに」「どうやって」「どれくらい」という点では惨憺たる状態で、それを指摘されると今度は
 「マニフェストは法的拘束力のあるものではない」
 などと逃げています。そのくせ、マニフェストに載せていなかった外国人参政権なんかは熱心に進めようとしているのですから、そもそも前言を貫徹させようという気が全然無いのではないかと疑われても仕方がありません。普通の人間でもそんなヤツは一切信用されないはずですが、これが政治家ともなれば致命的なのではないでしょうか。
 世に「英雄よく人を欺く」と申しますし、実際歴史上の偉人とされる政治家でも約束や取り決めを平然と反故にしたこともありますから、結果さえ残せれば良いという考えかたもあるかもしれません。そして、政治的な「結果」というものはしばしば、十年以上経ってからようやく人に見えてくる場合があることも事実です。たぶん民主党の幹部たちは、そのような言葉で自らを納得させているのではないかと思います。しかし、どうも見ていて、彼らにそんな「骨太な詐略」とでも言うべき大計があるとは感じられません。「姑息」というか「言い逃れ」というか、セコい心情ばかりが目立つような気がするのは私だけでしょうか。
 英雄は、人を欺くにしても誠心誠意欺くものです。漢の高祖・劉邦は停戦の約束を破って撤退する項羽に軍を向けましたが、暗殺などしようとはしませんでしたし、参謀や部将に背徳の責任を負わせることもありませんでした。人を欺いても、その悪名をも含めて全責任を背負うだけの肝っ玉があればこそ、世人は彼を英雄とか偉人とか呼ぶのです。
 その点、鳩山氏にしても氏にしても、見ていて感じるのは責任逃ればかりで、小物臭がぬぐえません。それでも実務に秀でているというのならそれはそれで良いのですが、地震後の采配を見る限り、実務も期待できそうにありません。せめて現場の邪魔をしないでくれと祈るばかりです。一国の首相に対して、そんなことしか祈れないというのは、国民にとってはずいぶん不幸なことではありますまいか。

 民主党のここ一年の選挙での低迷は、どう見てもそろそろ退陣して欲しいという民意の顕れのように思えます。実際これだけ負ければ、自民党政権であればたちまち執行部総取っ替えという騒ぎになったでしょう。民主党の内部でも、菅氏を下ろそうという動きが少し出始めているようですが、それでは誰が代わりになるのかというと、思い浮かぶ顔があんまりありません。小沢、岡田、前原、仙谷、輿石、枝野、江田……と指を折ってみても、勘弁してくれと言いたくなるメンツばかりです。まあ、支持率がまだ二十何パーセントかあるということは、そう思わない人も4人か5人にひとりは居るのでしょうが。
 一方、自民党が復活できるかというと、それはそれでまだ頼りない気がします。国を託せそうな人は何人か居るものの、まだ若すぎたりして、納得しない人が多いでしょう。本当は、明治維新の立役者のほとんどが当時せいぜい20代・30代であったことを思えば、若すぎるということは国の舵取りにはあんまり関係なさそうです。総裁の谷垣氏には残念ながら国を背負って立つという迫力があまり感じられませんし、ここは思いきって30~40代くらいの若手を押し立てて政権奪還を図るくらいの度胸があってしかるべきでしょう。
 結局投票率の低迷も、民主党はこりごりだが、自民党も旧態依然であんまり魅力を感じないし、かと言って減税日本みたいなところもいまひとつ信用しきれない、という迷い、もしくは諦めが有権者にあるからと言って良いのではないかと思います。本来ならこんな国難のおり、人々が争って投票に出かけるくらいが当然であるべきなのです。
 この選挙結果をふまえて、各党がどう動きかたを決めるか、もう少し見ていたいと思います。


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ヴィシソワーズ

マニフェストを見て、我が市とフィンランドの教育提携に尽力した元議員、震災を受けて、節約モードで青テントを張っての選挙運動、それで彼に決めたのですが、下から6番目でした。印象薄かったかな?
by ヴィシソワーズ (2011-04-27 12:35) 

コンビニ作曲家MIC

#ヴィシソワーズ様
その人は元市議という肩書きでしたから、以前は当選したことがあったわけですよね~~。
何かしくじりでもあったのかな?(^_^;;
by コンビニ作曲家MIC (2011-04-28 01:46) 

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