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「山手線謎めぐり2023」挑戦記 [日録]

 鉄道謎解きイベント「FUN! TOKYO! 山手線謎めぐり2023・都市伝説を追いかけて。」をプレイしてきました。
 去年の「7つの奇妙な足跡」と同じく、よだかのレコード社の制作です。去年のイベントは、正式には「FUN! TOKYO! 山手線謎めぐり2022・7つの奇妙な足跡」となっていました。「FUN! TOKYO! 山手線謎めぐり」までは、一昨年までおこなわれていたNAZO×NAZO劇団制作のシリーズから共通していますので、去年のイベントの簡易名称としては「7つの奇妙な足跡」を採用したのですが、今年のものは、サブタイトルと言うべき「都市伝説を追いかけて。」の部分がきわめて主張が弱い感じで、あまり印象に残りませんでした。ポスターやチラシに大書されていたのは「山手線謎めぐり」の部分で、実のところ「2023」も控えめに添えられていただけだったのですが、年号をつけないとシリーズのほかの回と区別できないというわけで、「山手線謎めぐり2023」というのを簡易名称とすることにいたします。
 いままで3回のシリーズは、マダムを伴わず私ひとりでプレイしてきたのでしたが、今年はマダムもやりたいと言い出したので一緒に行くことにしました。もっとも、マダムはなかなか忙しく、丸一日をこの手の遊びに費やせることが滅多に無いのでした。
 平日は何かかにか入っています。唯一、まず仕事が入らない火曜日は、趣味のフラダンスのレッスンなどがあり、休めないのだと言います。といって週末もあいていません。週末は私のほうもあいていないことが多くて、最初から選択肢に入りません。
 従って、祝日などを狙うしかないのでした。マダムの定期的な仕事が、祝日には休みになるのです。一方で私はあんまり祝日が関係ないのですけれども、今日(11月23日・勤労感謝の日)は幸い何も入っていませんでした。あとは年末まで都合の合いそうな日がありませんので、この日に決行することに決めました。なおイベントは来年1月21日までで、今日はほぼ会期の真ん中くらいにあたります。

 ただ、ひとつ問題がありました。マダムが仕事の関係で、ある動画の生配信を視聴しなければならず、それがこの23日の13時30分~15時という時間帯なのでした。アーカイブで見ることも可能なのですが、なるべくリアルタイムで見ることを推奨されていたようです。
 つまり、謎解きの最中、その時間帯は、どこかwi-fiの入る店に陣取って動画を見るということになります。
 最近は陽が短くなって、17時にもなるともうすっかり暗いので、動画を見たあとは2時間程度しか探索できないと見たほうが良さそうです。13時30分までにどこまで進められるかということになります。
 そのあたりを勘案して、家を8時くらいには出ようと思っていたのですが、あろうことか私が眼を醒ましたら、すでに8時を過ぎていました。木曜日は一般ゴミを出す日で、その取りまとめもしなければなりません。焦って作業していたら、マダムはさらに30分くらい遅れて起きてきました。
 結局、家を出たのは9時過ぎになっていました。仕事ではないのでふたりとも目覚ましをかけていなかったのが敗因だったのですが、このところ私は目覚ましが無くとも7時過ぎにはたいてい眼が覚めていたので、油断しました。昨夜あるコンサートを聴きに行っていて、帰りがかなり遅くなったのに、帰宅してから食事をしたりしていたせいかもしれません。
 赤羽で一旦電車を下りて、都区内パスを購入します。去年は都区内パスでプレイしていたら、最後は横浜まで行かされてひどい目に遭いましたが、たぶん大量のクレームが行っていたに違いありません。去年は鉄道150周年だったので、日本最初の鉄道の起点と終点であった新橋と横浜を入れておきたかったのだとおぼしいのですが、山手線イベントであるのになぜ横浜、とツッコミたくなったプレイヤーが多かったことでしょう。
 だから今年はたぶんそんなことは無かろうと予測しました。そして実際、今回は山手線内の駅ですべて終わるようにできていた(この程度の情報はネタバレにはなりますまい)ため、都区内パスが最後まで役立ちました。

 さて、今回は5つの駅をまわることになっています。それぞれの駅名は、例によってゲームブックに添えられたマップを見れば一目瞭然なのですが、いちおう表向きは伏せられているので、ここには記しません。ただ、かなり主要駅が多かったということは申し上げておきます。
 駅を出て、かなり広範囲を歩くところもあり、次に乗ったのは下りた駅ではなくその隣の駅、なんてこともありました。去年も、飯田橋で下りて謎を解いてゆくと、最終的にその界隈の謎を解き終えたら水道橋のほうが近かった、ということがあり、そのたぐいの事例と思ってください。今回はもっとあからさまに隣駅が近かったりしました。山手線の駅間距離は狭いとはいえ、徒歩だとそれなりの時間がかかります。その意味ではけっこうボリュームもありました。
 会期中ちょうど真ん中あたりの祝日とあって、プレイヤーはどこへ行っても大量に見かけました。この謎解き、解いてゆく順番が一意的に決まっていて、訪れる駅もストーリーの流れできっちりと順序があります。つまりほぼ一本道なイベントですので、プレイヤーが分散するということが無いのでした。
 このあたり、よだかのレコード社はまだ鉄道謎解きイベントに不慣れとも言えます。scrapにしろタカラッシュ!にしろNAZO×NAZO劇団にしろ、プレイヤーの集中を避けるためにいろいろ策を講じています。後半には流れが絞られてくるにせよ、少なくとも前半は、どういう順序でどの駅を訪れても良いというような形になっていて、同時にはじめたプレイヤーでも適度にばらける仕掛けです。タカラッシュ!社の「鉄道探偵」シリーズなどは、都営篇京王篇に完全に分かれていて、最終的に両篇を統合するパートは帰宅後、という組み立てになっていますが、これもはじめのころは分離が不充分で、終盤で訪れるべき駅にプレイヤーがあふれてしまうという苦い経験を経てのことでした。まあ、多少あふれても構わないように主要駅を使った、というところかもしれませんが、次回はもう少し構成を考えてみてはいかがかと思います。
 あるところで謎解きをしていたとき、
 「皆さん、いったい何をしてるんですか?」
 と見知らぬ青年から声をかけられました。そう訊きたくなるほどに、同じ小冊子を構えて頭を抱えている人が、あたりにたくさん居たというわけです。
 「いや、山手線の謎解きイベントなんですよ」
 と、マダムとふたりでいろいろ説明したところ、
 「ほぉ~、そんなのがあるんですねえ。勉強になりました」
 といくぶん大げさな反応がありました。そのあと、近くに居た女の子に
 「鉄道のイベントなんだってさ」
 などと報告に行っていたようですので、最初は女の子のほうが不思議に思ったのかもしれません。ともあれ、いままでいろんな鉄道謎解きをしてきましたが、そんな質問を受けたのははじめてだったので、つい苦笑してしまいました。

 動画を見るまでに3駅ぶんくらいの謎解きを済ませたいと思っていたのですけれども、出足が遅れてしまったこと、マダムが歩きながらけっこういろんなところにひっかかりがちであったこと、そしてあるところで「長谷川一夫」の名を見て、作曲家にそういうのが居たはずだ、わりに有名な日本歌曲か何かの楽譜にクレジットされているのを見たことがある、などと言い張ってあれこれ検索しはじめたりして時間を食い、2駅を済ませて3駅めに移動したところまでで時間切れとなりました。
 ちなみに長谷川一夫といえば私は俳優しか知らず、検索しても俳優しか出て来ず、もし歌曲の楽譜にクレジットされていたとすれば作詞のほうではないか、と言ったのですが、マダムは聞き入れません。なお長谷川良夫という作曲家は実在して、東京藝大の作曲科で3年生の最優秀提出作品に対して与えられる賞が、彼を記念した「長谷川賞」です。私は残念ながら長谷川賞は獲れず、次点の「安宅賞」でした。安宅賞のほうは各科の優秀者に与えられるもので、ほかの科であれば首席になるのですが、作曲科だけは長谷川賞が上位になっているのでした。その長谷川良夫の間違いではないか、とマダムに訊ねましたが、この人は器楽曲が本領で、あまりめぼしい歌曲などは作っていません。マダムもそれとは違うという様子でした。その歌曲とやらのタイトルも憶えていないようなので、結局どういう勘違いだったのかも判明せずに終わってしまいました。あとで考え直してみたいと思います。
 長谷川一夫にこだわっていたせいでさらに時間を費やしてしまったわけです。3駅めに着いてからも、少しは時間があったので、いくつかの謎は解きに行けそうだったのですけれども、何しろ人出が多く、wi-fiが入る店で充電もできる席に坐れるかどうかわからないとマダムが不安がり、動画配信のはじまる30分近く前に、とあるカフェに腰を落ち着けてしまいました。1時間半どころではなく、2時間近く停滞したのでした。

 ようやく動画が終わり、謎解きを再開しましたが、暗くなったら苦労するだろう、という問題もけっこうあって、危ないところでした。4駅めに着いた頃には陽が暮れてきて、その駅界隈の謎解き途中ですっかり暗くなりました。パブリックアートや既成の看板などを用いたカギを見つけるのも厄介になりましたし、それ以上にゲームブックにいろいろ書き込んだりするのがえらく大変で、多数のプレイヤーが少ない灯りのところに群がっている状態でした。

 5駅めまで解いたあと、もしかしたらもうひとつくらいどこかに移動させられるかもしれない、と思っていましたが、それはありませんでした。5駅めの謎のカギを全部拾ってきてから、駅の改札近くのベーカリーカフェに陣取って最終問題まで解きました。最後のほうはいささかヒントに頼ってしまったところもあります。帰宅後なら落ち着いて融けたかもしれませんが、ベーカリーカフェの混雑した店内では、やはり充分に集中できなかった気がします。
 家を出てから帰宅までは約13時間ほど、最初の駅に下り立ってから最後の駅を発つまでは11時間ほどかかりました。差の2時間には、移動時間のほか、帰りがけに夕食を食べに寄った店の分も含まれています。また、11時間の中には動画視聴でカフェに滞在した約2時間が含まれるので、謎解きタイムは9時間というところでしょうか。所要時間目安は「5時間~」と書いてあったので、今回はややのんびりしてしまったようです。長谷川一夫のせいでもあります。
 しかし、一日遊んできて、マダムもかなりリフレッシュできたようでしたので、良かったと思います。
 詳細は、また解決篇を書こうと思います。また、今回のイベントには「おまけ謎」「続編」もあります。「おまけ謎」は指定されたいくつかの飲食店を利用すると遊べるようで、これは全部できるかどうかわかりません。ただ、今回用いた謎解きキットのうち、使っていない部分がいくつかあるので、そこを使うことになるのだとすればプレイしてみたいようにも思えます。
 「続編」はそれとはまったく違い、あらたに「続編キット」なるものを購入しなければならず、ストーリー的には続いているのでしょうがイベントとしては別物であるようです。こちらはぜひ、プレイ日を設けたいと考えています。

【後記】解決篇をアップしました。(2024.1.21.)

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