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「7つの謎解きミステリーラリー」解決篇(その2) [趣味]

 8月16日「7つの謎解きミステリーラリー」に挑戦した私たちですが、7つのミュージアムと、そこで謎を解いて導き出される7つの駅を訪ねなければならないところ、4つのミュージアムと3つの駅を訪ねたところで時間切れになりました。
 購入した「メトロ&ぐるっとパス」には、都内を中心とした92の施設の入場券や割引券がセットになった「ぐるっとパス」に、東京メトロの24時間券が2枚ついています。このパスの使用を推奨しているだけに、2日間くらいかけてゆっくりプレイする設定になっているのでしょう。
 さて、後半を続ける日を決めなければなりません。マダムは毎日あれやこれやと忙しくて、丸一日遊べるという日程がなかなかとれないようでした。その時点では、キャンペーンの終了する9月17日の前日、16日まで暇がとれないと言っていました。が、その後16日にも予定が入ってしまったようです。そうでなくとも、16日は私のほうに仕事が入っています。
 これではらちがあかず、結局8月26日に決行することになりました。この日は、午前中にマダムが東京都ボランティアガイドの研修を受けており、昼からは何か他の展覧会を観にゆく予定を入れていたらしいのですが、私の誕生日でもあり、午後は一緒に過ごしたいということで急遽連絡してきたのでした。
 前半も結果的に昼ごろからのプレイになりましたので、まあ大丈夫でしょう。13時に、前半で判明していたのに足を運べなかった清澄白河駅で待ち合わせることにしました。

 うちから清澄白河まではちょっと行きづらいようです。いちばん簡単なのは、京浜東北線御徒町まで行き、都営大江戸線に乗り換えるというルートですが、東京メトロの24時間券を持っているのに都営地下鉄に乗るのは少々業腹です。メトロで行こうとすると半蔵門線に乗らなくてはなりませんが、山手線の東側で半蔵門線に乗り換えるのが厄介なのでした。なるべくメトロに乗る部分を多くしようと思い、神田銀座線に乗り、三越前で乗り換えることにしましたが、三越前の銀座線と半蔵門線の乗り換えというのはえらく遠く、思っていたよりも到着が遅くなってしまいました。もっとも、マダムも研修のあと出てくるのが予想よりも手間取り、少し遅れると電話が入りました。
 清澄白河駅でしばらく待つことになりましたので、問題を先に見てしまいました。この駅に以前から掲示されている木工のレリーフが題材になっています。このレリーフは、廃校になった白河小学校の卒業生たちが制作したものだそうで、白河小の校歌の歌詞が彫り込まれ、さらに「大空に向かってはばたいてゆこう」という意味で鷲の絵が描かれています。「鷲と校歌」として地元ではよく知られた作品だったようです。
 小冊子に記された解読ボードには、「二14」とか「一31」とかの数字が記されています。漢数字は一と二しかないので、これは校歌の1番2番を意味しているのだろうとわかりました。アラビア数字のほうは、歌詞の何文字目かを示していると思われます。31文字目まで数えるのはなかなか骨が折れましたが、ともあれ出てきた文字を並べると

 ──わしとともにさくはなのなは?

 確かにレリーフには、鷲の下に何やら花が描かれています。見た感じ、どうも梅のように思われましたが、卒業記念ということで桜かとも疑われます。小学校を出たばかりの子供たちの作品なので、はたして梅と桜をちゃんと区別できていたか微妙です。まあたぶん梅、ひょっとしたら桜ということで、サイトに入力するときに確かめようと考えました。
 やがてマダムが到着し、早速レリーフをチェック。マダムも花は梅だろうと言いましたが、桜の線も否定はできなかったようです。

 マダムは着くや否や、空腹を訴えました。すぐにどこか飲食店に入りたい意向でしたが、私は両国まで行ってしまおうと提案しました。両国のほうがいろいろありそうな気がしたのでした。
 両国には江戸東京博物館があります。ここも、訪ねるべきミュージアムのひとつでした。ただし、両国は東京メトロが通っていません。ここだけはJRか都営大江戸線を用いざるを得ない場所なのでした。清澄白河から大江戸線に乗れば2駅です。
 ところが、大江戸線の出口周辺には、飲食店などほとんど見受けられませんでした。JRの出口とは、江戸東京博物館をはさんで、だいぶ離れています。どこか飲食店が無いかとそのあたりを歩いてみましたが、飲み屋みたいな店がところどころにあるばかりでした。飲み屋の昼間営業で供される食事というのはなかなか趣きがあるものですが、実はもうひとつ、食事中にマダムがスマホの充電をしたいという要望があり、コンセントがある店でなければならないという縛りがあったのでした。それだとマクドナルドとかドトールとか、ファストフードっぽいコーヒーショップなどに限られそうです。その種の店はさらに見当たらないのでした。
 結局、江戸東京博物館はもとより、国技館の周囲まで大回りする形で猛暑の中を歩きまわり、JRの西口改札のほうまで大迂回して、サンマルクカフェに入りました。JRの南側に来れば飲食店はいくらでもあったようです。早くも余計な時間を食ってしまいました。
 江戸東京博物館を訪れるのは3度目です。2度目は数年前にマダムを連れてきたばかりで、常設展の様子はそんなに変わっていませんでした。時間がだいぶ押しているので、早足で展示を見てまわり、問題の設定された浅草凌雲閣のミニチュアのところへ急ぎました。カギが凌雲閣であることは、解読ボードを見てもだいたい見当がつきますが、添えられたショートストーリーを読むと一目瞭然です。
 ここでも、展示そのものより、説明文がポイントでした。「壊の右、土の上」などと解読ボードに書かれていましたので、説明文の「壊」という字の右の文字、「土」という字の上の文字などを拾ってゆくと、「すみよし」と出てきました。上とか下とかいうのが行の話ではなくてルビのことだったりして、若干迷うところもありましたが、まあすんなりと答えが出たうちに入るでしょう。住吉駅が向かうべき駅のひとつというわけです。

 ふたたび大江戸線に乗って、こんどは門前仲町で下りてメトロ東西線に乗り換えました。ここはわりに乗り換えやすい駅でした。東西線のこのあたりの駅というのは、なんだか薄汚れた暗い感じの駅というイメージがありましたが、リニューアルされてすっかりきれいになっています。
 下りたのは竹橋東京国立近代美術館の最寄り駅です。お濠をはさんで皇居と向かい合う位置で、4階の「眺めの良い部屋」と名づけられたスペースからは、鬱蒼とした木々に覆われた皇居が一望できます。
 マダムは眺めの良い部屋でしばらくまったりしていたいような様子でしたが、あまり時間がありません。ショートストーリーに従って、古賀春江のシュールレアリスム絵画「海」のところへ行きます。
 解読ボードにはいわゆる「カナ抜け文」のパズルが記されています。絵について記した文章のところどころが虫食いになっていて、空欄になったマスには番号が振られており、同じ番号には同じ文字が入るという仕掛けです。文章の一部に意味の取りづらいところがありましたが、パズルとしては簡単で、「□んぞう□ん」という文字が浮かび上がりました。ここまでわかれば、半蔵門駅のことだとすぐにわかります。
 近代美術館だけあって、絵画や彫刻ばかりではなく、映像作品も展示されていました。それを観たりしていたので意外と時間が過ぎてしまい、これでは最後に残った国立新美術館に入館できないのではないかというおそれが出てきました。新美術館は18時まで開館していますが、入場は17時半に締め切られます。
 新美術館には収蔵品というものが無く(だから英語名ではミュージアムではなくアートセンターと称している)、ありようは巨大な貸しギャラリーです。従って入館時にはチケットは不要で、それぞれの部屋に入って展示を観るときにチケットが必要となります。ショートストーリーの様子では、フリースペースでことは足りるようでした。
 「展示を観るわけじゃないんだから、入れて貰えるでしょ」
 とマダムは自信満々でしたが、大手町千代田線に乗り換えて乃木坂で下車し、新美術館に直結する通路を進もうとすると、そこに立っていた職員に止められてしまいました。
 「あ~、もう入れませんよ~」
 やっぱりか、と思いましたが、マダムが、展示を観るわけではない、謎解きのためにフリースペースに入るだけだとまくし立てると、職員は携帯電話で本部に問い合わせたのち、
 「じゃ、行っていいですよ」

 と言いました。途中のエスカレーターは退館者対応ですべて逆向き、つまり下りになっていて、私たちははあはあ言いながら階段を昇りました。私たちのあとからも、止められている人が居たようです。
 暑い中で5階分くらいの階段を昇りつめ、新美術館の入り口が見えたときには頭がくらくらしました。もう若くはないので、あんまり無茶が利きません。
 問題は、黒川紀章の遺作ともなった新美術館の建物自体に設置されていました。3階から一望できる壁面のガラスルーパーがポイントです。まずそれについて「○○○○模様」と解読ボードにあるのを埋めなければならず、頭をひねりました。細かい四角形に区画されているので「市松模様」か……? とも思ったのですが、特に白黒が規則的に並んでいるわけでもありません。
 私が悩んでいると、マダムがあっさり答えを出しました。ガラスの形が丸いので、単純に「水玉模様」で良かったようです。
 さてこの「水玉模様」によって次の問いを解かなければなりません。5×5のマス目の中に四角形や三角形や円がぎっしりと描かれている10枚の図があり、左側の2枚をいろいろ動かしてそれ以外の8枚に重ねれば良い……ということはすぐにわかったのですが、重ねたときにどこに意味を持つのかがわかりません。ミュージアムで出題されるStep 1の謎は、いままではどれもわりとすんなり解けるものばかりでしたが、最後に来てかなりの難問にぶつかりました。
 他のプレイヤーも何組も目につきました。やはり18時まで開いているところが少ないため、集中してしまうのでしょう。みんなけっこう悩んでいました。
 重ねたときに同じ形になるマス目を拾ってゆけば良いのか、と思ってやってみましたが、何も意味をなさないようです。それに「水玉模様」と関係がなさそうです。
 この手の謎解きイベントに参加して、「難しい」と思う問題は、パズル自体の難易度より、「問題文の意図がつかみにくい」ということが多いよなあ、などと思いました。
 そのうち、もっと簡単に考えれば良いのだとひらめきました。円のところをひたすら拾えばそれで良かったのです。8枚の図の円が入ったマス目を全部鉛筆で塗り、さらに、左の2枚を指定されたとおりに回転させたり裏返したりした場合に円になるマス目と重なるところも塗ってみると、「ヒカシコウエンシ」という文字が浮かび上がりました。「できた濁りなき影からこたえを完成させよ」と書かれていますので、これに濁点をつければ、東高円寺となります。これで、あと行くべき駅が全部判明しました。
 マダムはもう少し手間取っていたようで、1階ロビーのベンチに陣取って悪戦苦闘していましたが、ついに職員たちが追い出しにかかりました。18時をとうにまわっています。そこらに居たかなり多数の人々は、いかにも不承不承といった面持ちで腰を上げました。マダムはかろうじて、実力排除される前に答えに辿り着いていました。

 さて、残るは3つの駅──江戸東京博物館で得られた住吉、近代美術館で得られた半蔵門、そして新美術館で得られた東高円寺──を訪ねれば終わりです。住吉と半蔵門は両方とも半蔵門線にあるのでわりに行きやすいのですが、東高円寺は丸ノ内線の、かなりはずれのほうにあります。どうまわるか、悩ましいところです。しかも、どの駅からも帰宅するのはけっこう面倒です。
 とりあえず、いちばん不便なところからまわろうと考え、東高円寺に向かいます。千代田線で明治神宮前まで行き、副都心線に乗り換えて新宿三丁目、そして丸ノ内線に乗り換えます。新宿三丁目は訪れるべき駅のひとつで、16日にプレイした前半の最後に立ち寄りましたが、こんなことなら後半にとっておいて東高円寺とまとめれば良かった……と思ったものの、どの駅が出てくるのかわからないので、これはあとの祭りというものでしょう。
 東高円寺というのは地味な駅ですが、駅近くに蚕糸の森公園というのがあります。昔は養蚕業が盛んだったのでしょう。改札の外に、カイコの一生を描いた5枚のイラストボードが架かっていました。このイラストボードが問題になっていて、小冊子の解読ボードに記された変な文字列から、5枚に描かれたそれぞれのカイコの成長相の名前──卵、孵化、幼虫、繭、成虫──を消すという簡単なものでした。結果は予想どおり、「さんしのもりこうえん」でした。

 丸ノ内線で舞い戻り、今度は赤坂見附まで乗って下車します。赤坂見附は永田町と同じ駅という扱いですので、半蔵門線に乗り換えられます。なおマダムが午前中に受けていた研修は永田町でおこなわれていたようで、そこから待ち合わせ場所の清澄白河まで来るとき、まったく同じルートを辿ったわけでした。
 半蔵門で下車し、問題の設置されたパブリックアートのところへ行きます。さまざまな色のタイルを組み合わせた作品で、その一部を解読ボードに重ね合わせて文字を拾ってゆくというパズルです。拾った結果は、「ぬりエデつかうことの多いくから始まる画材は」→「塗り絵で使うことの多い『く』から始まる画材は」というわけで答えは「クレヨン」。
 すぐに半蔵門線のプラットフォームに引き返し、先へ進みます。住吉で下車します。この駅はすでに都営新宿線との接続駅になっていますが、上下2段になった半蔵門線のプラットフォームには、それぞれ反対側にも線路が敷かれており、ただそちらは縄が張られて使えなくなっています。実は、有楽町線の支線がこの駅を通る予定になっています。計画では豊洲から分岐し、この住吉を通って、最終的には松戸に到達することになっていますが、いつのことになるかわかりません。この線が開通すれば、住吉もかなり大きなジャンクションとなるでしょう。

 そういえばこのイベントで、すでに日比谷線・南北線・銀座線・丸ノ内線・副都心線・半蔵門線・東西線・千代田線に乗りましたが、東京メトロの中でただひとつ、有楽町線にだけは乗っていないことに気がつきました。どこかで使ってやれば良かったと思います。
 住吉駅の問題は、パブリックアートから黄色の部分だけ抽出し、その中で解読ボードにある図形と重なるところを取り除くと何が残るかというものでした。小冊子を読んでいる段階では、なんだか面倒くさそうな問題だと感じていましたが、実際にパブリックアートを観てみるとわりに単純で、答えはカタカナの「ア」であることもすぐわかりました。
 これで訪れるべき場所にはすべて訪れました。あとはStep 2の答えでまだ送信していない「梅(もしくは桜)」「蚕糸の森公園」「クレヨン」「ア」をサイトに入力すればエンディングを迎えられます。
 ただし、私のwi-fiタブレットはフリーwi-fiがつながっているところでないと使えないし、マダムのスマホはバッテリーが上がりかけており、その場ではどうしようもありません。
 また半蔵門線に乗って終点の押上まで行き、バスで日暮里に出て、駅前のサイゼリヤで謎解きお疲れ会兼私の誕生日の祝いをおこないました。誕生祝いとしては少々チープではありましたが、特に不満はありません。
 帰宅してから、キーワードを送信しました。前半戦で得られた「か」「じ」「い」に加え、「め」「も」「よ」「あ」の4文字が出てきました。この7文字をアナグラムすると「あかいもじよめ」……赤い文字読め、という指示が出てきましたが、この指示はエピローグの途中に出現する最終問題に関わります。
 「あかいもじよめ」と入力するとエピローグがはじまります。死期の迫った美術コレクターは、主人公の学生にある頼み事をするのですが、その頼み事の内容が最終問題でした。
 ひらがなで記された6つの「色の名前」。それから漢字交じりの謎の言葉。いずれもところどころが赤い文字になっています。つまりここで「赤い文字読め」というわけですね。それである虫食い文章を復元せよという問題です。
 色の名前のうち、赤い文字で書かれたひらがなは「み」「き」「の」の3文字。しかし実は問題文にも赤文字があり、それは「を」です。赤文字の漢字は「口」「心」「十」「田」「矢」ですが、虫食い文章の中で漢字が入るのは2文字だけという指示があります。
 とするとこれはいわゆる「合成漢字パズル」です。しばらく眺めていると、組み立てられる漢字は「知恵」とわかります。「恵」の中の「十」と「田」を分けているのがひっかけポイントですね。
 ひらがなを合わせると「きみの知恵を」となります。しかし虫食い文章はまだ4文字の空欄があります。
 赤文字の入る空欄は赤い丸で表されていて、残りのものは黒い丸になっています。どうやらここには赤文字でないものが入りそうです。
 よく見ると、色の名前の中に「くれない(紅)」があり、これは赤色のカテゴリーに属します。従ってこれも「赤い文字」と見なして空欄に入れてみると、

 ──きみの知恵をくれないか?

 なお「か?」のところは最初から明かされていました。
 この文章を入力すると本当にラストになります。コレクターは、ただひとりの身寄り、つまり相続人である少女と共に、主人公に自分の所蔵品を展示するミュージアムを開設して貰えないかと依頼したのでした。最初はとんでもないことと断った主人公が、老人や少女と話すうちにその気になってきたところで、物語は完結です。

 クリアしたところで、あらためて、どうミュージアムや駅をまわるのが効率的であったかと考えてしまいます。小冊子には、1日目にすべてのミュージアムをめぐってStep 1をクリアし、2日目に駅をまわってStep 2を解くのもアリという助言が書かれていましたが、やはり少しはStep 2に足を踏み入れておきたい気がするものではないでしょうか。
 もったいながってミュージアムの展示をじっくり観たりせずに、目的の作品だけ観たらすぐ引き返す、という行動を繰り返すとしたら、1日でクリア可能だろうかということも気になります。朝早く動きはじめても、ミュージアムが開館するのはだいたい9時半とか10時で、そんなに早くからは開始できません。金曜とか土曜で、サマーナイトミュージアムを活用すれば、なんとか可能でしょうか。
 ともあれ、地下鉄各線に乗りつつ美術館や博物館を訪ねる「7つの謎解きミステリーラリー」は、いままでプレイした「地下謎への招待」や「鉄道探偵シリーズ」とは少し違った面白さがありました。またこういうイベントがあったら挑戦してみたいものだと思います。

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