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コロナ近況 [世の中]

 コロナ第7波がかなり深刻な状況になっているようです。
 いままでの蔓延時期に較べ、新規感染者がはるかに多いのが眼を惹きます。東京都などでは、一日3万人以上、日によっては4万人に達する陽性者が出ています。私の住んでいる埼玉県でも、1万人以上という日がちょくちょく見られるようになりました。グラフで見ると一目瞭然で、今年2月ごろに起こった第6波ですら、いまとなっては大した流行ではなかったように見えます。まして、去年夏の第5波、去年春の第4波、一昨年末から去年はじめにかけての第3波など、あれほど大騒ぎしたのはなんだったのだろうと不思議に思えるほどです。
 まあ、初期のコロナウイルスはけっこう兇悪でした。有名人が何人も死亡しました。重症化する患者も多く、基礎疾患を抱えていたりすると死亡率も高かったのです。第3波、第4波を惹き起こしたデルタ株などはだいぶ厄介でした。
 第5波がおさまったころからオミクロン株が蔓延しはじめました。今回のコロナウイルスの変異株にはギリシャ文字のアルファベットが使われています。デルタは4番目ですが、オミクロンは15番目の文字で、イプシロンからグザイまでの10種はいつどこで流行っていたのだろうかと首を傾げたものでした。俗説ではありますが、グザイは英語表記するとXiとなり、これは習近平の「習」のピンイン表記であるため、中国に媚びていたテドロスWHO委員長が、忖度して欠番にしたのだ、などという話がまことしやかに広まったりしました。
 オミクロンのあと、パイ、ロー、シグマ、タウ……と続くのかと思ったら、オミクロンBA1オミクロンBA2……とオミクロンの中での変異が起こるようになり、目下猛威をふるっているのはオミクロンBA5というわけです。それまでのアルファベットの違う変異株との差より小さいのか、それともこの分で行くとギリシャ文字を使い切ってしまいそうなので方針を変えたのか、それはわかりませんが、とりあえずパイ株、ロー株などはまだ出てきていないようです。
 オミクロンBA5には、「ケンタウロス」というあだ名がつけられた、とどこかで読んだ気がしますが、あまりその名で呼ぶ人は居ないようです。ギリシャ文字からギリシャ神話に移ったか、そうすると次はミノタウロスか……などと騒がれたわりには、知名度が高くない様子なのでした。
 オミクロン株は、重症化する確率はだいぶ低くなったものの、感染力はそれまでの変異株よりはるかに強いという性質を持っていたわけです。重症化の「率」は低くとも、感染者が急増したため、重症化患者の「数」は依然として多くなってしまい、医療の逼迫もなかなか改善されないということになるようです。
 検査を受ける人が増えて、そちらも大変なことになっているようです。私はここ1か月のあいだに、ちょっと必要があって2回無料検査を受けましたが、1度目は会場に行ってすぐ検査を受けられたのに、2度目に行ったときは整理券方式になっており、整理券を持っていない人は夕方に来るよう言われました。二度手間となったのです。
 手間がかかるだけならまだしも、知人で陽性になってしまった人は、どう考えても検査会場で感染したとしか思えない、と言っていました。本末転倒とはこのことでしょう。そういえば、初期のころ、野党やマスコミが、とにかく検査数を増やせと騒いでいたのを思い出します。検査数を増やせば問題は解決するとでも言いたげな雰囲気でした。連中はいまはどう言っているのか、較べてみると面白いかもしれません。

 重症化することは少なくなったとは言うものの、罹患してしまうとやはりイヤなものです。私は2月にやらかしましたが、来る日も来る日も微熱がとれないのにはうんざりしました。38度台にまで上がったことは2、3回しかありませんでしたが、37度台がずっと続きます。ときに36.8度とかになって色めき立つのですが、数時間後にはまた37.3度などに上がっていたりします。
 37度台の微熱などは、少し暖かくして水分なども多めにとれば、普通に仕事もできるようなものですが、それでも寝ていなければならないというのがやりきれなくもあります。
 10日間家にこもっていて、なんとか自宅療養期間を乗り切り、保健所から解除の許可が出たので、早速外出して散髪などしてきたのですが、えらく体力が落ちていて、帰宅するとぐったりとしました。もしかするとまた発熱していたかもしれません。
 私はそれでも軽症だったと言えます。後遺症として、咳が2ヶ月ばかり残りましたが、療養解除まではそんなに咳も出ていませんでしたし、微熱と軽い腰痛以外はほとんどめぼしい症状は無かったと思います。ひどい咳や鼻水、腹痛なども伴う人も多いようですので、こればかりは運としか言えないようでもあります。
 仕事が立て込んでいる時期でなかったのも、私は幸運でした。

 それにしても、そろそろワクチンではなく治療薬が出まわらないものかとじりじりする想いです。第4回だか第5回だかのワクチン接種も奨励されていますが、治療薬さえできれば、オミクロン株についてはもうインフルエンザと変わらなくなります。塩野義製薬が開発した薬の認可がひとまず見送られたのは残念でした。効果の証明が不充分だったということらしいですが、もう害さえなければいいじゃないかというような気分です。プラシーボ効果というものもありますし。
 インフルエンザにはすでに特効薬があり、私は何年か前に、久しぶりにインフルエンザにかかったとき、その効果に眼を瞠りました。39度越えの熱が出ており、ひどい腰痛で眠ることもあまりできないような状態だったのに、クリニックで薬を吸入させられたところ、その晩には熱が下がりはじめ、それまで出なかった汗が大量に出たと思ったら、翌朝には完全に平熱に戻っていたのです。タミフルではありませんでしたが何か似たような薬で、副作用に「幻覚」などという記載があったので驚いたものでした。熱が下がった晩は、短い夢を続けざまにいくつか見たと思うのですが、夢というより幻覚だったのかもしれません。
 ともあれインフルエンザの特効薬の効果は感動もので、その記憶があるために、今回のコロナの症状が、いつまでもだらだらねちねちと続くものであることにじれったさを感じざるを得ないのでした。
 もちろん、ワクチンが無意味であるとは思っていません。射つことで、罹患しづらくなるのは確かでしょうし、罹患した場合に症状が軽くて済むのも間違いは無いでしょう。射たないよりは射ったほうが良いことは言うまでもありません。
 しかし、国民の大半が3回もワクチンを射っていながら、それを嘲笑うかのように感染者数が激増しているのもまた事実です。やはり、いまや必要なのは新しいワクチンではなく、治療薬であろうと思うのです。
 2月のなかばに最初に発熱外来に行ったとき、渡されたのは鎮痛剤を兼ねた解熱剤と咳止め薬だけでした。これでは症状を少し抑えるだけで、病気を治す役にはまるで立たないだろうな、と思いました。検査結果が出たのは翌日でしたが、電話で伝えられただけで、別の薬を処方されることもありませんでした。とにかく貰った薬をある分だけ服んで、それでも痛みや熱が落ちなければまた追加するから、というだけで、要するに「治すための薬」はまだ全然できていないんだなあ、と慨嘆するしかなかったのでした。

 8月3日の午前零時の時点で、国内の感染者の延べ人数は1339万6481人。同じ人が何度も感染しているケースもあるので、いままで感染した人がこの人数というわけではないにせよ、すでに日本の人口の1割を超えています。
 東京都に限れば、延べ225万8473人で、6人にひとりという割合に迫っています。つまり、都内で10人の集まりがあれば、その中にひとりやふたりの感染者、感染経験者が含まれるのはもはや当然ということになります。どうも合唱の練習などはいよいよ旗色が悪くなってきているようでもあります。
 Chorus STでも、私を含めすでに4、5人が感染経験者となっています。コーロ・ステラでも同じくらい出ています。
 このふたつの合唱団では、メンバーが個々に罹患しただけのことですが、川口第九を歌う会ではクラスターが発生しています。毎年8月まで、初心者コースというのを本隊と別に設けて練習しているのですが、こちらで、参加者18名のうち8名が感染という、驚くべき事態が6月に起こりました。
 もちろん全員マスクを着用していましたし、それほど密集してもおらず、無駄な会話が多かったとも聞きません。しかも、練習会場はとあるスタジオだったのですが、そこは列車に使われているのと同じ、強力な換気装置が設置してあるのを自慢していました。もはや誰からどううつったものやら、まるきり見当がつきません。
 要は、誰がどのように貰ってしまうものか、まったく予測がつかない状況になっているとしか言いようがないわけです。それぞれがどれほど気をつけていても、誰が感染しても不思議でないような状態であるわけです。
 私が感染したときも、経路はほとんど見当がつきませんでした。もしかしたらあれかな、と思うことが無いではないのですが、そこで感染したのであればクラスターになっていてもおかしくないはずで、そんな話は聞こえてきません。
 一方、死者は微増してはいるものの、同じ3日のデータで3万3032人。感染者の400人にひとりくらいが亡くなっている計算になりますが、この日の増加数で見ると、新規感染者数24万9830人に対して、新規死者は169人、1500対1くらいの割合です。死亡率がどんどん下がっているのは事実であるようです。
 延べ人数では現在の状態はわかりづらいので、入院・療養者数を見ると、173万4592人だそうです。感染者のうち87%は治っているということになります。実は死んでいる人も含まれますが、割合としては0.25%くらいになるので、ほぼ無視して構いません。
 現在の入院・療養者のうち、重症であるのは478人だとのこと。3600人にひとりくらいですね。まあコロナの場合、中等症状でも素人目には重症に見えるということですから、478人以外の患者は放っておいても良い、ということにはなりませんが、それにしても死亡率、重症化率が、当初に較べると劇的に下がってきているということは言えるでしょう。これはもう、ありふれたインフルエンザよりもはるかに低いくらいです。
 だから、感染予防は大切だとしても、危険度は普通の風邪程度になってきていると考えて良さそうです。今後また変異株が出てくる可能性は否定できませんが、おそらく強毒化するということは無いのではないでしょうか。最初のころは「新型ウイルス肺炎」というのがもっぱらのニュースのヘッドラインでしたが、最近は「肺炎」という言葉はめっきり聞かなくなりました。
 ここで治療薬が出まわれば、コロナはほぼ恐れるほどのものではなくなると考えて良さそうです。塩野義はじめ、国内の製薬会社にはぜひ頑張って貰いたいところです。私もそれまで、2度目の感染ということにならないよう注意したいと思います。

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