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『引っ越し大名!』を観る [いろいろ]

 昨日の朝に観に行こうと思っていて、結局マダムにつきあうことにしたために行けなかった映画を、今日観てくることにしました。取り立てて映画好きというわけでもなく、むしろ滅多に行かない私が、2日続けて映画鑑賞というのはずいぶん珍しいこともあるものです。
 で、私が観たかった映画というのは、『引っ越し大名!』でした。
 しばらく前に他の映画を観に行ったときに予告篇を見て、なんとなく面白そうだと思ったのですが、その後書店で原作本を見つけたのでした。そのときはかなり時間があったのに、持ってきた本を早々に読み終えてしまって、手持ちぶさたをかこっていたもので、ついその原作本を買ってしまったのです。
 原作本のほうは『引っ越し大名三千里』というタイトルで、作者の土橋章宏という人は馴染みがなかったのですが、前に映画化された『超高速! 参勤交代』のタイトルには聞き憶えがありました。なるほどその種のポップな感じの時代小説を得意とする作家であるようです。
 引っ越し大名と呼ばれたのは直基流越前松平氏前橋松平氏)2代目の松平直矩のことです。播州姫路越後村上、また姫路、豊後日田出羽山形、そして奥州白河と、53年の生涯のうち5回も転封を繰り返した不運な人でした。家督を継ぐ前にも2回引っ越していますので、全部で7回です。土橋氏に先んじては、杉本苑子氏が彼を扱った本を書いています。
 もともと大名の転封の際には莫大な費用がかかるものですが、直矩の代で5回もそれを繰り返した越前松平家は、一気に借金まみれの大赤字体質に転落しました。もともと国替えというのは、大名家とその領地との心情的な一体感を阻んで、幕府に反抗しないようにとの意図ではじめられた施策と言えますが、それと同時に、参勤交代と同様、大名家を財政的に疲弊させるという意図もあったでしょう。

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