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「放課後の手紙と消えた彼女」解決篇(4) [趣味]

 10月6日(火)7日(水)に、マダムと私はJR東日本タカラッシュ!社による謎解きイベント「千葉房総を巡るナゾトキ宝探し・放課後の手紙と消えた彼女」をプレイしてきたわけですが、初日の午前中に第一章をクリア、その日のうちに第二章までクリアするという意気込みもむなしく、2日目の昼過ぎまでかかってようやく第二章のクリアキーワードを入手しました。安房鴨川駅の駅コンビニNewdaysのレジに行って、第二章の謎解きキットに含まれるトートバッグを見せ、クリアキーワード「これからもよろしくね」を店員に言うと、第三章たる「アナザーストーリー」の謎解きキットを貰えることになっています。
 いきなりレジへ行ってそんなことを口にするのはどうも恥ずかしかったので、まずコンビニで買い物をしました。ちょうど昼時で、おなかもすいていたのです。サンガ焼きおにぎりという、いかにも安房鴨川のご当地メニューっぽいものがあったので、それを買いました。ホテルでこそバイキングでたらふく食べましたが、前日の昼食は千葉駅前のフードコートでうどんや牛丼などのファストフード、この日の昼食はコンビニでおにぎりと、今回の食生活はわりと質素です。
 あとお茶などを持ってレジへ行き、精算を済ませてから、おずおずとトートバッグを見せました。
 「あの、これをやってるんですが」
 レジのおばちゃんはこともなげに、
 「はいよ、キーワードは?」
 と訊いてきました。マダムが答えると、紙の2枚入ったビニール袋をふたつくれました。1枚はスタートガイド、もう一枚が問題用紙でした。私たちは運良く、先着2000名に間に合ったようです。何番目くらいだったのだろう、と気になりました。
スタートガイドを見ると、このアナザーストーリーは第二章の7年後という設定だそうです。確か第二章は、2019年だかの日付の書かれた絵馬などが出てきましたから、設定時期は去年か今年でしょう。するとアナザーストーリーは、早くとも2026年、未来の物語であるようです。
 パズルを解いて次に下りる駅を割り出し、再びパズルを解いて駅からの行動を指示されるというシンプルな繰り返しで、第二章のような手の込んだ謎ではありませんが、安房鴨川から外房線を戻ってゆくという趣向であるようです。時間はそれなりにかかるでしょう。このストーリーは、第一章・第二章で「宮原いずみ」から謎を出されて右往左往していた主人公が、今度は自分のほうから彼女に謎を出した、というお話になっています。

 まずは安房鴨川での謎解きです。「謎1」はおなじみ文字拾い迷路で、全マスを1回ずつ通ってスタートからゴールまで抜けるというタイプ。で、通った文字の偶数番目を読めというのでした。やってみると、


 ごーるからすたーともういちど


 今度はゴールからはじめてみると、


 まがったやねのきゅうけいじょ


 下のほうに道案内がありました。駅を背にしてそのまま直進し、海に出る手前の公園で、「曲がった屋根の休憩所」の柱を見るように、とのことです。
 13時47分発の270M列車で安房鴨川を発つつもりでした。というか、その列車に乗らないと、マダムの晩の用事に間に合わなさそうです。この日はすでに3回も特急に乗っているので、なるべくならアナザーストーリーは普通列車で済ませたいと思いました。
 しかしすでに13時半を過ぎています。弱いながら雨も降り出しています。マダムは荷物が多いし、だいぶくたびれてもいるようでしたので、
 「ぼくだけ行ってこようか?」
 と訊ねました。
 自分も行きたい、と言い出すかと思ったら、
 「じゃ、お願い」
 との答えでした。やはり疲れていたのでしょう。
 当該の公園までは、案外と距離があり、私は往復だいぶ走りました。くだんの公園にはいくつかの屋根のついた休憩所がありましたが、ひとつだけその屋根が丸くなっているのがあり、そこに手がかりがありました。
 手早く手がかりを問題用紙に書き写し、駆け戻ったら、あと5分足らずで発車時刻というところで駅前の信号にひっかかってやきもきもしましたが、幸い信号の間隔は短く、駅に到着できました。
 公園で得られたのは「謎2」の手がかりで、図形を文字にある法則で変換するというもの。本当はこの手がかりにより「謎2」を解いてから列車に乗るべきでしたが、どうせ外房線を戻るだけですので、先に270Mに乗ってしまいました。


 図形を描画するのが面倒なので答えだけ言えば、「謎2」の答えは「ÕHARA」でした(Oの字の上は直線)。大原駅へ向かえということです。なるほど、いままで下りていない駅です。
 車内で「サンガ焼きおにぎり」を食べながら「謎3」に取り組みます。サンガ焼きというのは南房総の名物料理で、魚のすり身を鉄板で焼いた、まあ言ってみれば魚肉のハンバーグといった感じの食べ物ですが、それが酢飯の中に入れられておにぎりになっていました。酢飯の酸味とサンガ焼きの風味が良く合っていました。
 「謎3」のほうは、公園でえた手がかりをもういちど使い、妙な図形の付け加わったあみだくじを普通のものに直して、通路上にある文字を拾うというものでした。「謎2」で用いた法則どおりに変換します。「謎2」では文字に変換しましたが、文字と言っても電光掲示板に使っているみたいなカクカクした字体になっていたので、あみだくじの線を補完するのにも使えます。答えだけ書くと「けいじばん」でした。大原駅構内の案内図を見て、小学校へ向かう途中にある卍、つまりお寺に行くと、そのお寺の隣に神社があるそうです。神仏分離前は同じものだったのかもしれません。ともかくその神社にある「けいじばん」の下を見ろ、というのが次のミッションでした。


 大原には14時36分に到着しました。次の列車は15時41分発の274Mで、問題の案内図を見る限り、それまでに手がかりを得て戻ってくることは充分に可能だと判断しました。
 いすみ鉄道などに乗りに来たとき、大原駅には何度か訪れているのですが、駅から街に出ることはありませんでした。駅のすぐ前にある喫茶店が営業中でした。前日に外房線に乗りはじめてから、大網・上総一ノ宮・勝浦・安房鴨川で下車しましたが、駅前の喫茶店が営業しているというような駅は全然無かったように思います。どの駅前も、どうにも寂れているように見えました。平日の昼という、もともと閑散とした時間帯であることを差し引いても、あまり景気の良さそうな街は無さそうでした。
 コーヒーの値段も安そうだったので、戻ってきて時間があったら寄ってみようかとマダムに提案しました。マダムは一も二もなく賛成しました。
 案内図を見ていたとき、「放課後の手紙と消えた彼女」のトートバッグを持ったカップルと遭遇しました。彼らは私たちより先に外へ出て行きましたが、駅前の車道に出て歩きはじめても、彼らの姿は見えません。他に抜け道なども無さそうです。まるで見当外れの方角へ歩き出すほどに難しい地図でもありません。どうしたのかと思いました。彼らは前日に大網で行き逢ったプレイヤーではなかったかとマダムは言いましたが、それはよくわかりませんでした。
 駅前喫茶店は開いていましたが、車道に出るとおなじみのシャッター街です。潰れたスーパーマーケットなども見受けられました。肉屋が開いていましたが、看板の文字が落っこちてそのままになっています。知っている客しか来ないので、わざわざお金をかけて修理するほどのこともない、と思っているかのようです。何か街おこしはできないものでしょうか。
 6、7分ほど歩くと、大原寺があり、隣接して大原八幡神社がありました。神社のほうは「おおはら」八幡神社でしょうが、お寺のほうは「だいげんじ」と読むのでしょうか。掲示板はすぐ見つかりました。
 実は、それ以前に、私は次の目的地の見当がついていました。上に書いたように、大網・上総一ノ宮・勝浦・安房鴨川にすでに下車し、いま大原でも下りたわけです。いずれも、外房線のわりに大きな駅です。どうやら、特急の停まらないような小さな駅を扱うことは無さそうだと推測しました。だとすると、残っているのは茂原しかありません。特急停車駅は茂原の他、御宿上総興津安房小湊がありますが、上総興津と安房小湊は本来特急が停まるほどの駅ではなく、路線の末端で便数が少ないためにやむを得ず停車しているようなものです。御宿はそこそこ大きな駅ですが、すでに安房鴨川からの行程で通り過ぎており、大原からわざわざ逆戻りするようなことはあるまいと考えられました。
 さらに、「謎4」つまり次に向かう駅名が答えになるはずの問題の回答欄は、3文字分のマスになっています。もう「もばら」に決まったようなものだと思って、掲示板下のステッカーに書かれた手がかりを見ると、その手がかりを元に穴埋めをする問題で、非常に簡単だったのでその場で解いたところ、思った通り答えは「もばら」でした。


 簡単に手がかりが得られたので、予定どおり大原駅前の喫茶店に入りました。274Mが出るまで30分くらいは余裕があるはずです。
 入ってみると、さっきのカップルがゆったりと寛いで何やら食べていました。駅を出てすぐにここに入ったようです。どうやら、もっと早く着いて大原八幡神社でのミッションは済ませたものの、私たちの乗ってきた270Mに乗り損ねたのではないでしょうか。
 安いわりにとても香りの良いコーヒーを飲みながら、「謎5」に取り組みました。茂原駅からの行動指示で、ごく簡単な文字変換パズルを解いてみると、「あゆのや公園」という答えが出てきました。妙な名前なので、本当にこんな公園があるのかと疑いました。
 この喫茶店ではwi-fiが使えたので、すぐにタブレットを出し、「茂原 あゆのや公園」で検索してみました。すると、その名前の公園がちゃんと出てきました。地図も出たのでちゃんと憶えました。あゆのや公園の街灯か何かの根元に、最後の手がかりがあるはずです。
 274Mには高校生がたくさん乗りました。さっきのカップルも乗り込んだようですが、私たちはクロスシートを求めて先頭車両へ移動したので、その後のことは知りません。茂原でも下りたはずですが、見かけることはありませんでした。
 茂原着16時08分。ここは高架上の駅で、都会のようなにぎわいです。大網や大原などはつい最近になって市制が敷かれて(大網白里市いすみ市)その代表駅ということになりましたが、茂原はかなり昔から市であり、それなりの人口を抱えていました。高校生たちがどっと下ります。
 あゆのや公園へは、しばらく駅のガードに沿って歩くのがわかりやすそうだったので、そうしましたが、双方向に大量の高校生が歩いたり走ったりしており、やや歩きづらい気がしました。下りた高校生たちが一方向へ歩いてゆくのは、その方向に自転車置き場でもあるのでしょうか。
 ほどなく公園に着きました。大した遊具もない、ただの空き地という雰囲気の公園でしたが、その一角の街灯の下に、おなじみの宝箱が置かれていました。そこには、「最後の謎」の空欄を埋める手がかりが置かれていました。


 [星]を2つつくり、その後[スペード]を2つつくろう。そして、現れた指示に従おう。


 これで、アナザーストーリーで入手すべき手がかりは全部です。帰ることにしましょう。
 16時54分発の278Mに乗るつもりだったのですが、あゆのや公園が案外近かったので、その前の16時28分発4624Fに乗ることができました。22分で用を済ませてきたわけです。4624Fは横須賀線直通の快速です。千葉で乗り換えずに先へ行けるのでだいぶ楽です。いわばラストランナーだし、東京までは1時間半くらい乗ることになるので、ちょっとぜいたくしてグリーン車に乗ることにしました。湘南新宿ライン上野東京ラインのグリーン車にはときたま乗りますが、横須賀・総武快速のに乗るのははじめてです。乗車前にプラットフォームで手続きするのと、乗車後に車内で手続きするのとでは、料金が異なるので、プラットフォームでSUICAへの書き込みをしていると、電車が入ってきました。かなりあわただしく、飲み物の補充をする余裕もなく乗り込みました。
 前日に引き続き、この日も朝5時に起きて動き出しているので、グリーン席におさまると眠くなってきました。千葉を過ぎると、あとはほとんどうつらうつらしていたと思います。東京へは17時52分着。
 御茶ノ水の学校に向かうマダムは中央線に乗り、私は上野東京ラインで帰途につきました。千葉県を出てしまうと、2日間お世話になった「サンキューちばフリーパス」が使えませんので、川口駅の窓口で精算しました。市川からの乗り越しということになりました。実際にもそうであったわけですが、意外なことに、京葉線舞浜からの計算でも、常磐線松戸からの計算でも、川口では市川からと同額(480円)になるのでした。


 帰ってから、「最後の謎」を解きました。アナザーストーリーの問題用紙には、何箇所か落書きめいた絵が描いてあり、それを組み合わせて星印やスペード印ができあがるように紙を折ってみると、全体が組み合わさることで、中央に宝箱の絵、それを囲むように「フタヲヒラコウ」というカタカナの文字が浮かび上がりました。で、「フタ」にあたる折り目を開くと、宝箱の中に指輪が入っている絵に変わり、文字も「ケッコンシヨウ」となったのでした。
 小学5年生からはじまって、14年目のプロポーズだったわけでした。この最後のキーワードを専用サイトに送ると、プロポーズが受け容れられた旨のエピローグが流れて、終わりになったのでした。
 第二章に較べると、だいぶライトな謎解きでしたが、もともと「帰り道」というつもりのアナザーストーリーだったのでしょう。
 全部を終えてみると、外房線の主要駅に残らず途中下車するという、豪華なイベントでした。好みとしては、むしろ特急の通過するような小さな駅で下りてみたかった気もします。実際、第一章では船橋以外に快速停車駅が無かった(稲毛海岸も快速停車駅ですが、あのあたりは快速も各停化しているので……)ことを考えると、第二章以降でも小駅を舞台としても良かったように思えます。まあ、いざとなったら特急を利用して移動時間を短縮できるという点も重要だったのかもしれませんが。
 JR東日本千葉管内とタカラッシュ!社は、この外房線イベントと同時に、内房線を舞台とする「ちばたん」という謎解きイベントも実施しています。今年は難しいかもしれませんが、そちらもシリーズ化しているのならそのうち挑戦してみたいものです。


 最後になりましたが、ホテルで貰った「おまけ謎」について。
 A5サイズくらいの小さな紙片に記された「謎」でした。おなじみ文字拾い迷路ですが、うまく通らないと袋小路から「枕」が飛んでくるという趣向です。枕は正面からしか受け止められません。投げつけられる枕を、受け止めるか回避するかしてゴールまで進む、という問題でした。
 ゴールまで行ったら、途中で投げつけられなかった枕をチェックし、その枕の先にある文字を拾う、という、ちょっとだけ手の込んだ文字拾い迷路だったのでした。
 答えは「キオク」で、サイトに送信してもただ「正解!」と返されるだけの、本当に「おまけ」と言った感じの謎解きでした。
 このために無理に指定ホテルに泊まるほどのことは無いと思われるほどの簡単さでしたが、貰っていなければいないで、あとあとまで気になっていたでしょうから、まあ良かったのかもしれません。


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