SSブログ

「ソルフェージュ」を考える [いろいろ]

 久々に視唱の教科書というのを見てみました。
 視唱というのは、ソルフェージュという科目の中のひとつです。ソルフェージュというのが何かというと、またいろいろと定義があってややこしいのですが、私が理解しているところで言えば、

 ──楽譜上の音符と実際の音を正確に対応させるためのメソッド

 というようなものです。
 よく勘違いされますが、楽譜というのは音楽そのものではありません。それは戯曲が演劇そのものでないのと同様です。作曲家というのは楽譜を書くことを仕事にしているわけではなく、本来は音楽を作っているわけです。従って本当は少なくとも初演までは、演奏者に付き添って、楽譜に書ききれない意図などをしっかり伝えるべきです。ほんのわずかな息遣いの違いとか、音色の変化などといったことは、楽譜に全部書けるものではありませんし、もし書けたとしても煩雑でわけがわからないものになるでしょう。演奏者によっては、作曲家に脇に立たれていちいち指図されるのを好まない人も居ますが、実のところそういう人は新曲の初演など向いていないと言えるでしょう。
 ともあれ、作曲家というのは思い浮かんだメロディーやコードを譜面に書き起こさなければならないわけですので、当然ソルフェージュの能力が求められます。

続きを読む


nice!(0)  コメント(0)