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「名もなき本の最後の旅路」リプレイ(2) [趣味]

 少し前に、諸々の事情で昼過ぎからはじめ、前半までしかプレイできなかった鉄道謎解き「名もなき本の最後の旅路」。それから若干の日を経た9月30日、イベント期間最終日に、謎解きを再開します。
 前半は千葉まで行って中断しましたが、滞在中に次に向かう駅を割り出しました。京葉線新習志野です。当然今回は、新習志野に直行することにします。
 午前中、草加で用事のあったマダムと、南越谷新越谷)で待ち合わせます。新習志野ならば武蔵野線経由でも行けるので、草加に居た人と合流するなら南越谷が便利なのでした。
 前回の中断地点までは、錦糸町で謎解きをはじめてから5時間ほどかかっています。その中には亀戸の安食堂や幕張本郷のプロントでの滞在時間も含まれているので、実質は4時間というところでしょうか。謎解きの想定所要時間は「6時間~」となっているので、あと2、3時間あればクリアできるのではないかと思われました。
 私が載っていた武蔵野線電車に、マダムが南越谷から乗ってきました。電車は南船橋行きです。新習志野へは、南船橋で乗り換えてもうひと駅先へ行かなければならないのですが、ここの乗り継ぎが14分も待たされるというのでおやおやと思いました。どうも、すぐ乗り継げるのは快速電車だったようです。快速は新習志野に停車しないので、各停電車を待つと14分後ということになるらしいのでした。
 そんなこともあって、新習志野到着は14時12分になっていました。意外と時間が少ないかもしれません。

 新習志野駅では、まず駅前のモニュメントを見つける必要があります。新習志野駅前にはいくつかのモニュメントが設置されていましたが、目的とするのは駅舎を出て右側に行ったところにある、球から一部を切り欠いたような構造物でした。この球形が地球だとすると、赤道から南緯20度くらいまでを円盤状にすっぽり取り去ったみたいな形です。その取り去ったところには人がひとり入れるくらいの幅があります。
 謎解きキットに含まれる「小説本」最後の第6話の中では、このモニュメントがだんだん上空へ飛び立って行って、やがて空の彼方に見えなくなることになっていましたが、それが何を意味しているのかがなかなかわかりません。4人の天使がふたりずつ手をつないでいるとか、その上をモニュメントが赤い尾を引いて上昇してゆくとか、いくぶん精神状態を疑いたくなるような文章です。
 モニュメントのまわりをじっくり検分したり、隙間に入って見まわしたりしてみても、「天使」とか「赤い尾」に関係しそうなものは何も見当たりません。どうしたものかと首をひねりました。
 実は、モニュメントをいくら眺めてみても答えは出ないのでした。よくよく冊子を見ると、「現地でモニュメントの見た目を確認して解きましょう!」とはっきり書いてあります。問題は見た目だけであって、モニュメントの場所から何が見えるかとか、モニュメントの持つ意味とか、そんなことはなんの関係もなかったのです。
 岩波文庫めいた装丁の「小説本」には赤い帯がかかっていて、その折り返しのところに、薄い赤で描かれた円形と、円形を一部切り欠いたような図形が描かれています。この、一部切り欠いた円形というのが、モニュメントを平面化したものであるように見えます。
 また、「小説本」の表紙と裏表紙には、アラベスク(唐草模様)っぽい模様がついていますが、よく見ると上のほうに天使のシルエットが見えます。各ふたりずつ、全部で4人居るようです。文章の意味はこれだったのでしょう。
 若干の折り紙が必要なので、一旦坐りたいところです。また、マダムも私も昼食がまだだったので、駅前のマクドナルドに入りました。ほかにもいろいろ飲食店はあったのですが、そんなにがっつりと食べる気はせず軽く済ませたいのと、ある程度落ち着いて作業ができるのとを勘案した結果、マックが適当だろうと判断したのでした。
 表紙と裏表紙を、それぞれの天使が手をつないで見えるように折ってから本を拡げてみると、ちょうど帯と同じくらいの幅になりました。そして、上のほうに非常に細かい文字で

 ──ANOTAKAIUEKIATERO

 とローマ字が並んでいたのですけれども、表紙を折った結果、

 ──AIUEO

 だけが見えるようになっていました。
 赤帯のほうには、これまた細かいローマ字があたかも無原則のように印刷されています。
 本のうしろに、モニュメントの平面図形が上に出るように帯を渡してみると、まず帯の「G」と、表紙の「A」が並びました。
 帯を上にひっぱると、こんどは帯の「K」と表紙の「U」が並びます。さらにひっぱると、「B」「U]、「T」「I」の組み合わせが見て取れました。この操作が、「モニュメントが赤い尾を引いて空に飛び去る」に相当するのでした。
 がくぶち。こうなると、もうだいたいわかりました。表紙の上の母音字にわざわざ当てるまでもなく、帯のほうの文字の位置で見当がつきます。

 ──がくぶちのなか ひだりからきすう みぎからぐうすうでよめ

 全部解読すると、そういうことになりました。そして、これを踏まえて、新習志野駅の改札口を入った正面の「壁画」を見れば、次に向かうべき場所がわかるというのです。額縁というのは記憶にありました。壁面に、いろんなポスターが並んでいたのを見ています。
 しかし、実際に「読む」ためには、やはり改札内に戻らなければなりません。私らはマクドナルドを出ました。

 壁面を見ると、全体がタテ4行、ヨコ12列に区画されていることがわかりました。いちばん上の行はごく狭くなっています。3行めが、さっき見ていたポスターの並びです。1枚ずつ、あるいは2枚まとめて額縁に入っています。その行以外は、無地の色パネルと、柄の入ったパネルがバラバラに配置されています。
 「小説本」の赤帯の裏を見ると、同じように4行12列のマス目があって、最上段は壁面と同じ色・柄の配置となっています。2行めからはひとつのマスにひとつずつひらがなが入っています。どうやら、壁面の区画がそれぞれのひらがなに対応しているようです。
 「額縁の中」つまり3行めの、まず左から奇数番めを読んでゆくと、「がらのますひ」。次に右から偶数番めを読むと、いまのを反対から読んだ「ひすまのらが」となってしまい意味を成しません。しかし、右から奇数番めを読んでみるとこんどは「だりからよめ」となり、つなげると

 ──がらのます ひだりからよめ

 という指示文になりました。偶数じゃないじゃん、と思いましたが、「右から偶数番め」ではなく、「(左から数えて)偶数番めを右から」という意味であったようです。
 で、無地の色パネルではなく、柄の入ったパネルに対応する文字を読んでみると、

 ──のこりをみぎから

 という次なる指示が出ました。3行めのポスターの段と、いま読んだ柄パネルのところを除いて読んでみると、

 ──しおはまさんばんせこうえんのはこ

 なんだかよくわかりませんが、塩浜三番瀬公園というのがあるらしい。塩浜というからには市川塩浜駅の近くでしょう。この解読結果をLINEで報告すると、「正解!」のメッセージとともに、
 「『しおはまさんばんこうえんのはこ』が謎の答えになっておりますが、向かうべき公園「『塩浜三番瀬公園』の正しい読み方は『しおはまさんばんこうえん』です」
 と訂正のメッセージが入りました。タカラッシュ!社が問題を作成したときにそれと気づかず、イベントがはじまってから濁点がつくことをプレイヤーから指摘されたのではないかと思います。謎解きキットのほうを作り直す余裕は無く、LINEで訂正メッセージを入れることにしたのでしょう。
 ともあれ、地図データまで送られてきましたので、向かう駅は市川塩浜で間違いはありません。

 新習志野で下りたのもはじめてなら、市川塩浜で下りるのもはじめてのことです。何回かの謎解きの結果、いままで乗り降りしたことのない京葉線の駅にずいぶん立ち寄ったことに、いまさらながらに感慨を催しました。去年の「蜃気楼列車と追憶のカケラ」では葛西臨海公園・海浜幕張・蘇我に下りましたし、その前の年の「放課後の手紙と消えた彼女」では二俣新町・稲毛海岸・千葉みなとに下りました。葛西臨海公園と海浜幕張、千葉みなと以外は、鉄道謎解き以前に乗降したことはありません。そのほか、東京・八丁堀・越中島・新木場・舞浜・新浦安・新検見川には別件で乗降した経験がありますので、京葉線で乗り降りしたことのない駅は、なんと潮見と南船橋だけになりました。南船橋は、今回のように「乗り換えた」ことはありますが、改札を通った経験はありません。ともあれ、京葉線などという、自分の住んでいる場所とあんまり関係の無さそうな路線で、これほど各駅に馴染みができているということに不思議さを感じます。
 さて、市川塩浜は無人駅になったかと思われるようながらんとした駅で、下りた人も少ないようでした。地図の縮尺がわからないのでどのくらい歩かされるかと不安でしたが、ほんの300メートルほど行くとそこはもう海岸になっており、海岸の一区画が三番瀬公園となっていました。こんなに駅から近いところで海を見られるとは驚きました。
 平日の午後ですから、そんなに人は居ませんでしたが、同じ謎解きプレイヤーがひとり居り、カップルがひと組、それから海岸の突堤に何人か腰かけていました。
 「箱」というのを探すのに少し手間取りましたが、無事発見。タカラッシュ!のいつもの「宝箱」ではなく、アタッシュケースのような形をした箱で、「あっけない結末」と書かれたプレートが取り付けられていました。アタッシュケースには何も入っていなかった、という設定です。何かをはめこむためのような丸いくぼみだけがあったというのでした。この「あっけない結末」が第2章のクリアキーワードとなります。これをLINEで報告すると、話が進むのでした。
 主人公は「小説本」を、鉄道忘れ物市で見つけて買ったという設定になっています。鉄道忘れ物市といえば私たちも、近くのリリアホールの催し物広場で開催していたときに何度か足を運んだことがあります。傘がいちばん多いのですが、ほかにも本、食器、電子機器などなど、人間とはこれほど忘れ物をするものなのかと驚くほどにさまざまなものが売られていました。この「小説本」は、作者も作品名もネット検索にひっかからない無名のものだったのですが、主人公はこれ自体が暗号書なのではないかと疑いを持って探索をはじめたという体裁でした。
 そしていままでの謎を解き、最後の「箱」に辿り着いたわけですが、小説が書かれたのはかなり前のことだろうから、「箱」が空っぽなのも仕方がない、とあきらめかけるのでした。
 ところが……とLINE上で話が進むわけですが、主人公にある男性が声をかけてきます。主人公の持っている「小説本」を見て、それは私の作品だと言ってくるのでした。
 作者も作品名も無名なのは当然で、その「小説本」は彼が1年前、恋人へのプロポーズのためにただ1冊だけ作ったオリジナル本だったのでした。電車とサスペンス小説が好きな恋人のために、こんな大がかりな仕掛けを作ったのだそうです。謎を解き終えたら、アタッシュケースの中の婚約指輪に辿り着くという趣向だったわけです。
 しかし、「作者」は緊張のあまり、せっかく作った小説本と婚約指輪を、電車内に置き忘れてしまったというのでした。あわてて別の指輪を用意してプロポーズし、幸いなことに受諾して貰えて、いまは結婚して一緒に暮らしているとのこと。だからこの大がかりな謎解きも不要になったわけです。
 「作者」は紛失した小説本にめぐり合えて満足しているようでしたが、主人公は指輪が戻っていないことにひっかかります。指輪を見つけ出そうというのが最終ミッション、第3章となるのでした。

 第3章は、冊子の上で展開されるゲームブックみたいになっていました。主人公はあちこち移動しますが、プレイヤーはいちいち移動しなくても良いことになっています。冊子には「これ以降は先に読んでしまうとネタバレになるので注意してください」と警告が書かれていました。以前の謎解きイベントの冊子には、ページが袋とじになっているものもありましたが、今回は袋とじなどにする予算的余裕は無かったようです。
 ゲームブックとはいっても、間違った選択をしてもゲームオーバーになるわけではなく、もとの選択肢に戻されるだけなので、わりに気楽にプレイできます。むしろある程度間違った選択をしておいたほうが、あとで楽だったりもするのでした。主人公はまず、鉄道忘れ物について調べます。ほかの行動の選択肢もありましたが、結局そこに戻ってくるわけです。
 冊子の指示に従い、LINEに「鉄道忘れ物」と入力すると、あくまでゲーム上の設定ではありますが、拾得された駅に従っていくつかの特定の駅に集荷されるということがわかります。作者は新小岩駅で下りるときにブツを忘れたという情報が付加され、新小岩駅での拾得物が錦糸町になっていたことから、まずは錦糸町に向かいます。プレイヤーは向かう必要がありません。
 錦糸町の駅員に訊ねると、指輪のことは憶えが無いが、小説本については見憶えがあると言います。透明なしおりなんかがついていたので印象に残っていたとのこと。指輪については手掛かり無しかと落胆する主人公の前に、錦糸公園のロケットのことを教えてくれた少年が現れます。本は彼が拾って亀戸駅に届けたのだそうです。
 一緒に指輪が無かったかという主人公の質問に少年は言葉を濁し、宿題を代わりにやってくれたら話すと言います。この「宿題」はLINE上で、まっとうな算数の問題として出題され、プレイヤーがそれに答えなければなりません。まっとうな算数の問題ですから、からめ手は無く、まっとうに解かなければならないのでした。このクソガキめ、と毒づきながら解いてゆきます。さすがに誤答はしなかったものの、それなりに面倒でした。
 宿題をクリアすると、クソガキ、もとい少年は指輪について白状します。本は駅に届けたものの、指輪のほうはきれいだったので、自分の宝物にしようと思って持ち帰ったとのこと。しかし母親にばれて叱られ、一週間後に津田沼駅に届けたというのでした。
 主人公は津田沼駅を訪れます。しつこいようですがプレイヤーは訪れません。駅員に訊ねると、確かに1年前、指輪が届けられたそうです。持ち主が見つからなかった拾得物がどうなるかを説明してくれました。「発見された駅と日時を記した特殊なタグをつけて管理」などと、わりに重要なことを言っています。
 このあたりで鉄道忘れ物を扱っている業者「有限会社ロストプロパティ」に電話してみますが、商品についての問い合わせには答えられないとの返事。それならばと、現在鉄道忘れ物市をやっている新浦安駅に向かうことになります。ここで、「店員に話を聞く」「商品を見る」の選択肢があります。話が進むのは店員のほうですが、商品は見ておいたほうがあとが楽でした。なお商品は、LINE上で画像が送られてきます。問題の指輪はありません。
 店員に話を聞くと、店長ならわかるかもしれないと言って、店長が休憩している場所を教えてくれます。
 指示に従い「店長」とLINEに入力すると、実際に新浦安に行って店長と話をすることを求められました。「これが最後の移動です」とご丁寧な注釈がつけられていました。

 新浦安駅は、東京駅を除けば京葉線でいちばん栄えている駅かもしれません。立派な駅ビル「アトレ」があり、駅前も大規模商業施設がたくさん並んでいます。さて、問題の店長は、アトレに入ったところのドトールの廊下席に居ることが多いとのことでした。廊下の立席を眺めてゆくと、いちばん奥のところに「手がかりポスター」が貼ってありました。LINEで「最終推理」と入力するようにという指示があります。
 ドトールで飲み物と軽食を買って席につき、「最終推理」と送信すると、LINE上で店長との会話がはじまります。店長は指輪の存在を認め、あなたが持ち主であることを証明できたらお返しすると言いました。
 まず、指輪の容器の形状について訊ねられます。わざわざ「漢字1文字」で答えるようにとの注意書きがつけられていました。
 指輪の容器は、例の新習志野駅のモニュメントを模したものだったというような話があったので、最初私は「球」と入力しましたがNG。それから「円」と入力しましたがこれも違いました。漢字1文字で表せる図形の名前など限られています。「丸」が正解でした。アタッシュケースのくぼみの形を答えれば良かったのでした。
 次に、指輪のダイヤの形を訊ねられました。そんな話はいままで出てきていなかったと思いますが、千葉駅で折り紙を折って作ったリングのことを思い出しました。あれが指輪を模していたのではないかと思ってクリアバッグからひっぱり出し、その形状「ハート」を答えると、これは一発で正解です。
 それから、指輪についていたタグの内容を訊ねられます。ここからはけっこう難問と言えそうです。
 小説本の裏表紙に、それらしき文字列が印刷されていました。この文字列には気づいていましたが、てっきり書籍コードだとばかり思っていました。実はこれがタグで、印刷されていたのではなく「貼りつけられていた」設定だったのです。
 そのタグには「SBSKMID20210424」と記されていたので、まずこれをそのまま送信してみたらあえなくNG。
 後半の数字は日付ではないかと気がつきました。2021年4月24日で、設定として「1年前」なのでどうやらそのようです。すると、指輪は本の1週間後に届けられたわけですから、5月1日であるはず。こんどは「SBSKMID20210501」と送信したらまたもNGです。
 うーんと唸りつつ文字列を眺めていて、ひょっとして最初の3文字「SBS」は「総武線」なんではないかと思いつきました。次の「K」は駅名の頭文字ではないでしょうか。そのあとの「MID」はよくわかりませんが、とりあえず指輪の届けられたのが津田沼ですので、「K」を津田沼の頭文字「T」に変え、「SBSTMID20210501」と送信してみましたがやはりNGでした。
 首をひねりながら、ほかに手がかりは無いかと冊子やLINEを熟読します。
 と、さきほど「商品を見る」という、ゲーム進行上は無駄に思える選択肢がありましたが、その画像を再確認してみると、それぞれタグがついています。「SBSSKIW20020616」「KYSCBMNT20180715」「MSSIKON20161225」「SBSCB20191001」等々。
 最初の3文字が路線名であることは確かなようです。「KYS」は京葉線、「MSS」は武蔵野線でしょう。また、数字が日付であるのも間違いないでしょう。
 すると残りのローマ字ですが、これだけサンプルがあればさすがにひらめきました。駅名の子音字、あるいは特徴的な字を拾っているのです。総武線の「SKIW」は新小岩、京葉線の「CBMNT」は千葉みなと、武蔵野線の「IKON」は市川大野、「CB」は千葉に違いありません。
 すると「KMID」は亀戸しかないでしょう。私は愚かにも、「K」は錦糸町だとばかり思いこんでいたのでした。だから「MID」の意味がわからなかったわけですが、拾得物が集められていた駅ではなく、届けられた駅が問題なのだということを失念していたのです。
 そうとなれば正解は一目瞭然でした。

 ──SBSTDNM20210501

 もちろん「TDNM」は津田沼です。LINE上ではようやく話が進みました。
 最後に店長は、この指輪には持ち主と鑑定結果を知る者にしか知り得ない特徴があり、それを答えられたら持ち主と認めよう、と言います。そんなことを言われても、と思いますが、幸い
 『○○○の中に○○○○○である○.○が刻まれている』
 という「書式」が示されています。この伏字の部分を補って文章を完成させれば良いわけです。
 作者との話の中で、「妻のイニシャルをダイヤに彫った大切な指輪」ということが言われていたので、文章が『ダイヤの中にイニシャルである○.○が刻まれている』になることは確実です。伏字のあいだにピリオドが打たれていることからも、ここに「妻のイニシャル」が入るのも確定でしょう。で、問題は「妻のイニシャル」が何かということです。
 ふたたび冊子とこれまでのLINEを熟読しますが、それらしき記述はまったくありません。それならばと折り紙のリングをためつすがめつしますが、やはり見当がつきません。折り紙のリングには何箇所かにローマ字が印刷されているのですが、これがイニシャルだという決め手が無いのでした。
 しばらく折り紙リングをいじくっていましたが、ふと「ダイヤの中に」という作者の言葉を思い出し、ハート形の真ん中に通っている折り目を軽く押し開けてみると……「M.E」という文字が見て取れました。「E」のほうにはピリオドが無い点も、書式に合っています。

 ──ダイヤの中にイニシャルであるM.Eが刻まれている

 そう送信したら、無事エンディングを迎えることができました。イニシャル入りなので売ることができずに困っていたという店長は素直に指輪を渡してくれ、主人公は作者夫婦にその指輪を返して、めでたしめでたしとなったのでした。

 時刻は17時半をまわったところ。後半のプレイ時間は3時間半というところでした。マクドナルドでのロスタイムを差し引いても3時間でしょう。前半と合わせて7時間くらいかかったことになります。想定の最低所要時間より1時間ほど余計にかかりましたが、これはまあ仕方がないことです。
 それにしても、陽が落ちてから海辺の三番瀬公園などに行くはめになっていたらちょっと大変だったと思われ、先日無理して続けなくて良かったと安堵したのでした。
 マダムも結石を押してのプレイでした。今日現在で、まだ排出されていません。痛み止めを服む回数がだんだん多くなっているので、少々心配しています。しかし無事クリアできたのは何よりでした。
 後半はけっこう難しく、首をひねることも多かったせいか、帰りの電車では少々頭痛がしました。首のあたりが凝っていたようです。


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