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スーパーマーケット激戦区 [いろいろ]

 私は毎日のように近所に買い物に行きますが、今のところに住んでいてつくづくありがたいと思うのは、スーパーマーケットの数が半端なく多い点です。徒歩で行ってもそんなに面倒でない範囲に6つくらいはありますし、自転車で動けばさらに5つ6つの店を活用することができます。それぞれに特色があり、特売日が違ったりもしていますから、日によって、あるいは買いたい品目によって、非常に選択肢を広くとることができるわけです。
 私の実家は東京の世田谷区にあって、住宅地としての格付けから言えば、私がいま住んでいる川口市などとは較べものにならないくらい高いと思われますが、実家の母が常用しているスーパーはひとつだけ、しかも途中の道に起伏があるので行くのもけっこう大変です(最近は電動自転車を使うようになったので、だいぶ楽になったようですが)。買い物の便宜から言えば、うちのほうが断然すぐれていると言わざるを得ません。

 うちの近所が最初からそうだったというわけではありません。私が住み始めた25年前は、5階建てのイトーヨーカドーがあり、その近くに2階建てのトポスがあり、かなり離れた場所にダイエーがあり、と、そのくらいだったと記憶しています。この3軒とも、いまは無くなっています。系列店に代わっただけのところもありますが、少なくとも元の店名では営業していません。
 この中で、トポスという店は商品が安いので有名で、特徴のある黄色いレジ袋を持っている人が、当時は電車の中でもよく見られました。電車に乗ってでもわざわざ買い物に来るだけの価値があったのです。
 ここで唐突にお断りいたしますが、この稿には事業者の実名がたくさん出てきますけれども、別にどこを宣伝しようとかどこを貶めようとかいう意図はさらさら無く、ただ単に一利用者の立場から感想を述べているだけであることをご諒解下さい。
 さて、そのトポスは10年余り利用していましたが、急に閉店してしまいました。いま調べてみたら、一時は全国展開していたトポスも、現在残っているのは北千住にただ一店のみで、ほとんどは親会社であったダイエーに吸収されたそうです。
 ダイエーのほうは、現在の埼玉高速鉄道・川口元郷駅の近くで、川口の本来の繁華街からは離れていたため、あまり利用することはありませんでした。クルマを持っていた短い期間にちょくちょく行ったのと、埼玉高速鉄道が開通してからはピアノ教室に教えに行く時などよく乗ったため、帰りなどに立ち寄ったりしていました。こちらは私が結婚して間もなく閉店しました。閉店セールで布団やマダムの寝間着を安く買ったのを思い出します。
 そんなこんなで、実際にはイトーヨーカドーを頼ることが多かったのでした。特に、住み始めて数年目に自転車を盗まれ、そのまましばらく自転車の無い生活が続いたので、もう少し遠くにあったであろう各店に足を運ぶ機会も無かったのです。

 私の結婚の少し前に、西友が開店しました。ここはイトーヨーカドーよりもうちから近く、しかも最初から24時間営業とあって、生活時間帯が普通より遅めの私にはありがたい存在となりました。トポスの跡地にはコモディイイダができていましたが、自転車を失ってからは少し遠めに感じられ、近くを通りかかった時くらいしか寄らなかったと思います。
 独身時代の最後期は、だいぶ西友のお世話になりましたが、いよいよマダムが住み始めた頃から、急激に増えてきた観があります。ひとつには、結婚の直前に足の骨を折って行動が不自由になり、十数年無しで済ませてきた自転車を購入したために、かえって行動範囲が拡がったという要因もあったかもしれません。
 マダムと一緒に歩いたり自転車に乗ったりしていて発見した店も多いのですが、いずれもけっこう新しく、以前には無かったと思われるスーパーでした。

 もとのイトーヨーカドーは、店舗を縮小して2階から上をテナント貸ししたりしていたと思ったら、急に閉店し、しばらくしてザ・プライスとなって復活しました。最近あちこちのイトーヨーカドーがこれに転身しているので、ご存じのかたも多いでしょうが、セブン&アイホールディングスの中でも安売りに特化した店舗です。いわばかつてのダイエーグループにおけるトポスを、イトーヨーカドーが真似したみたいな存在と言えましょう。西友ができてからはイトーヨーカドーにはあまり行かなくなっていたのですが、ザ・プライスになってからはまたしばしば通っています。
 イトーヨーカドーそのものは、駅からかなり離れた、もとサッポロビールの工場の跡地に立てられたショッピングモール「アリオ川口」の中に移りました。こちらはさすがに遠くて滅多に行きませんが、他の用事でアリオ川口を訪れた時には立ち寄ることもあります。
 もとのダイエーは、これもちょっとしたショッピングセンター「ミエルかわぐち」となり、スーパーマーケットとしてはその中の一テナントとして、地元チェーンであるヤオコーが入りました。
 そして、上記のコモディイイダ。
 新規店舗としては、まずマルエツがあります。川口駅附近の再開発でできた駅前ビル「キュポ・ラ」の中に設置され、とにかく駅からすぐという至便さがありがたい店です。
 それからOKがあります。ここはマダムと散歩をしている時に発見した店で、商品がおそろしく安いので驚きました。
 OKが安いと思っていたら、最近になって業務スーパー肉のハナマサが開店しました。いずれもザ・プライスの近くで、こんなに競合して良いのかと思うくらいです。
 あと、サミットストアベルクなども使えます。歩いてゆくのはちょっと願い下げにしたい距離ですが、自転車なら充分活用できます。最近、TESCOなども開店しました。
 なお、サミット、ヤオコー、コモディイイダに関しては、行動範囲内に2店舗ずつあります。ザ・プライスと同じくセブン&アイホールディングズに属するヨークマートも、常用するほどではありませんが、時々行くショッピングモール「ララガーデン川口」の中にあるので利用することがあります。

 そんなわけで、12~15店舗くらいのスーパーが、一応の行動範囲の中にあることになり、たいへん重宝しています。ここまで便利な場所は、日本中探してもそうそうは存在しないのではないかと思うくらいです。そんな場所を狙って住み始めたわけではなく、住んでいるうちにそういう場所になったというのがまた嬉しいところです。
 この中で、最近買い物に行く頻度が高いのは、ザ・プライス、OK、業務スーパー、肉のハナマサというところです。以前はコモディイイダに行くことも多かったのですが、価格的にあまりメリットを感じられなくなってしまい、この頃はご無沙汰しがちです。西友も、依然としてうちからいちばん近いスーパーであるにもかかわらず、頻度が減りましたし、それにいつ行っても空いていて、レジもふたつくらいしか開いていないのがやや印象を落としています。
 よく行く4店を較べてみると、どれも安売りをしていますが、それぞれに得意分野があって、物によって使い分けます。
 まずOKから言うと、ここは総体的になんでも安いのですが、特に冷凍食品などが秀逸。出来合いの惣菜とかのりまき、店内厨房で作っているパンなども大変低価格です。ただし野菜などはザ・プライスやハナマサに一歩を譲る感じです。肉の少量売り(トレーを使わずポリ袋に詰めてある)をしてくれるのがありがたい。妹の家の近くにも店舗があるらしく、OKのことを話題にすると、
 「そんなに安いかな?」
 と首を傾げていましたが、OKは「地域最安値」を標榜しているので、まわりの物価によって値段が違うのかもしれません。川口は激戦区なので、それだけ安くなっているということでしょうか。うちからは近いのですが、途中でJRの線路をくぐる地下道を通らなければならないため、マダムは少し敬遠気味です。
 ザ・プライスは野菜・果物の安さが嬉しい店です。それに対し、加工食品はあまりメリットを感じない気がします。
 業務スーパーと肉のハナマサは、もともとが業者向けの卸売り店なだけに、ちょっと癖がありますが、使いかたさえ心得れば、こんなに安くて便利な店はありません。業務スーパーは調味料などの調達にとりわけ威力を発揮します。食パンや菓子類、飲料、インスタント食品などでも強い味方です。この店の安さの理由は、宣伝広報をほとんどおこなわないことで、使わなかった宣伝費を価格に還元するという考え方で値引きしているそうです。
 肉のハナマサは、意外にも専門のはずの肉よりも、野菜や魚介類で重宝しています。肉は確かにコストパフォーマンスとしては良いのですが、個売りの単位が少々大きすぎて、夫婦ふたり暮らしの世帯では持て余し気味なのでした。ここがOKのような肉の少量売りを始めたらすごい破壊力になりそうですが、そうすると低価格が保てないのかもしれません。ともあれ、私たちがこの店にいちばん魅力を感じているのは魚です。たいていザ・プライスよりもOKよりも安上がりなのです。

 マルエツは駅前なだけに、電車で出かけた帰りなどによく立ち寄りますが、価格的にはあまり安値感がありません。以前うちに来た母が帰りに寄って、
 「大して安くないね」
 とがっかりして帰って行ったことがあります。キュポ・ラのテナント料もかなりの額になるのでしょう。ただ、他の店に先駆けて、新製品をお試しみたいな感じで並べてくれることがよくあるのが特色です。また、日によってえらく安売りをする分野があることもあります。
 ヤオコーは今となってはさしてお得感はありませんが、わりに行く機会が多くなっています。それは、ここの濾過水を利用しているからです。専用のボトルを購入させて、それに濾過水を無料で汲ませる店が最近増えましたが、うちではこのヤオコーのものを使っているわけです。2リットルボトルが2本あって、だいたい2、3日で使い切りますので、その都度汲みに行きます。ついでに買い物をすることもありますが、水汲みだけのために出かけることもしばしばです。もう少し近い店の水を汲むことにしておけば良かったのですが、マダムが
 「この重さを抱えて、この距離を歩いてくれば、けっこうダイエットになるから」
 と言ってボトルを買ってきてしまったのでした。しかしマダムの水汲みダイエットは数回で飽きられ、その後はもっぱら私が自転車で行って汲んでくることが多くなっています。
 サミット、ベルク、ヨークマート、TESCOなどは、見つけた当初は物珍しさがあってちょくちょく行きましたが、自転車であっても少々距離があり、近くを通りかかった時に立ち寄るくらいです。新聞の折り込みチラシが入ってくるのはこのあたりが多いのですが……。

 いささかスーパーが乱立気味のわが街ですが、これから淘汰されて減ってくるのか、それとも特色を活かし合って共存してゆくのか、それはわかりません。自転車でこそ十何軒を自在に廻ることができますが、徒歩であればさすがに数軒がせいぜいでしょうから、利用者を取り合って潰し合うみたいなことはそんなに起きないのかもしれません。
 しかしとにかく、激戦区であることは事実ですので、いろいろ工夫をしない店は撤退せざるを得ないことになることでしょう。私らが常用するほどの距離には無かったものの、わりに近くにあったいなげやが2軒ばかり撤退したのは、やはり競争の激しさに耐えきれなかったからでしょう。
 利用者としては、各店が価格と品質を競い合ってくれることを、今後とも期待したいところです。


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ヴィシソワーズ

スポーツクラブでは専ら、ザプライス、ハナマサ、業務スーパーが話題。バッタリ会うのもこの3店。フラダンスとヨガの仲間で、○曜日はサミット、○曜日はベルクという、ポイント命主婦も居ます。tescoは、ロンドンで利用していたので、懐かしいです。フランスのスーパーも来て欲しい~!!
by ヴィシソワーズ (2011-04-21 23:22) 

コンビニ作曲家MIC

#ヴィシソワーズ様
フランスのスーパーてモノプリですか(^_^;;
ただでさえ日本はスーパー乱立気味なので、割り込めるかどうか……
しかし選択肢が増えることは歓迎したいですにゃ。
by コンビニ作曲家MIC (2011-04-22 02:55) 

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