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連日の大移動 [日録]

 昨日今日と、かなりいろいろ動き回ったので、その話を書いておこうと思います。
 自由業なので、毎日決まった場所に出かけてゆくということはないのですが、お互いだいぶ離れた場所での用事が同じ日に重なったりすることもあって、そういうときにはどういうルートで移動すれば良いのか、あれこれと考えあぐねます。
 そういうときこそ、ネットの乗り換え案内を使えば良いと思われるでしょうが、ことは必ずしもそう単純ではありません。乗り換え案内ではたいてい、「短時間で行ける方法」「安く行ける方法」「乗り換え回数が少なく行ける方法」の3通りが検索できますが、場合によってはそれだけでは済まないことがあります。
 例えば、ある用事と次の用事との時間がわりにあいている場合。乗り換え案内のとおりに乗ると時間が余ってしまうことがあります。目的地に早く着いて、喫茶店でも入って時間をつぶせば良いと思われるかもしれませんが、喫茶店など入りたくない気分のときだってあります。書店で立ち読みするなんて方法もありますが、荷物が重かったりかさばったりするときは、それも少々物憂かったりします。
 私は特に、乗り物に乗っていることには苦痛を感じず、むしろ歓迎したいほうですから、時間をちょうどつぶせる程度に大回りのルートをとったりすることがよくあります。これも、大回りならそれで良いかと言えばそう簡単ではなく、やはり混雑する電車などは避けたいですし、よく使う路線と滅多に使わない路線であればやはり後者を優先させたくなります。そんなところまで面倒を見てくれる乗り換え案内は無いのであって、自分で頭をしぼるしかありません。
 この前の水曜日などは、午後は平塚『星空のレジェンド』の練習に顔を出し、晩は板橋演奏家協会の役員会がありましたが、こんなケースだと、相互の距離は離れていますが、案外と簡単です。平塚から池袋まで、湘南新宿ラインで直通できるからで、その電車の時刻だけ確認して乗ってしまえばOKです。少数とはいえボックスシートもあり、平塚あたりからだとまず確実に確保できます。乗車時間もかなり長く、ちょっとした旅行気分を味わえるのでした。私は平塚に行くのは嫌いではありません。今年の本番は残念ながらコーロ・ステラの本番と重なってしまって、聴きに行けないのが残念です。
 一方、昨日(23日)は、いつもの東川口の教室でピアノを教えたあと、身内の祝い事があって渋谷に行かなければなりませんでした。土曜日はずっと教室の仕事をしており、他の用件はなかなか入れられなかったのですが、最近は17時くらいにレッスンが終わることが多く、そうなると19時くらいからの会食や会合などには、場所にもよりますが出席できなくもありません。まるで違う方面なら無理かもしれませんが、都心側、あるいは同方面の例えば浦和大宮などであれば、用事を連続させることも可能になってきました。
 もちろん、通常は教室へは、片道50分ほどかけて自転車で往復しており、一旦自転車で帰宅してから出直すというのはハードルが高くなります。用事が連続するときは、クルマを持っていない私としては、当然ながら公共交通機関で出かけることになります。電車(埼玉高速鉄道)を使うこともありますが、川口元郷駅までがけっこう遠いので、通常は戸塚安行駅行きの国際興業バスを使います。
 昨日については、そもそも雨天だったので、もともと自転車は使えませんでした。
 バスについても何度か書いた憶えがありますが、いちばん速くて運賃も安いのは、東武バス新栄団地行きです。やはり戸塚安行駅に立ち寄り、そこまでのルートが最短距離なのです。しかし、この路線はなぜか極端に便数が少なく、現在は1日に4往復しかありません。廃止されないのが不思議なほどです。前は、レッスン開始時刻にちょうど良い便があったのですが、ダイヤ改悪されてその便もずらされてしまいました。
 それで国際興業バスですが、川口駅前の乗り場までは意外と時間がかかります。距離的には駅から電車に乗るのとさほど違いはないのですけれども、かなり長い駅前の信号にひっかかることが多く、余裕を持って家を出たはずなのにけっこうギリギリになるということが少なくありません。
 昨日は出がけに、すぐの返信を要するメールが届いたりして、家を出るのが少し遅くなってしまいました。駅前の乗り場まで行っていると乗り損なう危険を感じたので、駅に向かわず、駅から1区間先の六間道路というバス停に向かいました。そちらのほうが駅より近いという確証は無かったのですが、同じくらいという印象はあり、それならば少しでも遅い時刻に通るほうに向かうのが吉でしょう。
 実際には近道があり、わりに余裕を持って六間道路の停留所に到着しました。ただ、駅前から乗ればたいてい坐れるのですが、六間道路からでは座席はあいていませんでした。まあ、先へ行くに従ってどんどんすいてゆく路線なので、ほどなく坐れましたけれども。
 40分ほどで戸塚安行駅に到着。ここからは歩くしかありません。約900メートル、雨の中だと少々憂鬱です。むろん雨でなければ自転車のことが多いわけなので、不満を言っても詮無いことではあります。とはいえ、電車はともかくバスも戸塚安行駅までしか行ってくれないのはちょっと腹が立ちます。
 ずいぶん長いあいだ工事をしていた、けやき通りという道路があって、それがしばらく前にようやく開通しました。それまでは東川口駅から2キロほど南方までつながっており、そこから数百メートルの工事区間があり、その先は道の駅かわぐちなどが沿道にある広い通りになっていました。工事区間の南側になる安行出羽というところまでのバス路線があり、戸塚安行駅行きよりもむしろ便数が多いくらいでした。
 道路が開通したら、そのバス路線も延長されるのではないかと期待されました。けやき通りをそのまま北上してくれれば、教室はもともとけやき通りに面していますから、かなり近いところまで行くのではないかと思われます。安行出羽経由の東川口駅行きなどができないものかと考えていました。
 この春から、試験的に延長路線の営業がはじまりました。今のところ朝夕の数便だけです。
 待ってました、と言いたいところですが、なんとその延長も、戸塚安行駅止まりだったのでした。これではルートが違うだけで、私にとっての利便性はほとんど変わりません。私にとってだけでなく、東川口駅まで行ってくれればと思う人が多いのではないかと思います。戸塚安行止まりでは、試験運行は失敗に終わるのではないかという気がしてなりません。
 ともあれ、雨天の中を歩き、かなり濡れて教室に到着しました。私は傘をさして歩くとき、荷物を濡らさないことを優先させるので、荷物を持っていないほうの袖などはだいぶ濡れてしまいます。

 3時間のレッスンを終え、さて渋谷に向かわなくてはなりません。
 最初は、東川口駅まで歩き、JR武蔵野線に乗って、武蔵浦和埼京線に乗り換えて渋谷へ行くつもりでした。これがおそらく乗車時間は最短であり、また運賃もいちばん安いルートと思われます。
 ただ、教室から東川口駅までは、戸塚安行駅までの1.5倍ほどあります。また渋谷駅の埼京線プラットフォームは、よく知られているとおり他の路線からは離れています。昨日の渋谷での目的地は東急本店だったので、埼京線からは格段に遠くなります。従って、歩きの時間を加えれば、最速ルートとは言い切れません。しかも埼京線で渋谷まで直通する電車は限られていて、半分以上が新宿止まりです。意外と待ち時間もあるかもしれません。
 晴れていれば東川口まで歩いても良かったのですが、強い雨の中を歩く気にはなれず、結局戸塚安行に戻って埼玉高速線に乗り、地下鉄を乗り継いで渋谷に行くことにしました。埼玉高速線はメトロ南北線に直通し、南北線と銀座線溜池山王で接続しています。この乗り換えはメトロの全乗換駅の中でも4番目くらいに便利にできていて、短い階段(もしくはエスカレーター)を上下するだけで済みます。ここより乗り換えの便が良いのは、同一プラットフォーム上で乗り換えられる赤坂見附(銀座線←→丸ノ内線)、表参道(銀座線←→半蔵門線)、中野坂上(丸ノ内線←→方南町支線)くらいなものでしょう。
 「埼玉高額鉄道」と悪口を言われる埼玉高速線が含まれているので、運賃はそれだけ高くなりますが、一方東京メトロの運賃体系はさほど高くならないので、合算するとJRのみで行くよりもせいぜい50円ばかり高くなるだけであったようです。
 しかも戸塚安行あたりから乗った場合、サッカー試合の終了時間帯などにぶつからない限りは、まず確実に坐れます。溜池山王までは35分くらいかかりますので、仮眠をとることも可能です。銀座線のほうでは坐れませんでしたが、こちらはわずか5駅なのでそんなに苦にはなりません。さらに、銀座線の渋谷駅は比較的東急本店には近い側にあり、少なくとも埼京線よりははるかに便利です。最初からこちらのルートを考えれば良かったと思えるほどでした。
 実は、雨がだいぶ強かったことに加え、土曜日夕方の渋谷のむちゃくちゃな混雑に浮かされたのか、私は何度も行ったことがあるはずの東急本店への道を間違えて、しばらくうろうろとさまよってしまいました。そんなことをしていても、待ち合わせ時刻には充分間に合うくらいの余裕を持って着くことができ、まずは移動がうまく行ったと考えるべきでしょう。
 ちなみに昨日はマダムも私以上の大移動でした。午前中に用事があって新宿へ行き、午後は入っている女声合唱団の練習で新松戸まで行き、そして晩は私と同じ用件で渋谷へ。彼女は千代田線をほとんど全線往復してこの大移動を済ませていたようですが、私だったら新松戸への行き帰りには他のルートを考えたかもしれません。

 さて、引き続いて今日(24日)も移動の多い日でした。
 午前中はChorus STの臨時練習のため八丁堀に行きます。メンバーに中央区民が居て、ときどき臨時練習などの折りに八丁堀にある区の施設を借りてくれるのでした。
 午後はChorus STのメンバーのひとりが、他で合唱に参加し、その演奏会が千葉で開催されるので、われわれの仲間も何人か聴きに行くことになっていました。
 そして晩は第九を歌う会の練習ピアノの仕事で川口に戻らなくてはなりません。第九を歌う会の練習はたいてい昼間ですが、月に1度くらい、晩になることがあります。
 マダムとは千葉の演奏会まで一緒で、そのあと彼女はの実家に帰ることになっていました。柏は千葉県ではありますが、県庁のある千葉市とは交通の便があまり整備されていません。ふたりとも、ちょっとルートを考えなければならない状況でした。
 まず八丁堀までは、素直にJRで向かいます。東京駅での京葉線への乗り換えが非常に遠いので、実は秋葉原メトロ日比谷線に乗り換えたほうが早かったりするのですが、八丁堀の施設までは京葉線の乗り場のほうが近いし、やはり2社にまたがると運賃も高くなります。「国際フォーラム」なりなんなり、別の駅名をつけたほうが良さそうなほどに遠い京葉線を呪いつつ、1駅だけ乗って八丁堀へ。施設が出口からたいへん近いのが取り柄です。
 練習を終え、千葉に向かいます。私たちのほか4人ほどがその演奏会を聴きに行くことになっていましたが、行動を共にしたのはひとりだけでした。買い物でもあったのかもしれません。
 八丁堀からまた京葉線の快速電車に乗り、湾岸を快走します。京葉線は東京側の地下部分を除くと、全線が高架線なので、見晴らしがとても良いのです。久しぶりに乗ってみるとなかなか爽快でした。
 千葉みなとで下車し、千葉都市モノレールに乗り換えます。このモノレールも久々の乗車でした。マダムともうひとりの仲間ははじめてだったそうです。千葉都市モノレールは、羽田へ行く東京モノレール立川あたりを走っている多摩都市モノレールと違って、懸垂式なので、ちょっとスリリングです。
 この千葉都市モノレールの葭川(よしかわ)公園が、演奏会場であるアートホール千葉市文化センター)の最寄り駅なのでした。千葉駅から歩くと約1キロほどで、いままでは歩いていましたが、京葉線沿線から向かうのであればモノレールを使うのが便利です。
 ホールはほとんど駅前みたいなものでした。時間もだいぶ余裕があるので、マダムお奨めの鶏料理の店に入って昼食をとりました。尺八をやっている義父がちょくちょくアートホールで演奏するので、マダムはこのあたりをよく知っているのでした。
 演奏会は、その合唱団の30周年記念だとかで、少し長引きました。仕事の前に一旦帰宅するくらいのことはできそうですが、あまり余裕は無いようです。
 帰りは、京成千葉線千葉中央駅に出ました。千葉駅まで歩くよりはだいぶ近いのです。そして、京成津田沼で特急に乗り換え、マダムは船橋で下りてアーバンパークラインこと東武野田線に乗り換えて柏へ。私は日暮里で乗り換えて川口へ、というルートを採ることにしました。マダムのほうはともかくとして、私のこの帰宅ルート、実はJRだけで帰るより安くて速いのです。2社にまたがるのに、京成の運賃がJRよりも相当安いためにこうなるのでした。また、総武線が通る東京や秋葉原に較べて川口にだいぶ近い日暮里まで直行することで、時間的にも総武の快速に乗るより速くなるらしいのです。
 それにつけても、京成は千葉線にもう少し力を入れるべきだろうと思います。前から何度も言っていることですが、上野もしくは押上から直行の特急を走らせるべきですし、旧型のスカイライナーを投入して「千葉ライナー」として走らせたほうが良いでしょう。千葉線は線形が悪くてプラットフォームが短いから、特急が入れないのかと思っていましたが、6輌編成の電車は走っていますし、今日あらためて意識して見たところ、線形も本線と大差ないように思われました。本線ほどのスピードは出せないにせよ、特急を走らせられないというほどではありません。上野や日暮里から、総武線快速より速い特急が走っていれば、利用者は非常に多いものと見込まれます。また総武線快速のグリーン料金より少し安い程度のライナー券で「千葉ライナー」に乗れるようにすれば、これも大盛況間違いありません。東京~千葉は、大阪~京都と距離的には同じくらいで、京阪間にはJRの他、阪急と京阪が走っていていずれも盛況です。首都である東京と、100万近い人口を抱える千葉市とのあいだを結ぶ鉄道路線が繁盛しないはずはないのです。
 それをいまだに、千葉線内は各駅停車だけ、本線からの直通列車も無い(新京成電鉄からの直通乗り入れはやっていますが)というていたらくのままに放置しているのは、京成電鉄の不見識と言うべきでしょう。本来の目的地である成田までは、スカイアクセス線に任せられるようになったのだから、本線のほうは千葉とのアクセスをメインにすべきです。特急の半分は千葉線に乗り入れて良いでしょう。本線の津田沼以遠の八千代市佐倉市に対しては、現在はやや輸送力が過剰であるような気がします。

 千葉中央駅を出発したのが16時50分、川口着は18時07分でした。いままでアートホールに家から行く際には総武線を使っていましたが、この調子だと、往路も京成経由で良いような気がしてきました。最寄り駅からの徒歩時間も含めると、かなり短縮できそうなのでした。
 さて仕事は19時からで、一旦帰宅してひと息ついてから、自転車で向かいました。本当にひと息で、家での滞在時間は25分かそこらでしたが、なんとか間に合いました。
 日本全国から世界各国を股にかけて忙しく走り回っているビジネスマンやジャーナリストなんかに較べれば、屁みたいな「大移動」でしたが、なかなか楽しい2日間でした。自分はやはり鉄道が好きなのだなと再確認したりもしています。

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