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「7つの謎解きミステリーラリー」挑戦記 [日録]

 マダムとふたりで、地下鉄などでおこなわれている「ミステリーラリー」「謎解きラリー」のたぐいをちょくちょくやっていることはこの日誌でも触れています。
 東京メトロが主催している「地下謎への招待」はだいたい11月から翌年1月くらいまでのキャンペーン、都営地下鉄京王と組んで主催している「鉄道探偵」シリーズは1月から3月くらいの期間で、いずれも冬の開催です。
 他の季節にも、いろんな「スタンプラリー」は地下鉄やJRで開催されていますが、私らとしては謎解き要素が無いとあんまり食指が動きません。
 そんな中、真夏の謎解きラリーが開催されていました。この種のキャンペーンは、たいていマダムが出先で見つけてくるのですが、今回も同様で、無料配布の小冊子を2冊持ち帰ってきて私に渡したのです。
 今度の企画は、メトロと、独立行政法人国立美術館公益財団法人東京都歴史文化財団が組んでやっています。「国立・都立ミュージアムをめぐる7つの謎解きミステリーラリー」というタイトルのキャンペーンです。いくつかの都内の公立ミュージアムでおこなっている「サマーナイトミュージアム」という企画に乗っかった形で開催されているので、珍しく夏のキャンペーンということになったのでしょう。
 サマーナイトミュージアムというのは、夏季のあいだ、決められた曜日のみ、美術館や博物館の閉館時刻を繰り下げて、21時頃まで観覧できるようにするという試みです。ミュージアムはたいてい、17時か18時くらいに閉館というのが普通で、その30分前に入館締め切りというような規則になっています。それが21時まで開いているとなれば、ミステリーラリーに参加する人も増えるというものでしょう。

 都内の公立ミュージアムと組んでいますので、企画全体もなかなか壮大です。小冊子に掲載されているショートストーリーを読んだ上で、プレイヤーは7つのミュージアムを訪ねなければなりません。そのミュージアムに設置された謎を解くと、それぞれメトロの駅名が浮かび上がる仕掛けになっています。その判明した駅へ出かけると、構内に次のパズルが示されています。今回のために作成したボードであることもあれば、もとからあるオブジェを利用した問題であることもあります。
 7つの駅でパズルを解くと、それぞれキーワードが判明し、そのキーワードをキャンペーンサイトに入力するとそれぞれ1文字ずつのひらがなが教えられ、それらのひらがなを集めてアナグラムすると最終キーワードが出てくるので、その最終キーワードをもういちど入力すると、ショートストーリーの続きのエピローグが読めるというわけでした。だいぶややこしい。
 7つのミュージアムと7つの駅を訪ねなければなりませんので、全部で14箇所。うち3つのミュージアムには、料金を払って入館する必要は無く、エントランスなどだけで片がつくものの、4つにはしっかり入館しなければなりません。入館してしまえば、ミステリーラリーに関係したところにだけ直行してすぐ帰るというのももったいない気がして、ついつい他の展示物も見てしまいます。そんなわけで、時間もかなりたっぷりとかかる仕様になっていました。
 早く開館する施設に合わせて家を出て、上記のようにピンポイントで問題だけチェックし、すぐに答えを出して最速ルートでまわり、もちろんサマーナイトミュージアムも利用する……といった大急ぎプレイであれば、1日で全部まわることも可能でしょうが、一般的なまわりかたであれば、なかなか1日では始末がつきません。
 そこで利用を推奨されているのが、「メトロ&ぐるっとパス」です。「ぐるっとパス」の存在は、古賀記念博物館を兼ねたJASRACけやきホールにあったチラシで知っていました。都内にある90箇所以上の美術館・博物館の入場券や割引券を1冊にまとめたクーポン冊子です。割引だけでなく、このパスでそのまま入れてしまうところもけっこうあるので、使いかたを工夫すればずいぶんとおトクなシロモノです。このクーポンに、メトロの24時間券2枚をセットしたのが「メトロ&ぐるっとパス」で、別々に買うよりも500円以上安くなるのでした。
 メトロの駅で何度も乗り下りすることになるので、これは便利です。中にはメトロだけでは行けない場所もありましたが、ほとんど可能で、2日に分けたとしても充分に元が取れます。
 私たちは先々週の16日(木曜日)に、この企画に取り組みました。出足が少々遅くなってしまったせいもありますが、4つのミュージアムを訪ねたところで時間切れとなってしまいました。駅のほうは3つ行けたので、14箇所中7箇所、ちょうど半分クリアしたところで続行を断念せざるを得ませんでした。ナイトミュージアムはほとんどの施設が金曜か土曜に実施しており、木曜にはあんまり対象施設が無かったせいでもあります。時間が遅くなって、訪ねられるミュージアムが無くなってしまったのでした。
 後半をどうしようかと考えました。マダムがけっこう毎日忙しく、一日この遊びに参加できるという日がなかなか見つからなかったのです。キャンペーンは9月17日(敬老の日)までで、それまでには終わらせないとなりません。
 最終日の前日である9月16日(日曜日)に決まりかけていたのですが、よく確かめてみるとマダムも私も予定が入っていました。
 それで、急遽、今日(26日)やることにしたわけです。マダムは午前中、最近参加している東京都ボランティアガイドの研修会があったのですが、昼からは空いていました。私もしなければならない仕事が無いわけではないのですが、まあ空けることは可能でした。今日は私の誕生日でもあって、マダムは午後なるべく私と一緒に行動してくれようとしていたようです。最初は観たい映画があるとか、行きたい美術館があるとか言っていたのですが、謎解きラリーを済ませるのがむしろ先決と気づいたのでした。
 13時に待ち合わせて、それから昼食をとってからはじめたので、後半もだいぶ出足が遅かったきらいがありますが、なんとか残り3つのミュージアムと、4つの駅を訪ねることができ、謎解きラリーをクリアしたのでした。

 そのことを書きたいのですが、例によってネタバレ厳禁です。詳細はキャンペーンが終了する9月17日以降に、また「解決篇」という形で書かざるを得ません。
 ただ、7つのミュージアムに関しては、最初から明かされていますので、触れても構わないでしょう。ミュージアムでの問題で導き出される駅名については、現段階では内緒です。何線に乗ったということも書くわけにはゆきません。
 いつもどおり、奥歯にものがはさまったような書きぶりで、差し支えのないところだけ拾って書いてゆこうと思います。
 16日の最初は、西日暮里千代田線に乗り換え、乃木坂国立新美術館に行こうと考えていました。「都内の国立・都立のミュージアム」というくくりですから、もちろん国立新は加わっています。前にやはり美術館がらみのスタンプラリーをプレイしたときも、国立新がゴールになっていました。
 ところが、京浜東北線が快速タイムに入っていることをすっかりわすれていた私たちは、ふたりとも田端山手線に乗り換えるのを失念しており、乗った電車が西日暮里駅を通過するのをむなしく眺めるはめになりました。
 次の停車駅である上野から西日暮里に戻っても良かったのですが、上野には今回参加しているミュージアムがふたつもあります。国立西洋美術館都立美術館です。ひとつの駅に対してふたつの目的地があるのは、この上野が唯一の場所でした。で、どうせ上野に来てしまったのなら、上野からスタートしようと考えました。
 ところがここで、けっこう歩かなければなりませんでした。まず「メトロ&ぐるっとパス」を入手しなければならないわけですが、入手できる場所はメトロの定期券売り場と地下鉄博物館だけです。ぐるっとパスだけなら各ミュージアムの窓口でも買えるのですが、メトロの24時間券がついた「メトロ&ぐるっとパス」になると、やはりメトロの窓口でないと買えないのでした。
 上野駅の定期券売り場は、JRの出口から近い銀座線のほうではなく、日比谷線の改札口近くにあります。まずそこへ行ってメトロ&ぐるっとパスを購入し、それからえっちらおっちら上野の山に登って西洋美術館に向かいます。ただ、私が大学に通っていたころと違って、いまは西郷さんの像あたりまでエレベーターやエスカレーターで昇れるビルが増えたので、公園口への急な階段を昇る必要はなくなりました。
 先にパスを買っておかないと、西洋美術館に通常料金で入らなければなりません。ここはクーポンが割引券でしたが、それにしても使ったほうが得なことに変わりはありません。どうしてもここへ来る前にパスを買わなければならなかったのでした。
 西洋美術館の問題は、収蔵作品の1枚がカギになっており、そのカギを使って小冊子に記された設問を解けば駅名が出てきます。以後も同様でした。
 西洋美術館では割引料金とはいえ入館料を払っているので、すぐに出るのも惜しく、結局かなりじっくりと展示作品を鑑賞しました。そのために1時間くらい費やしたと思います。
 次の都立美術館には入館する必要はなく、玄関前の屋外展示オブジェがカギになっています。謎解きは簡単だったのですが、私たちはここの食堂で昼食をとり、またしてもけっこう時間を食いました。もちろん、食堂に入るのには入館料はかかりません。私は学生時代、大学の食堂に飽きると、ときどき都美館の食堂に行って昼食をとっていました。その当時はわりとリーズナブルというか、私のよく食べていたラムステーキ定食でも600円かそこらで、学生の懐にもそれほど痛くはなかった記憶があります。いまは食堂が高級化してしまって、なかなか学生が気軽に立ち寄れる感じではなくなっています。私たちは軽食堂という趣きの店に入って、比較的軽い食事で済ませました。いちおう、私の学生時代の想い出にちなんだ形です。

 食事を済ませて、ようやく上野での用が終わり、ふたたび日比谷線乗り場に向かって、かなり遠い道を戻ります。日比谷線の改札を通って、24時間券に刻印された使用開始時刻は、もう15時00分ということになっていました。
 日比谷線に乗ったのは、第3のミュージアムとして、恵比寿東京都写真美術館を考えたからです。ガーデンプレイスの北端にあって、日比谷線の出口からは相当距離があります。
 写真美術館も入館する必要はなく、外壁に飾られた大きな写真と、エントランスにあるコインロッカーとで用が済みました。
 恵比寿駅からずいぶん南側に離れてきたので、もしかしたら目黒まででもわりに近いのではないかと思いました。それなら目黒(もしくは白金台)駅に近い東京都庭園美術館まで歩けるかもしれません。
 結論から言えば、考えていたよりは遠かったものの、もくろみどおり庭園美術館まで徒歩移動できました。もう17時近くなっており、ほとんどのミュージアムは閉まっています。庭園美術館は珍しく18時まで開いているので、かろうじて訪ねられます。この日は庭園美術館で打ち止めでしょう。答えとして出てきたメトロの駅にはいくつか立ち寄れるかもしれませんが。
 庭園美術館では庭のほうにカギとなる造型作品がありました。ここではじめて、他のプレイヤーが一緒になりました。閉館の遅い美術館なので、自然に集まってしまったものと見えます。
 館のほうでは「ブラジルの先住民の椅子」という企画をやっており、旧朝香宮邸を改造して使っている館内ともども、興味深く鑑賞しました。閉館時刻ぎりぎりまで粘りました。
 その後、答えとして出てきた駅のいくつかに寄って帰りました。21時を過ぎていました。

 後半を試みた今日は、両国江戸東京博物館竹橋国立近代美術館、そして初日に行き損ねた国立新美術館の3つを訪れました。異様に暑い日だったのに、両国でまず昼食をとるために、無駄に屋外を歩いてしまい、いきなりだいぶ疲れました。マダムのスマホのバッテリーが上がりかけていたので、充電できる店が良いというので選択肢が狭まってしまったのでした。それにしても、江戸東京博物館やら国技館やらのある北口側に、ろくに飲食店が無いことに驚きました。南側ならいくらでもありそうなのですが。
 江戸東京博物館のほうは、前にもマダムと行ったことがあるので、常設展示はそのときに詳細に観ています。そのときからさほどの大変化は無さそうだったので、わりにあっさりと、問題になっている展示だけ観る感じで済ませました。
 しかし近代美術館のほうはだいぶじっくり観てしまい、時間が押してきました。ほぼ閉館時刻の17時近くまで滞在したのでした。
 国立新美術館は18時までですが、入場は30分前に打ち切られます。マダムの意見では、新美術館では展示を観る必要はなく建物に入るだけなので大丈夫だろうというのでしたが、私は無理ではないかと首を傾げました。
 乃木坂駅に着いたのは17時31分です。新美術館への通路に向かおうとすると、案の定そこに立っていた係員に止められました。
 珍しくマダムが食い下がり、展示を観るわけではなく謎解きラリーのために建物に入るだけなのだから良いではないかと言いつのりました。係員は新美術館にわざわざ問い合わせ、
 「じゃ、行っていいですよ、6時には閉まりますからそのつもりで」
 と念を押したのでした。もう入場者は無いという建前なので、ふだんは上向きに動いているエスカレーターがすべて下向き運転となっており、私らは長い階段を息せききって昇らなければなりませんでした。
 ここまで、問題そのものはそんなに難しくなかったのですが、最後の新美術館に来て、少々手間取りました。設問が難しいというより、問題文の意図をつかみにくいという意味での厄介さでした。私もいちど間違ったアプローチをしていまいましたが、マダムも失敗していて、やり直しにいそしんでいるうちに、ついに追い出しがはじまってしまいました。

 そのあとで、判明した駅に寄ってきたので、すべてを終えたのは今日も20時過ぎになりました。私たちはラリーを終えた祝杯、兼、私の誕生日祝いということで、某所のファミリーレストランに寄って夕食をとってから帰宅しました。
 夜になっても非常に暑く、ふたりとも汗まみれです。ふと私は、出かけてから帰るまで、いちどもトイレに入っていないことに気がつきました。11時間くらい経っていますので、これは少々行かなさすぎです。まあその分汗をかいてしまったということかもしれません。
 とりあえず、楽しい誕生日でした。どこの駅へ行ったのか、また謎の解きかたなどについては、また後日書くことにいたします。

【後記】9月19日20日に、解決篇をアップしました。

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