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「地下謎2018」挑戦記 [日録]

 東京メトロとリアル脱出ゲーム制作会社Scrapとの合同企画、「地下謎への招待状」が今年も開催されています。私たちは3度目になるので、今年はメトロに乗るとき、駅構内の掲示物などに注意していました。すると、先月中旬くらいから、「地下謎への招待状2018」のポスターを見かけるようになりました。
 キャンペーン期間は10月1日1月31日です。11月頃からかと思っていたので、10月はじめから早々にはじまると知って驚きました。
 マダムにそのことを言うと、彼女もそのポスターを見かけており、さっそくプレイ日の相談となりました。少し前に美術館めぐりを組み込んだ東京メトロのイベント「7つの謎解きミステリーラリー」をプレイしたばかりですので、少しあいだを空けても良いかとも思ったのですが、いざスケジュールを繰ってみると、特にマダムのほうに、あんまり一日空けられる日が多くなく、結局イベントが開始して間もない今日、10月8日に決行することに決まったのでした。
 「地下謎への招待状」へは前々回から参加しています。前々回は年明けの1月11日のプレイでした。マダムがポスターを見て、やってみたいと言ってきたのです。特設サイトに掲載されている「練習問題」といういくつかのパズルを解いてみたところ、案外と歯ごたえがあったので、これは面白かろうと参加してみたのでした。もうキャンペーン期間の最後の頃で、下手をすると見逃してしまっていたかもしれません。
 2回目になる前回は、去年の11月23日の勤労感謝の日にプレイしました。その前が1月だったので、おおむねその頃を目安に考えていたところ、いつの間にかキャンペーン期間がはじまっていて、あわてて参加したような格好でした。
 それで今年は早めに気をつけていたところ、ずいぶん早い時期にプレイすることになってしまったわけです。
 その話を書こうと思いますが、例によってネタバレ厳禁なので、あいまいな書きかたしかできません。
 この日誌のアクセス数を見ると、この種の謎解きイベントのことを記したエントリーは、かなりの人に読まれているようで、前後に較べて数値が異様に高いのが常です。イベント参加の感想を読んで、自分もやるかどうか検討したいという人が多いのでしょうが、解答のヒントが欲しくてアクセスする人もけっこう居るかもしれません。そういう人には、お気の毒ながらご期待に添えないことになります。どうかあしからず。

 昨日今日は、何しろイベントがはじまって最初の休日(連休)ということもあり、大にぎわいでした。関連するどこの駅に行っても、そこらじゅうに「地下謎」のガイドブックやファイルケースを携えた人々があふれています。私たちが最初に参加した前々回は、もう期間終了まぎわの平日だったにもかかわらず、最終目的地となる駅の問題コーナーにはかなりの人数が集まっていました。さらに前回は休日でしたから、最終目的地は相当に賑わっていました。今回の人出はその比ではありません。
 特設サイトには企画本部のツイートを反映する日録コーナーがあるのですが、それによると、なんと昨日は13時35分で「謎解きキット」の販売を中止してしまったようでした。このイベントは、類似のものと異なり、専用の「謎解きキット」を購入しないと参加できません。ガイドブックをはじめ、問題シート、封印された封筒、何に使うのかわからない謎の紙きれ、それにメトロの24時間パスなど、いろんなものがファイルケースにセットされています。謎解きにあたっては、それらをフル活用することになります。これは本当にフル活用で、まさかこんなものは使わないだろうと思われるような内容物でも、謎解きには絶対必要になるのでした。
 それが昼過ぎには売り切れてしまったというのだからびっくりです。最初に参加した前々回など、事実上お昼からの行動でしたから、同じ調子であまり出がけにのんびりしていると、キットが買えず参加できないかもしれません。
 あとで判明した話になりますが、それでは今日はどうだったかというと、昨日をさらに上回る事態で、実に12時15分で販売中止となっていました。今回、キットの販売駅は東京・上野・新宿・渋谷・北千住・王子の6箇所でした。この販売駅がスタート地点にもなっています。私たちはその中で最寄りである王子で購入してスタートしたのですが、その王子が最後まで残っていたところで(メトロの路線網の中では外れのほうであるせいか)、渋谷では12時10分に、東京・上野・新宿では11時55分に、そして北千住では驚くべし10時45分に売り切れてしまったというのだから唖然とします。昨日用意したキットが早々に売り切れてしまったことを反省した上での入荷であったはずですから、まったく予想をはるかに超える数のプレイヤーが押しかけたということになります。すごい人気ですね。
 謎解きキットは、決してお安くはありません。メトロの24時間券600円が含まれているとはいえ、1セットで2200円もします。前回までは2160円でしたので、ひとあし早く消費税を上げてしまったかのような値上げですが、そのくらい徴収しても無理はないと思えるほどに仕掛けの手が込んだ造りになっています。
 それでけっこう値が張る上に、複数人で一緒に行動する、いわゆるパーティプレイの場合でも、ひとり1セットを購入することが推奨されています。それもまた当然なのであって、プレイヤーはほぼぶっ通しでガイドブック他の内容物とにらめっこしている必要があり、ときにはそれらを使っていろいろ作業しなければならず、他人と共用などしていると間違いなくケンカになることが予想されるのでした。
 ケンカにならないとしたら、小さい子とそのお母さんといった組み合わせの場合くらいでしょう。ほやほや、熱々の恋人同士であったとしても楽観はできないのであって、何事も起こらない可能性があるとすれば、片方がよほど頭がかわいそうな人で、パズルのたぐいがまったくわからず、ただただパートナーが問題を解いてゆくのを見ているだけで幸せな気分になれる、といったケースに限られそうです。
 うちならマダムと私で合計4400円を要するわけで、これはかなりの金額と言って良いでしょう。それがこう飛ぶように売れてしまうとは、同好の士の多さにうんざりするほどです。

 上に書いたとおり、私たちは王子からスタートしました。いままでスタートしていたのは池袋だったのですが、今回は池袋はキット販売をおこなっていませんでした。それと、銀座もスタート地点から外されました。
 考えてみれば、銀座からスタートするというのはちょっと無理がありそうです。メトロでも最大級のジャンクションだから、一見そこをスタート地点にするのも妥当に思えますが、銀座というのは「メトロしか通っていない駅」であり、そこに到達するためにメトロに乗らなければならず、そうするとせっかくの24時間券がちょっともったいないことになります。それで評判が悪かったのではないかと思います。
 今回、北千住や王子が加えられたのは、郊外の鉄道各線からの結節点を優先させたというところでしょうか。京浜東北線など北から来るお客には王子を使って貰うというもくろみです。北千住は常磐線とか、東武(スカイツリーライン系)、つくばエクスプレスなどからのお客を見込んだのでしょう。北千住が真っ先に売り切れてしまったのは、これらの鉄道からやってくるプレイヤーが予想外に多かったということだと思います。
 池袋が外されたのは不思議な気がしますが、JR、西武、東武(東上線系)の結節点である上に、メトロ自身が3路線も乗り入れさせている大ジャンクションであるため、前回以前のお客の流動も考え合わせて、混雑を避けたというところかもしれません。
 王子の定期券売場に行くと、謎解きキット販売のためのデスクが用意されていました。売場の壁に、スタート問題が掲示されている場所が記された貼り紙がしてありました。
 貼り紙に従い、改札を通ります。24時間券には、最初に改札を通った時刻が刻印されます。私の券には、10:14と記されていました。そこから24時間後、つまり明日の10時14分まで使えるわけです。上記のとおり北千住駅では10時45分に打ち止めとなっていますから、私たちは例年に較べるとかなり早く出てきていたつもりだったのですけれども、けっこう危ういところでした。
 最初の問題で、足を運ぶべきいくつかの駅が示されるのはいつものとおりです。前々回は3つの駅が指定されました。前回は6つの駅となりましたが、そのうち3つ(3組の2択)だけ実際に足を運べば良いことになっていました。今回はやはり6つの駅が出てきましたけれども、実際に足を運ぶのはそのうちふたつ(2組の3択)で良いことになっていました。ただし、それぞれの駅周辺で歩き回るべき範囲は広くなっています。この辺、プレイヤーへのアンケートからのフィードバックなのかもしれません。「地下謎」はメトロを乗り回す他に「街歩き」がひとつのテーマになっていて、東京を再発見する娯しみというようなことを感じる人が多いようです。前回は確かにその「街歩き」テーマが少々物足りない感じでもあって、そこを指摘したプレイヤーが少なくなかったのではないでしょうか。で、歩く範囲を拡げた分、訪ねる駅はひとつ減らしたのでしょう。
 また今回は親切なことに、それぞれの駅での探索に要する標準時間がガイドブックに記されていました。20分程度で済むところから、60分くらいを要するハードな駅まで、いろいろあるようです。プレイに時間差をつけて、プレイヤーが一箇所に集中するのを避けるという思惑もあったと思われます。まあ、それでもSecond Mission以降はほぼ1本道になるので、あとになるほど大量のプレイヤーが一箇所にたむろするということが増えていましたが。
 私たちも、スタート問題で出てきた6駅の中からふたつの駅を選んで、行動開始しました。プレイヤーをばらけさせようとした企画者の意図ははたして当たったのかどうだか、本当にどの駅へ行っても地下謎プレイヤーが目立っていました。

 私たちのペースはかなりのんびりしたものでした。全部合わせて5回ほど下車(乗り換えのための下車は含まず、改札を通ったという意味)しましたが、うち4回、下車した駅の近辺で食事をしたりお茶を飲んだりしていたのです。もちろん若い人たちにはどんどん追い抜かれてゆきます。私などは追い抜かれるとじりじりしてしまうほうですが、マダムは悠然たるもので、
 「途中でカフェとか入るのが愉しみのひとつだし」
 などとうそぶいていました。飲食店に入らなかった唯一の駅でも、マダムは、
 「ちょっと休んで、お茶でも飲みたい」
 と訴えていたのですが、私が
 「さっき食べたばっかりだろ」
 と言って押しとどめたという次第です。
 まあそういうのがマダムの愉しみかたであるらしいので、なるべく希望には沿うようにしています。ゲームを終えて王子に戻ってきたのは22時15分くらいでした。ほぼちょうど12時間かかっています。
 謎解き自体に12時間かかったというわけではありません。今回は珍しく、出先で最終問題まで解いてしまったのですが、その後に入ったカフェで2時間近くねばってから帰途についたみたいなものです。なお、王子に戻ってきたというのは、王子が最終目的地だったという意味ではありません。ゲームの最終目的地から、帰宅するために王子まで戻ったということです。ネタバレではありませんのでご注意下さい。
 そのほかにも、マダムはくたびれてくると歩行速度が急激に遅くなったりします。歩いている途中に気になる店などがあると決まって足を止めます。そんなこんなで、たぶんひたすらに謎解きだけに邁進したら半分以下の時間で済みそうなところを、のんびりゆったりとプレイしているのでした。安からぬ金額を支払って謎解きキットを購入しているので、あまり早く解いてしまってはもったいない、という考えかたもあるでしょう。

 順不同な感じであれこれと書きつづってきました。お読みになってもさっぱりわけがわからないと思います。
 またキャンペーン終了後に解決篇を書くつもりではありますが、今回は4ヶ月ほど先の話となり、はたして私の記憶がそれまで保つかどうか。
 とにかくいつもながらに、既成のオブジェなどを巧みに利用した問題設定などに感心しました。いままであまり無かったタイムトライアル問題などもあって、目先もさまざまに変わっていたようです。一方、問題文の独特の言葉廻しにだいぶ馴れてきて、あまり迷わずに答えを導き出せることも多くなりました。
 「おっ、またおなじみのパターンか」
 とか、
 「そろそろ例のパターンが来るんじゃないか」
 とか、予測する愉しみみたいなものも感じられるようになりました。難易度があまり高くない印象でしたが、当方が馴れてきたというのが大きいのかもしれません。
 そんなわけでなかなか楽しく充実した休日でした。さて、仕事もしなくては。

【後記】このときの(ネタバレ含む)詳細を「解決篇」として書いております。ご興味がおありの向きはどうぞ。

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