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お正月日記 [日録]

 お正月休みも終わりですね。今年は仕事始めの4日が金曜日だったので、有休をとった人も多いことでしょう。私の妹もそうしていました。明日から復帰という人が多いのではないでしょうか。
 この正月休み、私はけっこう忙しく過ごしていました。むしろふだんよりも出歩いていたりするみたいなもので、骨休めができた気分ではありません。
 1日(火)は、例年のとおり6時半ころに起きて初日の出を拝みに行きました。毎年のように書いていますが、うちの近くの新荒川大橋のあたりで、荒川がほぼ東西方向に流れていますので、川下側に日の出を拝むことができます。結婚してから、数回を除いてほぼ毎年拝みに行っていますが、だんだん絶景ポイントが知れ渡ってきたようで、年々人が多くなってきました。今年など、10分前くらいではもはや割り込む隙もほとんど無いほどの混雑ぶりです。こんなに混雑するのでは、来年はもうやめようかと思うほどでした。他に同じくらいに見えるポイントがあれば良いのですが。
 初日の出を拝むと、すぐに川口神社に向かいます。私たちは自転車に乗っているので、きわめてスピーディに移動していますが、実は新荒川大橋で初日の出を拝んでから川口神社に初詣でという人は相当に多く、私たちが参拝してからうしろを向くと、驚くほど参拝者の列が長くなっているのでした。普通に歩くと10分ほどかかる距離なので、ある程度ばらけながら続々と到着するわけです。
 神社から戻ってから朝食です。まだ7時台なので、ふだんより早い朝食になります。あんまり休みらしくありません。
 年末にマダムが腰を痛めたこともあって、今年は特に正月料理のたぐいは作っていません。既製品の黒豆とか昆布巻きなどだけ買ってきました。それから、朝食の支度になってからマダムがおそろしく手抜きな栗きんとんを作りました。手抜きなわりには舌触りも悪くなく、案外おいしくできていました。
 雑煮も極度に手抜きです。例年、マダムがブイヤベース雑煮なるハイカラな雑煮を作るのですが、これも省略し、私が手抜き雑煮を作成しました。前の晩の年越しそばを茹でたそば湯に、そばつゆの残りを混ぜ、鶏のスペアリブと長ネギを放り込んでできあがりです。
 朝食後、少し寝の足りなさを補うべくちょっと仮眠をとりました。眼が醒めると正午近かったので、郵便受けを見に行ったら年賀状が届いていました。年賀状を見て、出していなかった人には返事を書きます。私はいつも年賀状作りがギリギリになってしまうし、今回から年賀ハガキが値上がりしたので、出す人を少ししぼったのでしたが、こちらから出す人をしぼっても、向こうから来た人には返事を出さざるを得ませんので、結局トータルでは同じようなことになり、元旦が忙しくなるだけのことなのでした。
 14時頃に家を出て、私の実家に挨拶に行きます。以前は元日の晩は1泊していましたが、最近は食事を済ませると帰るようにしています。いつも混雑している渋谷駅周辺も、元日の晩は閑散としています。

 2日(水)はこの休み中唯一、何も予定が入っておらず、家の周辺で過ごしました。年末、年賀状を刷っているうちに、プリンターのインクが何色か枯渇し、あとで追加印刷した分の発色が悪くなっていたので、近所のショッピングモールまで買い物には出ました。マダムが同行し、行きつけの300円ショップで福袋を買っていましたが、中身はあんまり欲しい物ではなかった模様です。
 マダムが「年明けうどん」を食べたいと言い出したので、モールのフードコートでかき揚げうどんを食べました。年越しそばに対応するものなのだそうですが、またこんなバカなことを誰が弘めたのやら。業者主導の変な年中行事の発明は、いい加減にして貰いたいものです。

 3日(木)は午前中からマダムの実家に向かいます。マダムの兄一家、それから義母の弟妹なども集まっていつも賑やかな新年会となります。あと数年して、マダムの上の甥っ子が中学生にでもなれば、ぐっと静かになりそうでもありますが。
 こちらも最近は日帰りで、夕食を済ませてから帰宅します。マダムと私の実家を訪ねるについては、この形に落ち着くまでしばらく試行錯誤しましたが、結局どちらも日帰りにしたほうが楽だということがわかったのでした。私たちも楽ですし、たぶん双方の両親も楽なのではないかと思います。

 4日(金)は私の両親および妹と一緒に、日帰りバスツアーに出かけました。いままで何度かやっています。今回は最初、東京ドイツ村のイルミネーションを見物するというプランだったのですが、最少催行人数割れで中止となり、流れたかと思ったら、妹が即座に代替プランを見つけてきました。東京ドイツ村ではなく、ぐんまフラワーパークを訪ねるというもので、その他の食事やイベントの内容はほとんど同じようなものでした。
 隣の栃木県にあるあしかがフラワーパークが世界的に有名になったので目立たないのですが、ぐんまフラワーパークというのもあり、しかも私たちが毎年お詣りしているマダムの父方のお墓がある亀泉霊園からさほど遠くないらしいのです。お墓参りのときは上毛電鉄心臓血管センターという駅で下車していますが、そこからもう少し電車に乗ってゆくと大胡(おおご)という駅があります。上毛電鉄の中間駅としてはいちばん大きな駅なのではないかと思います。その大胡駅の北方、少し山間部に入ったあたりにぐんまフラワーパークがあります。
 両毛線藤田駅から歩いて15分程度、いまは至近にあしかがフラワーパーク駅もできたあしかがに較べると、鉄道駅からの便はあまり良くなく、明暗を分けてしまったのも無理はないかもしれません。
 しかし夜間のイルミネーションはなかなか見事で、プロジェクションマッピングを利用したイベントなどもおこなわれるようです。
 ここを最後の目的地とし、そこまでは沼田原田農園での昼食、伊香保神社への参詣、同じく伊香保の農場でのイチゴ狩りといった行程が組まれています。
 昼食はカニ尽くしでした。上州の山の中でなにゆえカニ?……との疑問は拭えませんでしたが、丸茹で、カニしゃぶ、焼きガニ、カニすきなどまさにカニ尽くしで、1時間ばかりの昼食休憩時間ではとても全部食べ切れません。私もカニすきは断念しました。しかしマダムが異様に発奮し、すべての料理を時間内に完食していました。ギャル曽根を尊敬しているひととはいえ、わが妻ながら感心します。
 伊香保神社へは、365段の石段を登るようになっています。私は過去2回伊香保温泉に行っているはずなのですが、この石段を全部登ったという記憶がありません。たぶん宿の位置の関係で、全部登る必要が無かったのでしょう。
 少し時間があったので、神社のさらに奥の「飲泉所」というところまで行って温泉を飲んでみましたが、けっこう距離があったわりには大した味でもありませんでした。
 石段の途中に足湯があり、マダムがそこに漬かるのを楽しみにしていました。戻りに立ち寄ってみたらほとんど満員で、マダムはかろうじて割り込ませて貰えましたが、私は傍らに立って待っていました。
 石段登りのおかげで腹ごなしになり、イチゴ狩りではかなり頑張りました。マダムが「齢の数だけ食べよう」などと言っていたので、さすがにそれは無理だろうと思っていたのですけれども、イチゴがわりと小粒であった(かおり野という品種だったそうです)せいもあって、わりと楽に食べられてしまいました。
 なお、イチゴはヘタの側から口に入れたほうが、尖端の甘みの強い部分が、舌の甘みを感じる箇所に当たりやすいためおいしく感じられます。それを知っていたのでそのように食べていたのですが、ただそうすると、ヘタを手に持って噛みちぎるということができず、ヘタはあらかじめ指先でむしらなければなりません。それを何十箇もやっていると、爪の先がえらく痛くなってしまうのでした。
 イチゴ狩りのあと、水沢うどんの売店で買い物タイムとなり、そうこうするうちに夕闇が迫ってきて、ぐんまフラワーパークに移動します。
 一般駐車場には十何台かのクルマが駐まっていましたが、驚いたことに観光バスは私たちの乗った1台しか入っていませんでした。添乗員もびっくりしていたほどです。もっとも、最初に申し込んだプランが中止になったのに加え、実際に参加したほうのプランも定員の半分強という参加人数で(だからバスのふたり掛けの座席をひとりで使えたりして大変楽でした)、この1月4日という日程は、全体的に日帰りバスツアーの利用者が多くなかったのかもしれません。
 ぐんまフラワーパークのイルミネーションはとてもきれいでしたし、プロジェクションマッピングによるイベントも幻想的で美しいものでした。これも青色LEDを発明してくれた赤崎勇氏・天野浩氏・中村修二氏のお三方のおかげです。青色が無ければLEDは赤と緑だけで、せいぜいその中間色である黄色やオレンジがせいぜいであるわけです。白色も作れません。と言うより、白色光を作り出すためにこそ青色LEDの開発が必要だったのですけれども、これによって光の三原色が揃い、どんな色彩のLEDでも作り出せるようになったのでした。これだけのイルミネーションを、すべて豆電球で賄おうとしたら、いったいどれほどの電力が必要になることでしょうか。しかも豆電球は切れやすく、メンテナンスも大変です。
 しかし、園内の色とりどりのイルミネーションよりも、外へ出たときに眼下に広がる前橋市街の夜景のほうが、むしろ見事な印象を受けました。夜景には「生活」が息づいているからなのかもしれません。
 帰り道の関越道で少々渋滞しましたが、それほど遅れずに戻ってきました。

 5日(土)は私もマダムも仕事でした。だから正確には、わが家の正月休みは4日までだったということになります。ただ、ふたりとも仕事が終わってから、寿司を食べに行き、天然温泉「七福の湯」に漬かりました。この「寿司→七福の湯」のコンビネーションは、本来は川口七福神めぐりをしたあとのイベントと決めているのですが、今年はあいにくと、どうしても七福神めぐりの日程がとれなかったので、土曜の仕事のあとに行くことにしたのでした。
 正月に川口七福神めぐりができなかった場合、日をあらためて、他の場所の七福神をめぐるようにしています。一昨年も正月にはできず、少し後で「港七福神」に詣でました。港区の七福神で、六本木とか麻布とか芝公園あたりに点在しています。実はこの港七福神、第八の神様として「宝船」を祀った神社があるので、正しくは八福神です。そのときにはさらに東京タワー大明神にも詣でたので、九福神めぐりということになったのでした。今年も同じようにしたいと思います。前から訪ねてみたかったので、柴又七福神にでも行ってこようかと考えています。

 そして今日、6日(日)は、マダムの希望でマリー・ローランサン美術館に出かけました。実は当初の予定では、今日七福神めぐりをするつもりだったのですが、ホテル・ニューオータニの中にあるローランサン美術館は、この14日で閉館されるそうで、それまでに行けそうな日が今日しかなかったのでした。「音楽とマリー・ローランサン」という企画展をやっていて、この企画展は本来とっくに、去年の9月に終了しているはずだったのが、好評だったのかいままで延長されており、その企画展の終了とともに美術館そのものが閉館されるということだったようです。
 マダムはそのあと恵比寿ガーデンプレイスに映画を見に行く予定も立てていたようですが、私は今朝やたらと早起きをしてしまい、その結果昼近くになるとえらく眠くなり、映画など見に行ったら寝落ちしそうです。それに伝記というかドキュメンタリー映画のたぐいであるようで、あんまり興味が持てない気がしました。それで私は映画には行かずに途中で別れようと言うと、マダムも映画は諦めてしまいました。
 しかしながら四ッ谷駅ビルの中のレストランでゆっくり昼食をとったり、美術館もじっくり観たりすることができ、むしろちょうど良い按配であったのではないかと思います。
 マリー・ローランサンの名は、画家としてよりも詩人として先に知っており、特に堀口大學が訳した有名な「鎮静剤」が印象的でした。「死んだ女よりもっと哀れなのは 忘れられた女です」と結ばれるアレですね。なお堀口はパリ留学中、ローランサンに非常にかわいがられたそうです。
 絵のほうも非常に特徴的というか、ひと目でローランサン作とわかるタッチであるわけですが、若い頃の作品から晩年のものまで集めたこの美術館の展示を見てみると、描かれている女性の顔が、後年になるほど無表情かつ非個性的になってゆくことに気がつきました。若い頃の絵はけっこう表情がはっきりしており、とりわけ2枚の自画像などはなんとも意地悪そうな目つきをしています。しかし亡命時代直前の「読書」という絵あたりを最後にして、人の顔が表情を失ってゆきます。「オシャレな雰囲気だけど、誰だって構わない」という感じの人物像ばかりになってゆきます。人物の記号化と言っても良いでしょう。このあたり、東郷青児などとも共通する気がしました。

 もうひとつ、点景としてときどき動物が描かれますが、正直言って動物の絵は非常に雑というか、まったくスケッチということをしていないように思われます。身近な犬や馬なんかも造型や顔つきがおかしいし、ときにはなんの動物だかさっぱりわからないというようなものも出てきます。要するに動物にはあんまり興味がなかったとおぼしいのでした。
 音楽との関わりといえば、プーランクのバレエ音楽「牝鹿」の美術を担当したのは有名な話です。プーランクから贈られた楽譜がいくつか展示されていました。1ページめに、「わが友マリー・ローランサンへ F.プーランク」と献辞が書かれています。プーランクだけではなく、オネゲルミヨーなど、他の「6人組」の面々ともわりと仲が良かったとのこと。6人組の紅一点ジェルメーヌ・タイユフェールは、ジャン・コクトーから「耳のローランサン」などとも呼ばれていたそうです。6人組の面々はおおむねローランサンよりは5~16歳くらい年下だったわけで、まあ「頼もしいアネゴ」といった感じで見られていたのではないでしょうか。
 しばらくローランサンの絵を堪能してから美術館を出ました。永田町側から出て、メトロ南北線麻布十番まで行って、マダムの好きなフランス発のスーパーマーケット「ビオ・セ・ボン」で買い物をし、次いで彼女がずっと入りたがっていたオスロ・カフェに入ってコーヒーとパンケーキを食しました。私はだいぶ眠くて、マダムがスマホをいじっているのを幸い、ここで何度かうとうとしていました。マダムの最初のプランでは映画を見ている頃であり、やはりそのプランどおりだったら寝落ちが避けられない事態であったようです。
 マダムが恵比寿ガーデンプレイスで映画を観たがったのは、ガーデンプレイスのイルミネーションを見物したかったという理由もあったらしいのですが、そちらへ行けなくなったので、他の著名なイルミネーションを探していました。しかし、たいていは去年のクリスマスあたりで終わっていたようです。
 それなら、いわば「元祖イルミネーション」である東京タワーにもういちど行くかと提案しました。マダムが賛成したので、ぶらぶらと歩いて東京タワーに行きました。前にも思いましたが、スカイツリーよりは東京タワーのほうが、高さではかなわなくとも形ではまさっています。懸垂曲線の美しさは比類がありません。
 今回は上には昇らず、始発のバスで品川駅まで行き、そこから帰りました。だいぶ遅くなりました。
 今日は遊びだったとはいえ、やはり半日出かけているとくたびれます。2日を除いて毎日のように外出していたこの正月休み、リフレッシュするどころかかなり疲労がたまった気配があります。週明けからは来週のファミリー音楽会のリハーサルなども入るし、しっかり休めるのはいつになるでしょうか。

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