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「7つの謎解きミステリーラリー」解決篇(その1) [趣味]

 前回予告したとおり、先日挑戦した「7つの謎解きミステリーラリー」の解決篇を。
 キャンペーンが17日に終わったので、ネタバレ解禁というわけです。
 とは言っても、結局謎が解けずに終わったというような人は少なそうですので、ネタバレ禁止のため書けなかったところを吐き出して、自分がすっきりしたいというだけです。
 謎は2段構えになっていて、どういう順序で書いてゆこうか迷いましたが、いちおう私たちが行動した順に記すことにします。「解決篇」にしてはわかりづらくなっているかもしれません。まあ、気楽にお読み下さい。

 無料配布されていた小冊子には、遊びかたの説明と、いくつかのショートストーリーが掲載されていました。
 ショートストーリーの最初は、プロローグにあたる部分です。主人公の大学生が、謎めいた美術品コレクターから、7つのミュージアムをめぐって指定された作品を見てくるように言いつかるというストーリーになっています。
 そしてそれぞれのミュージアムでの主人公の行動が、そのあとのショートストーリーとして描かれているというわけです。これは順不同で、どういう順番に読んでも差し支えありません。どこへ行っても、コレクターと一緒に居た、これまた謎めいた少女と遭遇し、いくばくかの会話を交わし、彼女が消えたあとに謎が記された紙片が残されている、という筋書きになっています。
 その紙片に記されていた謎が、各ページでStep 1として与えられているパズルというていになっています。このStep 1の謎を解くと、東京メトロのどこかの駅名が出てくるので、その駅に行ってみるとStep 2の謎が用意されているという仕掛けです。そして、Step 2を解くとなんらかのキーワードが答えとして出てくるので、それをキャンペーンサイトの回答欄に入力すると、こんどはなんらかのひらがな1文字が与えられます。当然与えられる文字は全部で7つ。最終的に揃った7文字をアナグラムするとある指示が現れ、その指示をもういちどサイトで入力するとエピローグを読むことができるのでした。
 実は、ショートストーリーを読む必要は特にありません。いきなりStep 1に挑戦することも可能です。ただ、広いミュージアムの、どこに目指す謎が設置されているかがなかなかわかりにくく、ショートストーリーはプレイヤーをそこへ導く役割を果たしています。つまり描写のとおりに進めば問題の作品に辿り着くわけです。

 8月16日(木)、マダムと私は、まず乃木坂新国立美術館に向かうつもりで家を出ました。京浜東北線西日暮里まで行き、メトロ千代田線で乃木坂に向かう予定だったのです。
 ところが、なんとしたこと、マダムも私も、そのときすでに京浜東北線電車が快速運転タイムに入っていることをすっかり忘れていたのでした。快速運転タイムには、西日暮里には停まりません。田端山手線に乗り換えなければならなかったのです。田端を出た瞬間にそのことを思い出しましたが、私たちは乗った電車が西日暮里駅を通過してゆくのをむなしく眺めるしかありませんでした。
 まあ、それならそれでやりようがあります。次の停車駅である上野で下りました。上野には7つのミュージアムのうちふたつが固まっています。国立西洋美術館東京都美術館です。これらを先に済ませてしまいましょう。
 公園口を出ればどちらの美術館も近いのですが、まずはメトロ&ぐるっとパスを入手しなければなりません。まだメトロには乗りませんが、パスを入手していないと、美術館に入るときに割引を受けられません。ショートストーリーを読んだ様子では、東京都美術館のほうは入館する必要が無いようでしたが、西洋美術館はそうはゆきません。公園口とは真逆と言って良い、広小路口側のメトロ日比谷線の乗り場まで行って、メトロ&ぐるっとパスを購入します。地下鉄では銀座線のほうが近いのですが、メトロ&ぐるっとパスの購入は定期券売場でおこなわれ、その定期券売場が日比谷線のほうにしか無いのでした。
 パスを手に入れ、えっちらおっちらと美術館に向かいます。私が学生の頃は、山手線に沿った古ぼけた階段を昇らなければなりませんでしたが、いまはビルの中を抜けて、西郷さんのあたりに直接エレベーターやエスカレーターで上がれるようになったので、だいぶ楽ではあります。
 西洋美術館ではミケランジェロの企画展をやっていましたが、私たちに用があるのは常設展のほうです。そういえばここに来るのはいつも企画展目当てで、常設展だけ観にきたことはありません。企画展のほうは1600円くらいとられるのが普通ですが、常設展だけだと500円、ぐるっとパスがあると100円割引となります。案外リーズナブルだな、と思いました。
 謎が設置されているのはクレーフェ「三連祭壇画」です。ショートストーリーの記述に従って進んでゆくと、すぐ見つかりました。中央のキリスト磔刑図を見ると、十字架に「INRI」の文字が書かれています。「Iesus Nazarenus Rex Iudaeorum」すなわち「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」というラテン語の頭文字です。イエスの主な罪状は王を僭称したことであり、INRIの文字はその罪名を記したものです。
 しかし、とりあえずその意味はどうでも良く、Step 1には、とこぞの地図らしき図形と、その上に書かれた文字列および問題文がポイントとなります。文字列は「IKOUNKYORI」、この文字列から上記の「INRI」を取り除き、☆の駅まで進め……というのが問題文でした。
 IKOUNKYORIからINRIを取り除けばKOUKYOです。図形はどうやら皇居と思われます。その右下に小さな長方形があり、問題文の「☆」がその長方形の西側にあります。
 ☆に相当する駅はだいたい予想がついたのですが、正確な地図を持っていないので決め手がありません。持ってきていたwi-fiタブレットでマップを表示させて確認しました。確かに図形は皇居の形をしており、従って下の長方形は日比谷公園、その西隣の駅といえば霞ヶ関でした。こうして、行くべき駅がひとつ判明しました。

 すぐに美術館を出ても良かったのですが、せっかくお金を払ったのだからゆっくり観てゆきたいというのがマダムの希望で、1時間あまり所蔵品を鑑賞しました。家を出てきたのがけっこう遅くなってしまい、最初の西洋美術館で早くも14時くらいになっています。これは、7つのミュージアムと7つの駅を訪ねたりするのは今日じゅうには無理かな、と思えました。
 ともあれ、引き続いて都美術館に向かいます。ここはショートストーリーを読むと、入館するより前の、前庭に陳列されている彫刻作品が問題になっているらしいので、簡単に済みそうですが、マダムが空腹を訴えたので、ここの食堂で昼食をとってゆくことにしました。私は学生時代、大学の食堂のメニューに飽きると、ときどき都美術館の食堂に来て食べていたものです。ラムステーキがお気に入りで、当時いくらだったか忘れましたが、学生が気軽に食べられるくらいですから手頃な値段だったと思われます。若い頃の想い出を辿りたい気持ちもあって、都美術館の食堂に入ろうと思ったのでした。
 問題となっているのは鈴木久雄の作品で、造型についてはさっぱりわかりませんでしたが、タイトルがポイントでした。
 「P3824 M君までの距離」というタイトルで、この中の「M」のあとにある「くんまでのきより」がカギでした。小冊子に記された解読ボードに従ってパズルを解くと、出てくる答えは「きよすみしらかわ」、行くべき駅は清澄白河とわかりました。
 そのあとマダムとの約束どおり、中の食堂で昼食をとりましたが、都美術館の食堂は昔のような気軽な雰囲気ではなく、かなりの高級レストランになってしまっていました。比較的廉価な「カフェ」と称するところに入りましたが、まさに軽食で、しかもさほど安くはありません。まああれから都美術館も改装したりしたし、30年以上経っていてみれば、いろいろ変わっているのも仕方がないでしょう。
 都美術館を出て、またしてもえっちらおっちら、日比谷線乗り場まで戻ります。ようやくメトロの24時間券を改札に通すと、「15:00」と刻印されました。ふたつの美術館をめぐっただけで、もう15時になってしまっていたのです。

 日比谷線に乗ったのは、西洋美術館で判明した駅「霞ヶ関」を経て、恵比寿東京都写真美術館に行こうと思ったからです。Step 1で導かれる駅がそれぞれどこだかわからないもので、ルートも刻々と変化するというのが、いままでやってきた「地下謎への招待」などより手が込んだ点かもしれません。
 霞ヶ関駅で下り、指定された場所へ行くと、いろんな駅の名前が所狭しと書き込まれたパネルが架けられていました。小冊子のほうには、10×10のマス目に1文字ずつカタカナが記されています。このマス目の中から、パネルにある駅名を探し、最後まで使われなかった文字を特定しろというのが問題でした。いわゆるシークワーズというパズルです。
 駅名は上から下へ、あるいは右から左へ、左下から右上へ、というありとあらゆる方向に一直線に並んでいて、なかなか厄介ではありますが、シークワーズならわりと馴れています。文字数の多いものから探してゆくと解きやすいのです。コッカイギジドウマエ、アオヤマイッチョウメ、スイテングウマエ、ナカオカチマチ……と探して、そう時間をかけずに全部発見できました。使われていない文字は、「カ」「イ」「ガ」の3文字です。

 ふたたび日比谷線に乗り、恵比寿へ。東京都写真美術館は恵比寿ガーデンプレイスの中にありますが、ただでさえ山手線の駅の南側にあるガーデンプレイスの中でも、いちばん南にあります。一方日比谷線の出口は山手線の駅の北側ですので、実は相当な距離があります。途中には動く歩道もあるとはいえ、ひと駅分くらいは歩いたような感覚です。
 写真美術館にも、入場する必要はありません。エントランス外に飾られている大きな写真パネル3枚がカギになっています。ドアノーキャパ、それに植田正治の写真を引き伸ばしたパネルです。正確に言うと写真ではなく、その説明文がカギで、説明文に含まれるアルファベットから任意に抽出した文字列の穴埋め問題なのでした。
 結論だけ言えば穴に埋まった文字は「l」「as」「t」、つまり「last」というのがここの答えになります。それだけでは駅名が出てきませんが、ここの問題は第2問があり、エントランス脇のコインロッカールームに続きます。
 コインロッカーには4桁の数字がついていますが、実際は86個で、最初の2桁は全部「00」となっています。ラストの数字は0086、この数字を小冊子の解読ボードに当てはめてみると、「芯」「塾」「3匹の蝶のイラスト」「目玉のイラスト」が出てきます。そのまま読むと「しん・じゅく・さんちょう・め」……つまり行くべき駅は新宿三丁目でした。実は私はここの問題、少し考えすぎてしまってなかなか答えが出ませんでした。マダムのほうが軽やかに解いていました。伊達に「ミラクル9」「東大王」を見ていません。

 さて、次に向かう場所ですが、恵比寿には地下鉄は日比谷線しか通っていないので、日比谷線で戻るしかなさそうに思えます。しかし、相当長く歩いており、しかもほぼ山手線の線路に沿って歩いていたということは、もしかすると隣の目黒駅もさほど遠くないのではないかと想像されました。目黒まで行けば南北線に乗れますし、それに7つのミュージアムの中に、目黒を最寄り駅とする東京都庭園美術館が含まれています。しかもうまいことに、たいていのミュージアムが17時に閉まってしまうのに対し、庭園美術館は18時まで開いているのでした。それで、庭園美術館まで徒歩移動することにしました。
 思ったほど近くはありませんでしたし、線路沿いの道がずっと続いているわけではないためにときどき迷いそうになりましたが、やがて目黒駅の雰囲気が近づいてきました。マダムは庭園美術館を訪れたことがあり、
 「あ、この道、知ってる」
 と言いました。
 暑かったのでコンビニエンスストアでアイスコーヒーを求めて、店内のイートインコーナーで飲んでひと息つきました。それからまた暑い外へ出て、10分ほど歩くと庭園美術館がありました。言うまでもなく、朝香宮さまの旧邸を改築して美術館にした施設で、広大な庭園が売りです。
 ここは入場しないと問題にたどりつけません。しかしぐるっとパスに綴られているのは割引券ではなくて入場券であり、お金を払わなくとも入ることができます。庭園だけでなく、美術館のほうも入れるそうです。
 美術館のほうでは「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」という企画展をやっており、何やら面白そうです。しかし、とりあえず謎のほうを先に片付けてしまいます。
 ショートストーリーに従って庭園をまわってゆくと、芝庭というコーナーの一角にオシップ・ザッキンという彫刻家の作品が飾られていました。藤田嗣治などとも親しかった人であるようです。マダムは藤田ファンでもあって、藤田に関する記事の中にこのザッキンの名前が出てきたのを記憶していました。
 ここも、問題は作品自体ではなく、その説明文に設定されていました。説明文の中からランダムに抜き出した3文字が、小冊子の解読ボードにバラバラに印刷されています。しかもあちこちが虫食いになっています。例えばこの作品のタイトルである「住まい」は「 主まい」となっていて、ニンベンつまり「イ」が欠けているわけです。その要領で、欠けたところをリストアップしてゆくと、「イ」「た」「め」「ケ」「さ」「女」「の」「半」「ン」「し」「ウ」「曽」という文字が出てきました。「ウ」は「寄」という文字のウかんむりの部分、「め」は「あ」という文字の下半分だったりと、けっこう機知が必要でした。
 これらの文字をにらんでいると「溜池山王」という駅名が浮かび上がってくるのですが、ただ必要のない文字もいくつか含まれているようです。どういうことだろうかと解読ボードを眺めているうちに、問題文に「あいだの消えた部分を並び替えてこたえを導け」とあるのが、3文字の「あいだ」つまり2文字目に含まれる欠損だけに着目する意味だと気がつきました。「女」や「半」といった余計な文字は、1文字目の左側とか3文字目の右側とか、いわば「外側」にある欠損だったのです。
 なお、この庭園美術館で、はじめて他のプレイヤーに遭遇しました。やはり18時まで開いているということで、ここに集まってしまいがちなのでしょう。何組もあとからあとから現れます。簡単に答えを見つけている組もあれば、だいぶ苦戦している組もあるようでした。
 まだ18時までは多少時間があったので、美術館に入って、ブラジルの原住民の椅子を見てまわりました。いろんな動物の姿をモティーフにした木工細工で、多くは木材を組み合わせること無く1本の丸太から削り出したものです。細工は見事だと思いますが、坐り心地はあんまり良くなさそうな気がしました。
 この日はまあ、ここまででしょう。他のミュージアムはもう閉まっています。今回の7館は、いずれも「サマーナイトミュージアム」という企画に参加しており、曜日によっては21時まで開館していたのですが、木曜日にそれを実施しているのは、先ほど寄った写真美術館だけでした。そちらをあとにすればよかったかもしれません。

 目黒駅ではなく、隣の白金台まで歩いて南北線の電車に乗りました。そのまま乗っていればうちに近い王子まで帰れるのですが、マダムが麻布十番で下りたいと言いました。フランスのスーパーマーケットである「ビオ・セ・ボン」と同じく冷凍食品メーカーである「ピカール」の店舗があり(日本店舗の運営はイオン)、フランス狂であるマダムのお気に入りになっていて、機会があれば必ず立ち寄っているのでした。
 雨も降り始めていて、あんまり途中下車したい気にはなれなかったのですが、マダムにひっぱられてフレンチスーパーへ。前に連れてこられたときは、もう少し麻布十番の駅から近い気がしていたのですが、案外と距離がありました。
 駅へ戻り、ふたたび南北線に乗ります。そしてさきほど庭園美術館で導かれた答えである溜池山王で下車します。銀座線のプラットフォームを経て指定の場所に行くと、大きなパブリックアートが掲示されていました。今回のために制作したのか、それとも元からある作品なのかわかりません。が、さまざまな図像が上下3列に並べられており、それぞれの列の中のタテの区切りはバラバラになっているので、その区切り線があたかもあみだくじのようです。溜池山王のStep 2は、まさにこのパブリックアートを巨大なあみだくじと見なして設定された問題でした。
 あみだくじを2回たどる必要があり、2回目は1回目に通過した渡り線を通ることができません。1回目に通った渡り線をなかなか記憶していられないというところがミソです。
 私は手元の小冊子の余白に、あみだくじを書き写して答えを出しました。そういう小細工をせずに解けた人はたいしたものだと思います。ちなみにマダムは早々にサイトが提供しているヒントを参照していました。ヒントはなんのことはない、1回目に通過する渡り線を明示してくれていたようです。
 ともあれ最後に辿り着く答えは「自由の女神」でした。

 銀座線に乗って赤坂見附丸ノ内線に乗り換え、新宿三丁目へ。写真美術館で判明した駅です。副都心線の改札の近くの壁に、「不思議の国のアリス」のお茶会の絵が架かっていました。これがカギです。問題は単なる穴埋めで、いままでの謎ではいちばん簡単でした。左に居る女の子の名前「アリス」の3文字目、まんなかに描かれている食べ物の名前「サンドイッチ」の4文字目、右側に描かれている花の名前「チューリップ」の4文字目が求める文字で、答えは「スイリ」
 まあこの日はこのあたりまででしょう。14の目的地のうち、4つのミュージアムと3つの駅に行けたので、ちょうど半分です。都美術館で判明した清澄白河には行けませんでしたが、次回はそのあたりからはじめれば良さそうです。
 副都心線で池袋に出て、そのまま帰るつもりでしたが、なんだか疲れていたので、西口駅前のマクドナルドで少し休憩しました。マクドナルドに入るとフリーwi-fiが使えるので、私のwi-fiタブレットがつながります。それで、3つの駅で解いたStep 2の答え「絵画」「自由の女神」「推理」を送信してみました。
 すると「か」「じ」「い」の3文字が提示されました。これだけではなんのことやらまだわかりません。
 後半はこの10日後、8月26日(日)にプレイしました。ちょうどきりが良いので、解決篇も一旦ここまでといたします。

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