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「地下謎2014REVIVAL」挑戦記 [日録]

 私らが最初にチャレンジした本格的な鉄道謎解きは、「地下謎への招待状2016」でした。その前にやった大原美術館とタイアップしたミステリーラリーは、訪れてスタンプを捺すべき駅の割り出しがパズルになっていただけで、最終問題以外は出先で謎を解く必要が無く、本格的とは言いがたいものでした。
 「地下謎への招待状」はそのときが第3回でした。どうも私らは第3回くらいから参加することが多いようです。都営&京王が主催する「鉄道探偵」シリーズも第3回からでした。
 scrap社が制作し、東京メトロが開催する「地下謎」は、毎年秋から翌年の春先ころまでおこなわれ、年々プレイヤーを増やしました。安からぬ「謎解きキット」を購入しなければなりませんが、特製24時間パスなどさまざまなギミック満載で、もともと迷宮のように複雑怪奇な東京メトロの路線や駅を「探検」するような気分が受けたのでしょう。
 第6回からは、テレビCMまで打たれるようになりました。「30万人が参加!」とか喧伝していました。
 しかし、それがかえって良くなかったかもしれません。
 プレイヤーが密集する箇所がいくつも発生してしまったのです。
 私の経験でも、ゴール地点はいつでも賑わっていましたし、2018の渋谷マークシティ出口附近とか、2019の日比谷ミッドタウン通路、東京ガーデンテラス紀尾井町のイベントスペースなど、地下謎プレイヤーで混雑していた場所はいくつも思い出します。
 謎解きキットを購入できる駅は限られていて、そこも混雑していたようです。最初にいくつかの謎を解いて、向かうべき駅を割り出さなければならないので、どうしても購入場所のあたりにプレイヤーがたまってしまうのでした。第4回からは、割り出したすべての駅を訪れなくとも良いような仕様となりました。少しでもプレイヤーを分散させようという意図からだったと思われますが、焼け石に水みたいなものでした。それに後半に行くべき駅はやはり決まっていたので、プレイヤーが集まってくるのを避けることはできません。
 結局「密」となり、コロナ禍のあおりをくらって、2020は開催を見送られました。
 2021も、コロナ禍はまったく落ち着いておらず、これも見送られました。
 2022も、特に宣伝ポスターを見かけなかったので、見送られたのだと思っていました。
 しかし、去年の年末になって、マダムが出先で、地下謎の謎解きキットらしきものを携えた人を見たと言ってきました。
 驚いて調べてみると、確かに今シーズンは「地下謎」が開催されているのでした。しかし「地下謎への招待状2022」ではありません。「2014REVIVAL」と称するイベントです。開催も12月22日から、まさに年末からだったのでした。
 タイトルのとおり、第1回である「地下謎への招待状2014」を再現したものであるようです。第7回とカウントされるものなのかどうかはわかりません。「2014」をプレイした人でも楽しめる、と書かれていましたので、8年前のイベントそのままではなく、多少変えてあるのでしょう。パズルの趣きは一緒で、出てくる答えが違っているとかでしょうか。私は2014をやっていないので、そのあたりはよくわかりませんが、逆に新鮮な気分で愉しめそうです。
 謎解きキットは、あらかじめ予約購入して、指定した駅で受け取るという方式になっていました。それも、受け取り日によって予約期間も違うという、ずいぶん慎重な配布方法になっていました。3年ぶりの開催とあって、どのくらいの人数が参加するか読めなかったのかもしれません。大量に用意して在庫を抱えたりするのも問題でしょうし、様子を見ながら作成することにしたのでしょう。

 イベント期間は3月19日まで、つまりあと1週間ちょっとというところですが、マダムの予定があけられたので、3月8日(水)にプレイすることにしました。ただし晩にはフランス語の授業があるので、18時くらいまでに終わらせなければなりません。
 10時半くらいに出かけるつもりだったのですが、マダムがなかなか起きて来ず、家を出たのは11時45分頃でした。謎解きキットは南北線王子駅で受け取ることになっています。
 引き換えのためのバウチャーをプリントアウトして持ってゆきました。王子駅の定期券売り場でそれを差し出すと、
 「えーと、スマホなんかで表示させられるようになってないですかね」
 と言われました。確かにQRコードをスマホで表示する方法もあったのですが、プリントアウトするやりかたでも構わないはずです。要するにQRコードを駅員側で読み取れれば良いわけで、こちらの媒体が紙でもスマホでも良かったはずなのですが、いままでの購入者がみんなスマホだったのかもしれません。
 「いえ、スマホには入れてきてないです」
 と答えると、その駅員は少々困った顔をしました。うしろからほかの駅員が、たぶん業務用のスマホを出して、
 「ほい、これで読めば大丈夫だよ」
 と言いました。
 問題なく引き換えられ、中に入っている特製24時間パスで改札を通ります。
 最初に駅を割り出すパズルを解くのに、坐れたほうが良いだろうと思い、プラットフォームのベンチを考えたのでしたが、この第1回の仕様では、この駅割り出しのパズルが、小手調べという感じではなく、いきなり本格的だったので、結局王子駅のプラットフォームに1時間近く滞在することになってしまいました。
 aからfまで、6つの駅を割り出さなければなりません。そして第1回の仕様では、その6つの駅をすべて訪れることになっています。
 割り出すための問題は、駅ごとに別々のカードに記されています。しかしカードは5枚しかなく、f駅を割り出すためのカードというのが存在しないのでした。
 とにかくa~eの5駅を決定しなければなりません。この第一段階で、すでに謎解きキットに含まれるいろんなアイテムを駆使しなければならず、ベンチに坐っているだけではなかなか大変で、テーブルが欲しいところでした。
 南北線の電車がひっきりなしに到着しては出発してゆきます。日中の運転間隔は6分おきくらいだったと思いますが、上下線があるので絶え間なくという印象です。それを次々と見送りながらパズルを解いてゆきます。
 そんなに難しいというほどのものでもないのですが、大きな路線図を拡げたり線を引いたり折り曲げたりしなければならず、どうしても時間がかかります。ようやく全部解いて、5つの駅を導き出したころには、もう13時近くになっていました。
 残念ながら、王子駅からはあまり近い駅がありませんでした。最初に向かった駅までも25分ほどを要します。

 駅がわかったら開け、という折り畳まれた紙が6枚入っています。まだ正体を顕さないf駅は別として、いちおうほかの5枚は開けることになります。糊付けされた紙を開くと、駅の正解と共に、その駅で解くべき謎が記されています。タカラッシュ!系の手がかりステッカーがあるわけではなくて、すでにその駅周辺にある標示板やパブリックアートなどがネタになっているのが「地下謎」の持ち味です。
 最初に向かった駅の謎は、よりによっていちばん難しいらしく、地下謎のシリーズキャラクターである黒い車掌が、「この謎はなかなか手強いぞ!」と豪語していました。折り紙もしなければならず、立ったままではなかなか大変だったのは事実です。しかも4段階くらいを踏まないと答えに辿り着きません。
 結局、そこの謎をクリアし終えると、もう14時くらいになっていました。この調子で進めるとすると、マダムのタイムリミットである18時までに全部解き終えられるかどうかは、かなり危うくなってきました。
 次の駅、その次の駅での謎解きはさほど難しくありませんでしたが、やはり時間はけっこうかかりました。駅の外に出て、ある程度の距離を散策するような問題も含まれていたのです。
 そのまま進めても良かったのですが、まだ昼食を食べていなかったのでマダムが不満そうです。もう昼食というより早夕という感じの時間帯になっていますが、第4の駅の謎をひとまず解いたところで、食堂に入りました。
 一旦落ち着いたのは、結果的には良かったようです。割り出しカードの無いf駅に関して、薄々勘づいていたことを試すことができました。実のところ、テーブルのようなものが無いと、試すことも面倒だったのです。f駅については思ったとおりの答えが出ました。

 さて、各駅に用意された謎を解くと、それぞれある言葉が導かれるようになっています。言葉の内容は駅名とはまったく関係がありません。それぞれの駅の言葉を見つけ出して、答え記入欄のマス目に字を埋めてゆくわけですが、そのマス目の大半に番号が振ってあります。その番号に従って文字を並べると、指示文が現れるという仕掛けでした。
 この答え記入欄にしても、それまでまったく触れられていない欄がひとつありました。駅名割り出しにおけるf駅のようなものです。足りないところをどうやって補うかというのも謎のひとつになっているのでした。しかし、この欄にしても、f駅と同じような方法で解明できるのではないかと予想していました。また、その欄以外の答えにより指示文のかなりの部分が埋まりますので、どんな指示文になるかも見当がつきました。
 食堂を出て、第5の駅に向かいました。ここはちょっと面白い趣向の謎が用意されていました。ある商業施設のフロアガイドを入手し、それを使って答えを導くというのです。
 そこから第6の駅、すなわちf駅へはわりと近かったのですが、f駅に用意されている謎は、屋外のオブジェをネタにしているようで、暗くなってくるとわかりづらいと思われます。そろそろ18時近いということもあって、ここで一旦中断することにしました。予定どおり10時半に出かけていれば、中断せずに済んだのかもしれませんが、もうそれは言っても詮無きことです。地下謎で一旦中断などということははじめてで、24時間パスが少々もったいない気がしました。

 2日後、すなわち今日(3月10日)、午前中用事のあったマダムと、14時にf駅で待ち合わせました。ちかくの公園にあるオブジェを見て回答するという趣向で、やはり暗いとやりづらかったようです。
 例の触れられていなかった答えの割り出しも、8日に帰宅したあとに済ませていました。マダムはまだやっていなかったので、近くのマクドナルドに入って誘導しながら解かせました。
 実はこれで、「LAST QUESTION」とされた問題の材料がすべて出そろったことになります。材料は3つあるのですが、ひとつは答え記入欄で出てきた指示文に従って折り紙をすることで出てくる駅名、もうふたつは駅の謎からダイレクトに答えとして出てくる言葉です。その片方がf駅の謎であったのでした。
 第7の駅に向かい、その近くにあるパブリックアートで最後の謎を解きます。最後はむしろあっけないような気がしました。「地下謎」は年を追うごとにいろいろフィードバックされて洗練され、小手調べ的な導入からだんだんと難しい謎に進んでゆくような構成がとられるようになりましたが、初回であった2014では、まだそういう構成の妙は見られなかったようです。しかしまあ、原点を味わうことができ、愉しめました。
 例によってネタバレを避けるために、わかりづらい記述になってしまいました。19日にイベント期間が終わるので、また解決篇でも書こうと思います。

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