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「鉄道探偵と1/3の奇妙な手紙」挑戦記 [日録]

 今日も鉄道謎解きにチャレンジしてきました。東京メトロ「地下謎への招待状」シリーズと共に、毎年おこなわれている、都営地下鉄京王電鉄の共同開催による「鉄道探偵」シリーズです。どちらも私たちは、先々シーズンから参加しています。
 「地下謎」が純然たる謎解きを続けてゆくのに対し、「鉄道探偵」はストーリー仕立てになっており、かなり脱力もののオチがつくこともあるのですが、難易度自体は甲乙つけがたいものがあります。専用の謎解きキットを購入しないとプレイできない「地下謎」に較べ、「鉄道探偵」は無料配布の冊子で進められる(ただし都営・京王それぞれの一日乗車券の購入が推奨されます)ので、ハードルは低いように思われますが、なかなかどうして歯ごたえのある問題が並んでいます。
 今日も、出かけてから帰宅するまで、12時間ちょっとを費やしました。
 もちろん、そのすべての時間を謎解きに費やしたわけではなく、途中で昼食と夕食をとりましたし、コーヒーショップにもいちど入っています。若干腰を据えて考えたいということもあるわけです。それからスタート地点への往路、ゴール地点からの復路にも、それなりの時間はかかっているので、まあ実質プレイ時間は7時間半ほどだったかと思われます。
 冊子には目安のプレイ時間が記載されていて、今回は京王エリアで展開する「兄編」と都営エリアで展開する「弟編」がそれぞれ「3時間~」であり、web上で進められる「解決編」が「15分~」となっていました。途中、電車での移動が必須であるため、おそらく2時間とかそれ以下でクリアするのは無理でしょう。3時間というのも標準ではなく、「~」がついているところを見ると、まあ最低そのくらいかかるという意味だと思います。7時間半というのは、まあまあ良いペースであったのではないでしょうか。

 さて、例によってネタバレ厳禁ですので、詳しい行程を書くことはできません。イベント期間は3月21日までですので、またそのころに「解決篇」をアップするつもりではあります。今日は具体的な駅名などは一切書けませんのであしからず。
 前回・前々回はいずれも新宿からスタートしました。新宿は京王新線都営新宿線が相互乗り入れをする結節点ですので、どちらに動くにも都合が良いのです。もちろん何駅からスタートしても本質的な差は無いわけなのですが、私の家からスタート地点を選ぶとすれば、やはり新宿が便利でした。あと可能性としては、上野御徒町駅とか新板橋駅、あるいは飯田橋駅・市ヶ谷駅などが考えられますが、飯田橋・市ヶ谷は新宿に較べると行くのに手間取るし、上野御徒町や新板橋はそれぞれ路線が1本しか通っていないために動きがとりづらいという欠陥があります。そんなわけで、過去2回、私たちはまず新宿へ行き、そこで冊子を貰い、最初のパズルに取り組むという行程を採っていました。
 しかし、今回は新宿をスタートにはしませんでした。それは、今回はあらかじめ冊子を入手しておいたのが理由です。
 冊子は都営や京王の駅ならどこでも置いているので、私は今回、かなり前に貰っておいたのでした。
 そして中を見てみると、兄編・弟編にそれぞれ8問ずつある問題のうち、各3問目までの、「STEP 1」とされている部分については、実際に電車に乗らなくとも解けることがわかりました。
 これは過去のシリーズでも同様で、最初の問題は、訪れるべきいくつかの駅の名前を割り出すということになっており、それを解いてからはじめて行動を起こすことができるわけです。前々回「8人の容疑者」のときは改札口近くのコーヒーショップに入って解きましたが、これが案外簡単だったので、前回「消えた一億の謎」のときには改札口外の地下街の壁に寄りかかって解いてしまいました。
 今回は、全部で6つの駅名を割り出すのですが、私はせいぜい10分でやってしまいました。馬鹿にしとんのかと言いたくなるような脱力ものの問題もありましたが、京王の列車の停車駅を把握していないと解きづらいのもあり、これなどは鉄ちゃんでないプレイヤーには少々歯ごたえがあったかもしれません。
 ともあれその6つの駅のどこかをスタート地点にするのが効率が良さそうです。さらに丁寧に検討してみると、どうもこの6つの駅、いままでの「最初の駅名パズル」と違って、どこからでも好きなようにまわって良いわけではなく、1問目から3問目まで、順番に訪ねてゆくことを推奨されているらしいのでした。実際冊子の表紙見返しのところに、
 「謎は必ず順番に解いてください」
 という注意書きがありました。そこには「報告の際、途中の手がかりなど入力する必要があります」と理由が書かれていましたが、それを別としても、順番に訪ねたほうがスムーズだし、順番を無視すると駅によっては誘導の文章が理解しにくくなるおそれもあるようでした。
 「途中の手がかりなど入力する必要」というのは、スマホでゲームサイトにアクセスしてキーワードなどを送信するのがこのシリーズのお約束になっていて、そのことを指しています。だからプレイにはスマホが必須で、いまだガラケー持ちの私などは、ひとりではプレイすることができないのでした。まあ、wi-fiタブレットは持っているので、フリーwi-fiが使える場所であれば私でも送信できるのですが、いろいろ制限があって、フリーwi-fiが入っているとされる場所であってもうまくつながらないことが多いようです。いままで問題なく使えたのはマクドナルドセブンイレブンの中くらいでした。
 前回まで、この「入力」を要求されるところがやたら多かった気がしますが、評判が悪かったのか、今回は思いきって整理されていました。プレイ途中で入力・送信が必要だったのは、京王と都営で各1回だけで、あとは帰宅してからでも一向に構わない仕様になっていました。

 さて、今回のストーリーは、亡くなった大富豪のふたりの息子が、それぞれ鉄道探偵にアシストされながら遺産をめぐる暗号を解いてゆくというスタイルになっています。兄のほうは京王、弟のほうは都営の駅をへめぐりながら最終目的地を目指します。
 ふたりの息子にそれぞれ暗号の手紙が託されるわけですが、それにしては「1/3の奇妙な手紙」というタイトルになっています。息子がふたりなのだから1/2ではないのか、と思いますが、この件については最後までプレイすると腑に落ちるように作られています。
 私たちは今回は「兄編」つまり京王からはじめることにしました。「地下謎」に較べると、「鉄道探偵」は謎解きのために駅を離れることはあまり無く、だいたい構内で用が足りてしまうことが多いのですが、それであれば屋外に出ることの少ない地下鉄をあとにまわし、明るく暖かいうちに京王を済ませてしまおうと考えたのです。今日は朝のうち冷え込みましたが、昼間の陽差しはけっこう強く、日なたに居れば暖かく感じられました。
 もっとも、プレイしてみると、都営編の途中で、かなり外を歩かされる箇所がありました。これはもしかすると、前回までのアンケートを反映しているのかもしれません。「もう少し『街歩き』要素が欲しい」というような要望があったのではないでしょうか。
 アンケートの反映といえば、京王の探索エリアが拡がりました。前々回はスムーズに進めると京王の一日乗車券の元がまったくとれないという惨事になってしまいました。それを反省してか、前回から京王編と都営編を別の展開にして、京王のほうもいろいろ乗り下りさせるようになりましたが、それにしても探索範囲が狭くて、あんまり電車に乗った気がしないという意見が多かったのではないかと思います。今回はかなりのびのびと動き回った印象があります。
 都営のほうも拡がっています。前々回は大江戸線と新宿線しか使うことがなかったし、前回はそれに三田線が加わったとはいえ、利用範囲はごく限られていました。今回はついに浅草線が使われるようになり、ようやく全路線コンプリートです。なお、「浅草線が使われる」というのは一種のネタバレではないかと思われそうですが、違います。冊子には必ず路線図が掲載されているのですが、前々回の都営の路線図は大江戸線と新宿線のみ、前回はそれに三田線が加わったものであって、浅草線はそもそも路線図に記載されてさえいなかったのでした。今回は路線図にちゃんと浅草線が書き加えられています。つまり、浅草線も探索エリアに含まれたということなのでした。
 その、浅草線を最初に使わせる部分の問題が、非常に良くできていて、思わず唸らされました。難易度ということになるとまた別ですが、問題の作りかたとしては、過去のシリーズを含めても最高傑作なのではないかと思われました。詳細を書くとネタバレになるので、ここには書けないのが残念です。
 同様に、複雑な構造の問題が数多くありました。これも詳細は書けませんが、「重層構造」とだけ申し上げておきます。前回も似たような趣向はありましたが、今回はその趣向が大いに深まっていると感じました。

 前回と前々回は、共通の登場人物なども数多かったのですが、今回はそのあたりは控えめでした。とはいえ、神保チョウジ橋本ヨウヘイといったおなじみの名前も出てきます。前々回の「元運転士の酔いどれ部長」神保チョウジは、前回はなぜか女優・水上さくらのマネージャーを務めており、今回は亡くなった大富豪の家の執事になっています。設定が違いすぎて、同名の別人と思いたくなりますが、登場人物紹介欄にはちゃんと、

 ──鉄道運転手、女優のマネージャーなどの職歴がある

 と書かれていました。神出鬼没です。

 謎解きそのものに苦労したということはそれほど多くありませんでした。ただ、訪ねた駅で得られる情報を見間違えたために無駄に考え込んでしまったことが2回ほどありました。これはマダムが正しい情報を得ていたので、なんとか行き詰まらずに済んだようなもので、もう少し注意深く見なければいかんと思います。日曜ということもあってプレイヤーの数が多く、情報パネルのところにあまり長居していると気まずいという雰囲気があったのでした。また、遺憾ながらマダムがスマホで得ていた公式サイトのヒントに頼ったことも1、2回ありました。

 都営の最終目的地に着いて情報を得て、その入力送信などは帰宅してからおこないました。最終目的地からの帰宅は、できるだけ都営交通を使うようにしました。せっかく都営の一日券を買ったので、可能な限り使い倒したかったのです。結果、2本の都営地下鉄と1本の都営バスを乗り継いで、JRの王子駅まで戻り、そこから電車で帰りました。さてこれがヒントになるでしょうか。
 ともあれ長時間愉しめました。来シーズンも、開催されるなら参加したいと思っています。

 【後記】このときの詳細を記した解決篇はこちらです。

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