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「連弾」を考える [いろいろ]

 「連弾」というのは、1台の鍵盤楽器を複数の奏者が演奏することを言います。まあ鍵盤楽器特有の演奏形態と考えて良いでしょう。マリンバなどの大型の鍵盤打楽器を連弾するということも無いではありませんが、鍵盤打楽器も広義の鍵盤楽器に含めることができます。ともかく弦楽器や管楽器ではまず考えられない形です。
 鍵盤楽器の中でも、オルガンを連弾するということはあまり見受けられません。ハープシコードなども滅多にやらないでしょう。ピアノのための曲が質量共に抜きん出て多くなっています。
 ピアノという楽器がたいへん幅広で、ふたりの人間が容易に並んで向かえるというのが大きな要因となっていると思います。演奏のレッスンをする際にも、ピアノであればたいていは生徒と先生が1台の楽器の前に並ぶ形になります。その形からして、生徒と先生が一緒に弾くことのできる曲、いわば教育用の曲が書かれるようになるのも自然な流れであったでしょう。
 私も連弾ピアノのためには、ずいぶんいろいろ書きました。大多数は編曲ですが、オリジナル作品としても、『La Valse de Mariage(婚礼のワルツ)』というのがあり、また他の楽器とのアンサンブルの中で連弾ピアノを用いるものとして『Fanfale Souka』『うたでの出会い』があります。二重唱曲『静かに訪れて』を、6手連弾を含むアンサンブルに編曲したこともあります。いろんな演奏会で、複数のピアニストが出演するということは案外多く、1曲くらい一緒に演奏するものがあっても良いという話の流れになって、連弾の曲、あるいは連弾アレンジを依頼してくることが少なくないわけです。こういう場合は教育用の曲と違って、それぞれの奏者がそれなりに弾ける人たちですので、かなり豪華なサウンドを作ることができます。

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