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『地下謎2019』解決遍 [趣味]

 3月16日(日)に、『地下謎への招待状2019』のキャンペーン期間が終了しましたので、例によって解決篇を記しておこうと思います。
 私たちが今シーズン地下謎に挑んだのは、年明けの1月13日(成人の日)でした。昨シーズンなどは期間の最初の頃にプレイしたので、終了まで4ヶ月ほどもあり、細部の記憶など薄れつつありました。アップしない形で先に解決篇を書いておけば良かったと後悔したほどです。それに較べ、今シーズンは1ヶ月ちょっとしか経っていませんので、まだ記憶に新しいところです。
 このイベントに参加するのも、これで4回目となり、だいぶ設問の傾向などに馴れてきたのか、謎解きそのものにはそれほど苦労しなかった気がします。クリアしてから少し時間が余り、他のイベント(『天空ノ鉄道物語』に関連したスタンプラリー)も少し実行できたほどです。
 ただ、今回も後日(2月5日)に、「プレイ当日に行かなかった駅」を訪れてみました。それぞれの駅に設置された謎からは、実際に行った駅の謎と同じ答えが出ることにはなっているのですが、この中にはかなり難問が含まれていました。なぜその答えが導き出されるのかが思いつけなかったところもあり、当日にここを選んでいたら(つまり、答えを知らずに行っていたら)行き詰まったかもしれないと思いました。その意味では、選んだ駅が良かったということにもなりそうです。まあ、難問だったらマダムが迷い無く特設サイトのヒントページを見てカンニングしたでしょうから、実際に行き詰まってしまうことはなかったでしょうが。
 ともかく、答え合わせをしてゆきたいと思います。

 今回も、スタート駅は王子でした。ここで謎解きキットを購入します。キットは年々値上がりしていて、今回は2400円でした。消費税が上がったという以上に値上げしていて、やや便乗値上げの気配が無いでもありません。
 キットの内容は、ゲームの進めかたや謎そのものが書かれているガイドブック改札口の絵が書かれた紙、ところどころ文字がある迷路の書かれた紙、電車の前面を模したカード封筒ペグシル(鉛筆)、それにいつもの東京メトロ24時間パスが、ファイルバッグの中に入っています。このファイルバッグ、いつもは持ち手のついたクリアファイルという感じなのですが、今回のは少し大型で、持ち手は単なる切れ込みではなくビニールの紐(バンド状)がついています。この紐、わりとすぐファイルからとれてしまうので、よく見ると、尖端がそれぞれファイルの切れ込みに通されているだけで、糊付けとかはされていないのがわかりました。そして紐自体にもあれこれよくわからない模様が印刷されています。どう考えても、この紐を使う問題もありそうです。
 購入したキットを持って、南北線の改札を通ります。奥のほうに最初の問題が掲示されていました。これが1st Missionというわけです。
 というか、問題そのものはガイドブックに書いてあって、掲示されているのは解きかたとカギです。謎1は、メトロ号の窓を見るようにという指示と、「A……発車」「B……地下」「C……始発」という言葉が書いてありました。
 「メトロ号」というのは、上に書いた、電車の前面を模したカードに印刷された言葉です。このカード、上部に素通しの小窓が、その下に偏光板のようなシートを貼った大きな窓があいています。両面とも電車になっていますが、片方にメトロ号という字があるので、そちらが見えるように置けというわけです。
 ガイドブックの謎1のところには、迷路のようでそうでもない不思議なデザインの図形と、いくつかの文字が印刷されています。この文字の中から「発車」「地下」「始発」の3つの言葉を、電車カードの小窓に入るように置くと、大窓のほうには、それぞれ「T05」「H03」「Z11」と読めるように図形が切り取られていました。これらの英数字は、もちろんメトロの駅コードです。T05は東西線の5番目の駅・神楽坂であり、H03は日比谷線広尾、Z11は半蔵門線清澄白河にあたります。
 謎2は、ガイドブックにメトロの路線図の西北部分が抜き出されて表示されています。いくつかの駅には、●や▲や六角形やスペードのマークがつけられています。路線にはいろいろ文字が配置されています。そして、「路線図内で[   ]から[   ]までルールにしたがってたどれ」という問題文がありました。駅の掲示には、空欄の駅名と、ルールのカギになるマークが示されていました。駅名は麹町落合。カギのほうはスペードマークで、つまりスペードのつけられた駅(市ヶ谷永田町表参道外苑前北参道西早稲田飯田橋早稲田高田馬場)をすべて通り、かつ同じ駅を2回通らないようにして2駅間を移動しろというわけです。
 正解のルートを割り出し、そのルート上に配置された文字を拾うと、意味のある文章が出てくるのでした。
 正解のルートは、上に書いたスペードマーク駅の順にたどるようにすれば良いのですが、そのルート上の文字を拾うと、「つきじがDみツこシまエがEユしまがF」となります。「築地がD、三越前がE、湯島がF」です。これで謎1と合わせ、6つの駅が導き出されました。
 全部の駅に行く必要は無く、謎1の3駅、謎2の3駅からそれぞれひとつずつ選んで訪れれば先へ進めるようになっています。ガイドブックには、それぞれの駅に設置された謎を解くまでの標準タイムが記されており、さらにその歩くコースに段差があるか無いかというところまで註記されていました。地下謎は「街歩きイベント」でもあるので、駅から外へ出て歩き回る必要があるのです。標準タイムは、謎の難しさというより、徒歩の所要時間のほうに大きく依存しています。
 ただFの湯島は「高難度駅」とされていました。歩く時間はさほどでもないのですが、ここだけは謎解きに非常に時間がかかるという設定で、上級者向けと言えるでしょう。
 私たちは、謎1から神楽坂を、謎2から三越前を選んで訪れることにしました。王子からだと、飯田橋で東西線に乗り換えてまず神楽坂へ、それから九段下で半蔵門線に乗り換えて三越前へ、というルートで、かなりコンパクトに移動できます。

 神楽坂と三越前の問題が「2nd Mission」ということになります。ガイドブックの袋とじのところを開けると、それぞれの駅周辺の簡単な案内と、次の謎が記されています。
 2nd Missionでは、ふたつの駅で合計4つのキーワードを求めることになります。まず神楽坂で2問。1問めは地下謎ではよくある、穴埋め文章題です。文章に従って街中を歩き、文章中の空欄を埋めてゆくのですが、今回はその空欄がすべて色の名前になっており、文章の下にある図形で空欄に入る名前の色を結ぶと言葉が出てくるという仕掛けでした。赤城神社から白銀公園の前を経て早稲田通りに出てくるというルートです。赤城と白銀というところから、色を使った問題を考えついたのかな、などと想像しました。
 この問題は非常に簡単で、「のりつぎ」という答えがすぐに出てきました。
 2問めは、そのまま早稲田通りを神楽坂上に向かって歩いてゆき、その歩道に設置された街灯の形に従って、与えられたルールで文字盤上の文字を拾うと文章が出てくるというものでした。難しいわけではないのですが、私はひとつ見落としたらしく、神楽坂上の交差点に着いたとき、まだ文章が完結していませんでした。マダムのほうが先に正解していたようです。私が歩道を戻ってもういちど街灯をチェックしているあいだに、マダムは交差点に面した店で肉まんを買い求めていました。有名な店なのだそうです。
 正しく拾うと、「この謎の答えはすらいど」という文章が出てきます。そのとおり、「すらいど」が2問めの答えでした。
 神楽坂駅に戻っても良かったのですが、天気も良かったので、そのまま神楽坂を下り、飯田橋まで行きました。マダムは通っているフランス語の学校の関係でこのあたりをよく知っており、あの店でよく食事をするとか、この店にこんど入ってみたいとか、さんざん語りながら歩いていました。

 三越前という駅は、特に半蔵門線のほうは、本来の橋としての日本橋に非常に近く、名前のついた日本橋駅よりもずっと便利です。設問も、日本橋にからむものでした。日本橋のあたりに立てられている説明版などから2~4桁の数字を拾い、その数字を用いたナンバースケルトンというパズルを解き、指定されたマスに入った数字を指示に従って文字に変換すると、ふたつの言葉が出てくるという仕掛けでした。
 ナンバースケルトン(ナンスケ)は、愛読していたパズル雑誌「パズル通信ニコリ」の常連パズルでしたので、私はほとんど一瞬で……というのは大げさですが数分とかからずに解いてしまいました。このパズルのコツは、個数の少ない桁から入れてゆくことで、この問題の場合だと2桁の数字がひとつしかないのでまずそこから手をつけてゆきます。
 詳細は省きますが、とにかく「ひきかえ」「あさやけ」のふたつのキーワードが出てきました。これでキーワードが4つ揃いましたので、回答欄に記入すると、その4つのキーワードから拾うべき文字が示されています。順に拾ってゆくと、「かいさつのどあひらけ」という文章が出てきました。
 考えるまでもなく、この「かいさつ」というのは、謎解きキットの中にあった「改札口の絵が描かれた紙」に違いありません。改札口の扉の間に切れ目があって、そこからはがせるようになっています。「どあひらけ」というのはここをはがすことを指しているわけです。はがしてみると、その中には「表紙の背景をバッグと同じにして、矢印の先へ向かえ」という指示文が記されていました。
 これは多少時間を要しそうな問題なので、近くにあったコレド室町のビルの中に入り、エスカレーター脇の2ベンチに坐って取り組みました。マダムはそろそろ昼食にしたそうな様子でしたが、さっき神楽坂で大きな肉まんを食べたばかりですし、タイミング的にももう少し謎解きを進めてからにしたかったので、それは却下です。
 「表紙」というのはガイドブックの表紙でしょう。そこには東京メトロの、どこかの分岐点の写真がデザインされています。この写真が今回のテーマのようで、特設サイトのタイトル画面やバナーにも使われています。もちろんファイルバッグにも印刷されています。「バッグ」はむろんこのファイルバッグのことでしょう。
 よく見ると、バッグのほうは分岐路の向こうに電車が写っていますが、ガイドブックの表紙には電車の姿がありません。つまり、どこかでその電車を見つけて重ねれば良いわけです。私はしばらくガイドブックとファイルバッグだけ見較べて唸っていましたが、やがて、24時間パスも同じような意匠であったことを思い出し、取り出してみると、確かに同じ分岐点の写真であり、しかも電車が写り込んでいます。写真の中のレールが一致するように表紙に重ねてみると、ビンゴでした。パスを自動改札に入れる向きを表す矢印が、表紙の上のほうに薄く印刷された路線図の中の、日比谷駅をはっきりと指し示していたのです。次の目的駅は日比谷なのでした。

 三越前から半蔵門線でひと駅戻り、大手町千代田線に乗り換えて日比谷へ向かいます。ここからが3rd Missionです。
 またガイドブックの袋とじを開けると、日比谷駅周辺の案内と次の問題が書かれています。どのように歩けば良いかの指示があり、それに従うと、日比谷ミッドタウンの地下を通って日比谷シャンテのほうに抜ける道筋になっていました。この連絡通路の壁面に、いろんな人の手形のレリーフが飾られており、それが謎のネタになっていました。
 この日は祝日でしたので、地下謎挑戦者もたくさん繰り出しています。いくつもある開始駅にある1st Mission、6駅にばらける2nd Missionは、それでもそんなに密集してはいませんでしたが、この日比谷駅からはみんな同じルートになるので、この手形のところでは大混雑になっていました。一般の人々の通行にも差し支えるほどで、何人もの警備員が繰り出し、
 「地下謎参加者の皆さんは、通路に立ち止まらないでくださ~い。(手形の)写真を撮って、広いところにすぐ移動してくださ~い」
 と叫び続けていました。地下謎参加者は、そろそろ社会問題になりつつあるようです。
 手形はほとんどが右手で、その中に混じっている左手の手形を探すのが手順なので、実はそんなに手間はかかりません。ただ、レリーフになっていると右手と左手がちょっと混乱してしまいがちなのと、ひとつだけ若干頭を使わなければならない「手形」があったので、その辺にたまってしまったようです。
 頭を使わなければならない、というのは、レリーフのいちばん端のところに、「ドラえもん」の手形があり、それには「両手」が描かれていたためです。左手のあるレリーフを探すのであって、左手だけのレリーフとは書いていないため、これも数えなければならないのでした。
 左手の手形を見つけたら、ガイドブックに記された、レリーフと同じ配列になっている文字列から、左手のところだけを抜き出せば良いわけです。「赤よメ」と、ごく短い文字が拾えました。
 文字列の文字は、いろんな色で彩色されています。その中から赤色の文字を読むと、「かたかなよメ」
 文字列の中からカタカナを拾ってみると、「ピンクノミギドナリヲヨメ」
 ピンクの文字の右隣を拾ってみると、「赤と青の傘作りSからGへいけ」
 この先は少し時間がかかりそうだったので、日比谷シャンテの地下にあるインド料理屋に入って昼食をとりながら考えました。
 この問題ページには、問題文と文字列の他、黄色・紫・赤・青の丸や、太陽と月のピクトグラムが描かれています。なお四色の丸には切れ込みが入っています。「傘」というのは前回の地下謎でも使われており、どうやらこの赤と青の丸の切れ込みに何かを差し込むことで傘の形を作ることになるようです。
 謎解きキットをあれこれひっくり返してみると、迷路の書かれた紙の四隅に、同じ四色の傘の柄の絵が描かれていました。
 赤と青の丸の切れ込みに、赤と青の傘の柄のところを差し込んでみると、ページに書かれたSからGまでを結ぶ迷路が成立しました。ルートに書かれている文字を拾うと、「紫と黄色の傘作りもう一度エスからジーに行け」
 今度は紫と黄色の丸の切れ込みに同じ色の傘の柄を差し込んでみました。やはりSとGを結ぶ迷路が成立しましたが、このSとGはさっきのとは違う場所でした。文字列の中に含まれている文字です。
 また迷路のルートに書かれている文字を拾うと、こんどは「ハットとり外せ」となりました。
 謎解きキットの中の封筒のフラップのところに、地下謎の固定キャラクターである車掌さんの絵が描いてあり、フラップを開けるとちょうど帽子が外れるようになっていました。中には紙が入っていて、いろんな形のフキダシに囲まれたいろんな文章が、いろんな向きに印刷されています。その中で、白い文字を読んで指示に従うようにとのことでした。まず日比谷駅に戻って、千代田線の4番線の電車に乗ります。紙に書かれているいくつかの点線のうち指示されたもの(①と附記された点線)を折り、そのときにひとつだけ出来上がる一周つながったフキダシの中の文章に従え、というのがその指示です。
 日比谷線の4番線は、北千住方面の乗り場になっています。その電車に乗り、次に停まった駅で開いた扉がどちら側かによって、次に折る点線が決まります。日比谷の次は二重橋前で、ここは島式プラットフォームですから進行右側の扉が開きます。その場合は③の点線を折ることになります。するとまたフキダシに囲まれた文章が出てきます。
 その次の駅で下り、半蔵門線の渋谷方面行きに乗り換えろとのことでした。なんだか、次の駅とは大手町ですから、さっき来た道を逆に辿っているようです。
 渋谷方面は7番線です。7番線だった場合、いままで折ってきたのを全部もとに戻せという指示になっていました。そうするとまたフキダシに囲まれた文章があります。再び、次に停まった駅で開いた扉の方向を問われます。次の駅は神保町で、この駅も島式プラットフォームですから、右側が開きます。再び①の点線が折られます。
 そのまた次に停まった駅での扉の方向も問われます。九段下は相対式で、左が開きます。その場合はこんどは④の点線を折ることになります。
 さらに次に停まった駅で、右側の扉が開けばその次の駅で、左側が開けば次の次の駅で下りよとの指示です。半蔵門駅は島式ですので、次で下りれば良いわけです。つまり、下りる駅は永田町です。

 ここからが4th Missionとなります。またガイドブックの袋とじを開けます。永田町駅周辺の案内と、次の問題が出てきます。
 指示されたとおりに歩くと、東京ガーデンテラス紀尾井町の上のほうに着きます。ここはイベントのスポンサーでもあるので、どこかでからんでくるのではないかと思いました。
 花壇がいくつもある庭園です。ここで、いくつか連続した謎を解くことになります。ガイドブックの問題ページには、さまざまな設問と、その答えになる可能性のあるさまざまな文字や数字が印刷されています。ここで、ファイルバッグの下げ紐が必要になります。下げ紐の片方には、いくつかの矢印が書かれているのですが、その中の赤と青の矢印を、設問の答えになる数字や文字に当てると、あいだにある緑の矢印が次の問題を指し示すという仕掛けになっています。
 途中経過は省略しますが、最終的に、建物の中にあるコーナーに辿り着きます。ここに、ぱっと見るとホワイトノイズ状態になっているモニターが設置されているのですが、最初に使った電車カードの、偏光板を貼った大きな窓を通してモニターを見ると、迷路が浮かび上がります。
 当然ながら、モニターの前にはわんさかプレイヤーが集まっていて、落ち着いてモニターをチェックしている余裕もありません。ここにも警備員が何人も出動していました。
 「はい、そこに立ち止まらないでください。カードの窓を通してスマホで撮影すれば写りますから、広いところに移動して解いてください」
 と繰り返し怒鳴っています。スマホを持っていない私の立場が無い感じです。
 モニターのまわりには、地下謎のクリアとは直接関係ないらしい小パズルがいくつも掲示されていて、それなりに面白そうでしたが、それらをじっくり解くこともできませんでした。立ち止まると、たちまち警備員の怒号が響くのです。
 私のガラケーでも、撮影はできますが、画面が小さすぎて迷路が判別できません。ここはマダムのスマホに頼るしかありませんでした。
 迷路のSからGへとつながるルートでまた文字を拾います。すると、電車カードの向きを90度回転させてもういちど謎を解くという指示が現れます。具体的な文章は、マダムのスマホの画面でちらりと見ただけなので記憶にありません。
 縦横の向きを変えると、さすが偏光板で、違う迷路が浮かび上がりました。こんどは「ますかっとの間」という文章が拾えます。マダムが画面をあまりじっくりとは見せてくれなかったので、私にはよくわかりませんでしたが、最初の向きで見た迷路にマスカットの絵が描かれていたようです。だから、つごう3回、偏光板を通してモニターを見る必要があったわけで、それは混雑することだろうと納得しました。
 ともあれ、ふたつのマスカットの絵にはさまれた文字を読むと、「赤の雲ひらけ」となります。さっきまで折り紙していた紙を見ると赤い雲が確かに印刷されており、その雲のところの折り目を開くと、フキダシに囲まれて「次に行くべき駅は、銀座駅」という文章が現れました。銀座が最後の目的駅となるようです。

 ガイドブックの指示に従うと、南北線の電車に乗り、溜池山王銀座線に乗り換えることになっていました。そして、銀座線で銀座に行くまでの車中で「ボーナストレジャーチャレンジ」というのができるようになっていました。扉の上のモニターにいろんな情報が映し出されるようになっているのですが、それらを素早く見て取って、10問の四択問題を解くというものです。一瞬しか出てこない情報、あるいは運が悪いとその区間ではいちども出てこない情報などもあるようで、まあ一種の運試しみたいなものなのでした。地下謎のクリアには関係ありません。正解と思われる欄を鉛筆で塗りつぶすと、○か×が浮かび上がるようになっています。○の数に応じて、いろんな店で使えるクーポンが入手できるというのでした。
 溜池山王から銀座までの3駅間では、とても全部チェックすることは難しいようで、マダムは6問、私は7問くらいしか答えられませんでした。それほど時間が差し迫ってはいないので、マダムはもういちど溜池山王まで戻って全問チェックすることを主張しました。若干ズルをしたようなものですが、まあクリアとは関係ないので良しとしましょう。

 銀座駅でのFinal Missionは、数寄屋橋公園での謎解きでした。公園には数多くの地下謎挑戦者がたむろしていました。そこにある、ちょっと太陽の塔に似た感じのオブジェをカギにして文字迷路を解けば答えが出てきます。これ自体はごくごく簡単な問題でした。「とちゅうげしゃ」という言葉が出てきて、これを特設サイトに送れば、最終問題が提示されます。
 陽が暮れる直前でした。ここまでのペースは、まあまあ良い感じだったと思います。いままでプレイした3回は、いずれもとっぷり陽が暮れたあとにFinal Missionをクリアしたものでした。

 さっきのボーナストレジャーチャレンジで入手したクーポンが使える店が近くにあったので、そこに入ってひと休みすると共に、最終問題にチャレンジしてみることにしました。ドトールとかヴェローチェとかのセルフサービスカフェとは一線を画した、いかにも昔ながらの「銀座のカフェ」といった喫茶店で、しかも嬉しいことにフリーwi-fiが入っていました。つまり、私のwi-fiタブレットが使用可能なので、マダムのスマホを見せて貰わなくとも最終問題を見ることができるのです。
 さて、その最終問題は、「二人の手でハートを作り、現れた指示に従え」というものでした。地下謎特有の、何を言っているのだかよくわからない問題文です。しかし地下謎で「作る」というのは、謎解きキットの中身を使ってなんとかしろという意味ですので、すべてのアイテムを並べて頭をひねりました。
 この問題については、マダムのほうが先に答えに辿り着きました。ヒントを見たかどうかは知りません。
 ガイドブックのあるページに、カメラを構えている若者の写真があり、その手がハートマークの片割れみたいな形になっています。そして他のページを見ると、神社の水盤の柄杓を構えている写真があり、その手がもう片方の片割れみたいな形になっています。それで、両方の手がくっつくようにページを折り曲げてみると、そこに「2007年にしてたどりかたかなよんで」という文章が現れていました。
 「2007年にして」というのがまた意味不明な問題文ですが、ガイドブックの中に、副都心線2008年に開通したということが書かれていました。2007年にするというのは、副都心線が開通する前ということになります。何を辿るのかと言えば、1st Missionで使った路線図迷路のようです。ここから副都心線を取り除いて、もういちど同様に解けという設問なのでした。
 スペードマークのついた駅から北参道と西早稲田を省き、副都心線が無いものとして麹町から落合までのルートを探してみると、こんどは永田町・表参道・市ヶ谷、早稲田、高田馬場の順にスペードマークを辿ることになり、そのルート上にあるカタカナを拾うと、「メトロゴウノナカ」という文が出てきました。
 何度もお世話になった電車カードですが、その「中」ということは、厚紙をはがすことができるようです。かなり糊づけが固くて大変でしたが、なんとかはがしてみると、中には字が書いてあります。「どら焼きの裏にあるものを作り、太陽と月を合わせろ」とのことです。
 どら焼きのカットはガイドブックの、三越前駅の案内ページにありました。その裏というと三越前駅の問題ページですが、そこには手提げバッグのカットがあります。しかしそのバッグをよく見ると、下げ紐の根元に、赤と青の半円があります。
 これはさっきの日比谷での問題の、四色の切れ込みの入った円であろうとピンと来ました。さらによく見ると、バッグの柄は確かにガイドブックのそのページのデザインに似ています。
 ファイルバッグの下げ紐を取り外して、切れ込みに差し込みます。最初、差し込みかたを間違えて、なんのことだかわからなくなってしまったのですが、なんとか訂正できました。日比谷のページを外側にしてバッグ状に工作するわけです。さて、そのページには上に書いたとおり、太陽と月のピクトグラムも描かれています。「太陽と月を合わせ」るというのは、バッグにした状態のガイドブックを「綴じる」ということになります。
 綴じてみると、下げ紐がちょうどぴったりとガイドブックの表紙・裏表紙に貼りついた形になりました。これも上に描いたように、下げ紐には矢印などの記号がいくつも記されています。
 その矢印を見ると、ガイドブックの表紙や裏表紙にたくさんある文字のいくつかを指し示していることがわかります。まず裏表紙から、車掌さんからの注意事項「最後まで注意事項を読むじゃ!」のうち、「最」「後」「の」の3文字。それから重要アテンションである「答えを大声で言うことおやめください」のうち「答」「え」「は」の3文字です。「最後の答えは」……というところで反対側の表紙のほうを見ると、「MYSTERY TRAFFIC」という英文字から「T」「I」「C」の3文字、「TOKYO METRO」という英文字から「K」「E」「T」の3文字が拾えました。
 最後の答えは、「TICKET」だったのでした。タブレットからの入力の調子が悪いのか、送信しても何度か「不正解」と返ってきて、おやおやと思いましたが、これで間違いはありません。
 ここまでやってもまだ19時くらいで、時間に余裕がありましたので、六本木麻布十番に行って『天空ノ鉄道物語』のためのスタンプを捺してから帰ったという話は前に書きました。マダムは大好きな麻布十番の街に行けてご満悦でした。

 さて、数週間を置いて2月5日、2nd Missionで訪れなかった、広尾・築地・清澄白河・湯島の4駅に行ってきました。この日は平日ですし、地下謎挑戦者の姿はそれほど見ませんでしたが、それでもちらほらとは目につきました。今回はプレイヤー総数が35万人を突破したそうですが、なるほどすごいものです。
 やはり王子でメトロの24時間パスを購入し、南北線飯田橋へ、東西線に乗り換えて大手町へ、さらに千代田線日比谷へ。そこからようやく日比谷線に乗り換えて広尾へ行きます。南北線はメトロのほとんどの他路線と接続しているのに、日比谷線と副都心線だけは接続駅がありません。副都心線はそもそも一度も交差していないので仕方がないのですが、日比谷線とは六本木一丁目麻布十番のあいだで(日比谷線側は神谷町六本木のあいだ)交差しているのに、駅が無いのでした。南北線から日比谷線沿線に行くためには、だいぶ乗り換えを重ねなければならないのです。
 広尾の問題は、有栖川宮記念公園の中がネタになっていました。第1問は公園の入り口近くにあるベンチの配列を見て答える問題で、これはそのまま記してしまいますが、

 □□□□○○→のうりつ
 ○□○□□○→うつわ
 ○□○○□□→うわぎ

 のとき、そのベンチの配列ではなんという言葉になるか、というものです。ベンチは確かに、四角いものと丸いものとが混在しており、その配列は

 □○□□○□

 でした。
 実はこの問題、私はその場では解けませんでした。いや、答えが「のりつぎ」になることはわかっているのですが、なぜそうなるのかがさっぱりわからなかったのです。□と○をローマ字で置き換えたり、いくつかの図形をまとめてひらがなに置き換えられないかと試したり、いろいろやってみたのですが、さっぱりわかりません。
 帰宅してからヒントを見て、ようやく理解しました。なんのことはない、いちばん左に□があれば「の」になり、2番目に□があれば「う」になり……という調子で、つまり「のうりつわぎ」という6文字の文字列の中で拾う文字を□で表していただけのことなのでした。それならなるほど、□○□□○□は「のりつぎ」となります。文字数と□の数が一致していることに気づくべきでした。
 有栖川宮記念公園の第2問は、難しくはないもののいささか迷う問題でした。少し高いところにある梅園にある樹のうち、支えのあるものを判別して、ガイドブックに描かれている模式図と照らし合わせるということをするのですが、梅園の中に居ると、模式図をどの向きで見て良いかがよくわからないのです。「すらいど」という答えがわかっていたから判明したものの、これも白紙状態で訪れていたら苦労したのではないかと思います。

 日比谷線に戻って、そのまま築地まで行きます。築地は写真問題で、ガイドブックの問題ページに掲載された写真に写っている看板などを見つけて、写真では隠されている文字を確認し、それをカギにして文字盤から文字を拾うのでした。これは謎としては非常に簡単で、「ひきかえ」「あさやけ」の2語がすぐに出てきました。

 築地からひと駅日比谷線に乗り、人形町で下りて、すぐ近くの水天宮駅から半蔵門線に乗ります。人形町と水天宮は、少し前から乗換駅として扱われるようになりましたが、私は24時間パスを持っているのであまり関係ありません。
 清澄白河駅のパブリックアートは、前に美術館ミステリーラリーのときに眺めたことがあり、懐かしい気がしました。深川江戸資料館に向かう歩道のタイルの柄が第1問のカギで、ガイドブックの問題ページにはそのタイルの柄が散らばっています。それらを順番に線で結んだときに、線で囲われない文字を拾うというのが問題で、もちろんそれが「のりつぎ」となります。
 第2問は深川江戸資料館の小劇場の看板の裏に描かれている消火設備の図がカギで、要するに3×3の魔方陣を作る問題でした。憎し(二九四)と思えば七五三、六一八はいつも十五、というヤツですね。ただこの魔方陣、回転させたり裏返したりしても同じなので、数字の位置を確定するために消火設備の図を利用しているわけです。
 魔方陣の数字にはひらがな1文字ずつが対応させられており、それを拾ってみると「すらいど」となりました。

 半蔵門線にまた乗って、大手町に戻り、再び千代田線に乗り換えます。湯島へ行って最後の高難度問題に挑戦します。
 街歩きそのものはすぐに終わりました。湯島天神銅鳥居のところの説明板がカギで、書かれた説明の中から数字を拾うというだけのことでした。ただしその日はその説明板の真ん前にたこ焼き屋の屋台が出張っていて少々見づらかったのと、そろそろ陽が暮れてきて字が読みにくかったのがやや困りました。説明板の裏側にまわって、お手洗いを指し示す看板を見て、そこに書かれている矢印をガイドブックに書き写すと、もう湯島天神に用はありません。また湯島に滞在する必要も無いのでした。先ほどの数字を、ガイドブックに記載されたパズルボードに記入して、そのパズルを解くわけです。
 何度か失敗してから、これは「パズル通信ニコリ」で言うところの「ヤジリン」と同傾向のパズルだと気がつきました。クロスワードのような黒マスと、ひと続きの環状をなす線とを、同時に置いてゆくというのがヤジリンですが、この問題は線が環状にはなっていないものの、ほぼ似たような解き味のパズルであったのです。そう気づいてみると、わりと簡単に解けました。SからGにつながる一本のルートが判明し、そのルート上で何十何番目に通過するマスに書いてある文字を拾う、というのが最終段階です。白紙状態だと数え間違いが怖いところですが、この場合は「ひきかえ」が答えだとわかっています。
 これが第1問で、第2問は

 →ーしゅうてん
 [ ]ー????

 となっていました。カッコの中には先ほどお手洗いの看板から移した矢印「←」が入ります。つまり、「→」が「しゅうてん」のとき「←」は何かというわけで、これまた難問でした。「あさやけ」という答えはわかっているわけですが、これも、なぜそうなるのかがわかりません。
 ヒントを見てやっと理解しました。第1問で作った迷路の中で、横にストレートに文字が並んでいるところの文字を拾えば良いのです。ルート上で、左から入って右へまっすぐ抜けるところを順に読んでゆくと、なるほど「しゅうてん」となっているのでした。逆に、右から入って左へまっすぐ抜けるところを拾うと、「あさやけ」になっていました。
 どうも、広尾と湯島を選んでいたら、謎解きはなかなか大変だったと思います。けっこう、運も左右するのだなと考えてしまいました。

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