SSブログ

ご無沙汰いたしました [お知らせ]

 来年のファミリー音楽会のための編曲作業に忙しく、3週間ほど日誌の更新が滞ってしまいました。ご心配をおかけして申し訳ございません。
 恒例の「10分間de」シリーズが、今回は「モルダウ」となりました。これまでは「新世界より」とか「惑星」とか「運命」とか、交響曲や交響組曲などを切り貼りし、メドレーっぽくまとめて10分間で聴かせるという方針だったのですけれども、今回は珍しく単独曲となったわけです。まあ、原曲は13分くらいかかる曲ですので、若干カットして縮めると言う形になったのでしたが。
 そして毎年、この枠には歌を加えるということになっています。主に合唱、それに独唱をつけることもあります。「新世界より」は第二楽章に歌詞がつけられて歌われていますので、もともとはそこだけ歌つきにするつもりだったのですが、それだけではつまらないような気がして、第三楽章と第四楽章の一部にもオリジナルの歌をつけてみました。第三楽章のほうは私が適当に宛て歌をしたのでしたが、第四楽章ではこの催しの名目上の主催者である板橋区に敬意を表して(媚びて?)、「緑と文化のかがやく街いたばし」というキャッチコピー(区内の掲示板などによく書かれている)をテキストとして歌うことにしてみました。
 このキャッチコピー、半ば悪乗りして翌年の「惑星」でも使い、その次の「運命」でも使ったら、なんだかすっかりお馴染みになってしまったらしく、去年の「第九」では使わなかったところ、だいぶ苦情を言われてしまいました。「第九」はもともと歌詞がついているわけで、そんな苦し紛れのテキストをねじ込む余地も無いと思って使わなかったのですが、

 ──なんで「緑と文化」が無いんだ?

 と言われ、意外な気がしたものでした。
 さてそれで、今回の「モルダウ」ですが、合唱を入れること自体は問題がありません。岩河三郎先生が作詞して、混声三部合唱にアレンジしたものが、いまでもたいていの中学生向け合唱曲集などに掲載されています。このヴァージョンは、前奏や後奏をごく簡略化し、中間部もシンプルなものに差し替え、4分程度で終わるように作られています。
 テキストはそれをそのまま用いることにしました。そうするとまた「緑と文化」が入らないことになりそうですが、そこはアイディア勝負です。
 「モルダウ」のラストには、連作交響詩『わが祖国』の第1曲「高い城壁(ヴィシェフラード)のモティーフが回想されます。岩河版では省略されている部分です。ここを活かし、そこに「緑と文化のかがやく街」のテキストをつけたのでした。

 それにしても、この「モルダウ」だけで、1週間ほどかかってしまいました。なぜそんなに手間取ったのか、自分でもよくわからないのですが、絶え間なく流れる弦楽器パートを連弾ピアノに落とし込むのが厄介だったのかもしれません。なにせ今回の楽器は、フルート・オーボエ・クラリネット・アルトサクソフォン・テナーサクソフォン・ホルン・ヴィオラが各1本ずつというけったいな編成です。ファミリー音楽会の場合、エントリーした演奏家協会員の中でなんとかしなければならないのであって、オペラのときのように運営側から出演をオファーするということは滅多にありません。これまでもいろいろ無理のある編成はやってきました。
 まあ私は「与えられた条件で最善を尽くす」ことがわりに好きで、無理な編成というのはむしろ望むところだったりします。ほかではまず使えないという点だけは残念ですが。
 とはいえ、ありきたりの編成に較べて頭を使うのは確かで、それで時間もかかってしまうということはあります。そんなこんなで、「モルダウ」の編曲には予想外の期間がかかってしまいました。
 できれば10月末の「出演者顔合わせ会」に曲を揃えたいと思っていました。まあ、この時点で全部揃っていなくとも構わないと言えば構わないのですけれども、遅くなると楽譜の配布などが面倒になります。なるべくなら揃えて貰いたい、というのが運営側の希望でしょう。
 今回、私は6曲ばかりの編曲をすることになっていました。曲数をかんがみて、顔合わせ会の半月ほど前から着手したのですが、「モルダウ」1曲で1週間かかってしまったので狼狽しました。あと1週間ほどで、残り5曲を仕上げなければなりません。久々に、危機感を覚えるようなスケジュールになってしまいました。しかもその中には、「美しく青きドナウ」のような、かなり長い曲も含まれていたのです。
 もちろん、編曲するだけが仕事ではなく、パート譜を作成したり、それを人数に応じて印刷したりする作業までおこなわなければなりません。最近、印刷はキンコーズにUSBメモリを持って行ってやることにしていますから、一日がかりというほどのことにはなりませんが、パート譜作成のほうはなかなか厄介です。
 編曲作業とパート譜作成作業は、かろうじて顔合わせ会の前日までに終わらせることができましたので、大宮のキンコーズに印刷に行きました。

 キンコーズは新しい形のコピー機を入れておりますので、きれいに印刷できて重宝するのですが、少々弱点もあります。
 そのひとつは、前のタイプの機械ではできていたはずのプレビュー表示がおこなわれなくなったことです。コンビニエンスストアに置かれているようなコピー機では必ずプレビュー機能がついているのに、キンコーズの機械についていないのはまことに解せません。
 USBメモリから直接印刷したいと思うとき、プレビューが無いのは非常に心許ないものがあります。特に私は、見開きにしたり両面印刷にしたりすることが多いので、あらかじめ印刷結果が見えていないと、ときとしてとんでもないことになってしまいます。実際、タテヨコがどうやってもうまく配置できないということもありました。店員に相談してみたら、何かデフォルトで決まっている設定に問題があったということがわかりましたが、そんなことは一利用者である私にはわかりようもないではありませんか。うっかり枚数セットした状態ではじめてしまって、何十枚も無駄にしたという経験もあります。
 今回は両面印刷はしなかったのでさほど失敗はありませんでしたが、はじめて経験するトラブルが発生しました。メモリの中の複数のファイルを選んで印刷を開始すると、高確率でエラーが出て機械が停まってしまうのです。
 「あ~、複数ファイルを選んでると、よくこうなるんですよね~」
 と店員が言っていました。それなら複数ファイルを選べるような仕様にしないでくれと言いたくなります。
 それでファイルをひとつずつ印刷せざるを得なくなりましたが、さらに鬼畜仕様なことに、この機械では「設定の記憶」ができないのです。最近はコンビニのコピー機でも、「同じ設定で続ける」というコマンドがあり、カラーかモノクロか、使う用紙はどの大きさか、拡大縮小率は何%か、見開き印刷をするかしないか、などの設定をそのまま引き継ぐことができるのに、キンコーズの機械でそれができないのはどうしたことでしょうか。
 いや、これも店員に訊いてみると、一般のコピーなら可能なのだそうです。ただUSBメモリからの読み込みではそれができないのだとか。
 おかげで、ひとつのファイルの印刷が終わると、ルートフォルダまで戻され、そこからふたたびフォルダをたどって目当てのファイルに行きつき、デフォルトでカラー印刷になっているのをモノクロに切り替え(そうしないと5倍くらいの料金になってしまう)、用紙サイズをA3に指定し(自動で設定させるといまひとつ信用できない)、応用設定ボタンと割付ボタンを捺して、見開き印刷にするために「1行×2列」と指定し、ようやく次のファイルを印刷することになります。ひとつのファイルにつき毎回10回くらいボタンを捺さなければなりません。
 そしてファイルがいくつあるかというと、どの曲も楽器が7~8個、それにピアノとヴォーカルスコア、そして全体のスコアがありますので、1曲につき10個か11個くらいのファイルということになります。つまり、60回くらい同じ作業を繰り返さなければならないのでした。だんだん動作のゲシュタルト崩壊をきたして、違うことをやってしまいそうになるのを抑えるのに苦労しました。
 複数ファイルの選択でエラーを起こさないか、あるいは前の印刷設定を引き継げる仕様にさえなっていれば、ここまで苦労しなくて良かったはずです。コピー機メーカーには強く要望を出したいところです。
 キンコーズのコピー機の機種変更がしばらく無いか、変更しても同じような機械なのであれば、次回からはパート譜を全部ひとつのファイルにまとめてしまうといった工夫が必要でしょう。以前はこんな大変な想いをした気がしないのですが、USBメモリから直接というやりかたをしていなかったかもしれません。

 そんな感じで、10月中は忙しい日を過ごしておりました。来月からはまた更新のペースを取り戻せると思います。今後とも、よろしくお願い申し上げます。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。