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「6枚の写真に隠された秘密」リプレイ(2) [趣味]

 引き続き、1月21日にプレイした山手線の鉄道謎解き「6枚の写真に隠された秘密」のリプレイを。
 池袋で謎解きキットを入手し、新宿・上野・品川の各駅でそれぞれ謎解きを愉しんだ私は、品川駅の駅ビル・アトレの休憩所で、第二章以降の目的駅割り出しに取り組みました。第一章では3駅を訪れる必要がありましたが、第二章から第四章にかけては、一章につきひと駅ということになっているようです。
 しかし、駅名を割り出すパズルそのものは、全部その場で解けるていのものでした。つまり、第三章のパズルを解くために、第二章の謎解きで得られたなんらかのデータを用いる、というほどの仕掛けは施されていなかったのです。あとから考えれば、それがかえってまずかったようでもありますが。
 第二章の駅名割り出しパズルは、スケルトンの体裁をとっていました。ただし隣接した文字でも続けては読めないところがあったりと、ややご都合主義的なスケルトンではありますが。
 スケルトンに入れるべき言葉のヒントは一切無く、6つの空欄があるばかりです。ただその空欄が、第一章で割り出した駅名やキーワードを記入する空欄と同じ色と形をしていたので、「しんじゅく」「うえの」「しながわ」の3つの駅名、「たーみなる」「やたい」「とうかいどう」の3つのキーワードが「入れるべき言葉」なのだろうと想像がつきます。スケルトンの常として、唯一の6文字言葉である「とうかいどう」を先に記入すると、他の配置も決まってきます。
 いくつかのマスに数字がついており、その数字の順番がカギとして与えられていました。そのとおりに読んでみると「じえーわいじゅうし」、「え」の字に相当する2の数字は少し小さく書かれていたので「じぇーわいじゅうし」となります。駅番号JY14、目白駅が答えとなります。
 第三章は、紫・緑・黄色の矢印の先にそれぞれ「生き物」「身に付けるもの」「食べ物」と書かれています。そしてその下に「となるとき」とあり、青い矢印の先に「手がかりとなる駅名」つまり答えが示されることになっていました。矢印は少々不自然な形をしており、なんとなく見覚えがあります。
 実はこれまでの袋とじページに、謎解きキットに含まれていた6枚の写真を1枚ずつ貼付しています。と言っても糊付けしているわけではなく、ページにある斜めの切れ込みに写真の隅を差し込むという、何やら昔懐かしいような方法です。さて写真の裏は白いわけではなく、いろいろ妙な図柄が印刷されており、特に隅のほうは色がついていたりしました。それを切れ込みに差し込むと、ページの裏側ではちょうど色のついた小さな三角形が出てくる形になります。それが第三章のパズルの矢印と同じ形なのでした。
 新宿駅の写真では紫の矢印が現れています。この矢印はいままでさんざんお世話になっている地図のほうを向いています。地図には、いろんな文字の印が記入されていて、これまでも「思い出の謎」の場所を割り出すために利用していました。しかし、矢印の先をたどってみると、その先に地図上の文字印が一直線に並ぶようになっています。紫の矢印の先は、「た」「ぬ」「キ」となっていました。これが「生き物」のようです。
 同様に品川駅の写真の裏には緑の矢印が現れ、地図を見てみると「ユ」「び」「輪」が並びました。「身に付けるもの」ですね。
 上野駅では黄色の矢印で、同じように見てみると「ヤ」「き」「肉」と「食べ物」が出てきました。
 それでは青い矢印はどこかというと、第二章の目的地である目白駅の写真を貼付したときに出てきます。地図に眼を走らせると、「田」「バ」「た」という文字が並びました。第三章で向かうべきは田端駅です。
 さらに第四章ですが、これは若干の折り紙が必要でした。第三章のページを指示どおりに山折り谷折りし、さらに指示どおりに前のほうのページを挟み込むと、上野駅を割り出したクロスワードっぽい盤面が、半分隠れた形で提示されます。「緑のハートからたどり、行きどまりまで進め」という指示がありましたので、その盤面で実際にたどってみると、「やまとたにをいれかえろ」という文章が出てきました。第三章のページをもういちど折ると、こんどは他の場所にあったハートマークから、緑色のラインがつながって、裏表紙の山手線路線図に至りました。そしてその路線図は、折られたページにより半分ほど隠されています。隠される前の「終点」は、浜松町になっていました。
 第二章・目白、第三章・田端、第四章・浜松町という目的の駅が判明したわけです。
 ここで、第一章と同様、どの駅から訪れても謎解きに影響は無いと考えてしまったのがまずかったのでした。実際のところ、袋とじページを開けてみても、謎解きの感じは第一章と大差ありません。それぞれの駅へ行き、「思い出の謎」の場所を割り出してキーワードを入手するというだけのことです。
 しかし、わざわざ章を別にしてあったことの意味を考えるべきでした。第二章以降は、やはり順番に薦めなければならなかったのでした。
 私は品川駅からの便宜だけを考え、第四章の駅である浜松町にまず立ち寄ることにしました。そしてのちほど、大いに後悔することとなったのでした。

 品川駅から、また京浜東北線の電車に乗って浜松町へ。浜松町までは京浜東北線も山手線も全駅停車なのですが、たまたま京浜東北線電車のほうが先に来たのでした。
 浜松町駅の写真は、背後のビルや、写真に写っている電車が走る線路の配置などから判断して、北口側でした。上野駅の写真と同様、高架線を走る電車が目線と同じ高さに見えます。私が結婚式を挙げた世界貿易センタービルの向かい側のビルのデッキに行くと、アングルと同じ光景が確認できました。
 そこからまた看板かプレートを探す手順となります。今回は、線路のガードのところに表示された「制限高3.7m」という看板だったのですぐに見つかりました。袋とじ地図で見るべき文字は「制」です。線路の東側の、汐留ビルディングの入口附近と思われました。
 そこへ行くと、エスカレーター前に変なオブジェが置かれています。何やら非常に複雑な形に曲げられた金属パイプが何本も並んでいました。ゲームブックを見ると、「思い出の謎」はあみだくじになっており、その渡り線がオブジェの金属パイプと同じようなシルエットになっています。いくつかは同じでないものもあります。問題の趣旨は、そこに実際に存在する金属パイプのシルエットを消し、残った渡り線だけであみだくじをおこなえ、というものでした。
 くじは4本。スタート地点には1から4までの数字が記されています。くじの途中にはいくつかの文字が置かれており、1からたどってみると「ししおど」と拾えました。2からは「こうきし」、3からは「かくれん」、4からは「ものれー」と拾えました。足りない文字を順番に補うと、「し」「ん」「ぼ」「る」となります。キーワードは「シンボル」でした。

 次は順番からして第三章の田端となります。まだ京浜東北線の快速タイムは終わっていなかったので、私は迷わず京浜東北線の電車に乗りました。浜松町から田端まで、各駅停車だと11駅もありますが、快速なら5駅に過ぎません。
 田端は長いことChorus STの練習場所があった駅で、周辺のことも熟知しています。写真のアングルはすぐにわかりました。北口陸橋からの撮影に間違いありません。ただし、看板の発見にはちょっとだけ手間取りました。写真の場所からは少し離れていたのです。気がついてみるとなんのことはなく、すぐ側の田端文士村記念館の看板に過ぎなかったのですが。この記念館も、よく知る建物でした。
 地図上で目指すは「文」の印。学校ではありません。どうやら、北口陸橋をそのまま渡れば良さそうです。
 陸橋に隣接した遊歩道には、いくつもの鉄道記念物がオブジェとして設置されています。レールとか時計、車輪などなど。「思い出の謎」はそれらを用いた迷路で、スタートからゴールまで条件に従って進めば文字が拾えるというよくあるヤツでした。詳細は省きますが、拾えた文字は「てつどう」です。これが第三章のキーワードでした。

 田端から目白へ移動します。当然山手線電車に乗るわけですが、考えてみると、この日山手線の電車に乗ったのはこれがはじめてでした。池袋から新宿までは埼京線電車を使い、代々木から秋葉原まで総武線、あとは京浜東北線にしか乗っていません。山手線の謎解きイベントなのに、こんなことで良いのか、とセルフツッコミを入れました。
 そもそも厳密な意味での山手線は、起点が品川、終点が田端なのであって、田端から東京までは東北本線、東京から品川までは東海道本線に属します。最初の埼京線を別にすると、この目白への移動が、厳密にははじめての山手線区間とも言えるのでした。
 さて、目白駅の写真は、複々線の左から2本目に山手線の電車が写っておりますので、これも明らかに北側です。南側なら右2本が山手線走行路になるはずです。ここもアングルはすぐにわかりました。プレートもわかりやすく、陸橋の名前「めじろばし」です。その「め」を地図で探すと、目白駅そのものでした。というかわざわざ拡大図をつけてあります。
 「思い出の謎」は、目白駅の入口のところに掲示されていたポスターを題材としたものでした。この「6枚の写真に隠された秘密」イベント自体が属している「FUN! TOKYO!」キャンペーンのポスターなので、イベント開催中は間違いなく貼られっぱなしになっているはずです。どこかでこのポスターをネタにした謎が出てくるのではないかと思っていたのですが、最後の駅で遭遇したのでした。ただし、ゲームブックの上では第二章です。
 ここの設問は少々複雑ですので、詳細は省きます。ポスターに書かれている文字をもとにして、そこから上下左右あるいは斜めに隣接している文字を、記号に従って拾うというものでした。どの記号がどの向きを示しているのかは推理するしかありませんが、そんなに面倒ではありませんでした。ともあれ、出てきた答えは「しきさい」でした。
 第二章・目白駅「しきさい」、第三章・田端駅「てつどう」、第四章・浜松町駅「しんぼる」と、全部の駅でのキーワードが出揃いました。
 スタートからここまで、なんにも食べていないので、いささか空腹も覚えています。どこかフリーwi-fiが入っている店で、軽く昼食をとりたいと思いました。昼食と言っても、もう15時をだいぶ過ぎていましたが。
 駅前にドトールがあったので、フリーwi-fiが入っているのを確認して入りました。サンドイッチとアイスコーヒーを傍らに置いて、各章のキーワードを送信します。
 第一章のときと同じく、キーワードひとつごとにショートストーリーがひとつずつ展開します。そして、そのストーリーごとに「思い出のかけら」が与えられます。
 第二章の「しきさい」からは「アルファベット6文字」という「かけら」が。第三章の「てつどう」からは「山手線の軌跡を」という「かけら」が。
 ところが、第四章の「しんぼる」からのショートストーリーには、「かけら」が示されていませんでした。代わりに、次に行くべき場所の地図が表示されています。それは、竹芝桟橋の周辺の地図で、商業施設ウォーターズ竹芝のあたりに星印がつけられています。どうやら、最後の「かけら」を入手するためには、そこへ行かなければならないようです。物語は、第四章で終わりではなかったのです。いやむしろ、第四章は「思い出の謎」を入力した時点ではまだ終わりではなかったと言うべきでしょう。
 私は大きな失敗をしていたのでした。竹芝桟橋へは、浜松町駅からならさほどの距離ではありません。第二章から第四章へと、順番に従って謎を解いていたら、特に問題は無かったわけです。しかし私は、品川駅からの便宜を優先させて、最初に浜松町駅に立ち寄ってから、田端・目白と進んできました。竹芝桟橋へ行くためには、もういちど浜松町へ行かなければならないのです。目白から浜松町へは、内回りで14駅、外回りで16駅。山手線の駅同士としては最遠に近い区間です。
 さすがにがっかりしました。もっとも、順番に解いて行ったとして、浜松町駅で「しんぼる」というキーワードを得たあと、フリーwi-fiの使える場所をすぐに見つけられたかどうかも微妙ではありますが。

 私は山手線の電車に乗り、新宿まで行って、中央線快速で東京駅へ出ました。あいかわらず、山手線イベントなのに山手線以外の電車ばかり使っています。しかしこれでだいぶショートカットできたはずです。
 再び浜松町駅に下り立つと、そろそろ夕方の気配がしていました。周囲のビルからも、仕事帰りの会社員たちがちらほらと姿を見せています。
 竹芝桟橋まではさしたる距離ではないのですが、徒労感を覚えていたせいか、ずいぶん長く感じました。
 浜離宮の対岸のウォーターズ竹芝までやってきました。海を見たのは久しぶりな気がします。施設のどこへ行けば良いのかよくわかりませんでしたが、ありがたいことにそのあたりは屋外でもフリーwi-fiの圏内になっていて、地図を確認することができました。いくつかある建物のひとつの、入口を入ったあたりに、最後の「かけら」が掲示されていました。
 「写真の中」
 これで探索は終わり、あとは帰宅してからでも続けられるとのことです。
 浜松町駅まで戻る気力が無く、私はその近くの竹芝ふ頭駅からゆりかもめに乗りました。浜離宮の西側をぐるっと回る形で汐留へ、そしてちょっと向きを変えるとすぐに終点の新橋です。
 新橋でJRに乗り換えようとしているとき、また脚が攣(つ)りそうになりました。さっきも品川駅でそんなことがあったのですが、携帯電話についている万歩計によると、品川駅のところでは約1万歩、新橋では約2万歩をマークしていたようです。1万歩ごとに攣りそうになるとは律儀なことですが、最近長距離を歩く機会が減っていることを自認せざるを得ません。
 新橋から上野東京ラインに乗り、赤羽で乗り換えて帰宅しました。あらためて考えると、本当に山手線電車に乗ることの少ない山手線イベントであったと思います。田端~目白と、目白~新宿、そして東京~浜松町の3箇所だけしか乗っていません。電車への乗り降りは10回(池袋までの分は除く)もしているのに。ともあれ、都区内パスの元は充分に取れました。

 帰宅してから、先を進めます。
 「思い出のかけら」は組み合わせる順序も示されており、いくぶん補足するような文字も添えられていました。それによると、

 ──「写真の中」「山手線の軌跡を」「東京駅から」「内回りでたどれ」「よく見ること」が大切だ 最後の答えは「アルファベット6文字」だ

 とのこと。
 実は私はここで、少々先走ってしまいました。先ほど章の順序を考えずに謎解きをやって痛い目を見ましたが、そういう先走りを、私はわりとよくやらかします。しかしここでは、いちおう示された順序どおりに記しておきます。
 いままでゲームブックの切れ込みに差し込んだ写真をよく見ると、写っているレールのどこかに、ぼんやりと文字のようなものが浮かんでいることに気がつきます。新宿駅の写真では「回」の文字が、品川駅の写真では「押」の文字が。以降、上野駅「少」、目白駅「六」、田端駅「女」、浜松町駅「せ」となっています。
 これを、東京駅を出発点として山手線の内回りで順にたどると、上野ー田端ー目白ー新宿ー品川ー浜松町となり、対応する文字を並べると「少女六回押せ」となります。
 イベントのチラシやゲームブックの表紙など、いろいろなところに、後ろ姿の少女が登場しています。そもそもストーリーとしては、ゆきずりの少女の落としていったサコッシュバッグからこぼれ落ちた6枚の写真が謎解きのきっかけとなっていたのでした。
 と言っても、ゲームブック上の少女の絵を6回押しても、何も起こりそうにはありません。押すことでなんとかなりそうなのは、特設サイトの回答入力ページに描かれている同じ少女の絵です。
 絵を6回クリックすると──普通だとスマホの上などで実際「押す」ことになるのでしょう──、なるほど新しいページに飛ばされました。市松模様のように黒白が交互に並んだマス目、そしてその下に「ぐ→く」との文字。
 このマス目は、イベントの副題のように添えられていた、

 ──6つの駅を順にめぐり写真が導く物語

 という文言が書かれていたマス目と同じものであるように見えます。マス目の数もその配置も同じです。
 となると、この文言の中の「ぐ」を「く」に直すと、

 ──6つの駅を順にめくり写真が導く物語

 ということになります。
 私が先走ったというのは、「写真の中」という指示で、すでに写真の「裏」を覗き、袋とじページと合わせて何やら文字らしきものが判読できることに気づいてしまっていたことでした。それで、この最後の謎については瞬時に意味を理解してしまいました。この先走りが無ければ、もう少し悩んだことでしょう。
 ただし文字の正しい判読方法は、品川駅の駅名割り出しパズルの文章の中に書かれていました。「めくるときは紅いろに染まった罰、たちあらわれる迄めくる事、また駅とは、右うえの英じにて表される駅をさす事」と、かなり苦しい感じですが、いちおうヒントを与えようとしているのがわかります。
 袋とじページの右上隅を斜めにめくり、差し込んだ写真の裏の模様のようなものと合わせてゆき(そのため、写真は左上隅だけ切れ込みに挿さないようになっていました)、赤い×印(正確にはその一部)が見えるところで止めると、模様がローマ字の形になっていることがわかります。これをページの順番にやってゆくと、こういう文字が現れました。

 ──AN SW ERI SM EM ORY

 Answer is Memory. これが「6枚の写真に隠された秘密」の最後の答えでした。

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