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「幽霊切符であいにいこう」リプレイ [趣味]

 今年の夏は、前半はそれほど猛暑日になることも無く、わりと過ごしやすいと思っていたのですが、後半になってから酷暑の日が続きます。昨日、8月30日(月)もとても暑かったのですが、私は懲りもせずに鉄道謎解きに出かけました。
 イベント期間は8月いっぱい、つまり今日が最終日です。終了ぎりぎりになってプレイしてきたわけです。それで、いつものように挑戦記と解決篇に分けることをせず、いきなり謎解きの様子を書くことにしました。
 今回は東武東上線を舞台にした「幽霊切符であいにいこう」という謎解きイベントです。いままで、東京メトロ都営地下鉄京王小田急西武都電日暮里・舎人ライナー、それにもちろんJR東日本などとタイアップした謎解きをやってきましたが、東武ではやってないのかな、と思って調べてみたらこのイベントがひっかかったのでした。発見したのがほんの数日前のことで、終了間際のようなのであわてて都合をつけてプレイしたのでした。その期間、マダムが暇な日は無さそうだったので、私単独での参加でした。
 私単独だと、スマホ利用を要求されるイベントは難しくなります。私はいまだにガラケーユーザーなのでした。wi-fiタブレットは持っているのですが、型が古いようで、搭載しているブラウザも古く、答えを送信したりする操作に対応していないのでした。普通なら「送信ボタン」というものが現れるべきところに、それが現れないのです。よくお目にかかるタカラッシュ!社の謎解きイベントではそれがネックになります。しかし、前に山手線の謎解きイベントを制作したNAZO×NAZO劇団というところのであれば、たぶん大丈夫だと思われます。今回の「幽霊切符であいにいこう」はNAZO×NAZO劇団の制作でした。

 7月20日~8月31日の開催ということで、明らかに子供の夏休みを想定しているようです。「東上線1日フリー乗車券」というのを購入すると「謎解きキット」が貰えるのですが、その値段が、大人1800円、子供640円というあからさまな差をつけられているのも、子供が主対象であることを暗示しています。それに、謎解きの難易度も、NAZO×NAZO劇団のサイトによれば、6段階中の「2」だそうで、全体的に子供向けであるようでした。もっとも「ボリューム」も「2」になっていて、それにしてはけっこう時間を食いましたが、基準としては5時間以下で済むのが「1」なんだそうで、「6」になると一日では終わらない分量になるようでした。ともかく、そんなに難しくはなさそうです。ただ東上線というかなり長い路線を舞台とするだけに、移動時間はそれなりにかかるということなのでしょう。

 朝9時ちょっと前に家を出ました。吹く風は涼しく、さすがに少し秋の気配がしてきたかなと、その時は思ったものでした。昼になるとそんなさわやかさはどこへやら、陽光がじりじりと照りつける猛暑日になってしまったのですが。
 東上線にはどこから乗っても良いらしいのですが、やはり最初は起点の池袋からはじめるべきかと思い、そちらへ向かいました。うちからだと、ほかに朝霞台北朝霞)、川越という選択肢もあるのですけれども、単純に、池袋までがいちばんJRの運賃が安い、ということもあります。
 赤羽から乗った埼京線の電車は、珍しく「海老名行き」でした。当初、新宿以北から相鉄に直通する電車は設定されていなかったのですが(逆向きは何本かあった)、最近は朝のうち7便ばかり走らせているようです。私の乗った赤羽発9時13分の便は、その最後のものでした。阪急電車みたいにオシャレな相鉄の12000系が来たらいいなあ、とちょっと期待しましたが、残念ながら普通の埼京線電車でした。
 池袋に着き、東上線の地上改札口に行って、有人のブースで1日フリー乗車券を求めました。駅員は同じ時期に発売している「SL大樹」の4周年記念切符(1000円)と間違えたらしく、私が2千円出して待っていると、
 「あれ、2枚でしたか」
 と言いました。
 「いえ、1枚ですが」
 「それなら1000円ですけど」
 「1800円と聞いたんですがね」
 「いや1000円……じゃなくて、ああ、東上線の……」
 ようやく納得したようで、私から2千円を受け取って、200円のお釣りとフリー乗車券を渡してきました。
 「それと、これ、謎解きのです」
 と、ビニール袋に入った冊子のようなものを手渡されました。フリー乗車券を買うと漏れなく謎解きキットがついてくるのであって、つまり西武の一日乗車券と同じく、イベントのためだけに設定されたフリーパスなのでした。駅員としては、いい年のおっさんがひとりで求めるとは思わなかったのかもしれません。
 それにしても、謎解きキットの配布は7000部だったか、無くなり次第企画終了と聞いており、閉幕1日前ではもう入手できないかとも思っていたので、すんなり購入できて何よりでした。
 謎解きキットなるものは、冊子と見えましたがA4見開き4ページだけの簡略なパンフレット、それにペグシルが1本入っているだけでした。1800円というのはこのキット込みの値段であるわけですが、少々高いようでもあります。

 まずは、そのパンフレットに記されている問題を解いて、訪れる駅を割り出さなければなりません。申し遅れましたが謎解きの設定は、東上線内で「池袋→川越町」と書かれた古い切符を拾ったところ、男の幽霊が姿を現し、その幽霊を助けるというものです。彼は誰かと約束してどこかへ行かなければならなかったのに、その行先をまったく忘れており、プレイヤーは彼の行くべき場所を突き止めるのが目的となります。ただし、突き止めるためになぜ謎を解かなければならないか、などのつっこんだ設定まではなされていません。
 池袋の東武改札前で、4つの駅はすぐさま割り出せました。まず「A駅」として、

  衣装(いしょう)が今日(きょう)になる島=石垣島(いしがきじま)
  青(あお)が泡(あわ)になる町=?

 「が」が含まれている地名などを使って、「○○が××」という方法で文字を変換するのは、この手のパズルではよく見かけます。「いし」が「き」じまでは「いしょう」が「ょう」になるわけですから、「あ」が「あ」になるのは「お」が「わ」ということで、小川町です。しょっぱなから最遠と言って良い駅名が出てきたので驚きました。東上線は池袋から寄居までですが、小川町から寄居までは便数も激減し、列車の編成も短くなり、運行上でもまったく独立していて、事実上は支線みたいなものです。小川町は運行上の終点と言っても良い駅なのです。東上線のほとんどすべてを使うことがわかって、なんだか嬉しくなりました。
 「B駅」は、「柿の右は『愛』、太刀の左は『何』のとき、坂の下は?」というなぞなぞです。問題文には全部ルビが振ってあるので、子供でもわかりやすいでしょう。五十音表で「かき」の右を見ると「あい」で、「たち」の左を見ると「なに」です。従って、「さか」の下を見ると「しき」であることがわかります。志木ですね。
 「C駅」は、「傘硬く木と軽いくるみとミルク要るかと聞く[ ? ]」という文章を完成させろ、というのでした。「くるみ」と「ミルク」、「軽い」と「要るか」あたりで回文だと気づきます。するとカッコの中は、「かさかた」の逆読み、「たかさか」……高坂となります。
 「D駅」は「セメントバコ」という文字列の上下に矢印がいくつもついています。セの上に矢印がふたつありますので、五十音順で考えるとシということになります。メには下向きの矢印がひとつついているのでモ。以下同様に変換してゆくと、下板橋となります。
 池袋から近いほうから並べてみると、下板橋・志木・高坂・小川町の4駅を訪ねなければなりません。相当にばらけています。駅ナンバーで言えば下板橋が03、志木が14、高坂は28、小川町は33です。
 よく読むと、この4つの駅を訪ねたあと、一旦池袋に戻ってこなければならないようです。そしてまた別の駅に移動することになるらしいのですが、池袋からはじめた場合は1往復以上することになり、なるほどこれは時間がかかるだろうと納得しました。謎解きの標準所要時間は5~7時間と書かれていました。
 ともあれ、9時32分発の各駅停車に乗って、イベントを開始しました。

 下板橋は2駅目であり、わずか3分で到着です。この駅は統合改札になっておらず、相対式プラットフォームのそれぞれに改札口がありますが、下り線のほうはラッシュ時以外閉鎖されています。日中は地下道を通って、上り線の改札のほうへ行かなければならないのでした。
 その改札の手前に手がかりの掲示があります。だいたいどの駅でも、イベントそのもののポスターの隣に貼られているので、わりにわかりやすくなっています。パターンはいずれも同じで、手がかりには地図が記されており、改札を出てから行くべき場所が示されています。そこへ行ってパンフレットに書かれている「第二章」の謎のカギを入手することになっているのでした。ちなみに「第一章」は上記の駅名割り出しです。
 下板橋の場合は、ほんの少し線路沿いに行った先にある記念碑がカギでした。パンフレットには、この記念碑の一部の写真の上に7つの丸印が印刷され、いちばん左に月、4番目に木、いちばん右に太陽が記されていました。こんなん、曜日名に決まってますがな、と、電車に乗ってすぐに見当をつけていましたが、はたして手がかり掲示には「水滴」と「炎」も記されていました。つまり記念碑の水曜と火曜にあたるところを読めば良いのでしょう。手がかり掲示にはそれ以外に、幽霊男のひとりごとが書かれていましたが、これは謎解きにはあんまり関係ありません。
 記念碑はすぐに見つかりました。「東上鐡道記念碑」と大書された石碑です。ただし右書きですので、見た目は「碑念記道鐵上東。この7文字を曜日に対応させ、水曜・火曜のところを読むと「記念」で、これが下板橋の答えとなります。
 なお東上鐡道というのは東上線が敷かれた時の企業名で、のちに東武に吸収合併されたわけです。東京と「上州」を結ぼうという遠大な計画でした。

 下板橋に到着して7分後、次の各駅停車に間に合いました。次に向かうのは志木ですので、各駅停車で終点の成増まで行き、そこで準急に乗り換えます。準急と言っても成増以遠は各駅停車になるので、実際には各駅停車を乗り継いだようなものです。
 志木駅の問題は、

  い お ぎ い さ
  み あ し か ず
  う ら っ こ い
  さ ぱ ん だ さ
  ら と く し わ

 と5×5のマス目に書かれた文字、それと「『パンダ』(の絵)が『笹』(の絵)を表す時、の中にいるものは何を表す?」という問題文からなっていました。そして駅の掲示に示された地図では、そのの位置が示されていました。
 この地図が非常に解読困難でした。私はまずその地図を頭に入れたつもりで駅の外に出て、結局わけがわからず駅前ビル「フォーシーズンズ志木」が果てるあたりまで歩いてしまい、こんなに遠いのはおかしいと思って地図を確認に戻りました。
 こんどは持ってきたタブレットで写真を撮り、今度こそと思って再びチャレンジしました。しかし、地図に描かれている駅前の様子が、どう見ても実際のものと対応しているように思えないのです。たとえば地図では駅前に、削いだように斜めの面を見せている建物があるようなのですが、そんな建物はまるで見当たりません。
 私は駅ビルの上階へ行ってあたりを見回し、さらにその駅ビルの最上階にある書店に入って地図帳を確認したりもしましたが、どう見ても掲示の地図とは一致しないようです。
 の場所にあるのは何かの石像らしいのですが、そんな石像らしきものも……と何度も周囲を見回します。
 何度目かに見回したところ、ようやく石像を発見しました。3匹のカッパの像です。地図に描かれていたのは建物ではなく、パスターミナルになっている駅前広場の安全地帯だったらしいのでした。
 カッパさえ確認できればもう解けたようなものです。「パンダ」が「笹」を表すというのは、文字盤の上から4行目を見ると「さぱんださ」となっており、パンダという言葉を「ささ」がはさんでいるのがわかります。同じように文字盤上で「かっぱ」を探してみると、右上から左下にかけて斜めのラインの上にありました。そしてその「かっぱ」を、「さら」という文字がはさんでいます。志木駅の答えは「さら」でした。他に「あしか」や「らっこ」もあってミスディレクションになっているというわけでしょう。
 志木市はなぜかカッパをシンボルキャラクターにしているらしく、駅にも「まねきがっぱ」の像がありました。カッパの像は他にも市内にいくつも設置されているそうです。
 それにしても、志木駅では時間を費やしてしまいました。下板橋では7分で片付いたものが、ここは10時11分到着で、急行電車に乗って出発したのが11時04分です。1時間近くかかったことになります。問題が難しかったのではなく地図の判読が難しかったのですが、ほかの駅でもこんな調子では先が思いやられます。

 ところでこのあたりまで、少し後に「川越特急」という種別の電車が追いかけてきているのに気がつきました。駅の電光掲示板で、2本くらいあとに示されています。
 東上線に川越特急という種別がしばらく前から投入されているのは知っていましたが、便数が著しく少ないので、どんな列車なのかは知りませんでした。さっき調べたら、TJライナーと同じ50090系、それもクロスシートモードで運行しているとのこと。もちろん特別料金は要りません。かつての特急とほぼ同じ停車駅で、ただ前は志木に停車していたのが朝霞台停車となったようです。ちょっと乗ってみたかったのですが、志木にも高坂にも停まらないので無理でした。平日下りは池袋発10時00分と11時00分だけで、それでは捕捉するのは難しいでしょう。
 さて、急行で高坂へ向かいます。志木からは約30分で、鉄道謎解きの途上での乗車時間としてはかなり長いほうです。
 高坂駅の掲示では、駅の外にある観光案内版(コースマップ)の位置を示し、そこで「オレンジの線に囲まれたところを左から読もう」と書かれていました。階段を下りると案内板はすぐに見つかり、志木駅でのような苦労はせずに済みました。
 案内板には、周辺の観光箇所やランドマークが、アイコンというか簡単なイラストで示されていました。パンフレットを見るとそれらのアイコンが印刷されています。また案内板では「まなびのみち」とかいう環状の散策ルートがオレンジ色で示されていました。これが「オレンジの線」でしょう。アイコンはその線の内側にも外側にも配置されていましたが、内側になっているアイコンだけパンフレット上でチェックしてみます。パンフレット上では、それぞれのアイコンに文字が添えられており、内側のアイコンの文字を左から読んでみると、

 ──青文字右から

 となりました。この「青文字」を、最初は案内板で唯一青い文字で書かれている「都幾川」のことかと思い、それを右から読むなら「川幾都」か、こりゃいったいなんじゃらホイ……と迷いましたが、実際にはもっと簡単に、パンフレット上の文字の色で考えれば良かったのでした。拾ってみると「線路」の2文字になります。

 乗ってきた電車の次(13分後)の急行電車に乗ります。もっとも急行と言っても、川越から先は各駅停車になっています。急行は半数が小川町行き、半数が森林公園行きですが、来たのは幸い小川町行きでした。
 すっかりひなびてきた車窓を眺めながら、先へと進みます。田んぼや雑木林が増え、古き武蔵野という感じの風景になりました。つきのわなどという新興住宅地ははさまりますが、それを過ぎると周囲はさらに田舎っぽくなります。武蔵嵐山の先では線路も単線になります。ちなみに武蔵嵐山~小川町間が東上線でもっとも長い駅間距離で、7キロほどあります。
 小川町着12時08分。こちらが到着するのとほぼ同時に、森林公園行きの短距離の各駅停車が発車しました。ふと見てみると、TJライナーの50090系で、しかもクロスシートモードになっているではありませんか!
 時間的に、到着した川越特急の間合い運用かもしれません。こんなのがあったとは……
 志木で時間を食ってしまったのが惜しまれます。
 ともあれ、小川町駅の掲示を見てみました。地図には「標識」の場所が示されています。行ってみるとすぐに見つかりましたが、「標識」というよりも「道しるべ」と呼んだほうがふさわしいような、木の柱に書かれた道案内でした。矢印の下に「官の倉山・館川ダム 和紙の里」と書かれています。パンフレットにもこの道しるべの写真が載せられており、「山」の字と「里」の字のところに丸印や星印がついていました。
 問題には、枕・路・真・線・実・切・電の七文字が大きく書かれており、その上に丸印と星印を半分ずつに分けてイコールで結んだ式がありました。
 「同じ法則の漢字を以下から選び熟語を作ろう」と指示があります。要するに左右対称になる文字を選べば良いのでしょう。答えは「真実」となります。

 さっきの森林公園行きの次の、12時22分発の快速電車に間に合いました。小川町には14分間の滞在でした。ここから一気に池袋まで戻ります。4つの駅で得られた答えを、池袋駅の定期券売り場で報告しなければなりません。この謎解きイベント、スマホは一切使いませんが、直接駅員に採点して貰うことになります。
 急行だと川越までえっちらおっちら各駅停車で行くことになり、いささかかったるいので、快速に乗れてラッキーでした。東上線では快速のほうが急行より上位で、東松山から通過運転となります。
 池袋での便宜を考えて先頭車輛に乗りましたが、前面の景色が眺められてなかなか楽しい旅路でした。最後までそんなに混むことも無く、1時間ちょっと乗り続けて、13時29分池袋着。
 すぐに定期券売り場に向かいます。答えを記入したパンフレットを差し出すときちょっと羞恥を覚えました。いいおっさんがひとりで何をやっているのかと思われまいかと、若干ひるんだのでした。
 しかし駅員は特になんの感情もあらわさずにパンフレットを見て、解答欄の脇にあるチェック欄に記入してゆきました。
 「え~と、真実、さら、線路、記念……と。はい、全問正解ですね」
 と言ってから、
 「じゃあこれが続きです。最後まで頑張ってください」
 とA4判の厚紙を渡してきました。次に行くべき駅を割り出すための問題と、駅に行ってからの行動指示が書かれていました。
 ところで空腹を覚えたので、池袋駅のすぐ外にあるサイゼリヤでランチを食べました。平日ですでにけっこう遅い時間なのに、ずいぶん混んでいました。待たされているあいだに、次の駅をあっさり割り出してしまいました。
 一切説明文は無く、オレンジ・紫・藍色・青・赤・緑・黒の帯が並んでいます。そしてオレンジと藍色以外の帯には、丸印がつけられています。
 一瞬で、東上線の路線図だとわかりました。オレンジはTJライナー、紫は川越特急、藍色は快速急行、青は快速、赤は急行、緑は準急、黒は各駅停車のシンボルカラーであり、路線図ではその色で列車種別を示しています。そして丸印はその種別が停車する駅を表します。
 オレンジと藍色、つまりTJライナーと快速急行以外全列車が停まるという駅はひとつしかありません。朝霞台です。川越特急は朝霞台に停まり、快速急行は通過します。その代わり快速急行は、特急の停車しない和光市と志木に停車します。さらにTJライナーは、和光市にも朝霞台にも志木にも停まらず、川越特急と快速急行が止まらないふじみ野に停まります。ややこしいようですが、この3種別は池袋~川越間ではそれぞれ別々の駅に停まり、川越以遠ではみんなおんなじ停車駅になるということです。 

 昼食を済ませて、14時25分発の準急に乗り、探索を再開します。一瞬、そのあとの快速を待とうかとも思ったのですが、朝霞台までなら停車駅の差は朝霞しか無く、さしたる違いも無いと考え直しました。しかし、和光市でメトロ副都心線から入ってきた急行電車(Fライナー)と一緒になり、複々線なのでほぼ同時に発車し、こちらが朝霞に停車しているあいだに向こうが通過していくのを見たときは、こん畜生と思わざるを得ませんでした。
 朝霞台の掲示は簡単明瞭でした。もはや改札外に出る必要もありません。約=日束=寺場=金所=童という「等式」が示されていました。そして新しく貰ったパンフレットの問題は、「約束の場所=[   ]というもの。先ほどの「等式」で、「約束」を「時」、「場所」を「鐘」と置き換えられますので、答えは明らかです。ただ私は最初、
 「時鐘(じしょう)ってなんだろう?」
 と迷いましたけれど、左項は「約束の場所」ですので「の」を入れなければならなかったのでした。「時の鐘」となれば、これはもう川越のシンボルみたいなものです。そして、この解答を、川越駅の定期券売り場に報告するようにという指示がありました。もう間違いは無さそうです。
 ストーリー設定としては、ここで同行の幽霊がすべてを思い出すことになっていました。彼は大正時代の貧乏画家で、川越の蔵元の令嬢と恋仲だったのだが引き裂かれそうになり、駆け落ちしようとして時の鐘で待ち合わせていたところ、なんらかの理由でそこに行けなかったということでした。子供向けを意識したイベントにしては「駆け落ち」などという設定はいかがなものかという気もしますが、「なんらかの理由」はそこまでにも、川越駅定期券売り場で貰ったエンディングの紙にも書かれていませんでした。「池袋→川越町」の切符が発端になっていることを考えると、池袋駅に向かう途上で交通事故にでも遭ったというところでしょうか。なお川越町というのは、現在の川越駅ではなく、川越市駅に当たります。
 川越駅の定期券売り場は、改札の近くには無く、正面に入口がある商業施設EQUiAの中にあって少々迷いましたが、無事解答を報告し、エンディングの紙と東武の車輛カードを3枚貰いました。クリア特典というヤツですね。
 もう東上線はすっかり堪能したので、川越からはJRで帰ろうかと思い、川口までの運賃を確認すると、思ったよりも高かったので、やはり池袋まで戻ることにしました。せっかくフリー乗車券があるのに、ばかばかしいと考えたのです。この日4度目になる川越~池袋間を急行で走り抜け、池袋から帰宅しました。
 最初に池袋から出発したせいもあって、東上線のほとんど全線を1往復、それに行程のだいたい中央にある川越までをさらに1往復乗ったことになります。営業キロ程で言うと189.2キロ、東京から静岡の少し先くらいまで乗ったのと同じ距離になります。文字どおり堪能した気分です。
 小田急などは、延長距離は東上線よりも長いのですが、小田急の謎解きイベントでは区切りごとの乗車時間がそう長くなく、しかも引き返したりすることも無かったので、スケール感としてはさほどのことも無かった気がします。
 今回の「幽霊切符であいにいこう」は、謎解きはごく易しいものでしたが、ボリューム感はかなりのものがありました。ランク「2」とは思えません。
 所要時間は、池袋から出て池袋に一旦戻るまでが約4時間、再び池袋を出て川越に着くまでが45分でした。かろうじて標準タイムを上回れたので満足ですが、それにつけても志木で1時間近く費やしてしまったのが残念です。ほかの駅では、到着した電車の次の便をほとんど見送ることなく乗れていたのでした。

 


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