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刑事と警部と探偵と [いろいろ]

 子供の頃から翻訳推理小説を読んできていて、当然ながらそこには警察官がたくさん登場します。シャーロック・ホームズ物に登場した警察官をまとめた文章を書いたことがありますが、下っ端の巡査などを除いても、20人近くになりました。
 彼らは、ほとんどが「警部」ということになっています。いくつもの長短篇に登場するレストレイド警部グレッグスン警部、ある時期に繰り返し出てくるブラッドストリート警部ホプキンス警部などは比較的よく知られていますが、いちどしか出てこない警部もずいぶん居ます。警部でないのは、「海軍条約文書」に出てくるフォーブズ刑事「ソア橋事件」に出てくるコヴェントリー巡査部長くらいでしょうか。
 ホームズ物の初の完訳を成し遂げた延原謙氏が指摘していたことなのですが、実は原作者コナン・ドイルは、最初のころ警察の階級についてよく知らなかったのではないか、とのことでした。というのは、初期の長篇である「緋色の研究」「サインは"4"(四つの署名)」では、レストレイドやグレッグスン、あるいはアセルニー・ジョーンズのことを、Detectiveと書いてあるのだそうです。それで、どうも下っ端らしい無名の警察官がふたりで話しているのを、Inspectorsと記してあるらしい。

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