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ミステリーラリー2019挑戦記(その1) [日録]

 颱風10号が近づいて天候の不安定な今日でしたが、前からの予定どおり、ミステリーラリーをプレイしてきました。東京メトロと都内の公立ミュージアムとのコラボ企画で、地下鉄を使いつつあちこちの美術館・博物館を訪ねて謎解きをするというゲームです。私たちは秋~冬に、メトロの謎解きイベント「地下謎への招待状」シリーズと、都営地下鉄京王電鉄の謎解きイベント「鉄道探偵」シリーズをやっていますが、夏季のシリーズとしてはこのミステリーラリーが年中行事となりそうです。
 ただこのミステリーラリー、「地下謎」や「鉄道探偵」に較べるとかなりボリューミーです。それぞれのミュージアムに必ず入館しなければならないというわけでもないのですが、少なくともその入り口くらいまでは行く必要があります。そしてそれとは別に、地下鉄のいくつかの駅で途中下車しなければなりません。結局立ち寄る場所は十数箇所となり、一日で済ませようと思うと相当に忙しくなります。しかも、せっかくミュージアムに行ったのだから、展示を少しゆっくり見てきたいという気持ちにもなるものですから、なかなか一日では済まないのです。去年も2日間かけました。いわば「夏休み企画」であるだけに、規模が大きくなっているようです。
 今回も、今日一日では終了しませんでした。イベント期間は9月16日までなので、もう一日プレイ日を捻出しなければなりません。
 しかも企画の趣旨上、例によってネタバレになることは期間終了まで書けませんので、今日の記述は大変中途半端なことになりそうです。
 ただ、他のシリーズとは違って、このミステリーラリーでは、行くべき場所は最初から明かされています。
 国立新美術館国立西洋美術館東京国立近代美術館東京都美術館東京都写真美術館東京都庭園美術館東京都現代美術館江戸東京博物館の8館です。去年は現代美術館が含まれていませんでしたが、確か改装中だったか何かで、今年は名乗りを上げています。
 去年は、それぞれの美術館に行って謎を解くと、行くべき駅名が判明するということになっていました。そしてその駅に行くとまた別の謎が用意されていたのです。従って、駅名を明かすわけにはゆかなかったので、当日辿ったルートなども曖昧にして書かざるを得ませんでした。
 しかし今年はちょっと趣向を変えてありました。つまり、途中下車することになる駅もあらかじめ明かされていたのです。たぶん去年のゲームで、予定が立てられないにもほどがあるというようなクレームが多く寄せられたのではないでしょうか。
 立ち寄るべき駅は、京橋赤坂見附二重橋前霞ヶ関溜池山王半蔵門三越前の7駅です。これらの駅に行くと、謎が用意されているのではなくて、スタンプが用意されており、冊子の指定された欄にそのスタンプを捺してゆくといくつかの絵柄が浮かび上がり、それが「カギ」になってそこまでの謎を解く、という形です。
 従って、パズルの答えだけ書かないようにしておけば、今日の行動をかなり詳細に書いても大丈夫だということになります。

 ミュージアムの多くは、9時半とか10時に開館しますので、できれば9時頃に家を出てプレイ開始ということにしたかったのですが、お盆とはいえ電車が混んでいるのもイヤなので、まあ9時半くらいに出ようとマダムに言ってありました。
 ところが、その9時半近くなってもマダムは起きてきません。私は9時くらいに作業が終わるようにタイミングを見計らって洗濯をしており、マダムの寝ている部屋に部屋干ししていたのですが、どういうわけだかその気配にもいっこう起きる様子が無かったのでした。
 9時半ぎりぎりになって、ようやくマダムが起きてきましたが、それからのんびりと朝食をとり、結局家を出たのは10時40分になっていました。
 先月末、マダムがパナソニック汐留美術館「マイセン動物園展」を観に、私が国立博物館「三国志展」を観に行った際、それぞれにメトロ&ぐるっとパスを購入していたので、各自それを携えています。東京メトロの24時間パス2枚と、東京周辺のミュージアム(だけでなく、動物園なども含む)の入場券や割引券が何十館分も綴りになったクーポンがセットになったもので、このミステリーラリーでは利用を推奨されています。
 去年は上野駅で日比谷線乗り場まではるばる買いに行かなければなりませんでしたが、今年はダイレクトに東京都美術館──すぐ隣の大学に通っていた私たちは「トビカン」と呼んでいましたが──に向かいます。トビカンと西洋美術館の2館が上野にあるため、上野からはじめるのが妥当なのでした。私の家からいちばん近いところでもあります。
 トビカンでどの展示を観たかということになると、謎解きのネタバレになりますので申し上げられませんが、ともあれけっこうじっくり時間をかけて観てしまいました。ここはぐるっとパスが割引券ではなく入場券、つまり追加でお金を払うことなく観ることができるのですけれども、やはり「せっかく来たのだから……」という気分になってしまいます。
 トビカンでの謎を解いてから、西洋美術館へ移動しました。こちらは割引券ですので、窓口で入場券を買わなければなりません。ところが入場券売り場の前に、長蛇の列ができていました。列の最後尾のあたりに、「入場まで約20分」などと書かれたプラカードを持った兄さんが立っています。
 どうやら特別展で「松方コレクション展」をやっていたためと思われます。ミステリーラリーで入る必要があるのは常設展だけですので、その行列を尻目にさっさと入れる……かと思いきや、兇悪なことにチケット売り場は特別展も常設展も一緒くたで、常設展だけ観たい人も「約20分」の列に並ばなければならないのでした。窓口は3つあるのだから、うちひとつを常設展用にでもすれば良いものを、不合理きわまります。私ら以外にも、憤慨している人はけっこう居たようです。
 ここの常設展は去年もかなりじっくり観たのですが、今年は今年で、入るまでに時間がかかったこともあって、やはり謎解きに関するところだけチェックしてあとは素通りというのは忍びなく、ついついしっかり鑑賞してしまいました。宗教画の約束ごとなどがだんだんわかってくるにつれ、さらに面白くなります。マダムは私より美術には詳しいのですが、残念なことに聖書などをほとんど読んでいないので、画風とかそういったことには明るくとも、そもそも「何を」描いているのかがよくわかっていないようです。聖書くらい読んだらどうだ、と薦めているのですが、なかなかその気にならないらしい。美術だけでなく音楽にも大きく関わっているのですが。

 上野の2館だけでだいぶ時間を食ってしまいました。マダムが空腹を訴えたので、駅前の飲食店ビルで昼食をとりました。ようやく銀座線の改札を通り、24時間パスに使用開始時刻の印字をされたのを見ると、15時19分になっていました。去年は確か15時ちょうどでしたので、上野を出るのは今年のほうが遅くなってしまったことになります。去年より早く家を出てきたのに、どうしてこうなった……と思い返してみると、今年の「約20分」待ちもさることながら、去年はトビカンに入場していなかった(食堂で昼食は食べた)ことに気がつきました。「じっくり展示を観た」のが去年は1館だけ、今年は2館だったのですから、それは時間がかかったはずです。
 さて、上野で銀座線に乗ると、銀座線上にはスタンプ設置駅が4つもあります。しばらく銀座線に乗ったり下りたりしながらスタンプを捺してゆけば良いわけです。
 まずは三越前。スタンプ設置位置は銀座線からかなり離れた半蔵門線の改札の近くでした。半蔵門線上にもスタンプ設置駅やミュージアムがあるので、いっそ乗り換えてしまおうかとも思ったのですが、銀座線の次の設置駅である京橋が残ってしまって始末が悪そうだったので、長い通路を歩いてまた銀座線の改札に戻ってきました。
 京橋では、別の企画である子供向けスタンプラリーのスタンプと並んで置いてありました。冊子に捺すと、印影のまわりに緑色の枠のようなものがついてしまいました。ミステリーラリーのスタンプはインクをつける必要が無いのですが、どうも前に来た人が、間違えて子供向けのほうに用意されている緑のインク台に押しつけてから捺したんではないかと思われました。
 「普通、こんな間違いする?」
 とマダムがだいぶ憤慨していた様子ですが、まあ多少汚れてしまった程度で、印影には影響が無さそうだったので、そんなにおかんむりにならなくとも良さそうです。
 次は溜池山王。ここからさらに銀座線で赤坂見附へ向かうか、それとも南北線に乗り換えて白金台にある庭園美術館に行くか、少し迷ったのですが、スタンプの設置場所の関係もあって、南北線に乗ることにしました。
 庭園美術館は、白金台からでもその先の目黒からでも行ける……ということは、どちらの駅からもわりに離れています。無駄に深いように思える白金台の駅から地上に出ると、雨が降っていました。風もだいぶ強くて、むしろ風の中に水滴が舞っているような状態でした。私は傘を持ってきておらず、マダムは持ってはいたものの華奢な折り畳みの晴雨兼用傘で、強風にたちまちそっくり返ります。要するにあんまり役に立ちません。
 とにかく急ぎ足で庭園美術館に辿り着きましたが、本館入り口に着く頃には本降りになってしまいました。ここでの謎の第1問は、建物の入り口附近に存在するものがネタになっているのですが、それを確認するためには建物の外から眺めなければなりません。しかもわりと注意深く観察する必要があります。観察するのは屋根が着いている場所から可能だったものの、風雨が見る間に強くなって、土砂降りの様相をおびてきたのには参りました。
 庭園美術館では現在「1933年の室内装飾」という特別展をやっていました。1933年、つまり昭和8年というのは、この美術館の元となった朝香宮邸宅が落成した年です。それで、ふだんは公開していない部屋を見せたり、普通は置いていない家具を設置したりして、この建物自体を展示するという趣旨です。年に1回くらい、そういう趣旨の特別展をおこなっているそうです。
 マダムはいろんな機会に庭園美術館を訪れており、中の様子はひととおり知っているのですが、はじめて見る部屋がいくつかあったようで昂奮していました。
 それにしても落成が昭和8年とは知りませんでした。もう少し古い、大正年間くらいかと思っていたのです。戦後まもなく、皇族の財産はことごとく接収されましたので、たぶんこの邸宅も取り上げられてしまったのでしょう。大豪邸と言って良い屋敷ですが、宮様一家はここに、12年かそこらしか住むことができなかったわけです。なんともお気の毒と言うより他ありません。

 雨が止んでくれないと外に出られませんので、庭園美術館にもけっこう長いこと滞在しました。そのうち陽光がさし、青空が見えてきたのですが、雨はあいかわらずすごい勢いで降り続けています。いかにも颱風接近中を思わせるでたらめな天候です。
 いちおう止んだか、と思われるあたりで出てきましたが、また強まったりします。目黒駅に行く途中のカフェに入って時間をつぶしたりしました。
 あと恵比寿の写真美術館に立ち寄って終わりにしようと思います。すでに19時近くなって、開いているのがもうそこしか無いのでした。写真美術館は普通は18時閉館ですが、なぜか木曜と金曜だけは20時まで開いており、しかも夏休み中はナイトミュージアムという扱いになってさらに1時間延長されています。今回参加しているミュージアムは、いずれもナイトミュージアムの扱いがあるのですが、他のところはみんな金曜だけとか、金道と土曜とかで、木曜にナイトミュージアムをやっているのは写真美術館だけです。
 写真美術館は恵比寿ガーデンプレイスの中にあり、恵比寿駅からは4基の「動く歩道」を乗り継いでから道路を渡り、その先のどんづまりですから、かなり距離があります。とりわけメトロ日比谷線の乗り場からは遠く、去年は日比谷線の恵比寿からそこに行って、戻るのが面倒な気がしたものですから、そのまま目黒方面に歩いて庭園美術館まで行く、というルートをとりました。しかしこれもけっこう遠く、今回は陽も暮れているし、蒸し暑いし、いつまた雨が降るかわからないしということで、去年の逆向きに歩くということはやめ、普通に目黒から恵比寿まで1駅間、山手線に乗って移動しました。メトロのパスがあるのになんだかもったいない気がしますが、やむを得ません。もちろんメトロで移動することは可能ですが、南北線と日比谷線のあいだに接続駅が無いため、けっこうな迂回になります。
 JRの恵比寿駅からであれば、それなりに遠いもののうんざりするほどではありません。夜になって多少過ごしやすくなったようでもあり、「TOP MUSEUM」と看板の出た写真美術館まで気持ちよく歩きました。
 本来、ここの謎解きのためには、入場する必要はありません。しかしせっかく21時まで滞在できるので、謎解きをしたあと、展示を観てゆくことにしました。
 いくつか企画展をやっていましたが、ぐるっとパスですべて観られるというわけではなく、現在のところは「TOPコレクション イメージを読む 写真の時間」と称する3階の企画展だけだそうです。時間的にもそのくらいがちょうど良いでしょう。写真展というのは私はあんまり観ないほうですが、なかなか面白いと思いました。

 日比谷線乗り場まで蜿蜒と歩き、日比谷線の電車に乗って秋葉原まで行って、ラーメンを食べてから京浜東北線で帰りました。
 結局4館のかなり大型のミュージアムをハシゴしたようなもので、考えてみれば相当な強行軍です。ひとつひとつをそんなに堪能しなければ、もっと要領良く進められそうなのですが、ついつい見入ってしまうのでした。これでまだ半分なのですから、このミステリーラリーのボリュームはすごいと思います。
 なお、帰途にも何箇所か下車してスタンプを捺そうと思っていたのですが、それは無理でした。スタンプの設置が20時までで、それを過ぎると各駅で片づけてしまうのです。というわけで、あと4館と4駅が残っています。後半戦の実施日はまだ予定が立っていません。9月16日までに終えられるのだろうか……

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Pague

あと1日、どうにか都合をつけて頑張りませう[パンチ][ほっとした顔][るんるん]
by Pague (2019-08-16 22:58) 

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