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「山手線謎めぐり2023」解決篇(4) [趣味]

 去年の11月23日に鉄道謎解きイベント「FUN! TOKYO! 山手線謎めぐり2023・都市伝説を追いかけて。」をプレイし、さらにその「続編」を、年の瀬も押し詰まる12月30日にプレイしました。その続編のほうの解決篇続きです。
 「スタート謎」を解き、最初の駅恵比寿を訪れて設置された謎を解いた私たちですが、「まとめ謎」を解くにあたって、「必要」と記されていた本編の謎解きキットを忘れてきたことに気がついたのでした。これでは「まとめ謎」を解くことができません。
 本来、「まとめ謎」を解いて出てきたキーワードを謎解きサイトに送信すると、ストーリーが動いて、次に訪れるべき駅が明かされるという手順になっているのですが、実は「次に訪れるべき駅」は、謎設置ポイントを示したマップを見ると一目瞭然で、別にサイトから教えて貰わなくとも構いません。恵比寿の次の駅である品川も、プレイ開始前にわかっていました。
 ということは、キーワードを送信せずとも、先を進めることは可能でしょう。本編のキットが必要なのはおそらく「まとめ謎」だけであり、そこをスルーして謎設置ポイントをめぐれば、この日出てきたことは無駄にならないはずです。
 長いスカイウォークを戻って、恵比寿駅から山手線内回り電車に乗りました。恵比寿滞在時間は1時間12分、マダムがのんびりとお茶をしていたりしたので、やや長めです。
 10分で品川到着。12時34分です。この駅で昼食をとることになりそうです。

●品川駅●
 品川の謎設置ポイントは、いずれも港南口側です。山手線は高輪口側ですので、「日本でいちばん広い駅」である品川駅の長い跨線橋をほぼまるまる歩いて港南口に出ます。ちなみに「日本でいちばん長い駅」は京都駅です。
 1問めは、港南口を出てすぐのところにあるオブジェが題材でした。このオブジェ、確か3シーズン前の「6枚の写真に隠された秘密」でもネタになっていました。マンガで犬がくわえている骨を半分に切り、立てたような形をしています。このオブジェの形が描かれた「手帳」のページを使い、イカリを作ろう……というのが問題でした。「手帳」の該当ページを探すと、ページの端っこに丸い印があり、「ノート」に描かれた図形と組み合わせると碇の形になりそうです。
 合わせてみると、その図形の横にあった、それぞれ3文字ずつタテに並んだ3つのマスの上に、3つの円形が並びました。マスにはところどころ文字が入っています。左のマスには2文字めに「い」、中のマスには3文字めに「い」、右のマスには1文字めに「め」とあり、またいくつかのマスには番号が振ってありました。
 円形のほうは、左のものは赤く塗られて周囲は緑に縁どられています。中のものは緑で周囲は茶色、そして中心に少し小さな円形が描かれています。右の物はオレンジに塗られて周囲は緑。しばらくなんのことやらわからなかったのですが、左の円を眺めているうちに「スイカのようだな」と思い、それでわかりました。それはまさにスイカの断面の模式図だったのです。中はキウイ、右はメロン(夕張メロンですね)でした。
 番号の降られたマスを読むと「かんき」となりました。

 品川駅の港南口側には、「品川インターシティ」というえらく長い建物があります。南端はほとんど北品川駅と並ぶくらいになります。この建物の入口の案内板が2問めの題材でした。

  T → [コウモリの絵]
  T → [猫の絵]
  ■■■■■

 というカギが描かれ、その下に

  KI■■I → ????

 という問いがありました。なお、茶色の5つのマスから問題の中の茶色のマスへ、何本か線が引かれています。
 案内板では、品川インターシティのいくつもの棟が、色分けされて案内されていました。A棟は緑、B棟は青、C棟は紫です。従って、コウモリはBAT、猫はCATということで法則性はわかりました。
 さて茶色ですが、これは「S&R棟」だそうです。ショップ&レストランであるようです。しかし5文字にはならないので、少々頭をひねりました。
 ここはマダムのほうが先に考えつきました。というかヒントを見たのかもしれませんが。
 「S&R」を「S AND R」と書けば、5文字になります。
 「山手線の駅の中で、アルファベット2文字で書き表せるのはどれ?」というクイズを思い出しました。答えは「神田」。「KANDA」→「K AND A」→「K&A」です。このクイズを私は知っていたのですから、「S AND R」にももう少し早く気づくべきでした。
 線に従って問題のマスに字を埋めると、「KAISAI」となりました。答えは「かいさい」です。

 品川インターシティは、元日には完全休業となるようですが、12月30日にはまだ中を歩くことができました。中のテナントは休業しているところが多かったようですが……3問めと4問めはだいぶ南のほうになるので、建物の中を行けるところまで行き、それから外へ出ました。
 目の前は水処理センターの塀になっていて、どうやら4問めはその塀に掲げられたレリーフが題材になっているようなので、先に解いてしまいました。いくつかの生き物のレリーフになっており、その中で「飛ぶ生き物」を探すのがカギとなります。
 2文字と3文字だそうなので、「せみ」と「とんぼ」とわかりました。ほかのレリーフにあった「くわがた」も飛ぶことはできますが、この場合は4文字になってしまうので対象外です。
 この「せみ」と「とんぼ」、そして「かき」「けいと」「おうかん」のイラストが描かれたグループがひとまとまりとなり、「=」をはさんで、「いと」「おと」「みかん」「かせき」のイラスト、そして「?」とあるグループがひとまとまりになっていました。使っている文字が両方とも同じということなのでしょう。すると、「?」に相当するのこされた文字は「ぼうけん」となります。これが4問めの答えです。

 3問めは、さらに南側にある東八ツ山公園に設置されていました。「公園にある10のやくそくを探し、「 」の言葉を10番で変換しよう」と指示があります。「 」の言葉というのがその下に書かれています。

  「りかとんびばんおさいげりんとおしろび」

 「10のやくそく」は、マップにも書かれていた「赤い看板」のところに記されていました。「1. ぬげにくいくつをはく」「2. マフラーなどひっかかりやすいものはとる」「3. うわぎのまえはあけっぱなしにしない」等々、安全のための「約束」が記されています。その中の「10番」はというと、「とびおりない」とありました。「10番で変換する」というのは「『とびおり』が『無い』」ということでしょうから、上の文字列から「と」「び」「お」「り」を取り除くと、

  「かんばんさいげんしろ」

 という次の指示が出てきます。
 看板は、上のほうに雄鶏のようなオブジェがついています。「ノート」には虫眼鏡みたいな形の図形が記されているのですが、これと「トレーシングペーパー」の一角を重ねると、その雄鶏の形になります。虫眼鏡は、雄鶏の眼と肉髯(にくぜん、あごの下のトサカみたいな垂れた部分)に相当するのでした。
 できた図形の台座にあたるところに、不思議な「分数」が書かれています。

  ④ ○ ③ ①
  ──────
    7

 ふたつめの丸数字はここでは再現できないので文章で説明すると、3という数字を裏返して90度回転させたような形です。最初は「w」という文字かと勘違いしました。
 本物の看板のほうの台座には、「たのしくあそぶ」と記されています。
 これが7文字なので、分母の7はこれでしょう。つまり分子のほうは4文字めとか3文字めとかいう意味です。
 拾ってみると「く○した」となります。そして、③にあたる「し」の字を、裏返して90度回転させると、「つ」になります。「くつした」が答えでした。

 「まとめ謎」は、まず「1から4までの答えを線でつなぎ、囲まれたものを読み3文字で答えよう」という指示文があり、その下にイラストに囲まれた文字が散乱しています。イラストに添えられた点どうしをうまくつなぐと、そのつないだ線でなんらかの意味のある文章が囲まれるというわけでしょう。
 1から4までの答えというと、「かんき」「かいさい」「くつした」「ぼうけん」ですが、イラストの中には靴下はありませんし、ほかの言葉はそもそも絵に描けるのかどうかも定かではありません。
 ただ、サイの絵と貝の絵があったので、なるほどそういうことかとうなづきます。これが「かいさい」というわけです。
 同じように、「かんき」は缶と樹、「ぼうけん」は棒と剣の絵を結びます。「くつした」の靴は良いとして、「した」はどう描いているかと思うと、下向きの矢印が書かれていました。
 それぞれの線を引いたのち、囲まれている部分の文字を読むと、

 ──あおいかぎでもおこなおう

 となりました。まとめ謎のページには赤い鍵の絵も描かれていたのですが、同じように絵を結んで囲まれた文字を読むという作業を、青い鍵の描かれたページでもやれ、ということです。しかし「続編」の謎解きキットにはそんなページは無く、どうやら本編のキットが必要であるようです。本編のキットを忘れてきた私らはこの先は解けませんので、ここもスルーです。
 が、ここでも記述としては、帰宅してから解いた答えを記しておきます。青い鍵は、本編の「ノート」の池袋編の、追加謎のページにありました。品川駅のまとめ謎とまったく同じ絵が描かれており、それぞれを結ぶと「つうか」という文字が囲まれました。これが品川駅のキーワードであり、サイトに送信するとストーリーが進むと共に、次の駅「秋葉原」が示されます。

 すでに14時近くなっており、さすがに私もおなかがすいたので、移動する前に昼食をとることにしました。
 マダムはさっきの品川インターシティの中で食べたいという意向でしたが、12月30日とあっては、もうほとんどの店は営業していません。マダムが狙っていたイタリアンレストランは開いていましたが、この日はもうランチメニューは無くグランドメニューだけで、相当に高くつくことがわかって断念。あとはマクドナルドしか開いていない状態でした。
 外に出ればもう少し開いている店もあったのですけれども、マダムは品川インターシティの中ということにこだわっていて、結局マクドナルドで食べました。
 開いている店を探してあちこちさまよったためもあって、品川を発ったのはもう14時43分となっていました。品川には2時間10分ほど滞在したことになります。

●秋葉原駅●
 18分ほど山手線に乗って、秋葉原に到着します。15時01分着でした。
 秋葉原の謎は2箇所に集約されています。謎1と謎2は秋葉原公園、謎3と謎4は交通博物館跡(旧万世橋駅)です。そのためわりと短時間でクリアできそうです。
 秋葉原公園も、以前に何かの謎解きで立ち寄ったことがあります。「地下謎への招待」だったかな。
 謎1は、公園の看板が題材です。看板は鏡になっており、それに問題面を映せばそれで答えが出るという簡単なものでした。つまり鏡文字の問題であって、注意すれば映さなくともわかります。「モチツキ」でした。

 謎2は、「地図を見ながら謎を解こう」とあります。公園に掲示されている地図を参照しながら解くことになります。
 まず、「ふるさとabcdeの散歩道」と「ノート」にありますが、実際の地図を見ると「ふるさと文化の散歩道」と書かれています。abcdeが文化になるので、a=b、b=u、c=n、d=k、e=aと置き換えることになります。
 その下に、「①○③④⑤⑥ = ????」と設問があります。2番めの丸の中には、「2」を逆さまにした文字が入っています。
 さらに、ピンク枠で10文字分の空欄、紫枠で8文字分の空欄、黄色枠で9文字分の空欄が表示されています。ところどころにアルファベットや丸数字が添えられています。
 この空欄は、地図にある散歩道の名前をローマ字で入れれば良いのでした。ピンク色でルートが示されているのが「北の丸コース」、紫で示されているのが「外濠コース」、黄色が「駿河台コース」だそうなので、それぞれ「kitanomaru」「sotobori」「surugadai」と記入できます。そして確かに、abcdeと添えられたところにはbunkaと入っています。
 で、丸数字のところを読むと、「owarai」となりました。「おわらい」ですね。

 次に交通博物館跡に移動します。「地面に書かれた白い矢印と、歴史を記した看板を探そう」とマップに書いてありました。
 私は交通博物館と言えば旧万世橋駅というイメージが強かったため、万世橋駅のあたりばかり探し回って、いたずらに時間を食ってしまいました。矢印や看板は、かたわらに建てられたJR神田万世橋ビルの入口附近にあったのです。
 矢印にはいくつかのアルファベットが書かれています。OC、AK、AW、OGという2文字ずつでした。これ、「御茶ノ水」「秋葉原」「淡路町」「小川町」という最寄り駅の略なのですが、OCとOG、AKとAWと字面が似ているのでまぎらわしいこと。
 謎3は、このアルファベットを文字列に組み込み、それぞれ「秋」「色」「貝」「道具」を連想させる言葉を作る、というものでした。ほかに使う文字も用意されています。
 「秋」を連想させるのは、「OC」・HI・BA(落ち葉)、
 「色」を連想させるのは、「AK」・A(赤)、
 「貝」を連想させるのは、「AW」・AB・I(あわび)、
 「道具」を連想させるのは、NOK・「OG」・IRI(のこぎり)
 となり、ここで使わなかった文字を組み合わせてできる言葉が答えです。使わなかったのは「MO」「NO」「WA」「SU」「RE」でした。「ものわすれ」が答えですね。

 謎4は、「『新幹線』を作り、『機関車』で変換しよう」という指示です。だんだん題意がモウロウとしてきた観がありますが、JR神田万世橋ビルの入口ちかくに、「歴史を記した看板」があり、そのひとつに新幹線とD51が並んで映っている写真パネルが掲示されていました。
 D51のプレートには、正しくは「D51426」と書かれています。このナンバーがカギと思われます。
 「ノート」の問題面には、新幹線の前面の絵と、いくつかのカタカナが散らばっています。「トレーシングペーパー」で新幹線に「交通博物館」という文字を重ねると、カタカナの上に、数字の振られたジャック・オー・ランタンのイラストがかぶさりました。いや、数字だけでなく、「D」とか「S」とか振られているのもあります。つまり「D51426」の順に、かぶせられたカタカナを読めば良いのでしょう。
 読んでみると、「ハツメイヒン」となりました。

 「まとめ謎」は、まずそれぞれの答え「もちつき」「おわらい」「ものわすれ」「はつめいひん」を用いてスケルトンパズルを埋めます。5文字と6文字がひとつずつしかないので、スケルトンはすぐに埋められます。そして、吸血鬼「私の名前を作ろう」と言っています。これは単純に「きゅうけつき」という言葉を作れば良いわけですが、そのためにはやはり本編の「ノート」が必要になります。  帰宅してから解いてみると、本編の千駄ヶ谷篇にあるスケルトンパズルと組み合わせると、「きゅうけつき」という言葉を作ることができます。このとき、スケルトンのマスが、ふたつの十字架を連ねたような形になります。
 吸血鬼の次なる指示は「二つのシンボルの光る場所を読もう」。これまたつかみづらい題意ですが、秋葉原駅の謎2のところに、マスを連ねたような十字架の絵がふたつ描かれていました。左のほうは短い枝が出ていますが、血しぶきで隠された状態になっています。本編のほうのスケルトンの該当部分に枝が出ているので、それを意味しているのでしょう。
 星のようなマークがついて、光っているらしきマスにあたる文字を拾ってみると、「き」「う」「つ」「ん」となりました。この4文字を組み合わせてできる意味のある言葉は、「つうきん」以外には無さそうです。それで送信してみると、確かに正解でした。ストーリーが進み、次の駅「東京」が示されます。東京と言えば本編の最初に訪れた駅であり、謎解きも最後に元の場所に戻ってきたというわけでしょう。あたかも環状線が元の駅に戻るように。
 秋葉原駅に戻らず、神田駅まで歩いて電車に乗りました。

 さて、私はここでミスをやらかします。謎解き中には「次の駅」は示されていませんが、マップを見れば一目瞭然……と何度も書いてきました。その「一目瞭然」を、思い切り間違ってしまったのです。
 次の駅のマップには、「和田倉噴水公園」「楠木正成像」が記載されていました。珍しくこれだけでは判断がつかなかったので、検索してみたのですが、なんとなく「日比谷公園からつながっている」という印象が残ってしまっていて、駅を「有楽町」と早とちりしてしまったのです。先入観ですね。
 秋葉原から有楽町へ移動して下車してみると、どうも駅前の感じがマップと違います。有楽町の西口側には、マップにあるようなロータリー的なスペースがありません。知っていたはずなのに……とほぞを咬みます。
 和田倉噴水公園をもういちど検索してみて、駅はどうやら東京であったらしいと気がつきました。有楽町駅に戻ることも考えましたが、歩けないこともないと考え、そのまま北上しようとしたら、運の良いことに丸ノ内巡回バス新国際ビルの停留所に停まっていました。東京駅から有楽町駅にかけての山手線西側と、お濠のあいだの文字どおり丸ノ内地区を巡回しているバスで、なんと無料で乗れます。1時間に4本くらいの運行であるようですので、時刻を調べずにちょうど良く乗れるタイミングというのはそれほど多くありません。
 バス好きのマダムも乗りたがったので、迷わず乗り込んで2区間、新丸ビルで下車しました。あとで路線図を確認したら、もっと先の郵船ビルで下りれば、和田倉噴水公園まではさらに近かったことがわかりましたが、咄嗟のことだったのでそこまで調べられませんでした。新丸ビルからでも充分近く、だいぶ歩行時間を短縮できました。何しろすでに17時を過ぎ、空が暮れなずんできつつあったのです。

●東京駅(ふたたび)●
 長年東京近辺に住んでいるのに、皇居のあたりに行ったことがほとんど無く、とりわけ丸ノ内あたりはよく知りませんでした。和田倉噴水公園のことも知らず、その瀟洒なたたずまいに驚きました。ここ数年東京都のボランティアガイドをしているマダムも知らなかったようです。
 和田倉噴水公園に設置された謎は3つ。御製の石碑を題材としたもの、奥側の噴水池にあるオブジェを題材としたもの、そして水路にあるブロックを題材としたものです。ひとところで3問もこなしてしまえるのは楽です。
 御製の石碑は2基あり、片方は上皇陛下の

 ──いにしへの人も守り来し日の本の 森の栄を共に願はむ

 もう片方は今上陛下の

 ──学び舎にひびかふ子らの弾む声 さやけくあれとひたすら望む

 という御製が彫られています。このうち、題材となっているのは上皇陛下の石碑、しかも第一句の「いにしへの」のところだけでした。これが問題面では「①②し③の」と番号による伏字になり、その下に7文字分のマスが置かれて、1・4・6文字めにそれぞれ①②③と書かれています。さらに2文字めには「ろ」とあります。つまり、

  ①ろ□②□③□

 この文字列が「いろはにほへと」であることはすぐにわかります。そしてここから文字を抽出して答えを導くのですが、これも簡単で、「はーと」となります。

 オブジェは真珠貝のような形をしており、横から見ると一部の欠けた環形、視力検査のランドルト管みたいに見えます。2問めは文字拾い迷路で、文字と共にいくつかのマークが通路に置かれているのですが、その中でこのランドルト管のようなマークだけを全部通ってゴールまで進め、というのが問題でした。
 ほかのマークを回避するのは簡単ですが、すべてのランドルト管をとりこぼさずに通るというところが少し厄介です。しかしまあ、そんなに難しい迷路ではありません。拾えた文字は「コマゴメノアイダ」
 つい「駒込の間」と解してしまい、なんのこっちゃと思いたくなりますが、これは品川のまとめ謎と同工異曲です。マークの中に、コマ(独楽)の絵とコメ(米)の絵があり、それを線で結ぶと、あいだの「ハ」「ナ」という文字を通るのでした。「ハナ」が答えです。

 水路のブロックは、「3種類の水に浮かぶ床」などと書かれているのでだいぶ迷いました。「浮かぶ床」の意味がわからず、公園内をほぼ一周してしまったのでした。水路を渡るためにところどころに足場のブロックが置かれているのですが、たいていは1枚のブロックとか、複数あっても整然と敷かれているのに対し、3箇所だけはややジグソーピース的なややこしい置かれかたをしており、それが題材だったのでした。
 問題面では、長方形がいくつかのピースに分かれて、それぞれに文字が書いてあります。実際のブロックは長方形にはなっておらず、いくつか欠けた部分があります。実際に存在するブロックにあたる文字だけ読め、というのが3問めでした。
 ブロックと見較べつつ読んでみると、「ちょき」「かに」「せんたく」となります。この3語に共通するものが答えで、明らかに「はさみ」でしょう。

 楠木正成像があるのは、それこそ日比谷公園に隣接したあたりです。外濠に沿って歩きましたが、けっこうな距離がありました。すでにかなりくたびれていたせいでもあるでしょうが、遠く感じました。
 和田倉噴水公園は、東京駅の北端あたりと並ぶ位置にあります。楠木正成像のほうは東京駅の南端よりも南側になります。地下鉄の駅で言えば大手町から日比谷で、都営三田線ならば1区間ですが、メトロ千代田線だとあいだに二重橋前駅がはさまって2区間になるほどの距離です。
 歩いているうちに陽はとっぷりと暮れ、すっかり夜になりました。楠木正成像のあたりは照明も少なく、ちゃんと謎が解けるか心許ないほどでした。
 設問はシンプルで、「ノート」に楠木正成像を写し取るのが第一段階です。と言っても絵を描く必要は無く、「トレーシングペーパー」を重ねることで作れます。「ノート」の台座の上に、「トレーシングペーパー」の像のシルエットを載せるように置くと、像のまわりにひらがなが囲みます。トレーシングペーパーの像の上には矢印がついており、ひらがなの読みはじめが指示されています。それに従って読んでみると、

 ──ぞうのしたをうえからよめ

 となりました。「像の下」というのは、シルエットで隠れた部分で、そこにもひらがなが書かれています。要するにそれまで読んでいないひらがなを読めば良いので、もう「トレーシングペーパー」は不要です。それにしても、暗いので文字を読むのに難儀しました。

 ──かくえ①てい②③

 これはもう「かくえきていしゃ」しか無いでしょう。そして番号の文字を抽出すると答えになります。「きしゃ」ですね。
 以上で東京駅の謎を解き終わりました。時刻は18時近くです。有楽町駅まで歩いて、駅前のコーヒー店に入り、休憩しました。

 東京駅の「まとめ謎」は、本編のキットが無くても解けるようです。コーヒー店で進めました。
 各謎の答えを空欄に埋めて文章にします。

 ──迷路用紙の「はーと」からスタートし、同じマークをワープして進もう
 ──途中で必ず「はな」と「はさみ」を通り「きしゃ」がゴールだよ

 いままでいちども使わなかった謎解きキットの「迷路用紙」をはじめて取り出します。迷路というより、小さな線路の環がいくつも記されているシートです。環が途中で切れているものもあり、一直線になっているものもあります。線路の途中には至るところにカタカナやマーク、空欄などが散らばっています。
 その中の「ハート」マークがスタートということなので、それを探します。そこから線路を辿ると、「エ」「キ」の文字が拾えたと思ったら星印で途切れます。
 同じマークをワープするという指示がありますので、ほかの星印を探し、再スタートです。こんどは「ノ」「マ」の2文字を拾ってダイヤマークで終点です。
 ダイヤマークは、ほかには「迷路用紙」には見当たりません。ここで進めなくなるのか……と首を傾げましたが、東京駅の謎2、和田倉噴水公園のオブジェの謎のところで用いた文字拾い迷路に、ダイヤマークがあり、ここに飛ぶことになるようです。
 ダイヤマークからは、「ナ」を拾ってクラブマークに達する道と、「ワ」を拾って花のイラストに達する道がありますが、「はな」と「はさみ」を通るという条件があるので、花のほうに進みます。同じ盤面にもうひとつ花があり、そこから進むと「リ」を拾ってハサミのマークとなります。
 ハサミマークももうひとつあるので、そこから「ニ」「ア」を拾って三日月マークに行き、ここでようやく「迷路用紙」に戻ります。
 あとはスムーズに文字拾いとワープを繰り返し、出てきた文は次のようでした。

 ──エキノマワリニアルモノヲドウジニツクレ

 「駅のまわりにあるもの」というのが難しいのですが、これはまだ東京駅の謎の中ですので、「ノート」の章題である「東京駅」と書かれた欄のまわりを見てみます。鉛筆と消しゴム、セロファンテープと糊のチューブが描かれていました。「迷路用紙」を見ると、それぞれの文房具がふたつのピースに分かれて描かれています。紙を折って、これらのピースを元の絵に復元せよということでしょう。
 コーヒー店に居るので、折り紙などはやりやすくなっています。また「迷路用紙」には方眼のような線が引かれていて、その線に沿って折ればきれいに仕上がります。
 4つの文房具を復元するように折ると、線路が大きな環状線になり、それとは別の独立した線路には「エキメイイレロ」というカタカナが並びました。
 環状線の途中に、いくつかの空欄があります。環状線を山手線と見立て、本編と続篇で訪れた駅名を空欄に入れれば良いようです。字数が決まっているので迷うことはありません。上野恵比寿が3文字、東京・池袋・新宿・秋葉原は5文字ですが、4文字の駅は品川しかありませんので、そこを基点として駅名を記入してゆきます。なお千駄ヶ谷は山手線の駅ではないので省かれているようでした。
 空欄のいくつかには薄墨でアルファベットが記されています。これでアルファベットとひらがなを対応させ、「まとめ謎」の後半の穴埋め分を完成させます。

 ──もとにもどし きいろとあかのとれいん れんけつしろ

 「迷路用紙」の折り目をひらいて元に戻してみると、赤い帯の車輛が4つ、黄色い帯の車輛が4つ描かれていることに気がつきます。用紙を折って、ふたつひと組に連結させることは可能であるようです。
 連結させるように折ると、線路が「0869」という数字を描くような形になりました。この数字をカナに変換すれば、4文字のキーワードが出てきそうです。
 数字をカナに変換する方法は、続編の範囲ではふたつありました。「スタート謎」の電話番号ボタン、それから秋葉原の謎4にあったジャック・オー・ランタンです。電話番号ボタンで変換すると「んきぎも」、順序を変えても意味を成しません。ジャック・オー・ランタンで変換すると、「ロセンズ」となり、こちらがキーワードです。
 この先はどこででも解けるそうですが、明らかに本編の謎解きキットが必要になりそうなので、中断して帰宅しました。川口に帰り着いたのは19時50分くらい、出発したときから9時間半ほど経っています。各駅でけっこうのんびりしたとはいえ、だいぶ時間がかかりました。

●終章●
 帰宅して、まず各章のまとめ謎を解いてイベントサイトに送信し、すべてつながったのを確認してから、終章に突入します。
 まず、各駅の謎に関する謎々めいた問題に応えます。全部で11問。KITTEの郵便の像とか、迷路の一部分とか、マス目の一部分とか、あちこちから切り取ったような問題が並んでいます。煩わしいので答えだけ記すと、

 ──1.くま。2.かめ。3.りんご。4.ふとん。5.きゅう。6.きのこ。7.てがみ。8.かえる。9.とけい。10.ひがし。11.あしか。

 さて、「ノート」の最後に載っている7×5マスの図を見ます。見開きに印刷されている大きな図で、マスもそれなりに大きく、その多くには中央にいろいろな絵が描かれています。また、ひらがなも1~3文字くらいずつ散らばっています。
 いちばん下段にスタートがあり、そこから上記の謎々の答えの順に絵をたどります。つまり、スタートから、くま、かめ、りんご……といった順に線でつないでゆくわけです。「きゅう」というのはよくわかりませんでしたが、数字の「9」が描かれていました。
 そうしてスタートに戻るループを作り、線の通過したひらがなを拾います。

 ──とちおらなかったますのもじをりうえごからよむめ

 ちょっと意味が通らないようですが、「通らなかったマスの文字を上から読め」だろうと思われます。余計な文字が入っているのはなんだろうかと首を傾げましたが、ループの線が、「ちりとり」と「消しゴム」の絵の上を通過しているので、「ち」「り」を取り、「ご」「む」を消すということなのでしょう。
 さて、ループの線が通らなかったマスの文字を読んでみると、

 ──おとうさんのすきなもの

 となりました。これはストーリー上のヒロインの父親の好物のことで、どの駅での話であったか、コーヒーが好きだという発言がありました。そこで「コーヒー」を送信します。

 物語が動き、やはりいままで使っていなかったアイテム「封筒」を開くように指示されます。本編のほうの封筒には「父の手紙」が入っていましたが、こちらには「サーチ用紙」「固定用テープ」が入っていました。この「固定用テープ」を使って、なんと本編と続篇のそれぞれの「手帳」をくっつけるという工作をします。
 くっつけた上で、「サーチ用紙」を用いて、手帳の随所に散らばっている文字の中から、特定の文字を抽出します。たとえば、本編・続編に共通して描かれている「犬」に、「サーチ用紙」に描かれている「骨」をくっつけたときに、「サーチ用紙」にある指印が、「手帳」の「メ」という文字を示します。
 同じように「猫の尻尾」に「リボン」をつけたり、「ネズミ」に「チーズ」を与えたり、「カラス」に「金貨」をくわえさせたりして、指印の指す文字を読んでゆきます。結果的に出てくる言葉は「ウンメイ」でした。

 次も工作です。今度は「手帳」のページを斜めに折りこんで、傘のような形を作ります。その上で、黄色い四角形に囲まれた文字を読んでゆきます。別々のページに分割されていた文字が復元されたりするので、やはり工作をしないと答えが出ません。
 黄色い四角形は案外とたくさんありました。スタート地点にある矢印を含めて8つ。出てきた答えは「イシンデンシン」でした。

 次に、「大きな幸運の印を作り、その裏側を読もう」と指示されます。傘の頂点に大きな四葉のクローバーができているので、その裏にあたるところを読みます。いささか読みづらいのですが、「ミラクル」という言葉が見て取れました。

 次が最後になります。

 ──2人の少女が大きな愛に包まれるとき、その上にあらわれる3文字の言葉を導け

 ここも工作が必要ですが、これは少々厄介でした。いままでテープで止めたところを開かなければならない箇所もあったのです。「少女」というのは、「手帳」の中では、本編のほうで「天使」を作った女性像のことでしょう。本編・続編をくっつけているので、「2人」になっているわけです。
 ページをうまく開き、かつうまく折ると、その女性像が大きなハートマークの中に入っているように見えるのでした。そして、前後のページと合わせて、「キズナ」という文字が表出されます。

 これがラストキーワードでした。2日間に渡ったボリューミーな謎解きイベント、「山手線謎めぐり2023・都市伝説を追いかけて。」これにて一件落着です。     

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