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「6枚の写真に隠された秘密」リプレイ(1) [趣味]

 だいぶ前のことになりますが、今年の1月21日に、「6枚の写真に隠された秘密」という鉄道謎解きイベントに参加しました。やはり鉄道謎解きイベントである「小田急サスペンス劇場」と一緒にリプレイを書こうと思ったところ、小田急のほうだけで大層な分量になってしまったため、「6枚の写真」のほうはまた後日、ということにしました。
 そう書いて以来、すっかり日が経ってしまいました。リプレイはすぐ書く予定だったのですが、資料となるゲームブックをどこへやったのか見当たらなくて、探さなければと思いつつ、そんなに緊急性も感じていなかったためにそのままになってしまっていました。
 数日前、そのゲームブックを発見したので、だいぶ間が抜けてしまいましたが、いちおうその日のことを記しておこうと思います。もう半年近く前なのでだいぶ記憶も薄れていますが、イベントが終了したとはいえ特設サイトなどもまだ残ってはいるようなので、そのあたりを手がかりにして、思い出してゆくことにいたします。

 「6枚の写真に隠された秘密」は、山手線を舞台にした謎解きイベントです。「検索より探索・FUN! TOKYO!」というJR東日本のキャンペーンの一環としておこなわれていたイベントのひとつです。「FUN! TOKYO!」は、まあ東京の街歩きを楽しみ、再発見しようというようなキャンペーンですね。山手線内のいろんな駅をテーマにして、その周辺を掘り起こしてゆく感じです。それに乗って、謎解きイベントも開催されたわけです。
 企画制作は、NAZO×NAZO劇団というところでした。いままでやった謎解きイベントのスクラップタカラッシュ!ではない後発のイベント会社のようですが、この種の企業が増えているようですね。
 駅のチラシ置き場でこのイベントのことを知ったのでしたが、プレイするには謎解きキットを購入しなければならないようです。1100円なのでけっこうまとまった額です。また所要時間目安は6時間~とのことで、基本的には一日暇な日でないと難しいでしょう。
 マダムはそれほど食いついてこない感じだったので、それなら単独でプレイするかと思いました。であれば、そんなに日程を難しく考えることもなく、1月21日と決めたのでした。マダムは所用で一日中留守にしている日です。

 家を10時くらいに出て、まずはキットを入手しなくてはなりません。「地下謎への招待状」のように駅事務室で扱っているのではなく、特定のNewDays(JR東日本系のコンビニエンスストア)で売っているようです。販売店舗についてはチラシに書いてあり、私の家から出るのだと赤羽店が都合良さそうでした。
 ところが、去年の10月28日から開始されていたこのイベント、1月下旬ともなると売り切れの店舗も出てきていました。特設サイトで確認すると、赤羽店では売り切れてしまったようです。売切れたら補充はしないのでした。案外と人気のあるイベントであるのかもしれません。次に近いのは池袋西口店で、そこは売り切れてはいないようでしたが、私が行くまでに売り切れてしまうのではないかという強迫観念にかられます。
 池袋に着きましたが、NewDaysの池袋西口店というのがどこにあるのかわかりませんでした。構内案内図を見ても、NewDaysの表示はありません。西口側の地下道であるアップルロードオレンジロードを何度も往復しました。北口改札の隣にNewDaysがあるのを発見しましたが、どちらかというと東寄りであり、ここを西口店と見なすのは無理がありそうです。出入り口に支店名が表示されていないので絶対とは言えませんが、たぶん違うと思います。
 しまいには地上に上がって、西側面、つまり東武百貨店に沿って歩いてみたりもしましたが、NewDaysはありません。案内所の地図を眺めていたら、
 「どこかお探しでしょうか?」
 と案内嬢に訊かれてしまいました。教えて貰っても良いようなものですが、なんとなく気はずかしくて、
 「ああ、いや」
 とモゴモゴ言ってその場を離れてしまいました。いちどそんなことをしてしまった以上、もはや訊くこともできません。
 ようやく音声認識式の案内ボードを見つけました。それで
 「NewDays池袋西口店」
 と言ってみると、構内図の下のほうに向かって矢印が示されました。どうも、構内図におさまる場所には無かったようです。
 そちらに行ってみると、なんとJRのエリアを過ぎて、東武の乗り場をさらに過ぎた先にNewDaysがありました。JRエリアにあるはずだというのが先入観になって、東武エリアより先にあるとは思いもつかなかったのです。しかし、冷静に考えると、私はそこにNewDaysがあることを、前から認識はしていたのでした。何度も眼にとめていても、いざ探すとなるとなかなか見つからないというのは、これに限らずよくあることです。
 ようやくキットを入手できます。レジでそう言うと、店員のおばさんはしばらく首を傾げ、それから入り口近くに歩いて行って、何やら入った封筒のようなものを持ってきました。
 「これでしょうか?」
 と自信無げに言います。この店舗でキットを買い求める人はあまり居なかったのでしょうか。

 池袋でうろうろし過ぎて、せっかく早めに出てきたのに、開始がずいぶん遅くなりました。30分くらいロスしてしまった気がします。
 キットの袋をあけてみると、中にはゲームブック、「FUN! TOKYO!」のロゴの入ったトートバッグ、ペグシル、そして封筒がひとつ入っていました。封筒の中には6枚のカラー写真。ちゃんと写真用の用紙にプリントしたもので、なるほどこのあたりでコストがかかっているのかと納得しました。
 ゲームブックはやたら袋とじがたくさんある冊子で、まず第一章とされる3つの駅を割り出し、その駅へ行って探し物をするという趣向でした。
 山手線の駅で何度も乗り降りするので、都区内パスを買ってあります。780円で東京の23区内のJR路線がフリーパスになる切符です。赤羽で途中下車して買っておきました。初乗り区間でも、6回乗れば元が取れる計算になります。実際には初乗り区間だけということもないでしょう。

 まずは駅の割り出しです。これは池袋駅の構内に突っ立ったままで答えが出ました。1駅めは、まず「ヌ未ヌ金」と「ノ酉ノ日」という謎の文字が書かれたあいだに「????」とあり、1文字ずつに矢印が添えられています。答えは「ネ申ネ土」すなわち「神社」となります。ヌとノの間はネであり、あとは未と酉の間でこれは十二支名ですので申(さる)、金と日の間は曜日名で土です。
 これだけでは駅名にはなりません。次に、「19i・29ii・02i・11ii・13i→はんかがい」「25i・19iv・30iv・03iii・06iii→?????」とあります。「か」と「が」にまったく共通点の無い暗号ですので、ひらがなやローマ字をそのまま謎にしたわけではなさそうです。ちょっと考えると、数字は山手線の駅番号、小文字のローマ数字はその駅名の何番目の文字かということを表していることに思い至りました。19iとは山手線の「JY19」つまり原宿の最初の文字「は」、29iiとは「JY29」である新橋の2番目の文字「ん」といった具合です。ゲームブックの裏表紙に山手線の路線図が印刷されているので、数字と駅名の照合は簡単にできました。すると謎の答えは「しゅくはい」となります。
 以上2問の回答記入欄のいくつかの文字のところに、薄色で数字が印刷されており、その数字の順にひらがなを読んでみると「しんじゅく」となりました。
 2駅めは、何やらもったいぶった文章が原稿用紙のような罫線のついた解読盤に書かれています。その文章を読んでもさっぱり意味がつかめないのですが、これは最後のほうに赤字で記されたところだけ見れば充分なのでした。「漢なる字が、あなたたちを導いて誘う」とあります。実は解読盤の上で漢字で書かれている文字だけ拾ってみると、その配置自体が「品川」と読めるようになっていたのでした。
 3駅めは作業としてはちょっと手間取ります。クロスワードを斜めにしたような解読盤があり、いくつかのマスは黒塗りとなっています。またいくつかのマスには文字、あるいは記号が記されています。
 指示文によると、まずは丸印からスペード印まで最短距離で移動するときに、その経路上にある文字を拾わなければならないようです。経路は、黒マスか壁に突き当たるまでは直進、突き当たったら左右どちらかに折れるというルールです。
 やってみると、「星から六角へたどれ」という第二の指示文が出ました。それに従ってもういちど解読すると、こんどは「漢字のます塗りもう一度」。特に塗らなくとも、漢字の書かれているマスを黒マスと見なせば、そんなに苦労せず経路が選べます。もういちど星から六角へ、指示どおりに動いてみると、今回は文字数がごく少なく、「うえの」という3文字だけが出てきました。
 新宿・品川・上野。これが第一章で訪れるべき駅でした。訪れる順番はどうでも良い、と註記されています。
 ならば、池袋からいちばん近い新宿へ向かうのが手軽でしょう。私は山手線ではなく、埼京線の電車に乗りました。

 行き先がわかったところで、ゲームブックの袋とじページを開封します。すると、キットに入っていた写真のうち、その駅周辺に相当するものが指定されます。その写真が撮られた場所に行くのが第一段階となります。
 新宿駅の場合は、総武線の電車と山手線の電車がすれ違おうとしている写真であり、ちょっと先にはプラットフォームのようなものが見えます。明らかに新宿駅のプラットフォームではありません。写っているのは代々木駅でしょう。最近、新宿駅の範囲は南へ南へとぐんぐん拡がり、あと少しで代々木駅とくっつくのではないかというところまで来ています。昔、新宿駅構内に青梅街道駅というのがあったそうですが、この調子だとそのうち代々木駅も新宿駅構内ということになってしまうかもしれません。
 つまり、なるべく南側の歩道橋に行けば良いということになります。新南改札から出て、Suicaのペンギン広場というスペースに行くと、写真のアングルに相当する場所はすぐに見つかりました。
 で、その近くにプレートのようなものがあるのでそれを探せというのが次の指示です。このプレートを見つけるのに私はだいぶ手間取りました。上のほうにあるのだとばかり思って、近くの店舗などにまで入ってみたのですが見つかりません。足元に設置されていると気づくまで、余計な時間を費やしました。
 プレートの文字は問題では伏せられていましたが、East deck イーストデッキと書かれていました。このイの字にあたるところが赤くなっており、袋とじページにあった地図でイ印がついているところへ移動せよというのでした。どうやら高島屋のほうです。
 「思い出の謎」というのがそこにあるはずなのですが、これを探すのも少し手間取りました。高島屋のほうばかり見ていては発見できず、振り向いて線路側の壁を見ると該当するものが見つかりました。「FUN +WALK Project」と書いてあるプレートです。ゲームブックではやはり文字が伏せられており、いくつかの文字に相当するところに数字がついていました。その数字の順に文字を読むと、「terWNAL」、ただしWに相当する4という数字は上下逆向きに印刷されていましたので、Wを上下逆にし、「terMINAL」というのが新宿駅のキーワードなのでした。
 さて次に品川へ行くか上野へ行くか迷いましたが、新宿駅からだいぶ南へ歩いており、むしろ代々木のほうが近いくらいだったのでそちらに歩き、なおかつふと思い立って、山手線ではなく総武線の電車に乗り込んで秋葉原へ向かいました。こうすると上野がすぐ近くなので、先に上野を済ませることにしました。秋葉原からは、先に来た京浜東北線の電車に乗ったのでした。

 上野駅の写真も南側のようです。そして高架線を走る電車が同じ高さくらいに見えていますので、たぶん上野の山のどこかでしょう。公園口から出て、なるべく山沿いに歩いてみましたが、結局西郷さんの像のあたりまで行ってしまいました。そこからアメ横のあるあたりを見ると、ちょうど写真のアングルになっていました。
 何かの看板らしきものを探せという指示があり、ここでもしばらくうろつきましたが、なんのことはない、まさに「アメヤ横丁」という大きなゲートでした。ここでもアの字に相当する空欄が赤くなっており、袋とじページの地図でア印があるところに移動します。アメ横に入ってしばらく進むと道がY字に分岐しているのですが、ア印はまさにその分岐のところでした。そこには「賑わいの像」というあやしげな銅像が設置されています。どんな像かというとまったくあやしげとしか言いようがなく、大阪ビリケン像と東西軌を一にするシロモノです。
 この「にぎわい」という言葉をキーワードにして、文字盤から言葉を拾えというのが上野の「思い出の謎」でした。文字盤にはタテ5文字×ヨコ9文字のひらがなが並んでいます。で、「おかね」という言葉をキーワードにすると「れいだい」という言葉が出てくるのだが、この「にぎわい」をキーワードにして出てくるのはなんという言葉か、というわけです。
 文字盤から「お」「か」「ね」という文字を拾い出し、それを線で結ぶと、その線が「よす」「みよめ」という文字を通過します。そこで文字盤の四隅を読むと「れ」「い」「だ」「い」という文字が出てきました。
 同様に、「に」「ぎ」「わ」「い」を結んでみると、「こ」「のひと」「つした」という文字を通過しました。それで文字盤の中の「こ」という文字の下の字を拾うと、「や」「た」「い」となりました。これが上野駅のキーワードです。
 次は品川です。途中けっこう駅数があるので、快速運転中である京浜東北線の電車で向かいました。

 品川駅の写真も、駅のだいぶ南側と思われました。写真に写っている陸橋の柵の形を探してどんどん歩いてゆくと、ようやく八ツ山橋のところで該当するものを見つけました。ここでも新宿駅同様、プレートを見つける指示がありましたが、こんどは簡単に見つかります。橋の名前を記した看板です。
 袋とじページの地図の「八」印のところをチェックすると、港南口を出たところになるようです。そのまま橋を渡って線路の東側へ移れば簡単だったのですが、私はついうっかり、高輪口への道を歩きはじめてしまいました。高輪口から駅構内に入り、港南口まで抜ける距離の長いのなんの。確か品川駅というのは、日本でいちばん「幅のある」駅だったはず。急ぎ足で歩いていたら、脛のあたりが攣(つ)りそうになり、焦りました。
 港南口側のロータリーには大きなオブジェがあり、そのオブジェと同じ形のシルエットを持つ図を選べというのが品川の「思い出の謎」です。図にはひとつひとつ漢字が記されており、オブジェと同じシルエットのものを選んで読んでみると「東海道」と出てきました。これが品川駅のキーワードというわけです。
 これで「第一章」のキーワードは全部割り出せました。品川駅の駅ビル「アトレ」に入ってみると、幸いなことに無料wi-fiが入っているようだったので、ここまでの答えをサイトに送信します。私の旧式タブレットでも使えました。タカラッシュ!社のイベントでは送信ができなかったので、ややおそるおそるでしたが、問題なく進められそうです。
 キーワード「TERMINAL」「やたい」「東海道」をひとつずつ送信すると、それぞれにミニストーリーが示されました。そして、「思い出のかけら」なる言葉の断片を入手できました。これは最終問題にかかわるキーワードで、「東京駅から」「内回りでたどれ」「よく見ること」というものでした。それらを記入する欄もあります。
 さて、以上の作業を終えてから、第二章以降の駅を割り出す必要があります。少し手間がかかりそうでしたので、私はアトレの中の休憩所のベンチに陣取り、ふたたびゲームブックに向かいました。

 この項、続きます。

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