SSブログ

「鉄道探偵と10の証拠」解決篇(2) [趣味]

 2月23日プレイした謎解きイベント「鉄道探偵と10の証拠」のリプレイ続きです。
 9時半頃から謎解きをはじめるつもりが、手がかりの設置されたショッピングセンターの開店時刻により30分以上のロスを強いられ、結局10時からはじめた「京王篇」ですが、14時頃にクリアできました。目安の所要時間は「4時間~」ということになっていたので、まあ大体良いペースです。なお鉄道謎解きの場合、実際に電車に乗る必要があるため、そんなに極端に時間を切り詰めることは難しいでしょう。
 京王篇の最終目的地である聖蹟桜ヶ丘駅の近くのパスタ屋で昼食をとり、14時33分の準特急で新宿に戻ります。
 新宿ではルミネ口の改札を出ます。地下2階にある地味な改札口ですが、私はわりと好んで使っています。新線新宿駅の改札にも近いのでした。
 新線新宿へは、本来は改札口を出なくとも移動できます。同じ京王の新宿駅なので、改札内にちゃんと通路が存在します。そして新線はそのまま都営地下鉄新宿線に乗り入れますので、そちらにも無改札で乗り継げます。さらに都営地下鉄大江戸線にも、都営同士なので改札無しで乗ることができます。つまり、京王の準特急で新宿駅に着いた場合、都営新宿線・大江戸線にはそのまま乗り換えられるわけで、実は改札を出る必要はありません。
 しかし、私らはここで都営の一日乗車券を買わなければならなかったので、一旦外へ出たのでした。そのためには百貨店口や中央改札などで出るより、ルミネ口で出たほうが便利だったわけです。

 一日乗車券を購入し、大江戸線の改札から入ります。都営篇でまず訪ねるべき駅は、「中野坂上」「若松河田」「春日」「小川町」の4つで、このうち小川町を除く3駅は大江戸線の駅です。
 新宿発15時17分。19時半くらいまでにクリアできれば、こちらもまあ標準的タイムというところでしょう。
 京王篇と同じく、4つの駅では、次の「謎5」の空欄を埋めるべき文字がそれぞれ部分的に入手できます。こちらの「謎5」の空欄は6つだけでした。中野坂上に立ち寄り、逆向きの電車に乗って今度は都庁前で外回り電車に乗り継ぎ(珍しく同一プラットフォームで乗り継げました)、若松河田と春日で下車してそれぞれ手がかりを貰ったのですが、ここまでで「コウエンのき」という6文字が全部埋まってしまいました。
 残った小川町ではなんの手がかりが得られるのだろうと思いつつ、春日から三田線に乗り、神保町で新宿線に乗り換えました。
 小川町で得られた手がかりは、問題の6文字を並べ替える方法でした。指示に従って並べ替えると、「コウエンのき」は「きンコのウエ」となり、これをイベントサイトに送信することになります。
 都営篇は、3代目鉄道探偵と、助手志望の「金田二耕助」が組んで、夫の浮気を疑う妻からの依頼──夫の素行を調べて貰いたいという案件を追うことになります。「きンコのウエ」とイベントサイトに送信するのは、ストーリーの上では、依頼人に連絡するという形になり、依頼人が自宅の金庫の上を見てみた結果が伝えられます。置いてあったチラシの裏に、「←1 ヨルハアソビ」「ユメトネタ 2→」と書いてあったそうな。依頼人はこれこそ浮気の証拠といきり立つのでしたが、これが「謎6」の手がかりとなります。
 「謎6」は、駅の行先表示板みたいな形の盤面に、ヨコ15×タテ5マスの文字盤があり、そこに色とりどりのカタカナが一見ランダムに並んでいます。文字盤の上に、プラットフォームを指すらしき「←1[   ]」と「[   ]2→」という表示があるので、ここにさっきの「ヨルハアソビ」「ユメトネタ」を代入します。どうやら、文字盤から「ヨ」「ル」「ハ」「ア」「ソ」「ビ」という文字を探して、そのひとつ左隣の文字を拾うということであるようです。同じように、「ユ」「メ」「ト」「ネ」「タ」については、ふたつ右のマスにある文字を拾えば良いのでしょう。拾ってみると、

  ミドリスベテ ヌリツブセ

 という指示文が出てきました。
 引き続き、緑のカタカナが入っているマスを塗りつぶしてみます。すると、「13:15」という数字が浮かび上がりました。
 文字盤の下には、「全ての駅と駅の間が5分かかる時、今いる駅を12:45に出て1度乗り換えて上記時刻にたどり着く『方角の駅』へ行け」という指示があります。言わんとすることが少々ややこしいですが、12:45から13:15までは30分、駅間が5分とすると6駅分になります。つまり、いま居る小川町駅から、6区間離れた駅が次の目的地となるわけです。「方角の駅」とは、京王篇であった「方位」と同様、東西南北がついている駅ということでしょう。
 小川町から6区間という駅はいくつもありますが、まず新宿住吉は同じ新宿線ですから、乗り換えが無く、NGです。神保町で三田線に乗り換えた場合、巣鴨芝公園になりますが、方角の文字はついていません。同様に、森下で大江戸線に乗り換えた場合は、蔵前門前仲町となり、これも条件に適いません。
 馬喰横山浅草線に乗り換えるとどうでしょうか。浅草線のほうは東日本橋という駅名ですが、同一駅と見なされており、改札を出ずに乗り換えられます。これだと本所吾妻橋東銀座になり、東銀座が目的の駅とわかりました。

 馬喰横山から東日本橋への乗り換えは、駅名が違うだけあってけっこう距離があります。去年の謎解きでもこの乗り換えがあって、うんざりしたものでした。またかよ、と苦笑します。しかも、東日本橋駅というのは最初期の地下鉄駅のスタイルをとっており、プラットフォームごとに改札口がつけられているのでした。馬喰横山側から入れるのは北行のプラットフォームで、東銀座に行くには南行に乗らなければなりません。で、南行のプラットフォームに行くには、地下道の階段を昇り降りしなければならないのでした。浅草線は都営地下鉄の中でもいちばん古株だけあって、駅の設備なども古いものが多いのでした。バリアフリー化も遅れており、この連絡地下道にはエスカレーターやエレベーターはついていません。
 階段を昇って、息を切らしながら南行プラットフォームの改札を通ります。するとなんとしたことか、先にくる電車はエアポート快特だったのでした。浅草線は京急、京成、北総などの電車が次々と乗り入れてくる路線ですが、路線内を通過運転するのはエアポート快特だけです。これは東銀座に停まらないので乗るわけにはゆきません。こちらがエアポート快特に乗りたいときにはなかなか行き当らないのに、こういうときに限ってやってくるのだから参ります。
 エアポート快特を見送り、次に来た電車に乗りました。東銀座からの「謎7」は、都営篇でたいてい1回は採り入れられている「街歩き」問題でした。地上に出て、しばし街中をさまよいます。時刻は17時20分くらい、2月下旬の陽が暮れるまでにはもう少し時間があります。
 「謎7」の盤面は、道順を記したメモ紙という体裁です。短い文と、それらをつなぐ矢印が書かれています。上のほうに「START」があり、「今いる場所から[   ]の方へ向かい 長い通路突き当たりまで行け」と書き込まれています。東銀座駅の手がかりステッカーでは、このブランクに入る言葉が明かされていました。「5・6出口」がそれです。
 指示どおり通路の先の5・6出口のところへ行くと、次に「左[≡]へ進む」との指示があります。この[≡]というのは、実際には白黒の縞模様のような図柄で、左を見ると地上への階段がありましたので、この場合は階段を示していると思われます。
 階段を昇ってみると、晴海通りに出ました。「進行方向まっすぐの横断歩道を渡る」→「公園を左手に見ながら進む」→「右に曲がる横断歩道を渡る」→「そのまままっすぐ進む」→「10歩進んだら赤い矢印作る」と、指示どおりに歩くと、晴海通りを横切って首都高都心環状線に沿う道に入るようです。ここで矢印は途切れていました。
 盤面には、一見関係の無さそうな赤いマークがいくつか散らばっています。よく見ると、ハートマークを半分にしたような図柄、クラブマークを半分にしたような図柄、ダイヤマークを半分にしたような図柄があり、さらに横棒が1本記されていました。ダイヤマークの左半分と横棒で、「赤い矢印」が作れそうです。
 風が強くて折り紙がしにくそうだったので、手近なビルのエントランスに侵入してそこで作業をおこないました。赤い矢印を作るようにページを折ると、盤面が変化し、いままで従ってきた指示についている矢印がすべて逆転しました。つまり今度は、「そのまままっすぐ進む」→「右に曲がる横断歩道を渡る」→「公園を左手に見ながら進む」→「進行方向まっすぐの横断歩道を渡る」→「左[≡]へ進む」という道順になったのでした。タカラッシュ!社の謎ときには、こういう、同じ指示を何度も活用するというタイプのものがよくあり、ほとほと感心します。去年の謎解きでも、大江戸線から浅草線に蔵前で乗り換える(地上を200メートルほど歩かなければなりません)ときの指示書きを、そっくりひっくり返したものが、なんと三田線の芝公園から大江戸線の赤羽橋まで移動する道順になっていてびっくりしたことがあります。
 さて、逆向きの指示に従って歩くと、今度は新橋演舞場のかたわらに出ました。[≡]という図柄は、今度は階段ではなく横断歩道を示していたのでした。
 今回は「左[≡]へ進む」から、もうひとつ矢印が出ています。もともとの盤面では「ダイヤによってはかえることも可能」と書かれていた箇所なのですが、赤い矢印を作るためにページを折った状態で見ると、一部が隠れて、「ダイヤにかえる」と読めました。こんどはダイヤマークを作るようにページを折ります。
 すると、また別の矢印が出現します。使っている文は同じなのですが、こんどは「そのまままっすぐ進む」→「左[≡]へ進む」→「進行方向まっすぐの横断歩道を渡る」→「そのまままっすぐ進む」などなど、順序がややこしく入れ替わります。もうだいぶ暗くなってきて、冊子を見るのもしんどくなってきました。
 しばらく右往左往しながら歩いていると、ついに駅に到着しました。東銀座駅ではありません。大江戸線の築地市場駅です。わずかなフラグメントを組み合わせることで、東銀座駅から築地市場駅までの道を誘導していたのでした。今回も、都営篇街歩きは、見事な出来であったと思いました。

 歩いているうちに、すっかり陽が落ちました。築地市場駅では、「謎8」の手がかりが得られました。それはたったひとつの言葉「星の下」です。
 「謎8」の盤面は、上のほうに「[   ]ひろえ」→「次は[]読め」→「次は[][][]読め」という指示があり、その下に4×4マスの文字盤が置かれています。最初の[   ]に「星の下」が入ります。
 文字盤のマスには、カタカナが1文字ずつと、いろんなマークが記されています。星のマークはひとつだけあって、その「下」の文字は「キ」でした。
 次に向かう駅名を割り出すはずなので、1文字だけしか出てこないことに、私は首を傾げました。太陽のマークもあったので、太陽も星のうちかと思ってその下を拾ってみても、「ゴ」にしかなりません。キとゴを組み合わせても、駅名が出てくるようではありません。
 私が考え込んでいると、ここではマダムが先に謎を解きました。もっとも、イベントサイトでヒントを見たようですが。
 星の下の「キ」は、木のマークのことで、木のマークのマスを読むと「ヨ」「ス」「ミ」が出てきます。さらに文字盤の「四隅」を見ると、「シ」「ラ」「カ」「ワ」の文字が。なんのことはない、清澄白河駅です。

 大江戸線で4駅、清澄白河に到着します。清澄白河は東京メトロのイベントである「地下謎への招待状」、それからミュージアムめぐりの謎解きでもわりにしょっちゅう訪れることになる駅です。
 この駅で得られた「謎9」の手がかりは、単純に文中のブランクを埋める言葉を示されたのみでした。

  [フタ]ツノ[パイプ]モヤシ[ツ]キノ[シタヨ]ミス[スメ]ヨ

 [  ]で囲った部分が、冊子の問題文でブランクになっており、清澄白河駅で得られた言葉です。
 ふたつのパイプ燃やし、月の下読み進めよ……ということでしょう。「パイプ燃やし」というのは、そのページの欄外カットにパイプの絵がふたつ、煙の絵がふたつあるので、それが接するようにページを折れ、ということに違いありません。
 しかし、この折り紙は立ったままではできなさそうです。どこかに坐りたいものですが、清澄白河の駅構内にはベンチのようなものがありませんでした。プラットフォームに戻ればベンチがあると思いますが、マダムは
 「この辺はよく知ってるし、オシャレなカフェなんかもたくさんあるから、外に出よう」
 と主張しました。現代美術館などが近いので、マダムはときどき来ているのでした。
 もっとも、すでに晩という時間帯になっており、しかも休日であり、なおかつ緊急事態宣言下でもあります。マダムの言う「オシャレなカフェ」とやらが本当にあるにしても、ほとんどの店舗は閉まっています。
 それでもマダムはしばらくそのあたりを歩き回りましたが、結局めぼしいカフェは見つからず、ファミリーマートのイートインコーナーに腰を落ち着けざるを得ませんでした。
 ページを折ってみると、その折り目の近くに月のマークがふたつ。それぞれまったく異なる謎の盤面にあったので、片方には気づいても、もう一方に気づけない人が多いかもしれません。
 右ページの月マークの下には、「ジカンヲ」という文字。左ページのそれには「サキ」という文字。これだけではわけがわかりません。実は「ジカンヲ」という文字のさらに下に、かなりバラバラに見えるのですが、いちおう垂直な位置取りで「2」「9」「1」「分」という数字と文字があるのがわかります。同様に、「サキ」の下には、さっきの「謎9」の問題文のラストの「ススメヨ」がつながっていました。

 時間を291分先進めよ。

 というのが「謎9」の真の指示だったのでした。
 291分と言えば4時間51分。そして、進めるべき「時間」は何かというと、これまでの謎解きの中で時間が出てきたのは、「謎6」でマスを塗りつぶして出てきた「13:15」しかありません。
 13時15分から4時間51分進めると、18時06分です。「謎9」にはもうひとつ指示があり、「最後に残った文字を左上から横に読め」とのこと。
 「謎6」の文字盤を、「18:06」に見えるように追加で塗りつぶします。そしてこれまで塗られていない文字を読んでゆきます。

  ツギノエキデモウヒトツニノリカエキクノホウコウヘヒガシマデイケ

 「次の駅で、もうひとつに乗り変え、『菊』の方向へ、『東』まで行け」と解読できます。
 清澄白河の次の駅は、築地市場から乗ってきたのですから、森下となります。「もうひとつ」というのは森下で接続している新宿線のこと、「菊」「東」は駅名の最初の文字です。「菊川」のほうへ向かい、「東大島」まで行け、というのでした。
 京王篇で、聖蹟桜ヶ丘まで使ったのに感心しましたが、この東大島というのも、いままでには無いほど都営地下鉄を深くまで使っています。今回、それぞれの路線を、かなり遠くまで使ったということが、いちばん印象的でした。
 新宿線は大島を出ると地上へ出て、高架線を走ります。東大島駅は高架になった最初の駅です。19時半近くなり、一緒に下りた人はあんまり居ませんでした。
 最後の手がかりステッカーは改札のすぐ外にあり、これまで追っていた依頼人の夫の呟きが残っていました。

  妻に指輪を渡すのは あそこにしよう
  チラシはどこに置いたかな~
  確か、裏に手がかりを書いてしまった

 裏に手がかりを書いてしまったチラシというのは、謎5で「金庫の上」というキーワードを依頼人に伝えたときに発見されたものに違いありません。そのときの依頼人の言葉をもういちど確認すると、そのチラシは都庁の展望台のものだったことが判明。夫の不審な行動は、浮気ではなく、内緒で妻にプレゼントする指輪を用意していたためだったのでした。めでたしめでたし。
 「都庁の展望台」という言葉を送信すると、都営篇のクリアキーワード「二人のすれ違い」をゲットしました。そして、京王篇のクリアキーワードである「二人の思い出」と共に再度送信すると、「合同捜査編」がはじまります。実のところ、ここまでは助手志望のワルキュール・ポアロ氏や金田二耕助氏は、居ても居なくても良いような感じで、初代鉄道探偵や3代目鉄道探偵に、微妙な絡みをするばかりでした。彼らが活躍するのはこのあとなのです。
 しかし、「合同捜査編」はネットの上だけで進められるので、ひとまず帰宅することにします。東大島駅前で何か軽く夕食をとりたかったのですが、すでに20時近くで、緊急事態宣言下にあっては飲食店はもう閉まっています。やむなく、そのまま帰ることにしました。しかし地下鉄でそのまま戻るのもつまらないので、都営バスを乗り継いで日暮里まで行き、そこからJRで帰りました。都営の一日券は、地下鉄だけでなく都バスや都電、日暮里・舎人ライナーまで乗ることができます。
 都営篇もおおむね4時間くらいでクリアできたことになるでしょうか。清澄白河でオシャレカフェを探してうろうろしなければもう少し早かったかもしれません。だいたい良い線でした。

 帰宅してから「合同捜査編」に取り組みました。タブレットは結局使えませんでしたが、帰宅すればパソコンが使えます。
 ふたつのクリアキーワードと、確認のために途中で送信したキーワード(京王篇「アルバム」、都営篇「キンコノウエ」)を入力すると、合同捜査編がはじまりました。かたや京王、かたや都営で調査を済ませてきた鉄道探偵たちが合流したところで、無札乗車を疑われている女子高生に行き遭い、ポアロと金田二が彼女の冤罪を晴らそうと共闘するのがこの終章でした。
 折り紙は必要ないのですが、見開き3枚中綴じの形になっている冊子の、真ん中の1枚をホチキス針から取り外すという作業が必要になります。そしてその取り外した1枚を逆に折り返して、2枚目と3枚目のあいだ──具体的に言うと9ページと10ページのあいだに差し込むと、ポアロと金田二が同一の事柄について考えたり行動しているイラストが左右に並ぶようになります。これもページ数で言えば、3-8ページではふたりが女子高生の切符を目撃しており、9-6ページではふたりが火災について気を取られており、7-4ページではふたりが電車の遅れを認識しており、5-10ページではふたりが風船を持った人物を認識しています。この4つの場面が、女子高生の抗弁にそれぞれ対応しているのでした。
 しかも、それらのイラストの上か下にある文章が、不思議な効果を発揮しています。もともとページの離れたところにあったストーリーパートであり、相互に関係の無い筋書きであったはずが、隣り合わせて読んでみるとちゃんと意味が通じるようになっていたのです。会話の相手や、彼らの行動の様相が、もとのストーリーとはまったく違った意味合いになりました。
 もともとこのストーリーパート、京王篇・都営篇の謎解きの途中ではほとんど意味を成していないような、言ってみれば蛇足と思われぬでもない文章でしたし、そこに描かれた両人の言動も意味がよくわからなかったのですが、ここへきてにわかに重要性が高まってきました。
 ポアロと金田二は、自分たちが目撃した4つずつの、つまり合計8つの証拠を、女子高生を取り調べている警察官に提示し、彼女の疑いを晴らすことに成功しました。さらに彼女が紛失したと思っていた切符も、あとふたつの証拠を挙げて発見することになります。さっきの8つの証拠と合わせて「10の証拠」というタイトルテーマが、ようやく活きたのでした。
 この最後の証拠は、さすがにストーリー的に偽装するのは難しかったようで、ややメタ的な出題となっています。取り外したページの欄外にある白い指のカットと黒い指のカットを、女子高生が切符を持っているイラストに当てるようにすると、赤い指のカットがストーリーパートの中のいくつかの文字を指さすという仕掛けです。確かにストーリーとして落とし込むのは困難なパズルでした。

  [切符]はカバンの底にある

 という文章が出てきます。そして、指されている文字のところは、他の部分よりも微妙に字間が空いていました。
 これを送信すれば、万事解決です。女子高生の無札乗車の疑いは晴れ、ポアロと金田二はふたりとも助手として採用されることになりました。実はこのふたり、本来の依頼人のことはすっかり忘れていたようですが、その点は初代と3代目の鉄道探偵がしっかり後始末しておいた模様です。
 めでたく探偵助手となったワルキュール・ポアロと金田二耕助、果たして今後の活躍はあるのか? それは次回のお楽しみ……というところで、今回の鉄道探偵シリーズも幕となりました。
 謎解きそのものはさほど難しくないのですが、あちこちの駅を訪ねるのは楽しいですね。また機会があればチャレンジしてみたいと思います。

nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

薬味

行き詰まって中断したまま期間終了してしまったので、モヤッと感が残っていました。こちらのブログで行程をなぞって楽しませていただきました。
ありがとうございました。
by 薬味 (2021-04-29 18:14) 

コンビニ作曲家MIC

#薬味様
コメントありがとうございます。
鉄道探偵シリーズは、このところ時間がかかるようになってしまって、途中で間違えたりするとその日のうちに終えられなくなってしまいますよね。
その場合に、あらためて別の日に続きを……と思っても、微妙に面倒くさくなってしまったりして(^_^;;
リタイアした人は、案外と多いのかも!?
by コンビニ作曲家MIC (2021-04-30 23:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。